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以前にも書いた処だが(*1)、お国自慢と言うのは人間の原初的感情の一つである。「選民思想」と言うとかなりおどろおどろしくなるが(*2)、「おらがクニが一番」と言う考え方にはさしたる根拠も必要なく、広範に見られるものである。
「さしたる根拠のないお国自慢(*3)」程度であれば、微笑ましくさえあろうが、これが凝り固まると差別意識につながるから、警戒は必要だ。尤も、逆に「さしたる根拠のない自虐趣味(*4)」よりは随分人間的であるし、信用できるのだが。
さはさりながら、そんな「人間の原初的感情としてのお国自慢」は当然ながら私(ZERO)も持っており、それ故に、斯様なニュースは大いに愉快を感じる。
<注釈>
(*1) 「「私の歴史観」観」、だったかな。(*2) それでも、選民思想と言うのは別にユダヤ教徒の専売特許では無い。中華思想だってある種の選民思想であるし、他宗教を排斥する事例は一神教を中心に数多ある。「キリスト教徒以外は人間では無い」と感がられたのも、そう昔の話では無い。「平家に非ずんば、人に非ず」と言うのも、「選民思想」と解釈しえよう。(*3) おらが爺さんは、はぁ、村一番の力持ちで、相撲大会JAXA負け知らずだったぁ。」とか…(*4) 「オラが爺さんは強姦魔の殺人鬼で、オラ恥ずかしくてご近所に顔向けできねぇだぁ!」ってな感じ。
【AFP】新たな万能細胞「STAP」、溶液培養の革新的手法 日本の研究
2014年01月30日 18:15 発信地:パリ/フランス
http://www.afpbb.com/articles/-/3007500
【1月30日 AFP】動物の細胞を多能性細胞に初期化する簡単な方法を開発したとの日本の研究が、29日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。移植用の細胞組織を研究室で培養する方法に「大変革をもたらす」方法となる可能性がある。
この研究は、胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)に続き、幹細胞研究において第3の大きな進展となる可能性がある。この新たな方法を用いれば、幹細胞研究におけるコストと技術のハードルが大きく下がるかもしれない。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London)のクリス・マンソン(Chris Mason)教授(再生医療)は「ヒトでもうまくいくなら、これは大変革をもたらす可能性があり、究極的には、患者本人の細胞をもとの素材として幅広い細胞治療を行うことができるようになる」と述べた。
幹細胞は、脳や心臓、肝臓などの器官を構成するさまざまな種類の細胞に分化することのできる細胞。幹細胞を培養してさまざまな種類の細胞に成長させる技術を開発し、事故や疾病で損傷した器官に組織を補充することが目標だ。
2006年、京都大学(Kyoto University)の山中伸弥(Shinya Yamanaka)教授率いる研究チームは、iPS細胞の開発に成功し、山中教授は2012年ノーベル医学生理学を受賞した。
iPS細胞は、成熟した細胞に4遺伝子を導入して幹細胞を作る。だが、腫瘍を生み出してしまうという問題を克服しなければならなかった。現在も効率の面──成熟細胞のうち幹細胞にすることができるのは1%に満たない──で課題に直面している。
神戸の理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(RIKEN Center for Developmental Biology)の小保方晴子(Haruko Obokata)氏らが開発した最新の方法は、驚くほどローテクで、全く異なるアプローチをとっている。
■「多能性の特質」備える
生まれたばかりのマウスの白血球を酸性の溶液に25分浸した後、5分間遠心分離機にかけ、7日間培養することで、この細胞は多能性細胞に戻った。
STAP(刺激惹起性多能性獲得)細胞と命名されたこの細胞は、新しい境地を開く画期的な発見になるかもしれない。これまで、環境要因だけで細胞の状態を初期化する方法は、植物の細胞でのみ発見されており、ほ乳類の細胞では発見されていなかった。
小保方氏は28日、STAP細胞は多能性の特質を全て備えているとインターネットを通じた記者会見で述べた。。(c)AFP/Richard INGHAM
ただ、STAP細胞は自己複製能力に限界があるとみられる。また、ヒトの細胞からでもつくりだせるかどうかはまだ分かっておらず、ヒト細胞への適用の研究はまだ先になる見込み
AFPの悪意を感じなくもないが・・・
さて、如何だろうか。
京大の山中教授がiPS細胞の開発に成功してノーベル医学生理学賞を受賞した事もまだ記憶に新しいが、今度は理科学研究所(略称 理研)の小保方晴子女史(*1)率いるチームがSTAP(刺激惹起性多能性獲得)細胞の開発に成功した、そうである。
1〉 この研究は、胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)に続き、
2〉幹細胞研究において第3の大きな進展となる可能性がある。
3〉この新たな方法を用いれば、幹細胞研究におけるコストと技術のハードルが大きく下がるかもしれない。
2〉幹細胞研究において第3の大きな進展となる可能性がある。
3〉この新たな方法を用いれば、幹細胞研究におけるコストと技術のハードルが大きく下がるかもしれない。
と、上掲AFP記事にある通り、画期的な技術となる、可能性がある。その方法は・・・
4〉 生まれたばかりのマウスの白血球を酸性の溶液に25分浸した後、
5〉5分間遠心分離機にかけ、7日間培養することで、この細胞は多能性細胞に戻った。
5〉5分間遠心分離機にかけ、7日間培養することで、この細胞は多能性細胞に戻った。
と言うのだから、素人考え(*2)では酷く簡単な事に思える。恐らくは「酸性の溶液に25分浸す」「遠心分離機5分間」「7日間培養」それぞれに(*3)、試行錯誤・苦心努力があったのだろうと推定・想像するが(*4)。
左様な努力があるかあらぬか、上掲AFP記事の端々には、一寸辛辣な表現が散見される。
6〉 開発した最新の方法は、驚くほどローテクで、全く異なるアプローチをとっている。
7〉 ただ、STAP細胞は自己複製能力に限界があるとみられる。
8〉 また、ヒトの細胞からでもつくりだせるかどうかはまだ分かっておらず、
9〉 ヒト細胞への適用の研究はまだ先になる見込み。
8〉 また、ヒトの細胞からでもつくりだせるかどうかはまだ分かっておらず、
9〉 ヒト細胞への適用の研究はまだ先になる見込み。
…いや、私(ZERO)が感じる「お国自慢」の裏返しかも知れないが、上掲AFP記事は今回の「日本の成果」を妬んではいまいか?
まあ、「妬まれるぐらいに大きな成果である」とも言えそうだ。
それに、知らんのかね。我ら日本人は、世界で唯一酸素魚雷を実用化・開発・量産配備したんだぞ(*5)。
燃焼機関を使う当時の魚雷は、燃料タンクの他に圧縮空気のボンベを内蔵し、この空気で燃料を燃焼させていた。とは言え、燃焼に必要なのは空気中に1/5しかない酸素だけ。だから圧縮空気ではなく酸素のボンベを使えば、ボンベは小さく出来て、雷速(魚雷の速度)や射程や威力を向上出来る(*6)。だから各国挙って酸素魚雷の開発を試みたのだが、失敗続き。酸素を供給して燃焼機関を始動すると、燃焼機関が爆発して破壊されてしまうのだ。
この欠陥を解決できずに酸素魚雷開発を諦める国が続出する中、我が日本だけはとうとう開発に成功した。判ってしまえばなんてことないんだが「始動は空気ボンベで行い、始動後に酸素ボンベに切り替える」事で、「酸素を使って馳走する酸素魚雷」は開発成功した。
この欠陥を解決できずに酸素魚雷開発を諦める国が続出する中、我が日本だけはとうとう開発に成功した。判ってしまえばなんてことないんだが「始動は空気ボンベで行い、始動後に酸素ボンベに切り替える」事で、「酸素を使って馳走する酸素魚雷」は開発成功した。
「ボンベを切り替えるだけ」なんだから、酸素魚雷も「ローテク」である。そこに気付いた/気付けたのは「僥倖」とも言い得れば、「コロンブスの卵」とも言い得よう。つまりは「単に日本の運が良かっただけ」と評する事も、可能だ。
だが、もしそうならば、酸素魚雷と言い、今回のSTAP細胞開発と言い、我が日本と言うのは随分と「運の良い国」であり、「神国」と言うもうべなる可し、と言う事になる。
私は(ZERO)、我が国を誇るに人後に落ちるものでは無いし、我が国にいくつもの僥倖や奇跡がある事も承知だが、酸素魚雷も今回のSTAP細胞も「運の良さ」とは思わない。少なくとも、それだけとは。
また、「我々日本人が世界に冠たる優秀民族だからぁぁぁぁ!日本の科学技術は世界一ぃぃっぃぃっ!」とも思わない。まあ、後半はそうあって欲しいと、望みはするが。
我々(*7)は、「諦めなかった」のだ。
而して、その「諦めなかった」事をこそ、私(ZERO)は我が日本の誇りに思うのである。
「諦めた時点で、合戦終了だよ。」織田信長@ドリフターズ
裏技探査機「はやぶさだぁー」 http://www.youtube.com/v/fjJVC7LgMIw?version=3
「諦めなければ、全ての願いが叶う訳では無いけれど。
叶った思いは、諦めなかったものだけだから。
だから、諦めないで。」
「我々は、諦めの悪い民族なのだよ。」デスラー総統@Space Battleship YAMTO(嘘)
<注釈>
(*1) 女性を「氏」と呼ぶのは、やはり変だろう。(*2) 告白しよう。私(ZERO)は理系の人間だが、生物は苦手だ。(*3) 或いは、上掲AFP記事には書かれていない条件に(*4) さもなければ、従来の生物学者が「こんな簡単な方法」に気付かなかった事が、説明し難い。「説明し難い」だけで、出来ない訳では無いが。「定説」が「定説であるが故」に学問の発達を阻害する、という事はあるからね。(*5) 酸素魚雷が実戦でどれほど役に立ったかは、また別の問題として論ずべきであるが。
その後の顛末 2014.12
その後、小保方さん自身も参加する検証実験は、STAP細胞を再現でき無いまま終了し、「STAP細胞」現象は実証されなかった。従って本件が「小保方さんらによる詐欺」であった可能性は、否定しきれない。
だが、STAP細胞論文がセンセーショナルであろうが、無かろうが、実証実験がなされたことには疑いの余地が無いし、そのことを小保方さん自身が承知していたこともまず間違いない。
つまり、本件がハナから詐欺であるならば、「いずれはバレること」と、少なくとも当事者は知って、覚悟して居たはずだ。それは罪を減じるモノでは無かろうが、詐欺事件としての動機を弱めるモノである。
而して、「何か未知の要因により、STAP細胞減少が発生したりしなかったりする可能性」というのも、無視するべきでは無いだろう。