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 「我らのみ」と銘打つ記事は、当ブログでは少なくとも二本目だ。前回は我らのみ。-世界初の16インチ砲戦艦「長門」級と世界唯一の18 インチ砲戦艦「大和」級  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/33258232.html として、我が国建艦史上の金字塔である「長門」級・「大和」級両戦艦を題材として、誇るべき我らが先人の偉業を讃えた。

 「我らのみ」と言うのは、アイルランド独立派の一つ、シン・フェイン党の標語、と言うか党名となっている「シン・フェイン」の意味である。であるならば、シン・フェイン党を敢えて日本語訳すれば、「唯我党」ないし「唯我独尊党」となって、一寸日本じゃ議席は取れそうにない。が、「我らのみ」と言う標語に表れる自尊自負は、なかなか魅力的だ。

 今回再び「我らのみ」なんてシン・フェイン党の(ある意味傲岸不遜な)標語をタイトルにしたのは、前回と同様に「日本人としての自尊心をくすぐられたから」である。


【AFP】東京の地下鉄、世界に誇る正確なダイヤ
2013年09月24日 15:42 発信地:東京
http://www.afpbb.com/article/economy/2970064/11368053


【9月24日 AFP】東京を縦横無尽に走る地下鉄ネットワークを前にしたら、慣れていない人は困惑して怖気づいてしまうかもしれない。

味気ない効率最優先の駅には、絶え間なくアナウンスが流れている。だがプラットホームにあふれ出てくる乗客も、車両にこれでもかと押し込まれる乗客も、そのアナウンスをまったく意に介していないようだ。1日に何千万人もが電車を利用する大都市。美しい光景ではないかもしれないが、ラッシュアワー時には乗客を押し込んででも乗せないと、東京の地下鉄が誇る時刻表どおりの発着ができず、この街は回らなくなる。

■世界の都市にはまねできない「時間厳守」文化の賜物

路線は13本、総延長195キロに300駅近くが散らばる。ピーク時は2、3分ごとに電車がホームに入ってくる忙しさだ。

地下鉄の職員らは、東京のビジネス文化と時間厳守という世間的な価値観が、運行時間の正確さをもたらしたと口をそろえる。それは海外の地下鉄が容易にはまねできない正確さだ。「地下鉄は都心の生活の一部。安全で時間通り走っているのが当たり前で、お客様もそれを前提としている」と、東京メトロ広報課の桑村正吾氏は言う。

人口3500万人が暮らす東京首都圏では、地上を走る電車と連動し、東京メトロ(Tokyo Metro)と都営地下鉄(Toei Subway)の地下鉄2社が運行している。1日の地下鉄の乗客は合わせて約1000万人、電車網全体では約2600万人。世界最大の都市圏電車網だ。

各社、各路線は相互に連携しているため、時間の正確さが何よりも重要になってくる。1つの路線のちょっとした遅れは他の路線のダイヤを乱し、それが連鎖的に波及してしまう。たとえ1分でも遅延が生じたときには、乗客に対する謝罪のアナウンスが繰り返し車内に流れる。鉄道会社では、乗客が会社へ遅刻理由として提出できるように遅延証明書を発行。ダイヤがかなり乱れた場合は、ニュースで取り上げられるほどだ。

■「運転士」は少年の憧れの職業

遅れた場合は技術で遅れを取り戻すようにしないといけない、と萩田旬作(27)運転士はいう。萩田運転士によれば、最近ではヒューマンエラーのリスクを最小限に抑えるために、コンピューターで運行され中央制御室でモニタリングされるようになっている。運転士は基本的に操縦室に座って目の前のコンピューターをモニターしたり緊急時に対応する。地震警報が発せられたときは、すべての電車が自動停止するという。

地下鉄のある路線に遅れが生じると、関係する他の電車もスピードを少し落として乗り継ぎに支障をきたさないようにする。そうすれば、乗り継ぎ待ちの客がホームにあふれたり、遅れていた電車がようやく入って来たときに殺到することもない。

地下鉄の運転士や駅ホームの係員は、安全のために確認を怠らない。操縦室では白い手袋をはめた運転士が、安全確認をするたびに目視だけでなく口に出して復唱する。ホームでは職員が、ドアが安全に閉まっているかどうか指差し確認をしてから運転士に「発車オーライ」の合図を送る。

電車の運転士は、日本の男の子が将来なりたい職業の中でサッカー選手や医者、警察官と並んで人気が高い。「子供のときから見ているので、特に違和感はなかった。いつか結婚して家族ができたら、乗せて走りたい」と萩田運転士は言う。

■五輪招致でもアピールポイントに

東京の電車網の素晴らしさは、先日の2020年夏季五輪招致においてもアピールポイントだった。プレゼンテーションでは「東京の電車網は世界随一であり、今後も発展し続ける」と紹介された。

時間厳守の文化は輸出しにくいかもしれないが、東京メトロでは交通システムを改善したいと考えている外国の鉄道会社に、自社のノウハウを伝授している。最近では中国から代表団が訪れ、電車の騒音を最小化するためのメンテナンス技術を学んでいった。エジプトからは修理部品の効率的な保管方法について問い合わせがあった。またエネルギー効率で世界有数の地下鉄を使っている東京メトロは、ベトナム・ハノイ(Hanoi)の新しい地下鉄網の整備も支援している。

だが、こうした効率性や時間の正確さをもってしても、東京の地下鉄の混雑は解消されることがない。東京メトロは通常、10車両で運行しており、1車両は定員約150人に設計されている。ラッシュアワー時には、300人近くが押し込まれる。

酔った客の大半は寝ており、暴力的な犯罪が起きることはまれだが、満員電車内での痴漢行為に対する女性の訴えは少なくない。このため地下鉄など多くの通勤電車は対策として、朝のラッシュ時に女性専用車両を設けている。メトロ広報課の桑村氏は言う。「私たちは常に改善を心がけています」
(c)AFP/ Hiroshi HIYAMA

鉄道はイギリス人が発明した。鉄道網は日本人が発明した。

 さて、如何だろうか。

 地下鉄と言うと天象地象には滅多に左右されない(※1)安定した運行が魅力の公共交通機関。日本の大都市では、渋滞などで余り当てに出来ないバス・自動車に代わる主要公共交通機関であろう。特に、我が国の首都東京の地下鉄は、一千万都市東京を縦横に走り、利用法を心得ている者には相当な利便性を提供している。

1〉 路線は13本、総延長195キロに300駅近くが散らばる。

と言うから、平均650mごとに一駅がある勘定。タクシーのようなDoor to Doorとは行かないが、「主要通りまで出て、一寸歩けば地下鉄の駅」と言う感じだろう。これに加えて都内ではJRとして環状の山手線と中央線があり、それらに一部重複並行しながら郊外へ向けて私鉄たる東急、小田急、京急、東武、西武と複数あり、尚且つこれら地上の鉄道と地下鉄が乗り入れている駅も多々ある。 当然、乗継に都合の良い運行計画になっている。

2〉 地下鉄のある路線に遅れが生じると、関係する他の電車もスピードを少し落として乗り継ぎに支障をきたさないようにする。
3〉そうすれば、乗り継ぎ待ちの客がホームにあふれたり、遅れていた電車がようやく入って来たときに殺到することもない。

と言う上掲記事にも報じられた「運航計画の柔軟運用」が、経営母体の異なる他鉄道会社にまで及ぶか/及ぼせるかは不明であるが(※2)、同じ営団地下鉄内/都営地下鉄内で「運航計画の柔軟運用」するだけでも、利便性は段違いだろう。

4〉 「地下鉄は都心の生活の一部。安全で時間通り走っているのが当たり前で、お客様もそれを前提としている」

と言う東京メトロ広報課の桑村正吾氏の発言には、その実行が伴っているだけに、千鈞の重みがある。

5〉 地下鉄の職員らは、東京のビジネス文化と時間厳守という世間的な価値観が、
6〉(東京地下鉄の)運行時間の正確さをもたらしたと口をそろえる。
7〉それは海外の地下鉄が容易にはまねできない正確さだ。

ともあるが、「東京のビジネス文化」は、ほぼそのまま「日本のビジネス文化」であろうし、「時間厳守と言う世間的な価値観」も東京に限らない。地下鉄網の規模やその運用ノウハウは東京の地下鉄が最も優れていそうであるが、「運行時間の正確さ」では東京以外の地方地下鉄も「おさおさひけは取るまい と感じるのは、我ら日本人に対する身贔屓が過ぎるだろうか。

 だが、章題にもした通り一説によると、鉄道を国営、民営、地下鉄と組み合わせた「鉄道網」と為し、相互補完や競合で利便性と経営を両立させたのは「日本が初めて」なんだそうだ。その説(※3)によると、世界広しと雖も鉄道を黒字経営にしている/出来ている国は少ないのだそうだ。鉄道と言えば「国家補助が出ているないし国営≒赤字を出しても大丈夫」な国が大半で、そんな国には私鉄=民営の鉄道なんて殆ど無いんだそうだ。我が国は適度な人口密度と移動距離もあって、全国を走る(※4)国営鉄道は民営化して一定の黒字を出しているし、数多ある私鉄=民営鉄道の方はもっと黒字を出している。尚且つ、事故は不幸にして皆無とは言えないが(※5)、新幹線を筆頭に高い安全性も確保している。地下鉄を含む鉄道が「安全で時間通り走っているのが当たり前」なのも、我が国では「常識的感覚」と言えるだろう。

 ところが…

8〉 (日本では)ダイヤがかなり乱れた場合は、ニュースで取り上げられるほどだ。

・・・・「犬が人を噛んでもニュースにはならない。人が犬を噛んだらニュースだ。」などと言われるが、諸外国では「ダイヤがかなり乱れても、ニュースにはならない」日常茶飯事である、らしい。

 我が国、鉄道網の御名を、褒む可きかな。

 「日本人にのみ可能な正確さ」@佐藤大輔作「目標、砲戦距離四万」


<注釈>

(※1) 落雷による停電であるとか、地震であるとか、地下鉄に影響する天象地象も、無いではない。 

(※2) と思いきや、ハッキリと「各社」と上掲記事に明記されている。恐るべし、東京の地下鉄。 

(※3) 公刊文献とは言え、本屋で立ち読みしただけの「耳学問」ならぬ「目学問」であり、出版社も書名も忘れたから情報源として非常に心許ないが。 

(※4) ああ、離島や沖縄県には、無いな。 

(※5) JR北海道の保線不備報道も昨今かますびしいが。