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「ハンニバルづいている」とでも、表現すべきだろうか。
既に幣ブログ記事で紹介しているマンガ「ドリフターズ」に、まずハンニバルが登場している。好敵手・スキピオ共々この異世界に飛ばされて、異世界なんぞそっちのけでスキピオと大喧嘩( 主として口喧嘩の様だが )を始めた隻眼・白髪・白髭の「史上最高の戦術家」ハンニバル・バルカは、スキピオとの一別以来ボケ老人ぶりを曝しているが、肝心要のところで信長に途轍もなく有益な助言(*1)をし、登場人物中でも異彩を放っている(*2)。
まだ記事にはしていないが、新刊が出る度に買っている「アド・アストラ」は、まさにハンニバルとスキピオの戦い・ポエニ戦争を描いた歴史モノ。主人公こそ好敵手・スキピオ(まだアフリカヌスじゃない(*3))だが、年かさの(*4)ハンニバルが「ローマ最大の敵」として、例の「戦象引き連れてのアルプス越え」や「戦史上最も完全な包囲殲滅戦・カンネイの戦い」などで活躍し、ローマ軍団を撃破しまくっている(*5)。
米国テレビシリーズ「特攻野郎Aチーム」のAチーム指揮官も通称(多分)・ハンニバルだそうだが、こちらは殆ど見ていないので知らない。確か、白髪だが、髭はなく、眼帯もなければ隻眼でも無い。
で、今回「ハンニバルづいた」のは、以前幣ブログにも紹介したマンガ「最後のレストラン」である。 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/38764954.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/38285001.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/37312432.html

前巻4巻でメインヒロイン(多分)有賀千賀家への同居と小学校への通学が決まった安徳天皇陛下・言仁様の初登校から第5巻は始まる。「普通の日本人と違うから」と言仁様を心配する千賀。だが、そんな心配は、「普通の日本人が少ない」同級生たちによって粉砕される。
ジョーク好き(かつ、ダジャレに近い。アメリカンジョーク、か?(*6))のアメリカ人・ジョーダン・ヨセ、風水好きらしい台湾人・美杏(めいしん)、泣き虫のベトナム人・グ・スン、ゲーム好きのイタリア人・マリオ・ワルド(*7)・・・・「一癖も二癖もある同級生」に囲まれた小学校やレストラン「ヘブンズドア」に「出現」する毎度毎度の歴史上の人物たちは、別表の通り。

ロシアの怪僧ラスプーチン、スコットランド女王メアリー・スチュアート、シャムのナレースワン大王、そしてハンニバル&スキピオ。ほーら、「ハンニバルづいた」ろう。
安徳天皇陛下が通う小学校で、運動会が近づく。が、「競技の内容を平和的・教育的にする」と称するPTA会長平近(ひらちか)ならい(*8)の介入で、「徒競走は、ゴール前で手をつないで一斉にゴール」だの「騎馬戦は、みんなで握手」だの「玉入れは、紅白両軍併せて合計数だけ数える」だの、訳の分からない状況になりそうになる。
そこへ子供会会長・三晋(さんしん)(*9)ますやす(*10)が立ち上がり、「正常な競技」を要請する。おかげで間に挟まれた先生方も競技内容も大混乱。
そんなルールさえあやふやな運動会だが、競技となると騎馬戦で全戦全敗の我がクラスに対し、安徳天皇陛下の檄が飛ぶことになる。「勅命」ならぬ、「勅檄」か。そりゃぁ、効きそうだなぁ(*11)。
「礼! そのほうは「負ける」と言うことが判っておらんのか。
なにもかも失うと言うことなのだぞ。
父も母も、住む家も、食べる物も、全てだ!!」言仁・安徳天皇陛下
そりゃぁ、壇ノ浦・平家滅亡に立ち会われた生き証人の御言葉だ。説得力もハンパじゃなかろう。
結局、騎馬戦のルールは習近ぺい、もとい、平近ならい側の「陣地内に入ったところで両軍握手」なる「平和的ルール」で実施されるが・・・そこは天津日継ぎの御子様だ。安徳天皇陛下、敵軍相手に、一歩も引かない。
なにもかも失うと言うことなのだぞ。
父も母も、住む家も、食べる物も、全てだ!!」言仁・安徳天皇陛下
そりゃぁ、壇ノ浦・平家滅亡に立ち会われた生き証人の御言葉だ。説得力もハンパじゃなかろう。
結局、騎馬戦のルールは習近ぺい、もとい、平近ならい側の「陣地内に入ったところで両軍握手」なる「平和的ルール」で実施されるが・・・そこは天津日継ぎの御子様だ。安徳天皇陛下、敵軍相手に、一歩も引かない。
「己が住む場所に、あやしき奴ばらを招き入れる道理はなし。
害意無くば、黙って去ね(いね)!」言仁・安徳天皇陛下
害意無くば、黙って去ね(いね)!」言仁・安徳天皇陛下
「ルール無視」に腹を立てたPTA会長(の筈)が、PTA騎馬の参戦などで介入し、(*12)絶体絶命の安徳天皇勅卒騎馬隊(*13)の側に「ビール片手の酔っぱらい」ハンニバルが駆けつける。
「坊主。オジサンの言う通りやって見な。」ハンニバル(*14)
「坊主。オジサンの言う通りやって見な。」ハンニバル(*14)
そこはそれ、「史上最高の戦術家」。見ているだけで騎馬戦のルールを理解し(*15)、得意の包囲戦術で形勢逆転させる。
「策は弱者が練るものなのよ。基本的に。」ハンニバル
さらにエスカレートしたPTA会長が、5人組大型騎馬(*16)の参戦させるが、その頃にはすっかり出来上がってしまったハンニバルは泥酔して戦闘不能状態。代わりに指揮を執るのが、ハンニバルの好敵手スキピオ・アフリカヌスなんだから、こりゃぁ敵さん(PTA会長さん)、相手が悪いや。
さらにエスカレートしたPTA会長が、5人組大型騎馬(*16)の参戦させるが、その頃にはすっかり出来上がってしまったハンニバルは泥酔して戦闘不能状態。代わりに指揮を執るのが、ハンニバルの好敵手スキピオ・アフリカヌスなんだから、こりゃぁ敵さん(PTA会長さん)、相手が悪いや。
かくして騎馬戦は、安徳天皇勅卒騎馬隊の勝利。
一方、目を覚ましたハンニバルは、スキピオとの再会を祝して酒盛りを始める。ついでに前田あたりさんから「その後のカルタゴ及びローマの歴史」を聞かされる。
その結果出てきた今回の(ハンニバル&スキピオ二人揃っての)ご注文が、「古代ローマ人が、泣いて悔しがるような旨いつまみ」・・・いや、私(ZERO)も酒を飲みたくなるようなご注文だな。
このご注文に、今回は悩むことなくお答えした園場凌の「回答」・・・は、本書を読んでのお楽しみ。まあ、本5巻の「回答」の中では、1、2を争う「名回答」とだけ言っておこう。
このご注文に、今回は悩むことなくお答えした園場凌の「回答」・・・は、本書を読んでのお楽しみ。まあ、本5巻の「回答」の中では、1、2を争う「名回答」とだけ言っておこう。
カルタゴもローマも滅んだ後と聞いた、二千年ほど未来の日本で、スキピオが呟く。
「いっそ、戦争で得られるモノなど何も無い方が、
勝者はおごらず、敗者は腐らず。
そうすれば人間は、もっときれいに戦える。」スキピオ
勝者はおごらず、敗者は腐らず。
そうすれば人間は、もっときれいに戦える。」スキピオ
うーん、普通戦争は、何らかの利益を求めて実施されるもので、いくら「きれい」でも「利益の見込めない戦争」は、やらないんだがねぇ。国が保たないよ。孫子の昔から「兵は凶事」ですよ、スキピオさん。
だが一方で、人間には(*17)、「戦争好き」「争い好き」という一面があるから、上記スキピオの科白にも、ある程度納得・得心のいくものがある。
正にその点こそ、上記PTA会長様の否定・拒否・忌避したい点か、も知れないが。ああ、表面上は、ね。
「俺は戦争が好きだ。病みつきだ。
俺の一日は、靴職人の40年よりも長い。」ラビノフ伍長byピーター・フォーク@映画「アンツィオ上陸作戦」
俺の一日は、靴職人の40年よりも長い。」ラビノフ伍長byピーター・フォーク@映画「アンツィオ上陸作戦」
<注釈>
(*1) 五十代の信長を「小僧」扱いである。そりゃ、生まれた年でいうと千年以上年長だが。(*2) まあ、主人公・島津豊久、軍師・織田信長、親衛隊長?・那須与一等々、異彩を放つキャラクターばかりだが、「ドリフターズ」は。サン・ジェルミ伯がおかまってのも、インパクト大だぞ。(*3) 金髪壁眼の優男として描かれるのは、主人公特権だろう。(*4) 黒髪・黒髭。途中から隻眼だが、眼帯はしていない。(*5) でも「勝てない」のが「ローマのスゴいところ」でもあれば、「ハンニバルの母国・カルタゴの限界」でもあるのだが。なんとはなしに、大東亜戦争の米軍=古代ローマ・スキピオと大日本帝国=カルタゴ・ハンニバルに重なって見えるのは、私(ZERO)だけだろうか?(*6) 日本語の「お邪魔します」を「Jammingするぜ!」とは、英語でも言わない。多分。(*7) 名前で遊び、「名は体を表す」のは、このマンガのお約束だ。因みに、安徳天皇陛下の隣の席になる髪の長い女の子の名は、詰手 礼(つんで れい)(*8) 多分「習」の字で「ならい」と読む。容貌は、ご想像の通り某国元首だ(*9) これまたご想像通りの容貌で、我が国元首そっくり。(*10) 倍安(ますやす)だろうな(*11) 「ちょくげき」だけに。ってのは、正にダジャレだな。(*12) ジャンヌ・ダルク率いる「ヘブンズドア隊」の援軍も、主人公(だよね?)園場凌の体力不足であえなく費えて(*13) って、書くとカッコ良いけれど、小学生の騎馬戦、ね。(*14) って、ラテン語で言ったらしいが、理解してしまうところが「国際色豊かな言仁様ご学友」だ。(*15) 理解した・・・筈。うーん、このあたり、論理的に弱いなぁ。騎馬戦によく似た遊びが、古代ローマにもあった、とか、無いと。(*16) って、どうだろう。タッパある分有利だろうけれど、普通は下の騎馬の負担が大きすぎてつぶれそうだ。そこは「鍛えた騎馬」ならば、四人組騎にして、上に乗る奴を身長高い奴にした方が、「強い騎馬」にならないか?(*17) 少なくとも男には。「男の子には」、か、も知れないが。無論、私(ZERO)自身を例外と主張する心算なんぞ、全くない。否、むしろ、自分(ZERO)が少なくとも一面「戦争好き」である事も、「男」であることも、肯定するぞ。「男の子」であるかどうかは、時と場合によるな。