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 昨年の「沖縄県民大会決議」だの、今年の「建白書」だの、沖縄二紙の記事やら社説やらで危険な欠陥機」と喧伝されてやまない世界初の実用チルトローター機オスプレイである。ではあるが、ごくごく一部の報道の通り、フィリピンが被った台風30号被害の救援支援に八面六臂の大活躍をしており、さらに先立つ報道ではアメリカ政府のVIP専用機に採用されたり、「夢の航空機」と言うより「見果てぬ夢の航空機」であったチルトローター機を実用・実現したオスプレイは、その「危険な欠陥機」と言う「風評被害」を自らの飛行実績によって払拭しつつある。
 
 無論、空を飛ぶ航空機であり、機数も飛行時間も多い以上、今後も「オスプレイの墜落事故は後を絶たない」であろう事は賭けても良いぐらいだ。だが、極言すれば墜落事故を起こさない航空機は、飛行しない航空機だけ。」とさえ言えるのだから「飛行機の安全性」は通常は「飛行時間当たりの事故件数=事故率」で定量評価される。その事故率で、オスプレイ海兵隊型は「10万飛行時間当たりの重大(カテゴリA)事故件数約2件(*1)」と言う、下手な民間航空会社が裸足で逃げ出す(*2)高い安全性を示しているのだから、配備開始以来5年を経て、実戦にも投入されたCombat Provenである事共々、「沖縄県民大会決議」、「建白書」、沖縄二紙の記事やら社説やらの言う「危険な欠陥機」なるレッテルが如何にいい加減かは「知る人ぞ知る」=「知らない人は知らない。ばかりか、知ろうともしないし、理解もしない」処である。
 そんな「オスプレイは危険ではない」と「知りもしなければ、知ろうともせず、理解もしない」オスプレイ危険説信奉者は放っておいて、世の中そんな信者ばかりではないから、オスプレイやその発展型・民間機型に注目が集まっているそうだ。

 

<注釈>

(*1) この数字について、琉球新報が「カテゴリA判定基準の損害額を、100万ドルから200万ドルに「密かに」引き上げた、偽装された数字だぁぁぁぁぁ!」と糾弾して居る事は何度か当ブログでも記事にした処。其の度に「そのカテゴリA基準の改訂前後とも、「死亡事故は損害額に関わらずカテゴリA事故である点に変わりは無い」と指摘している。即ち、当該「カテゴリA基準変更」で変動する分は「誰も死亡せずに、損害額が100万ドル以上200万ドル未満である事故」だけ。これが「重大事故」かどうかは、その損害額をどう評価するかであろう。オスプレイのオーナーである米軍、米国、米国民にとってはソリャ重大だろうが、ねぇ。
 「カテゴリA事故の基準を"密かに改訂"なんて、出来るのか?」と言う疑念を呈した事もある。本当に「密かに改訂した」のなら、それだけで結構なスキャンダルないしスクープだろうに。 
 
(*2) ま、余程「下手な」民間航空会社であるが。 
 
【ロイター】オスプレイ輸出、近く急拡大の可能性=米海兵隊幹部
2013年 11月 18日 21:15 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE9AH00720131118/
[ドバイ 18日 ロイター] -米海兵隊のダン・ロビンソン大佐は、米ボーイングとベル・ヘリコプター製造のオスプレイ(V─22)輸送機の他国への売却が「非常に近い将来に」大幅に増える可能性があるという見方を示した。
 同大佐は米国防総省のV─22プログラムの責任者。米軍による世界でのオスプレイ配備が増えていることが、需要を促進していると述べた。ドバイ航空ショーでの発言。

 同航空ショーで米海兵隊はオスプレイ4機のテスト飛行などを披露し、海外への売り込みを図っている。

 ロビンソン大佐はロイターに対し、「この地域で他国軍に対してだけでなく、VIPあるいは企業の重役の輸送向けに、好機が広がっているとわれわれはみている」と述べたうえで、VIP向けには貨物室の再構築が可能だとした。

 他国軍への売却に関しては、「非常に近い将来に大幅に増える可能性がある」と語った。

 米国防総省当局者らはオスプレイに関し、アラブ首長国連邦(UAE)、日本、カナダ、サウジアラビア、カタール、イタリア、ブラジル、コロンビア、シンガポールとオーストラリアに対し説明を行ってきた。

 ヘーゲル国防長官は4月に、最初の輸出がイスラエル向けになると明らかにしている。関係筋によると、イスラエルに対しては1機当たり7000万ドルで6機売却するとみられており、現在詳細を詰めているところだ。

 関係筋によると、UAEは10機前後を輸入することに関心を示している。日本は20─40機を長期的に購入することに関心を示している。
 
 

「オスプレイ沖縄配備だけ反対」論の愚かしさ

 さて、如何だろうか。
 上掲ロイター記事が報じるのは、「オスプレイ(V─22)輸送機の他国への売却が「非常に近い将来に」大幅に増える可能性がある」と言う、いわば「オスプレイの宣伝」である。報じられているのは、①イスラエルに、近日中に6機輸出見込み②UAEも10機前後購入に関心を示す ③日本は20─40機を長期的に購入に関心ありと言うから、「契約成立=商談成功」は今の処上記①「イスラエルに6機」だけのようだ。が、それ故にこそ「「非常に近い将来に」大幅に増える(*1)可能性」なのであろう。
 
 オスプレイはチルトローター機であり、ある意味「夢の航空機」ではあるが、当然ながら万能航空機では無い。大型輸送ヘリにはオスプレイよりも搭載重量・搭載容量が大きいものもあるし、大型固定翼輸送機ならばさらに大きい。飛行速度や航続距離ではジェットエンジンの固定翼輸送機の方が、オスプレイよりも速く、遠くまで飛べる。

 だが、ヘリは垂直離着陸できるが、速度・航続距離ではオスプレイや固定翼機に負ける。

 固定翼機は速度・航続距離に優れるが、オスプレイやヘリの様な垂直離着は不可能だ(*2)。
 
 固定翼機とヘリ、両者の良い所取りが「チルトローター機」=オスプレイだ。見様によっては「中途半端」だが、それはそもそもチルトローター機そのものが「中途半端」なコンセプト。用途・目的によっては逆にうってつけの適材適所となる。その「適所」の例が、軍事戦術輸送や揚陸・上陸・降下作戦であり、もう一つが被災地への緊急輸送だ。当面の間オスプレイとその発展型が「人類史上初にして唯一の実用チルトローター機」であるのだから、斯様な用途に適したチルトローター機は、必然的にオスプレイ一族の独占状態となろう。
 
 問題は、「チルトローター機市場」が何処まで拡大するか、だろうな。
 
 当面は軍用輸送機、特殊作戦機、つまりは米軍がオスプレイに課している任務であろうが、前線航空統制などもメリットは在りそうだ。民間機としては「社用ヘリ」の延長上となりそうだが、オスプレイ=チルトローター機の航続・巡航性能は、「燃費の良さ」をも意味しようから(*3)、少なくとも「全く商売にならない」という事は無いように思う…多分。
 
 なろう事なら、民間機型チルトローター機=オスプレイ発展型が大ブレークして、那覇空港に大挙飛来する、何てことになってくれないかと、期待してしまう。そのとき沖縄二紙や、自称「沖縄県民」や、普天間基地周辺に布陣する「オスプレイ沖縄配備(だけ)反対派」は、一体どんな反応を示すかと、想像するのも一興だ。那覇空港周辺で抗議の「凧揚げ」「風船揚げ(*4)」を敢行するかどうかも、見ものだ。
 
 「そうなる」とは限らない。オスプレイの航続距離や速度からすると、大陸間の様な遠距離国際航路には就航できないだろう(*5)。
 
 それでも、「そうなる可能性がある」事を、「オスプレイ沖縄配備(だけ)反対派」や「オスプレイ危険説信奉者」がどう考えているかは、じっくりお聞かせ願いたい処だね。

 

<注釈>

(*1) 上記②、③合わせて最大「50機以上の追加」だからな。 
 
(*2) ああ、ハリアーやF-35BのようなVTOL機ならば、可能だ。が、VTOL輸送機は、従来のチルトローター機と同様に試作機のみに終わっている。今の処は、だが。 
 
(*3) 機体重量などの諸条件が異なるので、比較は難しそうだが。 
 
(*4) 再三これも繰り返しているが、阻塞気球なんて対空兵器があるぐらいなのだから、飛行場周辺特に滑走路延長上での「凧揚げ」「風船揚げ」は、立派なテロ行為で犯罪であり、戦闘行為ともみなしうる。もっと言えば「明確な指揮系統の下、明白な標識を付ける」事無く戦闘行為実施した者は、ゲリラ・テロリストとして扱われ、戦時捕虜とはみなされない。状況によっては軍法会議=(この場合)即決裁判で銃殺だ。 
 
(*5) 民間機が空中給油するならば、別だが。捕鯨船団は軍艦と同様に洋上給油しているし、あながち荒唐無稽でもないぞ。