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 「○周年記念」の「○」と言えば、最小の「1」から始まって、区切りの良い「10や100の倍数」か「5の倍数」辺りが一般的だろう。

 が、「77周年」と言うのは、如何にも中途半端。「76周年や78周年との間に有意な差が認められない」数字。ま、「中国共産党の都合」と言う「正当な理由」があるのだろうが、今年は「盧溝橋事件から77年」だそうで、大陸は支那・中国共産党の下で結構なイベントを開催したんだ、そうな。

 これに対し、押しも押されもせぬ「党の口舌 = 中国共産党の宣伝機関」たる人民日報が社説で取り上げるのは、「中国共産党の宣伝機関」なので「理の当然」だが、我が日本の全国紙である朝日新聞まで取り上げている。
 
①【人民日報社説】 歴史の悲劇を繰り返すことは断じて許さない
人民網日本語版 2014年07月07日11:26
http://j.people.com.cn/n/2014/0707/c94474-8751823.html
【1】 77年前の今日、日本軍国主義は横暴にも宛平城を砲撃し、盧溝橋事件(七七事変)を引き起こして国内外を驚愕させた。これは中国への全面侵略戦争の開始を示し、中国全民族抗日戦争の出発点となった。この戦争は中国国民に空前の災禍をもたらし、中華民族を徹底的に目覚めさせ、粘り強く奮起させるとともに、世界最初の反ファシズムの戦場を切り開いた。

【2】 民族の生死存亡の鍵を握るこの時、中国共産党は外敵に抵抗し、反撃を加える最初のラッパを吹き鳴らした。中国共産党の提案で築かれた抗日民族統一戦線の旗の下、国共合作を基礎に、中華民族は万民が心を一つにし、志で城を成し、各党、各民族が共通の敵に対して一致団結して敵愾心を燃やし、国難に共に立ち向かった。中国国民党と中国共産党の指導する抗日軍はそれぞれ正面の戦場と敵後方の戦場での作戦任務を担当した。8年間の血みどろの奮戦を経て、軍民の死傷者3500万人以上という甚大な犠牲を払って、中国人民抗日戦争は偉大な勝利を勝ち取った。これは中華民族の偉大な復興の道程における重大な転換点であり、世界反ファシズム戦争の勝利にも不滅の貢献を果たした。

【3】 正義と邪悪を混同することは断じて許さず、歴史の悲劇を繰り返すことは断じて許さない。今日、われわれが全民族抗日戦争勃発77周年を記念するのは、歴史の真実性と厳粛性を尊重し、維持し、人類の尊厳と良識を守るためだ。歴史の中から知恵と啓発を汲み取り、未来を切り開く精神力を獲得し、平和的発展の道を揺るがず歩み、世界平和を揺るがず維持するためだ。こうした記念は、平和を愛する世界の全ての人々にとっては、文明の共通認識の合流であり凝集だ。事実を顧みず、歴史を改竄する者たちにとっては、注意であり警告だ。民族の復興の尽力する中国国民にとっては、民族の精神と魂の宣伝であり謳歌だ。

【4】 骨身に刻んで忘れない77年前の盧溝橋事件を振り返り、1840年以降の中華民族の屈辱の歴史を振り返ると、その直接的原因は国家がひどく貧しく、弱かったことにあり、根本的原因は強国富民の発展の道を見いだしていなかったことにある。今日、中国共産党の指導の下、われわれは中国の特色ある社会主義の道を切り開いた。この道に沿って、中国は世界が注目する発展を遂げ、斬新な姿で世界の民族の中に屹立し、中国国民は歴史のいかなる時にも増して中華民族の偉大な復興という目標に近づいている。そうした時であればあるほど、われわれはなおさらに歴史を銘記し、中国の特色ある社会主義を大切にし、終始堅持し、たゆまず発展させ、自彊息(や)まず、一致団結し、民族の復興という偉大な夢を共にかなえる必要がある。

【5】 歴史の忘却は裏切りを意味する(*1)。日本軍国主義が第2次大戦時に犯した語り尽くせないほどの大罪は、中国国民を含むアジアの人々に深刻な災禍をもたらし、日本国民にも尽きることのない傷を残した。アジア各国の人々と平和を愛する世界の全ての人々は、例外なく日本軍国主義の残虐行為を厳しく非難するとともに、日本政府に対して、歴史を直視し、深く反省し、歴史の悲劇を繰り返さぬようにと促している。だが、70年余り経っても、正義と邪悪の力比べは終ってはいない。野蛮な侵略の罪の否認、第2次大戦の戦犯の亡魂への参拝、集団的自衛権の行使容認、平和憲法の空洞化……現実はわれわれに、日本右翼勢力が拡大し、はびこる趨勢にあり、日本軍国主義が息を吹き返す危険があることを気づかせている。これは歴史の真相と世界の認める正しい道理、正義に対する公然たる軽視であるだけでなく、戦後国際秩序に対する企てある破壊だ。
 
【6】 光が前進すれば、それだけ闇は後退する。中国、インド、ミャンマーによる平和共存五原則の発表から今年で60年になる。今日、平和共存五原則は国際関係の基本準則、国際法の基本原則となり、より公正で理にかなった国際政治・経済秩序の構築を推進するうえで積極的な役割を発揮している。だが平和を愛することは悪行を黙認することではないし、我慢して折り合いをつけることではなおさらにない。中国人はもめ事を引き起こさないが、事なかれ主義でもない。最大の決意と努力によって、世界反ファシズム戦争の勝利の成果を断固として守り、戦後国際秩序を断固として維持し、国家の安全と地域の平和・安定を断固として維持する。軍国主義の捲土重来は断じて許さず、歴史の悲劇を繰り返すことは断じて許さない。
 
【7】 歴史の記憶がない国家に前途はない。77年が過ぎたが、歴史の傷痕はまだ残り、歴史の警告はまだ残り、歴史の教訓はまだ残っている。中国には「戦いを好む者は必ず亡ぶ」との古い言葉がある(*2)。正義は邪悪に打ち勝ち、進歩は反動に打ち勝ち、光は闇に打ち勝つ。これは人類社会の普遍的法則だ。これに逆らう者は懲罰を受け、これを尊重する者こそが未来を切り開くことができる。(
編集NA)
 「人民網日本語版」2014年7月7日

 

<注釈>

(*1) 何に対する「裏切り」かね?中国共産党一党独裁支配に対する「裏切り」かね?だとしたら、笑止だな。
 一党独裁政権に何を言っても無駄ではあろうが、この世に未来永劫絶対の正義にして正当な政府・統治体制など、あり得ようか?
 それにいちばん近いのは、我らが天ちゃん・天皇陛下でありそうだが、「正当」ではあっても「統治」しないからこそ、万古不易と評し得るほどの「長期王朝」を実現しているのではないか
 況や、発足以来未だ三世代も経ていない中国共産党一党独裁政権が「正当な歴史」をかたるとは、いや、それこそ正に「夾叉楝的」ではあるモノの、笑止千万と言う他ないぞ。 
 
(*2) だから貴国は、命脈がつきかけているのではないかね? 
 
②【朝日社説】日中開戦77年―歴史から学ぶべきは
2014年7月9日(水)付
【1】  北京郊外で日中両軍が衝突し、全面戦争のきっかけとなった盧溝橋事件から77年。その記念日だった7月7日に、盧溝橋にある中国人民抗日戦争記念館で習近平(シーチンピン)国家主席が出席して大規模な式典があった。

【2】 毎年恒例の式典だが、最高指導者が演説するのは異例だ。「侵略の歴史を否定、歪曲(わいきょく)、美化しようとする者を中国と各国の人民は決して認めない」と習主席は述べた。安倍政権への批判であることは明らかだ。

【3】 中国共産党政権は90年代以降、「愛国教育」を強め、日本の侵略史を学校で詳しく教え、各地に記念施設を整備した。

【4】 一方、そんな政権の宣伝とは別に、日本軍の侵略当時の生々しい記憶を持つお年寄りがいる。遺棄化学兵器の処理のように現在進行中の案件もある。

【5】 ただ、日中関係が良好なときに中国側が歴史を前面に押し出すことはまれだった。

【6】 07年4月、来日した温家宝首相(当時)が国会で演説し、日本政府が過去に侵略被害国へのおわびを何度も表明したとして「中国政府と人民は積極的に評価する」と明言した。

【7】 その翌年に来日した胡錦濤国家主席(当時)は早大で「私たちが歴史を銘記することを強調するのは、恨みを抱え続けるためではなく、歴史を鏡とし未来に向かうため」と述べた。いずれも抑制的な発言だった。

【8】 当時に比べ、習政権の歴史問題をめぐる日本バッシングは際だっている。露骨な政治利用の姿勢には首をかしげざるを得ない。だが、日本側が感情的に反発しても悪循環に陥るだけで、事態は解決には向かわない。

【9】 日本にとって、今の中国の最大の問題は海軍や空軍の拡張だ。これらの動きに真正面から批判を加えるべきときに、侵略の歴史を否定するような言動でやり返したらどうなるか。

【10】 中国は日本に「歴史修正主義」のレッテルを貼り、自らの軍拡を正当化する理由として利用するだろう(*1)。習政権の強硬派は勢いづき、対日関係を修復しようという声は小さくなる。

【11】 国家間に横たわる歴史は、どちらか一方が独占できるものではない。

【12】 盧溝橋事件が起きたとき、日中両軍はすでに一触即発の状態だったというが、実は事件後に停戦協定を結んでいた。現場、そして両政府内にも、事態の不拡大を望む人々がいた。

【13】 それがなぜ全面戦争化したのか。歴史にこだわるならば、検証に値する時の経緯を、日中の共有資産とするよう目指せないものだろうか。

 

<注釈>

(*1) そんな「理由」や「正当化」何ぞなくても、既に過去20年間も二桁軍事費増額の軍拡路線と言う「輝かしい実績」が、中国共産党にはある。
 つまりは、靖国参拝も、「歴史修正主義」と言うレッテルも、「中国人民解放軍の軍拡」とは、全く無関係である。 
 

中国共産党が自らの陰謀を自白する訳が無かろう

 さて、如何だろうか。
 
 先ずは、なんといっても上掲②朝日社説末尾「結論」の間抜けさが目立つな。何しろ今回両紙が社説に取り上げた盧溝橋事件については「中国共産党軍が、帝国陸軍と国民党軍の間の衝突を狙って仕掛けた陰謀」と言う説があるのだから。この説が「真」であった場合、陰謀によって日中両軍の衝突を引き起こした当の中国共産党が、
 
朝1〉 検証に値する当時の経緯を、日中の共有資産とするよう目指
 
す訳が無い。「真面目に検証されたら、中国共産党の陰謀がバレてしまう」のだから。
 
 況や、
 
朝2〉 それがなぜ全面戦争化したのか。
 
なんて問いは愚の骨頂で、「中国共産党が日中両軍激突を望んだから」なんて「検証結果」を「中国共産党が共有」何ぞ、する訳が無い。
 
 無論、盧溝橋事件が中国共産党の陰謀では無いならば、上記の限りでは無いだろう。
 
 だが、「日中の共有資産とする事を目指す検証」には、上掲①人民日報社説が唱える「反ファシスト戦争勝利=中国共産党救世主伝説」が、大いなる障害になる。何しろ特に近年「経済発展」が怪しくなってきた中国共産党として、殆ど唯一の「存在理由」が70年前の「反ファシスト戦争勝利」なのだ。如何なる「検証」を試みようとも、「悪逆非道な日本軍による全面戦争化」以外の「検証結果」を中国共産党が認める訳が無い。

 即ち、「客観的・冷静な検証」なぞ、不可能だ。「現政権の政治的都合に、史実の方を合わせる」事しか出来ない。早い話が「歴史の捏造」にしかならない。

 それこそ「朝日の得意技」では、あるが。