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「地裁が馬鹿な判決を下し、高裁が修正し、最高裁で大凡常識的な線に落ち着く。」って事例は、幾つか思い当たるものが在る。「自衛隊違憲論」なんてのは、その例だろう。それはある意味「三審制の利点」ではあろう。また、最高裁は日本で一か所。高裁は数か所。地裁は無数・・・ではないが、相当に多いし、上級審へ行かない裁判も当然あるから、「地裁が馬鹿な判決を下す機会」が高裁や最高裁より多いのは理の当然ではあろう。
だからと言って「地裁が馬鹿な判決を下しても良い」と言う事では無い。
今回の「高浜原発運転差し止め仮処分」判決も、そんな「地裁の下した馬鹿な判決の一つ」になるであろう事は、賭けてもも良い位だが、そこは気違いのキチガイたる所以で、「脱原発原理主義者」どもは左様には考えない様だ。
ま、脱原発原理主義とは、傍から見れば「脱原発キチガイ」に他ならないのだから、これまた理の当然と言えば、理の当然、なのであるが。
【朝日社説】原発事故から5年 許されぬ安全神話の復活【朝日社説】原発事故から5年 許されぬ安全神話の復活2016年3月10日(木)付【1】原発事故から5年 許されぬ安全神話の復活 できるだけ早く原子力発電に頼らない社会を実現すべきだ。
【2】 東日本大震災と福島第一原発の事故が起きてから、明日で5年になる。私たちは社説で改めて、「原発ゼロ社会」の実現を訴えていく(*1)。
【3】 大津地裁はきのう、関西電力高浜3、4号機(福井県)の運転を差し止める仮処分決定を出した。稼働中の原発を司法が止めるのは初めてのことだ。
【4】 安倍政権は、福島の原発事故の教訓をできる限り生かしたとは到底言えない。原発政策を震災前に押し戻し、再稼働へ突き進もうとしている。
【5】 今回の地裁の判断は、なし崩しの再稼働に対する国民の不安に沿ったものでもある。安倍政権は、原発事故がもたらした社会の変化に真摯(しんし)に向き合い、エネルギー政策の大きな転換へと動くべきである。
■新基準にも疑問
【6】 高浜をめぐっては昨年4月にも福井地裁が再稼働を禁じる仮処分決定を出した。
【7】 約8カ月後に別の裁判長が取り消したとはいえ、原子力規制委員会が「新規制基準に適合している」と判断した原発の安全性が2度にわたり否定された。
【8】 昨年4月の際、原発推進の立場からは「特異な裁判長による特異な判断」との批判もあったが、もはやそんなとらえ方をするわけにはいかない。
【9】 今回の決定は、事故を振り返り、環境破壊は国を超える可能性さえあるとし、「単に発電の効率性をもって、甚大な災禍とひきかえにすべきだとは言い難い」と述べた。
【10】 そのうえで事故原因の究明について関電や規制委の姿勢は不十分と批判。規制委の許可がただちに社会の安心の基礎となるとは考えられないと断じた。
【11】 新たな規制基準を満たしたとしても、それだけで原発の安全性が確保されるわけではない。その司法判断の意味は重い。
【12】 安倍政権は「規制委の判断を尊重して再稼働を進める方針に変わりない」(菅官房長官)としている。だが、事故後の安全規制の仕組み全般について、司法が根源的な疑問を呈した意味をよく考えるべきだ。
■問われる避難計画
【13】 朝日新聞は2011年7月に社説で「原発ゼロ社会」を提言した。当面どうしても必要な原発の稼働は認めるものの、危険度の高い原発や古い原発から閉めて20~30年後をめどにすべて廃炉にするという考えだ。
【14】 実際にはこの5年のうち約2年1カ月は国内の原発がすべて止まっていた。当初心配された深刻な電力不足や経済の大混乱は起きず、「どうしても必要な原発」はさほど多くないことがわかった。再稼働の条件は厳しく設定すべきである。
【15】 原発の即時全面停止や依存度低減といった脱原発を求める世論が高まり、先月の朝日新聞の世論調査でも過半数が再稼働に反対している。
【16】 安倍政権は当初は「原発依存度の低減」を掲げたが、徐々に新たな「安全神話」を思わせる言動が目立っている。
【17】 安倍首相は13年、東京五輪招致で原発の汚染水状況を「アンダーコントロール(管理下にある)」と世界にアピールした。規制委の新基準についても国会で「世界一厳しい」と持ち上げた。だが、今回の地裁決定は、その基準も再稼働の十分条件ではないとの判断を示した。
【18】 さらに避難計画の不備はかねて懸念の的だった。新基準に避難計画は入っておらず、規制委の審査対象になっていない。
【19】 高浜の場合、福井、京都、滋賀の3府県にまたがる約18万人が避難を余儀なくされるが、再稼働前に計画の実効性を確かめる訓練も実施されなかった。
【20】 地裁は「避難計画をも視野に入れた幅広い規制基準をつくる義務が国家にあるのではないか」と投げかけた。政府がただちに答えるべき問いだ。
■国民の重大な関心事
【21】 あれだけの事故でありながら原発を推進してきた人たちの責任は明らかになっていない。
【22】 大津地裁が言う通り、原発事故を経験した国民は事故の影響の範囲について、「圧倒的な広さとその避難に大きな混乱が生じたことを知悉(ちしつ)している」。
【23】 にもかかわらず、政府と電力会社は事故を忘れたかのように再稼働へ足並みをそろえる。
【24】 東京電力が炉心溶融の判定基準を今ごろ「発見」したり、九州電力が川内(せんだい)原発の再稼働前に約束していた免震重要棟の建設を撤回したりと、事業者の反省、安全優先の徹底は怪しい。
【25】 専門家をうまく使い、事故前のように仲間内で決めようとしているのか。疑念が膨らむ。
【26】 原子力政策は難解だが、原発は、人びとの暮らし方、生き方の選択と直結した問題であることを事故は思い起こさせた。
【27】 政権と少数の「原発ムラ」関係者たちが、いくら安全神話を復活させようとしても、事故前に戻ることはできない。原発はすでに大多数の国民の、身近で重大な関心事なのである。<注記>
(*1) 「訴える」ばかりで、偶には「提案」ぐらいして見せろよ。少なくとも「原発ゼロ射界の現実味を検証・検討」ぐらいしないことには、唯の「脱原発キチガイ」としか、言い様が無いぞ。
そりゃ「危険神話」は「安全側」ではあろうが、それでは何もできないぞ。
室内の酸素分子が全て部屋の反対側に行って窒息死してしまう可能性だって、屋外に居る時に隕石が命中して死傷する可能性だって、「ゼロじゃない」のだからな。
【毎日社説】高浜差し止め 政府も重く受け止めよ【1】 東京電力福島第1原発事故から5年の節目を迎えるのを前に、原発に対して高度な安全性を求める司法判断が再び示された。
【2】 今年1月と2月に相次いで再稼働した関西電力高浜原発3、4号機(福井県)について、大津地裁が運転差し止めを命じる仮処分決定を出した。決定の効力は直ちに生じるため、関電は運転の停止作業に入る。今後の裁判手続きで決定の取り消しや変更がない限り、再開できない。
【3】 福島の事故後、原発の運転を差し止める仮処分命令は、昨年4月に福井地裁が同じく高浜3、4号機に対して出して以来2例目。運転中の原発停止を命じたのは初めてだ。政府と電力会社は、なし崩し的な再稼働の動きに対する司法からの重い警告と受け止めるべきだ。
【4】 高浜3、4号機は新規制基準に基づく原子力規制委員会の安全審査に合格した。今回の決定は、新基準自体に合理性がないとまでは述べていない。しかし、合格したとしても、それだけで安全性を保証したものとは言えないという考えを示した。
【5】 その背景には福島原発事故の原因究明が不十分との認識がある。規制委がその不十分性を容認しているのであれば「新基準にも不安を覚える」と指摘した。その上で、具体的な疑問に対し、電力会社による明確な説明や証明がなければならないと事実上の立証責任を負わせた。
【6】 さらに決定は、過酷事故の際に、住民の避難計画の策定が再稼働の重要な条件となるという見解も示した。地元自治体ではなく、国が主導して「具体的で可視的な」計画を早急に策定する必要があると述べた。
【7】 現在、避難計画は安全審査の対象外になっている。このため、国に対し、避難計画を含めた幅広い規制基準の策定を求めるとともに、福島原発事故を経験した今、そういう基準策定の「信義則上の義務」は国にあると言い切った。
【8】 事故が起きれば、住民は府県境を越えて広域避難する。計画の実効性を高めるには訓練が必要だが、高浜3、4号機は福井県内での防災訓練を実施しただけで再稼働した。
【9】 毎日新聞は、避難計画の策定や訓練など事故時の対応が再稼働の条件と主張してきた。今回の決定はこうした考えに沿ったものだ。今後の安全審査にも生かしたい。
【10】 規制委は稼働から40年を超す高浜1、2号機についても事実上の合格証をまとめた。だが、より新しい3、4号機が差し止められたことを考えると、関電は1、2号機についても厳しい局面に立たされるだろう。
【11】 福島原発事故の総括をあいまいにしたまま原発回帰を進めようとする政府に再考を求める決定でもある。
何だって三審制があるんだろうねぇ。
所詮は神ならぬ身の人が為す事。誤判断誤判決は在って当然、無ければ不思議。一審制では誤判断誤判決がそのまま確定してしまうからこその三審制。三回やればその間に誤判断・誤判決は修正されるだろう、と言う事であり、実際「修正された」事例は数多あろうに。
一方その頃産経社説は・・・
【産経社説】高浜原発差し止め 常軌を逸した地裁判断だ【1】 またも驚くべき司法の判断である。これでは日本のエネルギー・環境政策が崩壊してしまう。
【2】 関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県)に対し、滋賀県の住民が求めていた運転差し止めの仮処分を大津地裁が認めた。
【3】 高浜3、4号機は福島事故を踏まえて策定された新規制基準に合格して今年、再稼働を果たしたばかりである。
【4】 にもかかわらず、運転を差し止めるということは新規制基準と原子力規制委員会の審査を真っ向から否定したことに他ならない。
【5】 仮処分は即効力を持ち、関電は運転を停止する。司法判断での稼働中の原発停止は前例がない。
【6】 関電は「到底承服できない」として、速やかに不服申し立ての手続きを行う。一日も早く取り消される必要があろう。
【7】 決定の影響は甚大だ。4月からの電力小売り自由化を目前に、関電の供給計画は全面見直しを余儀なくされ、予定された電気料金の値下げも困難になる。近畿圏での企業活動や生活にマイナスの影響が出るのは避けられない。
【8】 原発の安全性をめぐっては、平成4年の最高裁判決で、その適否について、科学的、専門的な知見に基づく行政の合理的判断に委ねるとしている。
【9】 これに対し、今回の決定は、政府の新規制基準による安全性確保が合理的かどうかの説明を関電に求め、「主張および疎明を尽くしていない」と断じた。具体的には耐震性能や津波対策、避難計画などに疑問があると指摘した。
【10】 これが理にかなっているといえるのか。高浜原発の強制停止がもたらす電力不足や電気料金上昇など社会的なリスクの増大にも、目をつむるべきではない
【11】 司法判断の不可解さには前例がある。27年には福井地裁が今回と同じ高浜3、4号機に運転差し止めの決定を下したが、8カ月後に取り消した。大津地裁も26年に高浜3、4号機を含む運転差し止めの仮処分申請を却下している。
【12】 高度に専門的な科学技術の集合体である原子力発電の理工学体系に対し、司法が理解しきったかのごとく判断するのは、大いに疑問である。
【13】 乱訴が続き、基本計画に基づく国のエネルギー政策や温暖化対策が揺らぐ事態を危惧する。原発政策に対する政府の明確な姿勢を今こそ求めたい。
これがまともな判断というものだろう。