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独断であり、私見であるが、「芸術の価値」と言う奴は、鑑賞者・視聴者・聴衆・観客・読者・・・要はその芸術を「受け取る」=見る・観る・聞く・読む人次第なのではなかろうか。言わば、「シュレジンガーの猫」の様に「観察者の主観が事象に影響する」事(*1)の極端な例が「芸術の価値」なのではなかろうか。
言い換えれば、「芸術の価値」は極めて恣意的・個人的なものであり、ある人にとって極めて高い芸術的価値を持つ作品=絵画・映画・彫刻・演劇・音楽・書籍が、「別の人にとって高い芸術的価値を持つ」とは限らない。それどころか、全く無価値であるとか、逆に悪影響を与える(*2)という事だって、あり得る話だろう。
それでも世上に名曲・名作・名画などとして名高い芸術作品があるのは、「多くの人が高い芸術的価値を認めた」から、だろう。そうは言ってもそれら「名声高い」名曲・名作・名画などがある特定個人、例えば私(ZERO)に感銘・感動を与えるほど「高い芸術的価値」を感じさせるかと言うと、少なくとも断言・断定は出来まい。
であるならば…こう言うイベントって、どうかと思わざるを得ない。
<注釈>
(*1) そりゃ量子力学的スケールの話で、通常我々が知覚できる範囲ではそのような事象は観察できない…滅多には。(*2) 嫌悪感や忌避感、衝撃などを与えるなど
【AFP】泣ける映画でストレス解消する「涙活」、都内で開催
2013年12月19日 19:14 発信地:東京 http://www.afpbb.com/articles/-/3005375
.都内で開かれた「涙活(るいかつ)」イベントで、涙を誘う内容の短編映画を観賞する人々(2013年12月18日撮影)。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO
【12月19日 AFP】1か月に1度、涙を流すことで心を癒やしストレス解消を図るイベント「涙活(るいかつ)」が18日、都内で開かれ、集まった100人ほどが涙を誘う内容の短編映画を鑑賞した。(c)AFP
「涙活(るいかつ)」に意義がある、としても・・・
さて、如何だろうか。
「涙活(るいかつ)」、だそうな。
1> 1か月に1度、涙を流すことで心を癒やしストレス解消を図るイベント
だ、そうな。
「涙を流す」ことが、「心を癒やしストレス解消を図る」役に立つことは、ありそうな話ではある。それが「悲しみの涙」では無く、「感動の涙」ならばなおの事。だから、「涙を誘う内容の短編映画を鑑賞」する「涙活」なるイベントには、相応の意義・意味があろう。
問題は、「涙を誘う内容の短編映画」であろう。先述の通り「芸術の価値は極めて恣意的・個人的なもの」と考える私(ZERO)としては、如何にも「お涙頂戴」で出来て居そうな「涙を誘う内容の短編映画」なんて、「態々観よう」とさえ思えない。まあ、「涙活」にやって来る観客は、相応に「泣く気満々」であろうから、高確率で泣く/泣かせることに成功しそうであるが。一方でそうであるが故に、「私(ZERO)が観ても、多分泣かないだろう」と、相当な確信を以って断言してしまえる。
誤解して欲しくないのだが、私(ZERO)も映画は好きだ(*1)し、「観る度に必ず泣く映画」と言うのもいくつか心当たりがあるから、「涙活」しようと思えば、いつでも実行可能だ。ただ、その映画は、「涙を誘う内容」とは言いかねるし、私(ZERO)が必ず泣くからとて、「貴方も必ず泣く」なんて、全く保証出来ないし、する気も無い。
「アラモ(*2)」 「明治天皇と日露大戦争(*3)」 「日本海大海戦―海ゆかば(*4)」 「デルタ・フォース(*5)」 「300(*6)」、 「鷲は舞い降りた(*7)」それにCombat白黒シリーズ最終話「丘を血に染めて」…ありゃ、戦争映画と西部劇ばかりなので、「Space Battleship YAMATO(*8)」も付け加えておこう。「貴方も必ず泣く保証はしない」どころか、「普通の人なら泣きそうにない」映画ばかりだが、私(ZERO)にとっては「一見必泣」の名画だ。それも「悲しみの涙」でもなければ、「同情・憐憫の涙」でもなく、「感動の涙」に近いから、「心を癒やしストレス解消を図る」効果は、大いに期待出来る。
だが、上掲記事の「涙活」として、上述の「私(ZERO)の一見必泣映画」が上映される可能性は、殆ど皆無であろう。
それ即ち、「涙活」も結構だが、「何を以って泣くか」も人其々であるから、「自分に合った涙活」でないと、多くは期待出来無いという事だ。
<注釈>
(*1) 一番好きなのは、戦争映画と西部劇だが。断わっておくが、戦争映画や西部劇とて「泣ける映画」と言うのはあるのだから、な。「多くの人が泣く」訳では、無いとしても。(*2) 新作では無く、ジョン・ウエイン監督・製作・主演の古い西部劇。新作の方は観ていないし、やはり、観る気になれない。(*3) 嵐寛寿郎が明治天皇を「謹演」した戦争映画。初瀬・八島の触雷沈没を明治天皇へご報告するシーンは、必泣。(*4) ロシア・バルチック艦隊を発見した島の漁師たちが、早舟仕立てて無線機のある本島まで知らせに行こうとするシーンは、白眉。(*5) アラブゲリラがハイジャックした旅客機名簿から、ユダヤ人らしい名前の者を集めるシーンには、いくつも「泣き所」がある。(*6) レオニダス王…(*7) 捨てがまり!…そうは、呼ばないだろうが。「姿形は変われども、兵児は何処でん居るのじゃな。」島津豊久@ドリフターズ(*8) 木村拓哉主演の、「宇宙戦艦ヤマト」実写版。SF。一応。