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 昨年末の「特定秘密保護法案反対」キャンペーンのアカ新聞どもも凄まじかったが、最近の「赤い流行(*1)」は「集団的自衛権行使容認反対」であるらしい。「日本国は、集団的自衛権を有するが、憲法上その行使を許されていない。」と言う、端的にいて「訳の判らない状態」を、どう言う訳か安心だか安寧だかするらしいアカ新聞どもは、挙って「集団的自衛権行使容認反対」キャンペーンを実施中である。

 分けても毎日新聞がこの「集団的自衛権行使容認反対」キャンペーンには御執心で、連日社説の片方を充てる「連載社説」を実行する力の入れよう。そのタイトルを列挙するなら、以下の通り。
 
(1) 【毎日社説】集団的自衛権 根拠なき憲法の破壊だ

(2) 【毎日社説】憲法と多国籍軍 政権で解釈変わるのか

(3) 【毎日社説】集団的自衛権…国会の責任 傍観してはいられない

(4) 【毎日社説】集団的自衛権…グレーゾーン すき間の議論は丁寧に

(5) 【毎日社説】視点・集団的自衛権 対中戦略 対抗だけでは危険だ

(6) 【毎日社説】社説:集団的自衛権 説得力欠く首相の答弁


 ま、「有するが、行使は許されない集団的自衛権」を「有するが、行使は許されない」状態のままにしろと言うキャンペーンだから無理からぬ処だろうが、こんな「社説」を掲げるようでは、屁理屈のネタも尽きかけているらしい。

 

<注釈>

(*1) 山口百恵をヒロインにした「赤い」シリーズと言うテレビドラマがあるそうだ。「あるそうだ」としか、知らないが。山口百恵が赤旗振って革命歌を歌う「共産主義礼賛のプロパガンダではないらしいが。 
 

【毎日社説】:視点・集団的自衛権 悩める韓国=中島哲夫

毎日新聞 2014年05月30日 00時46分(最終更新 05月30日 02時15分)
http://mainichi.jp/opinion/news/20140530k0000m070166000c.html
 ◇現実と歴史のはざまで

【1】 安倍政権による集団的自衛権行使容認の動きは韓国にとっても当然、重大関心事である。

【2】 韓国メディアの報道は「総理が思いのままに憲法解釈を変える日本は民主国家なのか」「戦争ができる国に生まれ変わる」(朝鮮日報)といった厳しい批判ないし警戒の論調が目立つ(*1)

【3】 一方、韓国外務省は安倍晋三首相が記者会見した5月15日に論評を出し、日本の安保防衛論議につき「平和憲法精神堅持、透明性維持、地域の安定と平和維持に寄与する方向で」と注文を付けた。朝鮮半島の安保と韓国の国益に影響を与える事項は韓国の要請か同意がない限り決して容認できず、日本は過去の歴史に起因する周辺国の疑念と憂慮を払拭(ふっしょく)していかねばならないとも言及した。一見、「断固反対か」とも思えてしまう。

【4】 だが注目すべきは韓国政府が公式には反対とも賛成とも明言していない点だ。あまりに複雑で悩ましい現実があり(*2)、態度を鮮明にしかねるのである。

【5】 例えば韓国は米国との間で集団的自衛権を行使できる立場にある。北朝鮮との厳しい緊張・対立関係にある韓国の安保環境は生易しいものではない。

【6】 同時に、今や中国との貿易から国家発展の最も力強い原動力を得ている韓国は、圧倒的多数の国民が中国を敵に回す選択肢などとんでもないと考えている。それが韓国人の本音だろう(*3)。
 
【7】 すると万一「何らかの事情で日米中がからむ軍事衝突が起き、米国が韓国にも集団的自衛権の行使を要請した」といった状況が発生すれば、韓国にとって実に悩ましいことになる。韓国政府は米国が日本の集団的自衛権行使に反対していないので厳しい安倍政権批判を控え、賛否も明言できないのだろう。

【8】 一方、韓国には日本であまり知られていない学者たちの、メディアや国民感情とは異質の戦略観と対日認識が存在する。
 
【9】 ある軍事研究者によると、少なからぬ学者たちが「日本は周辺国家との歴史問題に関する和解が十分でないため摩擦があるが、正常な国家へと向かう過程にある。外部からの攻撃に対する防御は当然の権利だ」と認識しているという。
 
【10】 韓国では若者も含めて日本を「戦犯国家」と呼ぶ人も少なくないことを考えれば、この学者たちの姿勢には前向きの意味があるように思えなくもない。

【11】 しかし、こうした認識は朝鮮半島有事の際に、日本の想定を超えた、より直接的な軍事支援要請につながる可能性もある。これはこれで、日本にとって極めて悩ましい話にならざるをえないだろう。(
論説委員)
 

 

<注釈>

(*1) 朝鮮戦争未だ継続中の韓国は、立派な「戦争できる国」だと思うのだが、違うのかね?
 それとも、「戦争できる国」と言うのは、半島特権か何かかね??
 或いは、「韓国は戦争できない国だ!」と主張するのかね? 
 
(*2) そりゃ「集団的自衛権は有するが、行使出来ない」と言う解釈が、如何に非現実的か、と言う証左ではないのかね。「自国では無い、隣国の集団的自衛権行使」で「悩む」ぐらいの。 
 
(*3) ウリナラ半万年の大半は、「大陸の尻尾」だったからねぇ。今さら驚かんよ。 
 
.

悩んでいるのは、毎日新聞ではないのかね

 さて、如何だろうか。
 
 読者諸兄にお尋ねしよう。「貴方は、上掲毎日新聞社説を、一読してその趣旨を理解出来ましたか?」
 
 私(ZERO)は、一読ぐらいでは「何を言いたいのかサッパリ判らなかった」と言うのが正直なところだ。タイトルは「悩める韓国」だから、「日本の集団的自衛権行使容認論を巡って、韓国政府が何やら悩んでいるらしい」とは思え、上掲毎日社説にそれらしい記述があるモノの、どういう訳か最後のパラグラフ【11】で、
 
1〉  こうした認識は朝鮮半島有事の際に、
2〉 日本の想定を超えた、より直接的な軍事支援要請につながる可能性もある。
3〉 これはこれで、日本にとって極めて悩ましい話にならざるをえないだろう。
 
と、何故か「集団的自衛権行使容認を表明した日本政府の悩み」に、転化だか転嫁だかされている。「集団的自衛権行使容認反対」と言う連載社説の趣旨に沿っているのは、実にこの最終パラグラフだけである事や、タイトル「悩める韓国」最終パラグラフ【11】齟齬。おまけにその日本政府の悩みの種」になりそうだと言うのが、「(韓国)メディアや国民感情とは異質の学者たちで、さらにおまけでその学者たち」の数を「少なからぬ」と断じるのが「ある軍事研究者だったりする。

 上記3〉「より直接的な軍事支援要請につながる可能性と言うのだから、この「異質な学者たち」は韓国政府で相応に影響力がありそうだし、さあればこそ「軍事研究者」の研究対象でもあるのだろうが、「(韓国)メディアや国民感情とは異質」でありながら「韓国政府で相応に影響力を持つ」と言うのは結構不思議だし、その「異質の戦略観と対日認識( の一部(*1))」が、
 
4〉「日本は周辺国家との歴史問題に関する和解が十分でないため摩擦があるが、
5〉 正常な国家へと向かう過程にある。
6〉 外部からの攻撃に対する防御は当然の権利だ」
 
と言うのだから、本当にもう訳が判らない。いや、上記5〉~6〉は私(ZERO)も全面的に同意できる「当然の主張」なのだ。

だが、この主張(特に上記6〉)「(韓国)メディアや国民感情とは異質」とするならば、「韓国メディアや韓国国民感情」は、「集団的も個別的もひっくるめて、自衛権そのものを我が国に認めていない」という事になろう。確かにそういう節は多々あるし、それは毎日新聞の絶賛同意する処であろうし、さあればこそ左様な「異質な学者たち」が「韓国政府に影響力がある」のは、我が国にとっての慶事、毎日新聞にとっての弔事ではあろう。

 大体、「◇現実と歴史のはざまで」なんてサブタイトルからして大笑いだろう。「現実」と「歴史」が利害対立したら、普通優先されるのは「現実」である(*2)。

 況や「ウリナラ半万年」なんて誇大妄想自己中心自己陶酔の「半島的歴史」を「現実」より優先するなんざぁ。正に「気違い沙汰」だ。

 尤も、その「気違いぶり」が、如何にも「半島らしい」処なのであるが。
 
 さて、半島の気違いぶりでは無く、毎日新聞社説である。上記の通りあれこれ読み取れる、のは楽しいが「何を主張したいか」がサッパリ見えて来ない。毎日新聞は気に入らないらしい「異質な学者たち」が「韓国政府に影響力を及ぼしている」のが「韓国の悩み」なのか、それとも安全保障環境と言う厳しい「現実」が「日本の集団的自衛権行使容認論に公然と反対できない(*3)」事が「韓国の悩み」なのか。

 だが、二読、三読するうちに、別の切り口が見えてきた。昔の人は良い事言うね。「読書百遍、意、自ずから通ず」と。

 章題にした通り、こりゃ「悩んでいる」のはほかならぬ「毎日新聞」なんだ。「極右的かつ軍国主義的な、日本政府の集団的自衛権行使容認論に、韓国政府が猛然と反対・攻撃してくれない」事に対する、恨み節・泣き言が上掲毎日社説なんだ、と。

 左様考えれば、「厳しい安保環境と言う現実」を縷々並べた前半に対し、後半「異質だが少なからぬ数が居て、影響力もある謎の学者集団」を紹介した上、その学者集団の「異質な戦略観」を「日本の想定を超えた、より直接的な軍事支援要請」に結び付けてかなり無理矢理「日本政府の悩み」に仕立て上げるのも、非常に理解しやすくなる。少なくとも私(ZERO)にとっては。

 無論、私(ZERO)と毎日新聞・中島哲夫記者とでは、ハナッから「宗教が違う」、「異質」なのだから、「理解しやすい」「納得しやすい」からと言って「正しい」とは限らない。むしろ異質なものであればあるほど「理解しやすい」「納得しやすい」解釈は「誤解・曲解である可能性が高い」と警戒しなければなるまい。
 
 で、どうなんだね、毎日新聞。
 
 どうなんだね、中島哲夫記者。

 

 

<注釈>

(*1) ひょっとして、「全部」? 
 
(*2)  「日本人は、先天的な現実主義者」ってのは、佐藤大輔の説だっけ。 
 
(*3) もしそうならば、何やらオカルトじみた「異質な学者たち」陰謀説なんてのは、少なくとも不要だろう。「日本であまり知られていない」などと、もったいぶって社説で紹介する訳が判らない。 
 
3.【読書百遍義自ずから見るの解説】
【注釈】  魏の学者董遇が、弟子入りを申し込んだ者に対して言った「読書千
遍、其の義自ら見る」から。
多くの本を読めばよいというものではなく、良い書物を熟読することに意味があるという乱読を戒める意味を含む。
【出典】  『三国志』魏志-董遇・裴松之注
【注意】  「見る」を「みる」と読むのは誤り。
「見る」を「現れる」と書くのは誤り。
【類義】  誦数以て之を貫く/読書百遍意自ずから通ず
【対義】  -
【英語】  Repeated reading makes the meaning clear.(くり返し読めば意味がはっきりしてくるものだ)
【用例】  「読書百遍義自ずから見るというように、最初は意味がわからなかった本も、何度か読むうちに言いたいことが理解できるようになった」