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何度か書いている処だが、「プロパガンダは、プロパガンダと承知で情報源とするならば、有効である。」且つ、「中国共産党一党独裁支配下の支那に於ける報道は、須らく中国共産党のプロパガンダ”である。」
況や、人民日報だの新華社通信だのは、押しも押されもしようがない程の”党の口舌”=”中国共産党の宣伝機関”。その人民日報の、それも海外版のコラム(*1)なんてものは、「中国共産党のプロパガンダで無かったら吃驚仰天」すべきものだ。
だが、上記の通り、「プロパガンダと承知で情報源とする」ならば、相応に有効な情報が得られる。
<注記>
(*1) 尚且つ外国語(この場合日本語)に翻訳されたコラム。
【人民日報海外版コラム】釣魚島情勢のエスカレート、日本はいずれ苦い結果を味わう人民網日本語版2016年01月15日13:18
【1】 報道によると、日本の菅義偉内閣官房長官は先日の記者会見で、日本の「領海」に進入する「無害通過」に該当しない外国軍艦に対して「海上警備行動」を行うと述べた。これに先立ち日本メディアは、中国軍艦が釣魚島(日本名・尖閣諸島)周辺海域12カイリ内に進入した場合、日本側は自衛隊の艦船を派遣して中国側に速やかな退去を要求すると報じた。日本側のこうした発言は警戒に値する。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
【2】 第1に、日本側が釣魚島問題を再三騒ぎ立てるのには悪巧みがある。日本政府は、少し前に釣魚島周辺を航行した中国海警局の船舶が初めて「武器」を装備したと主張し、日本が釣魚島問題を再び大げさに騒ぎ立てる原因となった。実際には中国外交部(外務省)報道官が述べたように、中国海警局の船の装備は標準的な配備であり、各国が実際にやっていることと違わない。だが日本の政府とメディアは「中国の武装船が初めて日本領海に進入した」と騒ぎ立てている。日本海上保安庁の大型巡視船は多くが火砲を装備しているが、中国海警局の船舶が同様の装備をする事に対して大騒ぎする。これは故意に世論をミスリードし、「中国脅威論」を囃し立てるものだ。
【3】 第2に、日本は「新安保法案」の釣魚島への適用のためにひそかに地ならしをしている。日本の「自衛隊法」によると、いわゆる「海上警備行動は」自衛隊が人命もしくは財産の保護または治安の維持のために海上で講じる必要な行動だ。「海上警備行動」は防衛大臣が命じ、首相が承認するだけで発動できる。昨年可決された「新安保法案」は「外国の軍艦が日本領海に進入した」「武装漁民が離島に上陸・占領した」など「グレーゾーン事態」に対して、自衛隊による「海上警備行動」の迅速な執行のために、電話で閣議決定を行い、自衛隊に対処措置を命令できるとしている。こうした中、日本高官がいわゆる「海上警備行動」による中国への対処に言及したのは、「新安保法案」を引用したものだ。「新安保法案」が中国を念頭に置いている一面は明々白々だ。
【4】 第3に、日本側が「海上警備行動」を妄言するのは無責任な挑発だ。釣魚島及びその附属島嶼に対する中国の主権には疑いの余地がない。中国はまた、東中国海情勢の緊張のエスカレートを望まず、対話と協議による溝の適切なコントロールと解決を望んでいる。これは原則の堅持であり、柔軟な姿勢でもあり、中日関係の大局維持に基づく善意ある考慮でもある。現在釣魚島海域では中国海警局と日本海上保安庁による事実上の「交差的コントロール」が形成されており、これまでの日本の幻の「一方的コントロール」は打破された。こうした中、日本高官は発言において先に気勢をあげ、先制し、いわゆる「海上警備行動」を大いに語った。まさかこれは釣魚島の事態がエスカレートする前の中国側に対する発砲・警告なのか?こうした発言は中日関係の改善という現在の流れに反するものだ。
【5】 日本側の発言は危険でもある。何が起きようとも、釣魚島の主権問題において中国が妥協することはない。唯一協議できるのは、いかにして釣魚島海域の平和・安定を維持し、東中国海情勢の緊張のエスカレートを回避し、中日関係の改善と発展に向けた環境を整えるかだ。事実がすでに証明しているように、釣魚島問題において日本が挑発しても、中国側が一層揺るぎなく主権を守ることになるだけだ。中国側はすでに繰り返し表明しているように、もめ事を起こさないが、もめ事を恐れもしない。
【6】 われわれは日本側に対して、いかなる挑発または事態をエスカレートさせる行動もしないよう忠告する。さもなくば、全ての結果は自らが負うことになる。(編集NA)「人民網日本語版」2016年1月15日
人民解放海軍の射撃管制レーダの照射を、事後承認しておいて、かね。
それは兎も角、上掲人民日報海外版コラムのタイトルからして、「日本はいずれ苦い経験を味わう」であるから、「尖閣諸島情勢のエスカレートによって、日本はまだ( 直接的には)デメリット(苦い経験)を被ってはいない」と、「中国共産党自身が認めている」と言える。今現在現存のデメリット=苦い経験があるならば、上掲人民日報海外版コラムはそのデメリットを喧伝したであろう事は殆ど疑いの余地が無い。何故と言えば、上掲人民日報海外版コラムは、そのタイトルと本文に縷々記述される通り「尖閣諸島情勢のエスカレートは、日本にとって不利益だ。だからエスカレートさせるな。=中国共産党に従え」と主張しているのだから、「日本にとって今そこにある不利益」があるならば、言及しない訳が無い。
それが「無い」。少なくとも中国共産党が声を大にして喧伝できる「日本にとって今そこにある不利益」が「無い」からこそ、「いずれ苦い経験を味わう」と言うタイトルである。
更には、上掲人民日報海外版コラムのパラグラフ【3】~【4】に述べられている通り、昨年国会を通過した「新安保法案」の「抑止力としての有効性」を読むことができる。
1〉 日本は「新安保法案」の釣魚島への適用のためにひそかに地ならしをしている。
2〉 「新安保法案」が中国を念頭に置いている一面は明々白々だ。
3〉 まさかこれは釣魚島の事態がエスカレートする前の中国側に対する発砲・警告なのか?
…いや、正しく抑止力として当該安保法案は「効果甚大」と、中国共産党自身が認めてくれている訳だ。
4〉 こうした発言は中日関係の改善という現在の流れに反するものだ。
と言う、パラグラフ【4】末尾の「恨み言」も、笑いを誘うほどだな。日中友好なんぞはツール・手段だ。目的は我が国の安全保障=我が国の安泰であり、それは我が国の主権保全を含む。その目的に「新安保法案」は有効有益であると、中国共産党のお墨付きが得られた訳だ。
我が国の安全保障に有益ならば、日中冷戦とて、「取りうる一つの手段」である。「日中関係の改善に反する」なんざぁ、失笑モノの主張と言うべきだろう。否、これこそ正に「負け犬の遠吠え」と言うべきか。
ラス前のパラグラフ【5】は、
5〉日本側の発言は危険でもある。
5〉日本側の発言は危険でもある。
に始まるが、このパラグラフこそ「危険でもある」と評するべきだろう。何故ならば、
6〉何が起きようとも、釣魚島の主権問題において中国が妥協することはない。
の断言が「真実」であり、且つ現在尖閣諸島は我が国の領土である以上、我が国が「領土割譲」に応じない限り「日中開戦は不可避」と言う事でもある。
の断言が「真実」であり、且つ現在尖閣諸島は我が国の領土である以上、我が国が「領土割譲」に応じない限り「日中開戦は不可避」と言う事でもある。
言い換えれば、我が国に「尖閣消灯を領土割譲する可能性が無い」ならば、上掲人民日報海外版コラムは「我が国に対する中国共産党の宣戦布告」と見做せるのである。
無論、上掲人民日報海外版コラムは、中華人民共和国の我が国に対する正式な宣戦布告では無い。「単なるコケオドシ」と言う可能性も(まだ)残していよう。
だが、心せよ、我が国民よ。中国共産党が「尖閣諸島は中国の核心的利益」と言い出したと言う事は「尖閣諸島に対する侵略宣言」に等しいのであり、中国共産党がその「核心的利益」に固執する限り、我が国と中国共産党とは「戦時に準じる緊張状態にある」と言う事だ。
「日中友好」も、日中貿易も、経済関係も、現状の日中関係の背景にはは須らく「戦時に準じる緊張状態」があり、その事実を、上掲人民日報海外版コラムは裏書きしてくれているのである。
これは「緊張状態を煽る」モノでもなければ、「囃し立てる中国脅威論」でもない。上掲人民日報コラム等が裏書きする、「冷厳たる事実」である。
「現状認識は、戦術の第一歩」なのである。