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 毎日新聞が、現在国会で審議中の特定秘密保護法案に反対する、「近年希に見る」から「前代未聞」に昇格しそうな勢いの大キャンペーンを張っているのは、先行記事「アカ新聞揃って遠吠えhttp://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/38641893.htmlにもした処。
 
 いやその毎日新聞キャンペーンのすさまじさは、「連日社説の片方を特定秘密保護法案反対に当てる」と言う徹底ぶりだが、そのキャンペーンは数日の中休みを挟んで未だ続行中のようなのである。それが在らぬか、東京新聞まで連日社説で秘密保護法案反対キャンペーンを始めたのだから、「アカ新聞揃っての特定秘密保護法案反対キャンペーン」は、先々回衆院選挙前の「政権交代」キャンペーンを上回るモノ、と言えそうだ。
 
 なにしろ、連日の毎日新聞社説タイトルを列挙しても、以下の通り。
 
毎(1)秘密保護法案を問う 修正協議 11/19
http://mainichi.jp/opinion/news/20131119k0000m070129000c.html
 
毎(2)秘密保護法案を問う 与党・みんな合意 11/20
http://mainichi.jp/opinion/news/20131120k0000m070109000c.html
 
毎(3)秘密保護法案 まるで擦り寄り競争だ 11/22
http://mainichi.jp/opinion/news/20131120k0000m070109000c.html
 
毎(4)秘密保護法案を問う ツワネ原則 11/25
http://mainichi.jp/opinion/news/20131125k0000m070099000c.html
 
毎(5)秘密保護法案 不十分な審議、強引な採決は許されぬ 11/28
http://mainichi.jp/opinion/news/20131126k0000m070090000c.html
 
毎(6)秘密保護法案を問う 論戦スタート 11/29
http://mainichi.jp/opinion/news/m20131128k0000m070136000c.html
 
 これに毎日ほどではないが頻繁に特定秘密保護法案を取り上げる朝日社説を重ねると、さらに状況はハッキリする。
 
朝(1)秘密保護法案―「翼賛野党」の情けなさ   11/22
 
朝(2)特定秘密保護法案―民意おそれぬ力の採決
 
朝(3)秘密保護法案―欠陥法案は返品を 11/27
 
 即ち、特定秘密保護法案の国会審議について、朝日・毎日両新聞とも ①衆院での与野党協議に反対し(毎(1)~毎(3)、朝(1)) ②衆院採決に批難し(毎(5)、朝(2))③参院での「論戦スタート」「一から考え直す」を期待する。 何と言うか、粘り腰と言うか、縦深陣地と言うか、「何が何でも特定秘密保護法案反対と言う姿勢・意志だけは良く判る。正真正銘掛け値なしの「抵抗勢力」であり、タイトルにもした通り「決めない政治」であろう。そりゃ政治は「決める」ばかりが能じゃなかろうが、「決めない政治」が如何なる惨状をもたらすかを、ここ10年ほどの日本の政治状況が示していよう。
 
 テレビは見ていないから知らないが、猖獗を極めているだろう事は想像に難くない。ラジオは幾らか聞いているが、これも酷いな。例えば11/28朝のNHK AMラジオのニュースでは「日本の中東研究家が、特定秘密保護法案に反対意見を表明する予定」と報じていたのだが、その反対理由が…「特定秘密保護法を成立させると、アメリカの対テロ戦争に加担する姿勢ととられて、日本の中東研究家とアラブ人との信頼関係が損なわれ、中東研究に支障を来すから。」…いや、一度ラジオで聞いたぐらいでは俄かには信じがたいほどで、「我が耳を疑う」とはこの事。そもそも私(ZERO)の勘違いではなかろうかと思わないでは無い。何しろこの「特定秘密保護法案反対理由」、「日本の中東研究家(の一部)は"テロリスト"と信頼関係にあり、その信頼関係を利用して中東研究している」と言う自白ではないか。

 「その"テロリスト"指定がアメリカの恣意的なモノであり、日本はアメリカの対テロ戦争に加担すべきではない。」と言う主張が背景にあると仮に理解したとしても、特定秘密保護法と対テロ戦争加担の間の相関は、少なくとも直接的では無い。第一、特定秘密保護法も対テロ戦争加担も我が国益の確保が最優先の判断基準であろう。それに対し「中東研究に支障を来す」と言うのは中東研究者の私利(*1)でしかない。私利の追求もそりゃ良かろうが、「特定秘密保護法が無い」現状が「"テロリスト"にとって好都合な状況で」あるか否か、それが我が国益にどう関与するかにすら触れず、私利を主張するのは、国益軽視ないし無視ではないか…まあ、どんな「日本中東問題研究者による特定秘密保護法案反対意見」が公式に文書として表明されるか、確認してから議論すべきかも知れないが。
 
 が、何にせよそんな怪しげな「特定秘密保護法案反対意見」が「表明されそうな動き」だけでNHKラジオニュースで取り上げられるという事は、それほどNHKはじめとするマスコミが「特定秘密保護法案に反対」しているという事である。まあ、こんな怪しげな反対理由まで報じられるという事は、真面な反対理由にすら事欠いてきたのではないかと、密かに期待するが。
 
 NHKニュースの「日本の中東研究者」程ではないのかも知れないが、やはり怪しげなのが上掲毎(4)で取り上げられている「ツワネ原則」である。
 
1> 今年6月にまとまった50項目の「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」が注目されている。
と上掲毎(4)毎日社説にあるから、まだ出来て半年ほどしかたたない真新しい「国際原則」で、
2> 国連関係者を含む70カ国以上の専門家500人以上が携わり、2年以上かけて作成された。
 
のだそうだ。情報公開と機密保護のバランスに関する提言だから、そりゃ「永遠のテーマ」と言ってよさそうなぐらいに議論の種は尽き無ゐだろうが、ともかく一つの「国際原則」としてまとめた労は多としよう。上掲(4)毎日社説はその「ツワネ原則」に現行・特定秘密保護法案は反していると、非難している訳だが…何とも間抜けな事だ。上記2>「国連関係者を含む70カ国以上の専門家500人以上が携わり」ツワネ原則なる「国際原則」が提言されたという事は現行・特定秘密保護法案に準じた機密保護法は、「ある」のが当たり前、という事だ。そうで無ければ「国際原則」何ぞ、提言どころか議論する事さえ難しかろう。言い換えれば、現行・特定秘密保護法案とは異なるかも知れないが、機密保護法は「グローバルスタンダード」と言う事だ。
 
 「機密保護法は"グローバルスタンダード"」と言う事に毎日新聞が気付き、特定秘密保護法案の修正へと「条件闘争」に切り替えた、と言うならば、それはそれである種の「進歩」であろうが、どうも上掲毎(4)社説からもその後の毎日社説からも、とてもそんな「進歩」は感じられない。
 
 これ即ち、「ツワネ原則」なるモノも、「特定秘密保護法案成立阻止」の為の口実、という事であろう。
 
 という事は、やっぱり「特定秘密保護法案反対理由」に事欠いてきたって事ではないのかな。NHK AMラジオニュースの様に。

 

<注釈>

(*1) 私欲とまでは言わぬまでも