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 当ブログ読者の内大半は(多分)日本人であろうし、その内相当部分は「日本車ユーザー」であろうと推定する。で、その「国産車ユーザーたる当ブログ読者」に問おうではないか。

【問1】「貴方は、あなたの愛車を国産車と決める時、愛国心から国産車と決めましたか?」

 日本で普通に考えれば「奇妙な問い」であろう。自動車を買う時にトヨタや日産やマツダ等の「自動車メーカー」を意識することはあっても、「国産車」と意識することは滅多にあるまい。外車を選択肢にしているときには「外車である」事を相応に意識しそうであるが、「トヨタにしようか、日産にしようか、はたまたホンダにしようか、マツダにしようか…」と考えているときに「国産車」を意識/「国産車」と意識する人は少なさそうだ。

 そんな「奇妙な問い」を思いついたのは、朝鮮日報の記事のため、だ。

【朝鮮日報】韓国人の車選び、愛国心はどこへ?



輸入車に押される韓国車VW「ゴルフ」、販売台数で現代「i30」抜く韓国人の車選び、愛国心はどこへ?

【1】 ドイツのフォルクスワーゲン「ゴルフ」は昨年、韓国市場で現代自動車「i30」を抜いて準中型ハッチバック(後部座席とトランクがつながった形態)の自動車販売台数で1位を達成した。特定カテゴリー市場で輸入車が国産車を抜いたのは今回が初めてだ。驚くのはまだ早い。価格が1億ウォン(約1080万円)以上の大型高級車市場でも全輸入車の販売台数が現代自「エクウス」を上回ったほか、2000cc以下の小型SUV(スポーツタイプ多目的車)市場でも輸入車の善戦が著しい。

【2】 産業研究院(KIET)でチーフ研究員を務めるイ・ハング氏は「輸入車は種類が乏しい国産車の弱点をいち早く突いている。消費者の選択幅を拡大するための車種の開発、大型車以外に中小型車のラインアップ拡大などの対策を立てることができなければ、輸入車の拡大はさらに急速に進む」と警告した。

■フォルクスワーゲン「ゴルフ」、現代自「i30」を抜く

【3】 自動車業界が4日に発表したところによると、昨年国内の準中型ハッチバック市場で「ゴルフ」は前年に比べ24%増の7238台が売れたという。一方、現代自の「i30」は同期間に6644台の販売にとどまった。輸入車販売に携わる関係者は「わずか数年前まで消費者は周囲の顔色をうかがいながら輸入車を購入していたが、今では同じクラスの最多販売車種を輸入車が占める時代となった。輸入車の大衆化時代に向かう象徴的な事件」と話した。

【4】 準中型ハッチバック市場で「ゴルフ」は、フォルクスワーゲンを代表するモデルで、国内では2005年に初めて韓国で販売されて以来、累積販売台数は3万台を突破した。低燃費(1リットル当たり18.9キロ)と快適な走行性能が口コミで伝わり、販売台数が急増した。

【5】 一方の「i30」は、現代自が2007年に欧州市場向けの戦略モデルとして開発した車種だ。販売台数は2012年に1万5393台を記録して以降、徐々に減り始め、昨年は1万台にも及ばなかった。価格は2014年式を基準にフォルクスワーゲン「ゴルフ」は3050万-3750万ウォン(約330-405万円)、「i30」は1885万-2480万ウォン(約203万-268万円)で、「ゴルフ」の方が1000万ウォンほど高い。「ゴルフ」に販売台数で後れを取ったことで、現代自は先月、燃費をゴルフに近い1リットル当たり17.8キロまで引き上げた新型「i30」ディーゼルモデルを発売、本格的な反撃に乗り出した。

■中小型やSUVでも輸入車が善戦

【6】 1億ウォン以上の大型車とSUV市場でも、輸入車の追い打ちは激しい。本紙が輸入自動車協会に依頼して昨年の韓国の自動車市場で1億ウォン以上の価格で売れた自動車の販売台数を分析した結果、現代自「エクウス」が8487台で1位に輝いた。

【7】 しかし、2位以下は全て輸入車だ。ベンツ「Sシリーズ」(4602台)、BMW「7シリーズ」(1895台)、アウディ「A8」(1510台)などが「エクウス」との差を急速に縮めている。1億ウォン以上の車種が「エクウス」しかない現代自と153車種もある輸入車の全販売台数を比べると、輸入車が倍近く多い。〈グラフ参照〉

【8】 また、5000万-1億ウォン(約540万-1080万円)の価格帯の市場でも輸入車の全販売台数は現代自の「ジェネシス」「アスラン」の2.4倍に上る。最近急成長している2000cc以下の小型SUV市場を分析した結果も同様だ。1位は現代自の「トゥーサン」だが、輸入小型SUVの全販売台数は「トゥーサン」の90%水準にまで追い付いた。

【9】 しかし、最も大衆的な「グレンジャー」や「ソナタ」クラスの市場では、現代自が昨年20万台を販売し、1万台にとどまった輸入車を圧倒している。カトリック大学のキム・ギチャン教授は「若者層、高所得層が他者との差別化を求め、大衆ブランドのイメージが色濃い国産車に代わって輸入車に目を向けている。単調な車種にとどまっていては国産車の危機が予想以上に早く訪れる恐れがある」と指摘した。

李仁烈(イ・インヨル)記者朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


重ねて、問う

 さて、如何だろうか。

 
 改めて読者諸兄、今度は日本車ユーザーに限らず「自動車を持っている/持っていた/将来持とうと考えた事がある」読者諸兄に尋ねようではないか。

【問2】「貴方は、韓国車を買おうと思います/思いましたか?」

 無論、私(ZERO)に言わせれば、「韓国車なんか、タダでも要らない。」と答えるだろう。「自動車なんざ移動手段」と割り切っており、「動きさえすれば良い」と考える私(ZERO)でも、安全性からしてからきし信用できない韓国車や中国車や旧共産圏の車なんか御免被る。アメ車や欧州車でも躊躇を覚える。国産車なら、その点「一定のレベルにある」と信用できる。無論、個々には、例えば「メンテナンスの酷い国産中古車よりも、韓国製新車の方が優れている」という事もあり得る…筈ではあるが(*1)。

 だが、かくも私(ZERO)が「国産車に拘る」のは、少なくとも意識領域に於いて「愛国心から」とは思われない。無論、愛国心の篤さで私(ZERO)は人後に落ちるものでは無いと自負しているが、「国産車にこだわる」のに「愛国心」を意識する事は無い。

 「国産車≒日本製自動車(*2)に対する信用・信頼」があれば、充分だ。

 またそれだけの信用・信頼が国産車≒日本製自動車には、ある、と確信している。少なくとも今の処は。

 翻って、上掲朝鮮日報記事は、韓国に於ける韓国車が一部市場で劣勢であり、さらに劣勢に陥りかねない現状に警鐘を鳴らしている。但し、その記事の見出しは韓国人の車選び、愛国心はどこへ?」。即ち、「韓国人の車選びに、愛国心が影響し、韓国車が選ばれることに期待しているという事だ。

 なるほど、「韓国の愛国心高揚により、韓国で韓国車が今より売れるようになる」可能性は、あるかも知れない。それは韓国車メーカーにとっては嬉しい事、良い事ではあろう。

 
 だが、タイトルにもした通り、販売台数を愛国心に依存しているようでは、輸出は望めない。という事は、韓国内シェアをある程度取り替えした処で、一時しのぎにしかならないという事だ。

 「愛国心」なんぞに頼らない、「世界に通用する韓国車」を製造し、販売するのが、先決ではないのかね?
 それとも、「それは無理」と、ハナから諦めているのかね?

 
 まあ、一時凌ぎをしようが、ハナから諦めようが、半島の勝手ではあるがね。

<注釈>


(*1) ああ、あんまり自信は無いな。中古国産車は事故車で、韓国製新車の方は「少なくとも事故者では無い」としても。 

(*2) 等号「=」ではなく「≒」で結んでいるのは、「国外生産による日本車」もあるから。