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 先行記事「事実を並べて嘘を吐く法 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/39863739.htmlにその実例として挙げた中央日報が、今度はこんなコラムを掲げている。 

 コラムは、社説ほどには「新聞社としての看板」を背負ってはいないだろうが、それにしても酷くないか?

【中央日報コラム】【時視各角】親日派から致命傷を受けた安倍首相
2015年05月12日08時38分

【1】 韓国人なら誰もが7日に発表された世界歴史学者187人の共同声明を歓迎したはずだ。安倍晋三首相の軍慰安婦歪曲を批判する頼もしい友軍ができたということだ。東京特派員を務めた筆者の経験からみて、一方で驚き、別の一方では恥ずかしかった。共同声明に署名した教授の性向が概ね分かるからだ。署名教授も声明の2番目の文章で「我々の多くの人にとって日本は研究対象だけでなく第2の故郷」とし、自ら親日学者であることを告白している。

【2】 もちろん署名学者は多様だ。『昭和天皇』でピューリッツァ賞を受けたハーバート・ビックスもその一人だ。彼は「戦争に実際に加担した行動派君主だった裕仁天皇を断罪しないのが歴史歪曲の始まり」という立場だ。高校時代に町内の図書館で旧日本軍慰安婦の本を読んだビックスはハーバード大で日本史を専攻し、その道一筋だった。ビックスは「自ら過去の歴史を反省した国はほとんどなく、ドイツは例外的な事例にすぎない」と指摘する。西ドイツの政治家はフランスとナチスを激しく批判した東ドイツを意識しなければならなかったし、過去の歴史を反省するほど国内外の政治的地位が上がる事実を悟ったためナチスと断絶したと分析している。しかしビックスは日本の自発的な反省の可能性には懐疑的だ。

【3】 署名教授の中でむしろ彼は珍しい事例だ。はるかに多くの教授が親日派だ。ハーバード大のエズラ・ヴォーゲルは1979年に『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を書いた後も日本を擁護し続けてきた完全な親日派だ。スタンフォード大のダニエル・スナイダーも似た立場だ。彼は韓・中・日・台の歴史教科書を分析した後、「日本が最も客観的」とし「周辺国は日本の歴史教科書を非難する資格がない」という人物だった。また、署名教授の中には配偶者が日本人である場合が少なくなく、韓国系はわずか1人だが、日本系の教授はなんと20人も含まれている。

【4】 共同声明の衝撃は非常に大きかった。声明全文まで詳しく報じた朝日新聞を除けば、すべての日本メディアが集団難読症になった雰囲気だ。共同声明の中身は抜き出し、「韓中の民族主義を批判した」と努めて意味を薄めている。もちろん署名学者もそれなりに日本の立場を配慮した。当初、安倍首相の訪米前に共同声明を発表しようとしたが、帰国後に先送りした。それでも日本の官房長官は昨日、「ノーコメント」だった。安倍首相も話す言葉がないだろう。安倍首相はその間、「軍慰安婦動員の強制性は歴史学界に任せるべき」という論理を展開してきた。しかし日本最高権威の歴史学研究会に続き、米国・欧州・豪州の学者までが「旧日本軍の関与のもとで強制連行された慰安婦が存在したのは確固たる事実」ととどめを刺した。全世界でこの人たちを越える歴史学者がいないだけに、安倍首相の論理は粉砕した。

【5】 個人的に最も目を引いたのはスタンフォード大のピーター・ドウスだ。彼は「日本が韓国を保護国として植民地にしたのは必然ではなく、韓国エリートが安定した勢力を形成して日本に助けを要請していれば独立を保存できたはず」という立場だった。ドウスは本の序文に「私は韓国語が分からない」と研究の限界を認めたが、彼の理論は米国の東アジア史学界で教科書としてもてなされている。まだこれを圧倒するほどの英語で書かれた反論論文が見られないのが悲しい現実だ。

【6】 冷静にみると、韓国の歴史学界が抵抗民族主義に閉じこもっている間、予想外の研究成果は日本の山辺健太郎が出した。彼は甲申政変、明成(ミョンソン)皇后殺害、併合過程の隠された真実を1次史料を通じて暴いた。日本軍の残酷な東学革命鎮圧と、その口実として景福宮(キョンボックン)をどのようにじゅうりんしたかも生き生きと立証した。独島(ドクト、日本名・竹島)が日本固有の領土ではないという史料も彼が初めて発掘した。これらすべて山辺が生涯、国会憲政資料室を出入りしながら歪曲された公文書のヤマの中から発掘した貴重な記録だ。さらに驚くべき事実は、彼は小学校卒業の学歴しかなかったという点だ。そのためによりいっそう敬意を抱き、我々の手で我々の近代史をきちんと正せないのが恥ずかしい限りだ。 イ・チョルホ論説室長

「致命傷」とは「死に至る傷」なのだから、「致命傷か否か」は、ほどなく判明しよう

 そりゃ韓国や中国にしてみれば、強請り放題タカリ得だった民主党政権時代が懐かしかろうさ(*1)。だから、今回の「安倍首相に対する警告状」と中央日報が考えている「日本の歴史家を支持する声明」を安部首相の致命傷になって欲しいと切望しているのだろう。

 さはさりながら、上掲中央日報コラム、「小卒の学歴しか無い”歴史学者”山辺健太郎」ぐらいしか「竹島は韓国領土」とする根拠が無いことや、「朝鮮語が判らないピーター・ドウスぐらいしか”朝鮮は独立を維持出来た筈(*2)”説得力を持って英語で主張できる人間が居ないことを認めている訳だな。そりゃそうだろうがね。

 それにしても…上掲中央日報コラムを読んだだけでは判り難いが、山辺健太郎は既に故人で、上掲中央日報コラムが「安倍首相に致命傷を与えた」と評する「日本の歴史家を支持する声明」に賛同も署名もしようが無い。即ち、上掲中央日報コラム最後のパラグラフ【6】は、その前のパラグラフ【5】で取り上げたピーター・ドウスの”朝鮮独立可能論”」から連想し、関連づいては居るものの、安倍首相とも「日本の歴史家を支持する声明」とも致命傷とも、全く関係ない。ほぼ「思いつき」だ。而して、その思い付きがそのまま上掲コラムの「〆」であり、結論と思しき最終部分が・・・

1〉 我々の手で我々の近代史をきちんと正せないのが恥ずかしい限りだ。

上掲コラムを「韓国有数の大新聞のコラムとして掲げている」ぐらいでは、そりゃ「我々の近代史をきちんと正す」なんざ、無理だろうさ。

 上掲中央日報コラムは、当該「日本の歴史家を支持する声明」を「安倍首相に対する致命傷」と評している。その全文は先行記事にもしたが、その中から韓国にとって都合の良い部分(*3)は上掲中央日報コラムにも再録されている。だが、態々コラムを掲げて「致命傷」とまで断じるのは・・・

2〉 日本最高権威の歴史学研究会に続き、米国・欧州・豪州の学者までが
3〉「旧日本軍の関与のもとで強制連行された慰安婦が存在したのは確固たる事実」ととどめを刺した。
4〉全世界でこの人たちを越える歴史学者がいないだけに、安倍首相の論理は粉砕した。

…つまりは上掲中央日報コラムに引用された部分だけでもこの”一流学者様の権威”が目に入らぬかぁぁぁl!」と言う「他人の褌」であり、「借りてきた虎の衣」。尚且つ上掲中央日報コラムの大半が「借りてきた褌・虎の衣自慢」でしか無い。「安倍首相の論理は粉砕」するならば、上掲中央日報コラム最終段の様に愚痴り嘆くばかりでなく、中央日報自身が実施すべきであろうに。
 
  第一、先行記事に全文を掲げた「日本の歴史家を支持する声明」は、韓国同様の「歴史認識」を示すモノの、その論拠を殆ど示していない。「心に刺さる慰安婦の言葉」程度の、良くて「浪花節」。「声明」としてはそれで十分かもしれないが、「安倍首相の論理は粉砕」とは、当の学者先生方々でも主張できそうにない。

 まあ良いさ。章題にもタイトルにもした通り、当該「日本の歴史家を支持する声明」が「安倍首相に対する致命傷」となるか否かは、ほどなくわかろうと言うモノだ。その時は見物、だろうか?

 それが「判る」頃まで、中央日報自身が上掲コラムを「覚えていれば」、ひょっとすると「見物」かも知れないな。だが、「その頃には全く別の事で騒いでいるだろう」と言う、確信があるぞ。

<注釈>

(*1) 民主党政権成立以前の自民党長期政権も、決して誉められたものでは無かったが 

(*2) 但し、「日韓併合」した当の日本の「支援の下で」。そりゃそうなってくれれば、半島なんざぁ併合する必要は無かったろうにな。 

(*3) 当該生命そのものが、相当部分半島丸出しの「歴史認識」を示しており、その点でも「韓国にとって好都合」ではあるが。