応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
存在理由、レゾンデートル、あるいは「居場所」などと表現しても良かろう。要は己が存在し、存続し続けるための然るべき理由・依って立つ処。アイデンティティーの根幹・根源でもあり、個人に限らず、組織や団体、果ては党や会社や国家にも、在って当然。無ければ…「不思議」とは言わぬまでも、少なくとも「正当性が疑われる」事態であり、それこそ組織・団体・党・国家の存続にも関わりうる。
「存在理由」と言う点で、我が国・日本が極めて特異な立場にある事は事実だろう。何しろ「万世一系」とかつては謳われた我らが天皇陛下・「天ちゃん」は、押しも押されもしなければこれ以上ない程に明白な「我が国・日本の象徴」にして「存在理由」である。今さら権威づけだのオーソライズだのは不要・不可能と言えそうなぐらいの「権力無き権威」。大化の改新から数えても1300年に及び、皇紀で言えばその倍の27世紀になる(*1)日本・我が国は、「存在理由はほぼ自明にして揺るぎようもなさそうな」国家だ。ラフカディオ・ハーンが惚れる訳だね。
これに比べるとポッと出の新興国と言うのは辛く厳しいモノがある。何しろ存在理由がそのまま「統治の正当性」に直結してしまうんだ。大陸は支那の歴代王朝が真っ先に「史書を編纂」して「前王朝の非を鳴らし、現王朝の正当性を訴える」正史を出して他の史書を「野史」として追放(*2)する事をほぼ恒例・通例としてきたのも、ある意味無理からぬ処。
とは言え、大陸の現王朝は中国共産党政権で、その現王朝が「正史を以って非を鳴らす対象の前王朝」が「日本軍国主義の植民地支配」って事で我が日本にされている(*3)モノだから、こんな記事になるのだろう。
<注釈>
(*1) 今年2674年を数える皇紀が、「伝承であって、史実では無い」のは歴史学的には正しいが、「史実ではないが、伝承ではある」と、民俗学的には言えそうだ。(*2) 時には、「焚書坑儒」の様に学者は生き埋め、史書は焼却処分に処する。(*3) 史実的に言えば、「大陸支配の前王朝」は「中華民国」であろうに。
【人民日報海外版コラム「望海楼」】日本よ、根本を見失ってはならない
人民網日本語版 2014年06月08日13:25
http://j.people.com.cn/n/2014/0608/c94474-8738316.html
【1】 長崎市で6月5日及び6日、「新日中友好21世紀委員会長崎意見交換会」が開催された。近年、中日関係は浮き沈みを繰り返し、さまざまな矛盾・問題が集中しており、日本の政治の右翼化と軍事安全動向は注目を集めている。中国と日本は世界第2、第3の経済体であり、地域における重要国だ。非常に困難な局面を迎えている両国関係をうまく処理するには、根源から考え直し、表層問題と深層問題を共に解決する必要がある。(文:葉小文・人民日報海外版特約論説員、新中日友好21世紀委員会中国側委員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
【2】 表層問題解決における当面の急務は、日本政府と指導者が真の意味で中日共同声明の精神に基づき、軍国主義と一線を画し、誠実な態度で侵略の歴史を反省し、実際の行動で歴史問題を適切に処理し、アジア隣国からの信頼を得ることだ。領土主権問題においては、中国に対する挑発行為をやめる必要がある。
【3】 友人の日本人有識者は、「問題は一部の極端な右翼勢力にある。彼らは自分の意見に固執し、道理が通じず、揉め事・トラブルを起こし、誤解を拡大し、確執を深くし、恨み・怒りを扇動し、物事を台無しにする」と語った。中日関係の主な危険は、右翼勢力による挑発と扇動だ。
【4】 表層問題の解決には、深層問題の解決が必要であり、深層問題の解決には、根本から問題を解決する必要がある。
【5】 甲午戦争(日清戦争)から120年。中国も反省しているが、日本も少しは反省するべきだ。甲午戦争後、日本の右翼勢力は極端化し始め、軍国主義者が際限なく膨張し始めた。米国の学者は当時の日本について、「日本はいわゆる勝利病にかかった。どんな戦いも仕掛け、どんな国も戦略しようとした(*1)。その結果、飲み込んだものを無理やり吐かされる結果となった(*2)」と指摘する。韓国の学者、李御寧(イー・オリョン)は、「真珠湾攻撃のアイデアは、一撃必勝という剣道や相撲の考えから来たものだが、それをやるには範囲が広すぎた。日本はいつも盆栽をだだっ広い平原に植え替えようとして間違いを犯す」と指摘した。
【6】 中日双方は今、新たな相互認識と位置づけを改めて確立し、互いがパートナーなのか脅威なのか、チャンスなのか試練なのかを、根本的に解決する必要がある(*3)。
【7】 日本はアジア最大の先進国、中国は世界最大の発展途上国だ。先進国は引き続き発達し続け、全面的な発展を目指す。一方の途上国は発展を加速し、大きく台頭し始めている。日本にとっての発達と、中国にとっての発展。どちらも「絶対の道理」だ。どちらも揺るぎない道理であり、道理は通さなければならない。2つの大国は、発展の段階こそ異なるものの、どちらも「持続可能な発展」という同じ道を歩んでいる。両国は同じ方向を向くべきであり、ぶつかり合うべきではない。
【8】 日本は、不安定な情勢や地縁・政治的衝突において火中の栗を拾うべきではない。米国の「アジア回帰」で中国をけん制し、「虎の威を借る狐」になろうとしてはならない。21世紀になったのに、いつまでも「脱亜入欧」を引きずり、近隣窮乏化というかつての夢に浸っていてはならない。植民地化・領土拡張・覇権主義の旧時代に留まらず、冷戦思考・ゼロサムゲームの古い枠組みから脱却するべきだ。世界のボス・アジアのボスとなる構想をやめ、すでに破綻した、力及ばずの「リバランス」とやらに拘泥していてはならない。
【9】 明治維新後の日本と、改革開放を経た今の中国を比べてみていただきたい。両者には「力強い発展の勢い」という共通点がある一方で、大きな違いもある。それは、中国は急速な発展の中でも、日本のように軍国主義の道を選択することは無いし、できないということだ(*4)。中国には「安定と平和、発展を根本とする」という賢明な戦略的位置づけがある(*5)。日本も「平和を享受し、実務的で根本を守る」という戦略的位置づけを見出してもらいたい。
【10】 日本は、戦後の「正常でない国家」の地位から脱却しようと急いでいる。それならば、旭日の「日」に陶酔するばかりではなく、根本をわきまえ、それを守る最低限の抑制も必要なのではないか。
【11】 「尻尾が犬を振る」という言葉があるが、今日の日本政府のやり方はまるで「尻尾に振り回される犬」であり、まさに本末転倒だ。つまり、「枝葉末節」に振り回され、誤った方向に導かれる結果として、「根本的なこと」が駆逐されようとしている。
【12】 6月6日、各国の元首・首脳らがノルマンディー上陸作戦70周年の記念式典に出席した。第2次世界大戦のアジアの戦場において加害者国、敗戦国であった日本は、今もなお時代に逆流し、侵略の歴史を覆そうと企み、歴史問題において逆戻りしようとしている。
【13】 日本よ、根本を見失ってはならない。
(編集SN)
「人民網日本語版」2014年6月8日
<注釈>
(*1) 「戦略する」なんて日本語はないが・・・中国語かな?(*2) 西欧列強諸国も、最後にははかされる結果になった用だが。ああ、「無理矢理」でないから、良いのか。(*3) ならば、明白ではないか。中国共産党の一党独裁政権は、魂の自由の敵だ。(*4) 核兵器保有国として国連常任理事国の座を獲得しておいて、かね。(*5) チベットやモンゴルは「平和的に併合出来た」から「良い」訳だ。その割には抗議の焼身自殺も続けば、ダライ・ラマ敵視もひどいね。
主権は国の根本であり、自由自存は人間の根本ですが、何か?
さて、如何だろうか。
一読してほぼ明らかだろう。上掲人民網記事が我が国にに「根本として見失ってはならない」と訴えるのは、「大東亜戦争における日本敗北」であり、中国共産党としては「日本軍国主義=ファシストに対する勝利=中国人民の解放」である。上掲記事終盤で「ノルマンディー上陸70周年式典」に言及するのも、上掲記事にはない天安門事件25周年を黙殺・抹殺・アンパーソンするのも、同じ理由であろう。
つまりは、「日帝打倒と言う”実績”」しか、中国共産党が依って立つ処、存在理由・存続根拠は無い、という事だろう。「中国四千年の歴史」などと言い条、王朝が下手すると二代かそこらで滅亡・交替し、現王朝たる中国共産党政権は発足して70年ほどでしかないから、そういう事になる。
それにしたって、70年前の”実績”であり、その後70年間”殆ど実績を上げていない”と言う事でもある。御気の毒様でご愁傷様なことだ。
だが、それ故に「第2次世界大戦のアジアの戦場において加害者国、敗戦国であった日本」を「根本」として、我が日本にも「日本よ、根本を見失ってはならない。」と訴える。見ようによっては実に哀れであり、滑稽でもある。
「根本」というならば、章題にしたとおりだ。主権は国の根本であるし、自由自存は人間の根本だ。人間の自由自存は大いに言論・思想・信条の自由に依っている。天案門事件を封印し、ネット上では「なかったこと」にしている中国共産党政権こそ、「根本を見失って」いる!
・・・と、力説したところで虚しいな。何しろ70年前の「日帝支配打倒!」しか実績も存在理由もない中国共産党が、頼るところは虚構しかないのだから。
「俺たちは、今、太陽と共に戦っている!」@うしおととら