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  もう、何べん引用したか判らないぐらいだが、「君主は何をやっても悪く言われる。」と喝破したのは古代ローマの雄弁家・キケロ。意味は…いろいろ解釈出来そうだが、「為政者・権力者は、何をどうしようが、何もしなかろうが、一定の非難批判は免れえない。」と言うのが、相応に賛同を得られそうな解釈だろう。「ダモクレスの剣」とも相通じれば(*1)、「高貴なる者の使命」とも言えそうだが、地位や名声や権力に、相応の「有名税」がかかるのは、古今東西を問わないらしい。

 一方でマスコミ・報道機関と言うのは、非難・批判・糾弾・悪口が「飯のタネ」。これが西側自由世界ならば「権力の監視」何て大義名分もあるモノだから、喜び勇んで「君主を悪く言う」。それが、(少なくともある部分)「民主主義の健全性を示し、維持し、保証するモノ」でもある。とは言え、その非難・批判・糾弾・悪口が、「単なるイチャモン」に堕すれば、マスコミ・報道機関の存在意義すら問われることになる。とは言え、そこは「売れさえすれば、何でもアリ」と思っている(としか思えない)マスコミ・報道機関も、幾らもある。

 これが、西側自由主義世界ならざる「不自由世界」となると、「自国の君主を悪く言う」のは生命財産社会的地位その他諸々を失いかねないから、「不自由世界のマスコミ・報道機関」は逆に「権力の走狗」となり、宣伝するのが仕事となる。「宣伝」の一つは「外国政府の権威を貶める事」であるから、「外国の君主を悪く言う」のは「不自由世界のマスコミ・報道機関の仕事」である。

 して見ると、こういう記事は、「仕事熱心の発現」って事に、なるんだろうが・・・

<注釈>

(*1) と言うより、今回初めて知ったんだが、キケロの書いた本で有名なんだな「ダモクレスの剣」。「世間は狭い」と言うよりは、私(ZERO)の教養が如何に乏しいか、だな。 

①【時事通信】中国人記者への対応に波紋=麻生氏に批判相次ぐ

【北京時事】

【1】 麻生太郎副総理兼財務相が今月3日の記者会見で、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を見送った日本政府の対応を「野党が批判している」とただした中国人女性記者に対し、笑った上で「うちは共産主義じゃないから中国と違って(野党が)何でも言える。パクられることもない」と答えたことが波紋を呼んでいる。記者自身が「からかわれた」と感じた麻生氏の発言に中国メディアやインターネットで批判が相次いでいる。

【2】 23日付の中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報も「麻生太郎には日本人も恥ずかしく感じている」と題した論評を掲載するなど物議を醸している。

【3】 麻生氏に質問したのは、香港の衛星テレビ局「フェニックステレビ」の李※(※=森の木3つが水)・東京支局長。李さんによると、AIIBについて日本語で質問すると麻生氏は「ハハハ」と笑いだした。さらに李さんが質問を続けようとしたところ、挙手しなかったことから英語で「ここのルールを知らないのか」と述べた。

【4】 李さんは取材に「(日本で記者をして)8年間で初めての経験。麻生さんには真摯(しんし)に答えてほしかったし、首相や外相を経験しており、外国人記者に対する態度としていかがかと思う」と話した。

【5】 李さんはフォロワーが21万人いる自身の中国版ツイッター「微博」でこのやりとりを紹介。日本メディアが報道したことを受け、21日からフェニックステレビもウェブサイトや番組で取り上げているほか、中国のネットでも「記者に対して失礼。重大な差別だ」「日本は国家なのか」との書き込みが相次いでいる。

【6】 財務省広報室は取材に対して、「コメントは差し控えさせていただく」などと回答した。


②麻生太郎氏の「奇怪な態度」・・・「中国への焦りを示す」と有識者考察=中国メディア

サーチナ

【1】 中国メディアの環球網は23日、上海国際問題研究院の廉?瑰氏による手記を掲載し、麻生太郎財務相が3日に開かれた記者会見で香港メディアの鳳凰衛視(フェニックステレビ)の記者を“嘲笑った”と伝え、日本国内からも麻生氏を批判する声があがっていると伝えた。

【2】 記事は、3日の記者会見において、フェニックステレビの記者が社名を名乗ってアジアインフラ投資銀行(AIIB)について質問したところ、麻生氏が突然大笑いしたうえで「中国の政治制度まで批判した」と伝えた。

【3】 さらに、「麻生氏はAIIBについての質問に答えづらかったのだろうか」と疑問を投げかけたうえで、答えづらかったのであれば答えなければ良い話しであり、外相も務めた経歴を持つ麻生氏が「ノーコメント」というやり方を知らなかったとは考えにくいとの見方を示し、「話を変えてまで記者を嘲笑い、中国の政治制度を批判するやり方は理解できない」と論じた。

【4】 また、麻生氏の記者会見での態度が日本メディアから「世界の笑いものになった」などと批判されるのも仕方がないと伝える一方、「麻生氏が国内外のメディアから批判されるのは今回が初めてではない」と主張。

【5】 続けて文章は、麻生氏が2006年に「日本の統治下で台湾の教育水準が向上した」などと発言し、米紙ニューヨーク・タイムズに批判されたことを伝えつつ、「麻生氏の今回の失態は日本の焦りを示すものではないか」と考察。

【6】 麻生氏をはじめとする日本の政治家は、中国の経済発展や世界に対する影響力の拡大に焦りを感じていると主張し、「そのように考えれば、麻生氏の奇怪な態度も辻褄が合う」と記した。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)aquir/123RF.COM)

(3)③ AIIB 中国人記者  「麻生副総理にバカにされた」と大騒ぎ!



「イチャモンのネタ切れ」と見たぞ

 さて、如何だろうか。

 「麻生太郎財務相の発言が非難されている」と報じられている事は判った。だが、「では、麻生太郎財務相のどんな発言が、何故批難されているのか」を上掲日本の記事から読み取ると・・・

①1〉 笑った上で
①2〉「うちは共産主義じゃないから中国と違って(野党が)何でも言える。
①3〉パクられることもない」と答えた
①4〉挙手しなかったことから英語で「ここのルールを知らないのか」と述べた。

②1〉麻生氏が突然大笑いしたうえで「中国の政治制度まで批判した」と伝えた。

…えーっと、他に無いよな。上掲②記事は「2006年の麻生太郎氏の発言」も引用しているが、今回の非難の対象ではないし、上掲②記事タイトルにもある「麻生太郎氏の「奇怪な態度」」に対する「解説」も関係ない。

 それどころか、上記①2〉~3〉上記②1〉の言う「中国の政治制度に対する批判」らしいんだが、中国が自他共に認める一党独裁政権で、「野党」そのものが「欠片程度にしかない」のは、正真正銘掛け値なしの事実である。かてて加えて、中国の全ての報道機関・メディアが「党の口舌=中国共産党の宣伝機関」とされ、違反すれば「パクられる」のは他ならぬ「中国メディア」自身が骨身に沁みて「知っている」どころか「忘れようにも忘れさせてもらえない」事だろう。

 左様な明白な事実を面前で指摘することは、なるほど「中国の政治制度に対する批判」ではあるし、ある意味「露骨」なだけに「失礼」には当たるかも知れない。だが、「奇怪な態度」として妙な解説を付け加えられたり、「重大な差別だ」なんて批難されるいわれは、全く無かろう。「日本は国家なのか」なんて批難に至っては、論外だ。

 他の記事 http://news.searchina.net/id/1568572?page=1 も読むと、どうも「フェニックステレビの名を聴いただけで大笑いした」のが「非礼」ということ、らしいんだが・・・

 その「非礼」を「奇怪」と言い、「中国への焦り」に関連付ける「中国共産党の宣伝機関」に、章題にした通り「イチャモンのネタ切れ」を見るぞ。

 そりゃ、麻生太郎氏の首相時代に日本のマスコミは、「漢字が読めない」だの「カップラーメンの値段を知らない」だの「(自腹で)ホテルの高い酒を飲んでいる」だの、下らない事で「君主を悪く言っていた」ものだ。それがその後の忌まわしき「政権交代」につながった「先例に学ぶ」ならば、こんなイチャモンにも「ある程度の効果が期待できる」のかも知れないが・・・ねぇ。