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 再三繰り返す通り、「中国のメディアは須らく”党の口舌”=中国共産党の謀略宣伝機関」である。殊に、「中国国営メディア」たる新華社&新華網や人民日報&人民網なんてのは「中国共産党の代弁ないし黙認」以外の報道、「中国共産党の意向に反する」報道なんてした日には、吃驚仰天するべきメディアだ。
 
 という事は、下掲の人民網記事は、「親方五紅星旗」を看板に背負った中国共産党公認記事の筈だが品が無いと言うか、露骨と言うか…
 
【人民網】日本は自国の求めるものが何か、分かっているのだろうか?
人民網日本語版 2014年11月15日16:13
  http://j.people.com.cn/n/2014/1115/c94474-8809551.html
  
【1】 あまりにも簡単な問題だ。

【2】 近代国家の誕生以来、利益の最大化こそが、国家が生存していく上で最も必要なものとなった。友人であれ、敵であれ、そんなものはすぐに消えてしまう。「利益」の2文字こそが永遠の真理だ。では、日本は自国の利益とは何かを本当に理解しているのだろうか?

【3】 さわやかに澄み渡った北京の「APECの青空」の下、安倍晋三首相はついに習近平主席と握手を交わし、各界から注目が集まった。しかし、握手した手の温度も冷め切らぬうちに、日本は態度をがらりと変えた。岸田文雄外相は記者会見で、中日の4つの共通認識について触れ、「釣魚島(日本名:尖閣諸島)に領土問題は存在しないという日本政府の立場に変化はない」、「(4つの共通認識に)法的拘束力はない、国際約束を伴うものではない」と言い放った。

【4】 これまで、国連安全保障理事会の常任理事国になって国際舞台における発言権を確保しようと努力してきた日本だが、気でも狂ったのだろうか?中国という隣国に対し、このような態度を貫き通し、あくまでも「右」を向き続けるつもりなのだろうか?

【5】 ここ最近の日本の対中態度が軟化した原因については、様々なアナリストが分析したとおりだ。先細り状態の「アベノミクス」を見ても、中国の急速な発展に伴う経済成長の巨大なエネルギーを見ても、日本にとって輝ける道はどちらか、明白なはずだ。「中日首脳会談」の実現で、日本がそれをやっと理解したかのように見えた。

【6】 しかし、ここに来て、日本の外相の態度には疑問を禁じえない。アジア太平洋は今、世界でも経済発展が最も活発な地域であり、各国の目が注がれている。中でも中国は最も光り輝く真珠のような存在だ。しかし、同じアジアにいる日本は、なぜ中国を力いっぱい押しのけるような態度とるのだろう?

【7】 少し前の日本は違った。2009年9月、民主党政権が誕生し、鳩山内閣が打ち出した東アジア共同体の構想は当時、日本の今後の発展方向となるかと思われた。すなわち、中韓など東アジア各国との協力を強める一方で、日米関係を再構築するというものだ。鳩山氏は、日本とアジアの発展、および東アジア共同体の実現には中国の力が不可欠であり、中日関係を強化すべきと信じていた。しかし残念なことに、中国との急接近および、普天間基地移転問題で米国にたてついたことなどが、米国「親分」の逆鱗に触れてしまった。圧力をかけられた鳩山氏は、首相の座を降りる羽目になった。

【8】 それ以来、日本と中国およびアジアとの距離は次第に離れていった。中日韓を含む東アジア共同体の構想はTPPに取って代わり、日本は米国の懐に戻っていった。今や、中韓両国はすでに自由貿易協定(FTA)の締結で大筋合意に達している。韓国側の情報によると、年内の仮署名と来年初頭の本署名を経て、来年中の発効を目指すという。一方、日本はまだTPP交渉の最中にいる。

【9】 米国は自国の求めるものが何かを良く分かっている。TPPは「アジア太平洋における米国の経済競争力を維持するために不可欠」であるため、オバマ大統領は全力で交渉を進めている。最近、オバマ氏は日本などに対し、「TPP交渉の行き詰まりを打開」するよう何度も訴えている。日本の抱えるプレッシャーは大きい。なぜなら、行き詰まりを打開するためには、日本は極めて敏感な問題である農業分野で妥協しなければならないからだ。

【10】 日本は本当に自国の利益とは何かを分かっているのだろうか?もちろん、米国にどこまでも付いて行くことが日本の利益だと確信している人もいるのだろう。米国に付いて行けば、日本はいつまでも「右」に偏り続け、強大な日本を取り戻すことができると。

【11】 実際は、様々な見方はあれど、世界第3の経済体である日本は、米国「親分」の傘の下から抜け出せないのだろう。

【12】 自国の求めるものが何か、日本は分かっているのだろうか?この問題に答えるのは、思ったほど簡単ではない。(
編集SN)
「人民網日本語版」2014年11月15日
 

なるほど、中国人には「現世の利益」しか見えない、訳だ

 さて、如何だろうか。
 
 主張は明白だな。タイトルにもなって居るし、冒頭2パラグラフを読めば足りる。
 
1≫ 「利益」になるから、中国共産党一党独裁政権に従え。
 
 何しろ冒頭近くのパラグラフ【2】
 
1〉 友人であれ、敵であれ、そんなものはすぐに消えてしまう。
2〉「利益」の2文字こそが永遠の真理だ。
 
と、断言されている。正真正銘掛け値なし、「文字で書かれて」いる。信義も矜持も友好も「血の同盟」もへったくれも蜂の頭もあったもんじゃない。「現代中国人は、現世利益だけを追求する拝金主義者だ」と言う説は聞いた/読んだ覚えが確かに在るが、此処まで断言・公言されると、いっそ清々しい位だ。
 
 ああ「清々しく」はあるが、嫌悪と侮蔑の対象でもあるな。特に、上掲記事を読む限り、上記2〉で言う「国益」に「経済的利益」以上の意味を見出せず、「魂の自由」とも「悠久の大義」とも対極の意味にしか「読めない(*1)」のだから、尚更だ。
 
3〉 日本は自国の求めるものが何か、分かっているのだろうか?
 
 余計な御世話と言うモノだ。
 
 無論我が国は、我が外交を通じて我が国益を追求する/追及するべきだ(*2)。だが「我が国益」は「経済的利益」のみを意味しない。「魂の自由」とそれを裏付ける「言論の自由」「思想信条の自由」もまた、「我が国益」の一環だ。
 
 仮に日本政府が「我が国益は何か」を「わかっていない」としても、それは日本政府の不利益ではあり、日本の不利益であるが「日本の勝手」でもある。御忠告には及ばない。
 
 であると言うのに、上記3〉のように「日本の国益」を心配し、上記1〉~2〉と断じて見せる上掲人民網記事から読みとれる(*3)」中国共産党の意思は、殆ど自明だろう。
 
2≫ 日本が、中国共産党の意に沿わないことが、中国共産党の不利益になって居る。
 
 安倍政権を「軍国主義」呼ばわり(*4)、「必ず袋叩きにせねばならない」と息巻いていた中国共産党が、上記1〉~3〉に端的に表われる現世(ほぼ経済的のみの)利益」と「民主党政権時代へのノスタルジー」でしか「日本に対する訴求力を持っていない」らしい処に、タイトルにもした「中国共産党の悲鳴」が聞こえるのは、私(ZERO)だけだろうか
 
 而して、その「中国共産党の悲鳴」は、「安倍外交の正しさ」に思えてならないのだがね。
 
追伸:人民網記者殿
 これだけ露骨な現世利益追求拝金主義の主張を、記事にして世界中に配信して、恥ずかしくないのかね?
 
 無論「恥ずかしくない」からこそ、世界中に配信しているのだろうが、念のため。

 

<注釈>

 
(*1) これは、私(ZERO)が「読みとった」解釈であって、「文言として書かれて」はいない。 斯様な「文言教条主義」の滑稽さ、不可解さ、何よりその存在自体を教えてくれた「星の歌  http://blogs.yahoo.co.jp/kirikumi299」さんや「アワモリ(うちなぁータイム - htttp://www.blogs.yahoo.co.jp/awamori58」さんに改めて感謝、だな。 
 
(*2) 「日中国交回復40年」の歴史の大半は「日中友好を優先し、日本の国益を後回し、ないし無視する」モノではあったが、その反省も踏まえて、だ。 
 
(*3) これまた、私(ZERO)が「読み取った」モノであるが。 
 
(*4) これは、今でも続いて居る様だが