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 「WSJ紙+日本人/日系人女性記者=ダメ記事」シリーズは、再三繰り返す通り「シリーズ化を意図して始めた記事では無い」のであるが、WSJ紙+日本人/日系人女性記者の積み重ねた実績(*1)が「シリーズ化させて」しまった記事だ。だが、これも再三繰り返す通り、その「公式」に対する「反証」即ち「WSJ紙+日本人/日系人女性記者≠ダメ記事」は無いモノかと、モニターは欠かさないようにしている
 
 さて、今回の「WSJ紙+日本人/日系人女性記者」は、どうだろう。

 

<注釈>

(*1) その意味で「功績抜群」なのは、肥田美佐子記者であろうが。 
 
【WSJ】首相と朝日新聞―時代を経て繰り返される自衛隊をめぐる衝突検索
By YUKA HAYASHI
http://realtime.wsj.com/japan/2014/07/03/%e5%ae%89%e5%80%8d%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%81%a8%e6%9c%9d%e6%97%a5%e6%96%b0%e8%81%9e%e2%80%95%e6%99%82%e4%bb%a3%e3%82%92%e7%b5%8c%e3%81%a6%e7%b9%b0%e3%82%8a%e8%bf%94%e3%81%95%e3%82%8c%e3%82%8b%e8%87%aa/?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesFirst
【1】 ナショナリストの首相(*1)が米国との軍事関係を拡大する計画を発表したことを受け、左寄りの朝日新聞は警鐘を鳴らしている。

【2】 同紙は「全面戦争の危険をはらむ限定戦争にアメリカが入った場合、米軍基地の存在は、いまや想像を絶する大きな戦禍を日本に“引火”する恐れさえ生む」と社説で訴えた。

【3】 いったいいつの社説だろうか。安倍首相が平和憲法の解釈を変更し、地域の平和維持のために米軍との協力の下で自衛隊の役割拡大に道筋をつけることを決めた今週のことではない。

【4】 この社説が書かれたのは1960年1月、日米安全保障条約が締結される数日前のことだ。同条約は冷戦下にある米国の政策を太平洋地域で助けることにより、自国の安全を確保することを日本に求めるものだ。

【5】 朝日は当時も今と同じように、政権が性急に行動していると批判している。「日本の進路を決定するこの改定に対し、国民の十分な納得をえないまま、これを強引に押し切ってよいのか」と。
 
【6】 その時にあまりに性急だと批判されたのは当時の岸信介首相。安倍首相の母方の祖父だ。

【7】 当時と今の類似性を指摘したのは安倍首相自身だ。リベラル派は、自衛隊の制限を緩和することは日本が望まない戦争に巻き込まれることにつながると警告してきたが、そのような批判が間違っていることは繰り返し証明されてきたと指摘した。

【8】 安倍首相は集団的自衛権の行使容認の閣議決定を発表した1日の会見で、戦後70年近い平和が「『平和国家』という言葉を唱(とな)えるだけで、実践したものではない」と述べ、「国際社会の変化と向き合い、果敢に行動してきた先人たちの努力の結果」だとの考えを示した。

【9】 その例として、日本が敗戦で軍隊を持つ権利を放棄したその数年後の自衛隊創設、1990年代の国連平和維持活動(PKO)への海外派遣を挙げた。60年の日米安全保障条約改定にも言及したが、祖父の名前は挙げなかった。

【10】 集団的自衛権の行使容認を決めた安倍首相に対する国内主要紙の評価ははっきり分かれている。賛成派は、中国と北朝鮮が軍備を増強し、地域の緊張が高まっている時期にあって、この決定は日本を普通の国のように立ち上がらせると評価している。

【11】 一方、反対派は、安倍首相が日本をより戦争に近づけたと批判。その先鋒は、朝日新聞だ。

【12】 朝日は2日付の1面記事で、「平和国家の歩みを続け、『専守防衛』に徹してきた日本が、直接攻撃されていなくても他国の戦争に加わることができる国に大きく転換した日」と断じた。また編集委員は「この憲法解釈が実現したのは、政府・与党内の力学の結果」であり、「民意が国のあり方に根本的な変更を求めているとは、とても言えない」と記した。
 
【13】 岸氏は1960年に日米安保条約を締結して程なく、国民の反発を受けて退陣に追い込まれた。孫である安倍首相も世論調査で影響を受けているものの、そこまで危険な状況ではない。共同通信の最新世論調査によると、安倍内閣の支持率は発表後に4ポイント低下したものの、なお48%ある。これは近年の前任者の多くが獲得できなかった高い水準だ。
原文(英語):Abe’s Clash With Asahi Over Military Resonates in History
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2014/07/03/abes-clash-with-asahi-over-military-resonates-in-history/
 

<注釈>

(*1) 首相は日本を代表する人でもあるのだから、「首相がナショナリスト」なのは当たり前で、「ナショナリストではない首相」と言うのはかなり困った存在だ。
 無論、そんな困った「ナショナリストでない首相」と言うのは、いくらも居たのだが。 
 

行間に悪意が隠れていないか?

 さて、如何だろうか。
 
 YUKA HAYASHI記者のWSJ紙記事は以前にも取り上げた。「WSJ紙+日本人/日系人女性記者=ダメ記事」と言う「公式」を裏書きする記事だったと、記憶する。

 今回の記事は、少なくとも「ダメ記事」とは言えない。安倍政権の集団的自衛権行使容認に対し、賛否の両論を併記掲載し、さらには朝日新聞の批判が60年安保当時の岸政権に対する批判とほぼ同じである事を、見出しと冒頭でなかなか鮮やかに描き出している。結果として「朝日の集団的自衛権容認反対論」を揶揄している、つまりは私(ZERO)の賛同できる主張とも、とれる。

 私(ZERO)の賛否は兎も角、朝日新聞に対する客観的な記述や、安倍政権の集団的自衛権行使容認に対する賛否両論併記など、「淡々と事実を述べた」とか「バランスのとれた」とか、肯定的評価は出来ても否定的評価はし難い記事であり、その意味で「WSJ紙+日本人/日系人女性記者=ダメ記事」と言う「公式」に対する「反証」である。WSJ紙にとっても、YUKA HAYASHI記者にとっても、「御同慶の至り」と言うべきだろう。

 ただ・・・最終パラグラフ【13】で、

1〉 岸氏は1960年に日米安保条約を締結して程なく、国民の反発を受けて退陣に追い込まれた。
2〉孫である安倍首相も世論調査で影響を受けているものの、そこまで危険な状況ではない。
3〉共同通信の最新世論調査によると、安倍内閣の支持率は発表後に4ポイント低下したものの、なお48%ある。
4〉これは近年の前任者の多くが獲得できなかった高い水準だ。

とある。特に上記2〉「そこまで危険な状況ではない。」「安倍首相・安倍政権に対する悪意」を感じてしまうのは、「行間の読み過ぎ」だろうか?