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【中央日報 コラム】韓国特有の躍動性を取り戻さなければならない
2015年08月07日10時24分
[? 中央日報/中央日報日本語版]

【1】 鴨緑江(アムノッカン)周辺、新義州(シンウィジュ)で作業中の北朝鮮住民たち。北朝鮮は新義州側の鴨緑江周辺に中国観光船を誘致するため接岸工事を開始した。クォン・ヒョクチェ写真専門記者が6月末、中央日報主催の「2015平和オディセイ」に参加した。多様な分野の専門家たちが北朝鮮・中国の境界線に沿って丹東から琿春まで1400キロを移動しながら、韓半島(朝鮮半島)と北東アジアの平和に関する充実した対話をした。ユーラシア大陸から北で見渡した鴨緑江と豆満江(トゥマンガン)、延辺(ヨンピョン)の姿は、分断70年間に相反する道を歩んできた韓国と北朝鮮の差を明確に投影していた。最悪の人権環境で苦しむ北の同胞を思うと胸が詰まり、一日も早くこれを解消しなければならないという強い民族的な使命感を抱いた。

【2】 最近、韓国社会の各分野にわたる停滞の現状は、韓国が「成功の罠」に陥ったのではないかという憂慮の恐れがある。解放70年間、産業化・民主化・情報化の過程を息せき切って駆け上がりながら重なった積弊が一気に噴出する感じだ。韓半島・北東アジア・世界が大きな転換期を迎えている時に、このような状況展開は非常に残念だ。1世紀前、骨身にしみるほど経験したように国際秩序パラダイムが変わる時にまともに対応できなければ国家の命運が揺らぐ。周辺国は素早い対応をしているのに韓国だけがためらっていれば、その代償は深刻だろう。韓国も再び雰囲気をぐっとつかんで私たちならではの躍動性を取り戻さなければならない。

【3】 国内的には、まずすっかり失われた韓国社会の信頼資産を拡充しなければならない。法と常識が支配し、対話と疎通が円滑な社会を作ろうとする痛恨の覚醒が必要だ。中央と地方、大企業と中小企業、保守と進歩、金持ちと貧者の深刻化する両極化現象を克服するために社会統合と共生の文化創出に努力しなければならない。民主主義を威嚇する中産層の減少、若い世代の喪失感、政界の人気主義と問題解決能力の低下などに至急対処しなければならない。

【4】 特に成長動力を失っていく経済の活力を取り戻すために知識と創造力に土台を置いた21世紀型の産業構造への転換を急ぎ、これに必要な教育・労働・福祉・公共部門の構造改革に拍車を加えなければならない。そして対北朝鮮問題・安保・統一に関する韓国内の葛藤を解消して一貫して実効的で持続可能な安保統一政策を追求しなければならない。このような改革過程で韓国社会の保守と進歩が役割分担を通じてそれぞれ支持基盤を説得することによって葛藤を減らさなければならない。例えば保守は対北朝鮮問題・経済民主化、進歩は労働・福祉問題で先頭に立てば円滑な推進が可能だろう。不安定な国際秩序で「自存」を謳歌するには明確な主人意識と自強が必須であり、強い経済力と丈夫な社会統合が後押しされなければならない。

【5】 対外的に緊急な外交安保課題は、日増しに深刻化する北朝鮮問題と複雑な北東アジア勢力の転換に対処することだ。北朝鮮問題は核・ミサイル能力の強化と金正恩(キム・ジョンウン)政権の中長期的な不安定問題がある。北朝鮮が並進政策に固執して対話を拒否する中で、北朝鮮の核問題を解決する機会の入り口はますます狭まっている。核物質の抽出は引き続き小型化・軽量化を追求する中で移動式ミサイル・大陸間弾道ミサイル(ICBM)・潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)開発も進展している。不幸にも時間は私たちの側にはない。北朝鮮の核問題の疲労症候群から抜け出して主人意識を持って関連国と共に解決策を積極的に模索しなければならない。

【6】 一方、執権4年(*1)を超える金正恩政権は外見上安定しているが中長期的な不安定要因が増えている。米国および中国を含めた周辺国との戦略対話を強化して信頼を蓄積することを怠ってはいけない。

【7】 北東アジアの勢力転換は、複雑な戦略的対応を要求している。戦略環境を支配することはできない韓国としては、独自の戦略空間を確保することに努力しなければならない。転換期の北東アジア秩序が平和的変更に立った規範に基づく秩序になるようにしなければならない。中国が圧倒的比重を占めることになる北東アジアで、平和の基礎は均衡者(バランサー)である米国の持続的関与を確保することが必要条件であり、協力的秩序を目指す地域体制の構築が充分条件だ。韓米同盟の深化、韓中の戦略的協力関係の強化、韓日関係の早期回復および韓露関係の管理が必要だ。米中対立で選択すべき状況は避けるべきだが、避けられない場合は国益・価値・原則・国際法などを考慮して一貫した先制対応が重要だ。中堅国家としての力があるだけに選択コストの負担を恐れず毅然として対処しなければならない。個人や国家や自尊はある程度の代償を覚悟して自ら作っていくことだ。

【8】 地図のない航海をしなければならない時代だ。さらに韓国は地政学的に不利な位置にある分断国だ。私たち誰もが深刻な危機意識で内部力量を回復する一方、対外環境の変化に能動的に対処するための国民的合意を集約しなければならない。平和と統一は結局、私たちの手にかかっている。 

 申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使・法務法人セジョン顧問


<注釈>

(*1) 「”執権”って、鎌倉幕府かよ!」と、突っ込みたくなる。「就任以来」とか「権力継承以来」とか言いたいのだろうけれど、日本語で普通「執権」なんて言わない。何か音訳上の混乱がありそうだが、それも含めて、日本語にするのが「翻訳」であろうに。 

上掲中央日報コラムによる、韓国の現状認識



 パラグラフ【3】から
 
 ①韓国社会の信頼資産(*1)はすっかり失われた

 ②法と常識が支配せず、対話と疎通が円滑では無い社会である。
 
 ③中央と地方、大企業と中小企業、保守と進歩、金持ちと貧者の両極化現象が深刻化している。

 ④中産層の減少、若い世代の喪失感、政界の人気主義と問題解決能力の低下が民主主義を脅かしている(*2)。

 パラグラフ【4】から
 
 ⑤経済が、成長動力を失っている。
 
 ⑥対北朝鮮問題・安保・統一に関し、韓国内に葛藤がある。

 
 誠にご愁傷様、と言いたくなるが(*3)、「韓国の現状認識」としては相応に的を射て居そうだ。元産経ソウル支局長の国内軟禁状態は、正に上記②「法と常識が支配しない韓国社会」を現していそうだし、上記①「失われた韓国社会への信頼」は、私(ZERO)自身、少々タイムスパンは異なるが実感して来た処だ。上記③「深刻化する両極化現象」の一端は、サムスンなど「今両班」と呼びたくなるようなごく一部企業と韓国一般企業を比べれば垣間見える。上記⑤は、現・正気では無い、もとい正煕ではない朴大統領就任以来折に触れて話題になって居る処だ。ああ、正直な処、上記④「民主主義を脅かす諸問題」だの、上記⑥「対北・安保・統一に関する内輪もめ」は、「さもありなん」とは思うが、具体的な事は良く判らない。

 総じて、上掲①~⑥の「韓国の現状」には、私(ZERO)も首肯できる点が多く、それ故に「衆目の一致する処ではないか」と期待し得る。それだけ「冷静な現状分析」とも言え、もっと言えば「半島じゃぁ珍しいし、中央日報紙上ではもっと珍しい位」と言いたくなる程だ。

 で、その「正しい(と思われる)現状認識」に対し、上掲中央日報コラムが推奨する対策は、と言うと・・・ 

<注釈>

(*1) これも日本語しては変だが、「信用」とか「信頼」の事なのだろう。 

(*2) 上掲中央日報コラムは「威嚇する」と表記しているが、これらの事象は「意思を持たない」のであるから、「威嚇する」と言うのは文学的表現としても過剰であろう。 大体、「威嚇する」と言うのは、「威嚇はするが、実害は及ぼさない」と言う「誤解」を招きかねない。これらの事象は、それこそ「意思を持たない」のであるから、「威嚇」だけで終わるか、「実際に実害を及ぼす」かは、少なくとも予断できまい。

(*3) 無論、「心の底から本心で」なんて、言う心算は無い。ある種社交辞令と言う奴だ。

上掲中央日報コラムによる、その対策


①「失われた韓国社会の信頼遺産」
①A 韓国社会の信頼資産を拡充

②「法と常識が支配せず、対話と疎通が円滑では無い社会」
②A そんな社会を作ろうとする痛恨の覚醒

③「貧富などの両極化現象が深刻化」
③A 社会統合と共生の文化創出に努力

④「民主主義を脅かす中産層の減少など
④A 至急対処

⑤「成長動力を失った経済
⑤A 知識と創造力に土台を置いた21世紀型の産業構造への転換
   これに必要な教育・労働・福祉・公共部門の構造改革
   
対北朝鮮問題・安保・統一に関する国内対立
⑥A 一貫して実効的で持続可能な安保統一政策

…で、一体、何をどうするの?

 幾許か具体的なのは、上記⑤Aぐらいであるが、「教育・労働・福祉・公共部門の構造改革」だけでは、「とにかく改革する=変える」と言うだけであり、方向性すらわからない。一応その前段に知識と創造力に土台を置いた21世紀型の産業構造への転換とはあるが、ならば、現状(20世紀型産業構造?)は「知識と想像力に土台を置いて居ない」という事であるか?つまりは「韓国にはパクリ産業しかない」という事か(*1)?それは成るほど大改革が必要そうだが、21世紀型も何も「知識と創造力に土台を置いた産業構造」の方が、普通であろうに。

 上記対策③Aも意味不明ならば、上記対策④Aなんざ論外だ。
 
 で、その後のパラグラフからすると、一番言いたかったのは上記対策⑥Aらしいのだが…その後に続くパラグラフ【5】~【8】を通じて、「一貫して実効的で持続可能な安保統一政策」について、モノの美事に「何も具体的な提案は無い」。掛け声とスローガンとシュプレヒコールばかりなのである。これで新聞社の主張=社説だってンだから、半島の記者とは気楽な商売だね。

 とどのつまりは、タイトルにした通りだ。「韓国はおしまいです」と言う自白に聞こえて仕方がない。
 ああ、上掲中央日報コラムにある「韓国特有の躍動性」っ表現からして、噴飯ものだがな。「漢口の奇蹟」も、それ以前、「日帝支配時代」の人口倍増も、「韓国特有」なんかでは無く「日本のお蔭である」事は、「ウリナラ半万年の歴史」が、実証していようが。

<注釈>

(*1) それこそ「正しい現状認識」と言えそうではあるが。