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言うまでも無かろうが、私(ZERO)は「血の赤い日本人」だ。私(ZERO)の血が赤いか青いかは弊ブログを読んでも判らなかろうが、私(ZERO)が押しも押されもしない日本人である事は「自ずから明らか」であろう。
日本人であるから、我が国日本に相応の愛国心も抱いて居れば、日本製品に一定の信頼も置いている。艦艇、船舶、鉄道、自動車、家電製品、製造機械、カメラ、時計など「日本製品が世界一」と断言出来る工業製品も、相当にある。
であるならば、タイトルにもしたような「日本の自動車メーカー、絶望的に欧州勢から後れか」なんて見出しを目にしては、看過もなるまい。
日本の自動車メーカー、絶望的に欧州勢から後れか【1】 先日、米国環境保護庁(EPA)が「フォルクスワーゲン(VW)と、同グループのアウディの一部のディーゼル車が、排ガス規制に関するテストをクリアするために、違法なソフトウエアを組み込んでいた」と発表した。満たすが、実走行時には浄化システムの機能が低下して窒素酸化物(NOx)が基準値の40倍になるという。ちなみに、NOxは光化学スモッグの原因物質であり、微小粒子状物質(PM2.5)も生成される。
【3】 今回、対象となったのはVWの「ゴルフ」「ジェッタ」やアウディの「A3」で、計48万2000台のディーゼル車だ。すべてに違反が見つかると、1台当たり3万7500ドルの罰金が科せられ、最大で180億ドル、日本円で約2兆1600億円という金額になる。
【4】 なぜ、VWはこんな違反を行ったのだろうか。現時点では公式発表がないのでわからないが、ディーゼル車もガソリン車も、排ガス浄化と出力、燃費には密接な関係がある。
【5】 特にディーゼル車はNOxの発生が多く、その浄化が困難だ。一方、排ガスをクリーンにすると出力が減り、燃費が悪化しがちである。VWは、そういった性質を嫌ったのだろうか。
●排ガスをクリーンにするには?
【6】 ディーゼル車の排ガスは黒煙が多く、その元である粒子状物質(PM)も排出量が規制されてきた。浄化のために、巨大な円筒のディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)が装着されている。
【7】 しかし最近、ほとんどのガソリン車で採用されている直噴式のエンジンから、大量のPM2.5が排出されていることが発覚した。ヨーロッパ各国の都市や日本の自動車排出ガス測定局では、国連のPM2.5規制値がほとんどクリアされていない。場合によっては中国の北京市並みの濃度になる。
【8】 今後、ガソリン車はもう一度排ガスの浄化システムから改良しなければならない。後述する三元触媒に加えて、ガソリン車にもDPFならぬGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)を取り付けなければならなくなるかもしれない。
【9】 ディーゼルエンジンは、空気を強く圧縮するので熱効率が高く、燃費に優れている。一方、軽油が高温で燃焼するため、空気中の窒素が酸化してNOxを多く排出してしまう。また、軽油と空気がよく攪拌される前に点火してしまうため、燃え残りの黒煙が多くなり、PMも多くなる。
【10】 この性質は、燃費を向上させるほど悪化する。逆に、NOxやPMを少なくしようとすると、燃費が悪くなるわけだ。ディーゼルエンジンは、燃費はいいものの、環境的には問題が多い。
【11】 そこで、触媒とフィルターで排ガスを浄化するわけだが、ガソリン車のようにHC、CO、NOxの3つを同時に浄化する三元触媒が使えない。三元触媒は、この3つの物質がある一定の割合で混じっていないと働かないが、ディーゼルエンジンの排ガスはこの割合にならないためだ。そのため、HCとCOを浄化する酸化触媒とNOx触媒、さらにDPFが必要になる。
【12】 環境基準を満たしてディーゼル車を走らせるには、実はたいへんな技術が必要であり、コストがかかるのである。しかも、排ガスをクリーンにすると出力が落ち、燃費が悪化する傾向がある。VWは、ディーゼルの排ガス規制が世界一厳しいアメリカで、出力の増大と燃費の向上を狙い、不正ソフトを組み込んだのだろうか。
【13】 ガソリンや軽油、天然ガスをエンジンで燃やすと、健康に有害な炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、NOxがエンジンから排出されるため、排出量が規制されている。かつてはガソリン車よりディーゼル車のほうが規制値が低かったが、現在は同じになっている。
●ヨーロッパの後塵を拝する日本
【14】 さて、プラグインハイブリッド車(PHV)の特徴のひとつは、ディーゼルPHVが皆無に等しいことである。それはなぜか。
【15】 おそらく「ディーゼルはコストがかかること」「ディーゼルでなくても、十分二酸化炭素(CO2)が削減できること」「ディーゼルでなくても、十分な低速トルクが得られること」などが要因だろう。
【16】 ディーゼルと同じようにPHVもコストがかかるため、ディーゼルPHVは高価な自動車になってしまい、価格競争力は低くなる。
【17】 PHVは独特のCO2排出量計算方法もあるが、電気自動車(EV)として長く走行すれば燃費がよく、CO2排出量も少ない。わざわざ、ディーゼルを使う必要はないのだ。
【18】 ディーゼルのよさは低速で力が強く、中速域までは軽快な加速が楽しめることだ。一方、ヨーロッパのPHVに採用されるダウンサイジング・ターボエンジンは、アクセルを踏んだ瞬間の応答が悪く、力が出るまでに時間がかかり、もたもたする。PHVはその部分をモーターの力で補うことができる。出力もトルクもディーゼルより強いので、とても軽快な発進と加速が楽しめる。
【19】 VWの「ゴルフ GTE」も、メルセデス・ベンツの「C350e」も、軽快で力強く加速し、運転していて楽しい。ただし、トヨタ自動車の「プリウスPHV」と本田技研工業の「アコード プラグイン ハイブリッド」は、まだまだである。
【20】 ヨーロッパでは、特に大型のSUV(スポーツ用多目的車)やセダンは、ディーゼルからPHVに大きく舵を切った。一方、日本はようやくディーゼル時代を迎えようとしている中で、そこにPM2.5問題が頭を持ち上げつつある。日本は1歩も2歩も後れを取ってしまったようだ。(文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表)
【問題】「日本の自動車メーカーが、絶望的に欧州勢から後れているとする理由は何か?」
随分使っている手法だが、章題の通り「国語の問題」化してみた。字数制限20字でどうぞ。
――――――――――――--(間)--------------------------
さて、それでは「解答案」と行こうか。
【解答案1】「日本のPHV車は欧州車より加速が鈍いから」
…惜しい。上記で丁度20字だが、最後に「。」を入れると20字を越えてしまう。「PHV」は半角だが、普通「国語の問題」テストでは「手書きで解答」だろうから「半角文字は全角文字の半分」とかは数えまい。
では一工夫して…
【解答案2】「国産PHV車の加速は欧州車より鈍いから。」
…これで20字。殆どパラグラフ【19】に依っているが、3000字近い上掲記事の中で「日本車と欧州車を直接比較している」のはここだけ。後はディーゼル車やPHVディーゼル車、ガソリン車の一般論で、国産車も欧州車も殆ど関係ない。敢えて言えばパラグラフ【12】に「ディーゼル先進国としての欧州車の技術的優位」を読み取れるようにも思うが…
1〉ヨーロッパでは、特に大型のSUV(スポーツ用多目的車)やセダンは、
2〉ディーゼルからPHVに大きく舵を切った。
3〉一方、日本はようやくディーゼル時代を迎えようとしている中で、
4〉そこにPM2.5問題が頭を持ち上げつつある。
5〉日本は1歩も2歩も後れを取ってしまったようだ。
2〉ディーゼルからPHVに大きく舵を切った。
3〉一方、日本はようやくディーゼル時代を迎えようとしている中で、
4〉そこにPM2.5問題が頭を持ち上げつつある。
5〉日本は1歩も2歩も後れを取ってしまったようだ。
ってのが、結論なんだから、恐れ入る。
言うもさらナリだが、PHVならずとも、トヨタのプリウスが「世界初のハイブリット量産車」としてハイブリット車の先鞭をつけたのは、未だ記憶に新しい処。そんな事は「日本EVクラブ代表」たる舘内端氏には「釈迦に説法」も良い所だろう(*1)。「その後のハイブリット車普及で欧州に差を付けられた」と言う主張かも知れないが、それにしては「日本が遅れている」根拠は上記【解答案2】の「PHV車の加速の鈍さ」ぐらい。上記3〉「日本はようやくディーゼル時代を迎えようとしている」と言うのは、全く意味不明なぐらいわからない「現状認識」だ。「日本の大型SUVやセダンが、やっとディーゼル化され始めた」と言う主張だとしても、我が国産SUVのハイブリット車も、最近は次々とラインナップしている・・・
ああ!そういう事かぁ?!上記1〉「特に大型のSUV(スポーツ用多目的車)やセダン」とあるのは、「(欧州車にはあるが、国産車には無い/数少ない程)大型のSUVとセダン」と言う意味か???それならば、上記1〉~3〉は「相応に正しい現状認識」と言えるかも知れない。
だとしても…それは「量産車ラインナップのごく一部」の話でしかない。上掲記事パラグラフ【19】で「VWゴルフGTE(*2)&メルセデス・ベンツC350e」と「プリウスPHV & アコード プラグイン ハイブリッド」を比較して後者を「加速が鈍い」と非難した事も、関係ない。ここで「PHV車の加速」を比較している車種は、「大型SUVやセダン」ではあるまいから。
第一、全て舘内端氏の主張通りだとしても…「日本車は、大型SUVおよびセダンのPHV化で後れを取り、PHV車の加速が鈍い」と言うだけ。上掲記事見出しにある「絶望的な後れ」になぞ、なるものか。
「黒船を見て腰を抜かしてから、僅か70年後に戦艦大和を建造した国にとって、それぐらいの差が何だと言うのだ、」(c)佐藤大輔
<注記>
(*1) まあ、「灯台下暗し」とも言えば、「弘法も筆の誤り」とも言う。アメリカなんざぁ一度も行った事の無い私(ZERO)が「米国在住ンジャーナリスト」に「銃社会米国の現状」について噛みつき、「全く負ける気がしない」事だってあるのだから、「日本EVクラブ代表」なんて肩書きも、判ったものでは無いが。(*2) こいつもVWゴルフなんだが、「違法ソフト問題リコール」を免れているのは、「ディーゼル車では無くPHV車だから」だろうな。
参考
日本EVクラブ http://www.jevc.gr.jp/?cat=17 2013年6月と言うから、随分更新していないようだ
日本EVクラブ http://www.jevc.gr.jp/?cat=17 2013年6月と言うから、随分更新していないようだ
舘内 端(たてうち ただし、1947年 - )は、自動車評論家、レーシングエンジニアである。群馬県出身。日本大学理工学部卒業。日本EVクラブ代表。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
初期の著作は、レース活動にまつわる内容のものだが、1990年代ごろからは、自動車にまつわる環境問題を技術的側面から捉えたものが多い。
初期の著作は、レース活動にまつわる内容のものだが、1990年代ごろからは、自動車にまつわる環境問題を技術的側面から捉えたものが多い。