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「資本家を絞首刑にするときでさえ、 資本家は我々に彼らを吊るすロープを売る。」と言うのは、第2次大戦前後にソ連を牛耳ったスターリンの言葉。資本主義の商売重視を揶揄した言葉であり、その商売重視故に「自らの首を絞める」愚かさを嗤ったもの、と、私(ZERO)は理解している。
「資本家のロープ販売」と言う比喩は、ある程度は「思想の自由」「言論の自由」にも当てはまるだろう。現体制・現政権を批難・批判する意見を公言・表明することを、少なくとも一定範囲で認めるからこそ「思想の自由」であり、「言論の自由」である。そうして公言・表明された「現体制・現政権を批難・批判」が、暴動なり反乱なり革命なりに拡大発展して「現体制・現政権打倒!」って処まで、行き着く可能性があることを、承知・覚悟の上で、だ。
実際には暴動段階で警察、反乱段階で軍隊を投入して「現体制・現政権の維持」を図ることもあろうが、それ以上にありそうなのは「現体制・現政権に対する批難・批判から、選挙などによる平和的政権交代」である。これもある種の「現体制・現政権打倒」ではあろうが、革命に比べれば流す血も、浪費する金も、「政権交代」による悪影響も、格段に少なくて済む。
それだけ、「思想の自由」「言論の自由」のある国は強靭であり、その政府・政権は安定している。
それだけ、「思想の自由」「言論の自由」のある国は強靭であり、その政府・政権は安定している。
逆に一党独裁で「思想の自由」「言論の自由」の無い国は、存外脆い部分がある。
左様な事を念頭に、以下の人民網記事を一読されたい。
①【人民網】在中日本人学者「日本の友好の声は、批判の声にかき消される」
人民網日本語版 2014年12月22日07:49
http://j.people.com.cn/n/2014/1222/c94473-8825888.html
【1】 日中両国は「一衣帯水」の隣国同士であり、両国関係の平和的な発展は、双方にとって良いことだ。しかし、現状を見ると、日中関係が友好的な方向へ歩んでいるとは言いがたい。ここ数年、日本の政治の右傾化が加速し、一部右翼が中国の脅威を強調している。安倍首相が率いる自民党が先の衆議院総選挙で再び勝利を収めたことは、右傾化の道が一定の民意に基づいていることを示している。実際、日本国内では「嫌中」ムードが高まっており、中国のことをよく知らない一部の日本人は中国を「理解し難い」、さらには「危険な」国だと見ている。なぜ日本には、このような「嫌中」ムードが広まっているのか?これには、3つの要因が考えられる。(文:在中日本人学者・山崎忠信)
1.日本は未だに冷戦思考が取り除かれていない
【2】 日本は戦後米国の影響を受けてきたため、自分たちを西側陣営の一員だと思っている。冷戦が終結したとはいえ、日本の冷戦思考や反共思想が依然残っている。
2.日本の優越感の揺らぎ
【3】 アジアで最初に工業化を実現し、経済強国となった日本人の心の中に は、「日本こそがアジアの大国だ」という意識が非常に強い。しかし、「失われた10年」後の日本経済の停滞や中国経済の急速な発展が日本の優越感を揺るがし、脅 威を与えた。3.日本人の空気を読む文化
【4】 日本には「集団主義」の文化がある。小さい頃から集団内の友好的な雰囲気を壊さないようにと教育される。現在、日本国内には、「嫌中」の声が多いが、中国を理解し、客観的に見ている人もいる。しかし、日本人は雰囲気を重視し、空気を読むため、客観的な見方を積極的に表さない。また、もし表したとしても、無視をされたり、埋もれてしまったりする。これが、日本の中国に対する偏見がずっと消えない要因となっている。
【5】 日本国内の「嫌中」ムードを解消するために、まずやるべきことは、日本人の中国の政治体制やイデオロギーに対する誤解を解くことだ。前述した通り、多くの日本人は共産党と社会主義国への偏見が取り除かれておらず、よく知らないまま共産党政権では民主主義が行われていないと考えている(*1)。さらには、朝鮮のような国だと思っている人もいる。実際は、社会主義のモデルは一つではなく、多様性を備えている。現在の中国はすでに独特な社会主義理論を構築している(*2)。国際社会全体が「平和と発展」の時代に入っており(*3)、中国も時代の潮流を踏まえて平和的に発展している(*4)。
【6】 中国に対する誤解を解き、日中関係を改善するプロセスにおいて、日本は何をすべきなのか?まず、今後は先入観や偏見で中国をみないことだ。中国は近年中国共産党の理論や政権政策の対外宣伝力を強化しているが、日本では未だに大きな効果は得られていない。これは日本人が「共産主義国は国家によって情報が管理され、共産党に不利な情報の流出が禁止されていると考えているからだ。現在、中国では、情報の透明度が徐々に高まっており、実際、日本人が考えているような状況とは異なる。今後もこのような先入観で中国を見れば、中国の真実の姿は理解できない(*5)。
【7】 次に、日本は国内のさまざまな意見の声を受け入れるべきだ。現在、日本国内の中国の見方の大部分がマイナス面を強調しており、客観的な意見を持つ人は少数派だ。しかも、客観的な意見を出した途端、ネット上ではすぐに「売国奴」や「中国の犬」といった批判が殺到する。どのような意見にも一理あり、異なる意見を相互にぶつけあえる雰囲気作りが非常に重要だ(*6)。編集MZ)
【8】 当然、日本の政治が右傾化しても、日本人には理性的な声が存在している。さもなければ、憲法改正反対運動などの抗議活動は起こらないはずだ。同様に、日本国内の中国に対する見方も同様であり、中国を客観的に見て、分析する声は今も存在する。この点は、無視することはできない。(
「人民網日本語版」2014年12月22日
<注釈>
(*1) いやさ、自由選挙の一つも実施してから言えよ。せめてネット検閲や言論弾圧を止めてから、民主主義を語るべきだろうに。(*2) と、主張して居る事は再三聞いているが、一体どこにその「独特の社会主義理論」があるのかね?「構築した」のだろう?ある筈だろう???(*3) これは中国とは関係ない…と言うより、正に中国・中華人民共和国・中国共産党政権こそが「平和と発展の敵」となっておろうが。(*4) モンゴル、チベットを併呑し、少数民族を虐殺弾圧し、南シナ海で領土領海を拡張して「核心的利益」と称する事を「平和的発展」と言うならば、な。ああ、尖閣諸島は愚か沖縄まで「核心的利益」と言い始めた事も、忘れてはいけないな。繰り返す。「言い始めた」んだ。「言っていた」ではない。(*5) 中国共産党政権を大いに批難する論説が、大手を振って報道されるようになったら、考えるよ。当該記事からして、如何に「人民網記事」とは言え、中国共産党のプロパガンダそのままではないか。(*6) へえ、お国じゃぁ政府を挙げてネット検閲に精出しているのに、かね?我が国では、中国共産党のプロパガンダである人民網記事を、こうして自由に閲覧できると言うのに??
同じ人民網記事-半数近くの日本人が「嫌中」本に冷静姿勢
②【環球時報】半数近くの日本人が「嫌中」本に冷静姿勢
人民網日本語版 2014年10月27日15:53
http://j.people.com.cn/n/2014/1027/c94474-8800473.html
【1】 釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題で中日関係が悪化して以来、日本の書店では嫌中の内容を含む本や新聞・雑誌が増加傾向にある。毎日新聞の最新調査によると、こうした書籍や記事を日中関係悪化の原因の1つと考える人は半数近くに上った。環球時報が伝えた。
【2】 毎日新聞が3600人を対象に実施し、25日に結果を発表した調査によると、嫌中・嫌韓の本や記事を読んだことがある人は1割を超えた。こうした記事や本について「中韓両国への日本人の不満を代弁している」との回答は20%、「日本政府への日本人の不満のはけ口になっている」との回答は18%だった。嫌中・嫌韓の本や記事を読んだことのあるなしに関わらず、回答者の49%がこうしたものは「日中関係、日韓関係を悪化させる」との考えを示した。毎日新聞は、嫌中、嫌韓に対する日本人の冷静な姿勢を示すものと指摘した。
【3】 毎日新聞によると、「嫌中・嫌韓」の本や記事を読んだ人の45%が60歳以上の高齢者。最も多く読まれた雑誌は「週刊文春」「週刊新潮」「週刊現代」だった。こうした雑誌は普段から「嫌中・嫌韓」の記事を最も多く掲載しており、論調も激しい。信濃毎日新聞は26日付の社説で、出版不況は嫌中嫌韓本が増える背景になっていると指摘する。
【4】 嫌中・嫌韓をめぐる現状に心を痛める日本出版界は「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」を結成し、本を出版する準備を進めている。以前もある出版社が一部書店に嫌中・嫌韓本に反対するコーナーを設け、読者に良書を推薦することで嫌中・嫌韓感情を是正させる試みを自発的に始めた。日本のある雑誌は嫌中、嫌韓感情が出現する前は日中韓3カ国には緊密な関係と歴史があったと指摘。嫌中・嫌韓という短期的な社会現象に惑わされないよう読者を戒めた。(編集NA)
【5】 環球時報記者は最近雑誌を読んでいて、我が道を行く一部右翼雑誌を除けば、大々的な嫌中・嫌韓報道は減少しているように感じる。その反対に、安倍首相の対中韓外交・政策に疑問を呈す報道がある程度増加している。
「人民網日本語版」2014年10月27日
つまり、「毎日新聞や環球時報の”期待”は、虚しかった」と、人民網は認める訳だ
御覧の通り上掲②人民網記事は、2カ月ほど前の記事だ。その最後のパラグラフ【5】に、
②1〉環球時報記者は最近雑誌を読んでいて、
②2〉我が道を行く一部右翼雑誌を除けば、大々的な嫌中・嫌韓報道は減少しているように感じる。
②3〉その反対に、安倍首相の対中韓外交・政策に疑問を呈す報道がある程度増加している。
②2〉我が道を行く一部右翼雑誌を除けば、大々的な嫌中・嫌韓報道は減少しているように感じる。
②3〉その反対に、安倍首相の対中韓外交・政策に疑問を呈す報道がある程度増加している。
と「日本人の対中国感情好転への期待」が表明されている訳だが、約2か月後の同じ人民網記事が上掲①の通り。タイトルからして「日本の友好の声は、批判の声にかき消される」であり、上掲①記事に登場する在中日本人学者の言に依ると「冷戦思考から抜け切れず、真の中国を知らない日本人が中国を批判している」そうだ。だから「真の中国を知ること(と、冷戦思考から抜け出すこと)で日中友好/日中関係改善が期待出来る」と、上掲①記事の在中日本人学者様は御高説を述べているのだ。
「真の中国を知る」ねぇ。
そりゃ私(ZERO)は神ならぬ身の定命の者。偏見や先入観は、在って当然、無ければ不思議。況や「殆ど生まれながらの右翼」と公言・断言しているのだから、「中国共産党に対する偏見や先入観」は、人一倍どころか人百倍ぐらいありそうだ。
だが、その私(ZERO)が、「近年中国共産党の理論や政権政策の対外宣伝力を強化している」と言う人民網記事を、弊ブログにその解析・解説記事をアップする程度に相応に読みながら、(*1)中国共産党に対する侮蔑と嫌悪の念が増す一方なのは、一体どうした訳だろうね。
ああ、「(中国共産党は)対外宣伝力を強化しているが、日本では未だに大きな効果は得られていない。」事の証左の一つ、ではあるな。
<注釈>
(*1) 中国に対しては、未だしも