応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
朝日新聞と沖縄二紙(※1)と東京新聞は、その社説から見る限り「オスプレイ沖縄配備反対派」である。「米軍」だの「基地」だの聞くとそれだけで発狂してしまう沖縄二紙は置くとしても、全国紙たる朝日新聞や、首都圏とは言え一地方紙にしか過ぎない東京新聞が「オスプレイ沖縄配備反対派」である理由は、不明である。ま、極単純に考えれば、反米・反軍事・反米軍基地の「左翼つながり」という事になろうし、「オスプレイ沖縄配備反対派(の少なくとも一部)」が「脱原発・反原発」運動と協賛・協力している事(※2)も、その傍証となろう。
その意味で、特筆大書すべきは東京新聞であろう。何度も弊ブログで「脱原発原理主値」として槍玉にあがり、そのコラムで「新聞が義務として言わねばならない事」として「脱原発」「オスプレイ沖縄配備反対(※3)」「消費税値上げ反対」を挙げているから、少なくとも「オスプレイ沖縄配備(だけ)反対」運動と、反原発・脱原発運動の相関を知る上では、一つのサンプルとなろう。
その東京新聞が、今度は自衛隊がオスプレイ導入検討始めたことを受けて、当然ながら反対論の社説を掲げているのだが・・・
<注釈>
(※1) 当ブログでは「三アカ新聞」と呼びならわしている。
(※2) 「読解力の問題」 「想像力と責任感の問題 」 で取り上げた「星の旅」様など。尤もこの方は、「運動の趣旨に一言一句全て賛成している訳では無い」と言いつつ、『「オスプレイ沖縄配備反対」論は「だけ」と明記していないから、「オスプレイ沖縄配備だけ反対」論ではない』と仰る。今度オスプレイが配備されるイギリスについても「イギリスでも反オスプレイ運動が起きる事を期待する」そうだし、「オスプレイは危険だと思う米軍人は、米軍を辞めろ」とまで言われ、挙句の果てに、「沖縄は被害者である事を忘れるな!」と・・・沖縄県民でないと「オスプレイの被害者にはなれない」らしい。これぞ正しく、”県民差別”じゃぁないのかな。
而して、沖縄電力は日本で唯一原発を持たない電力会社であるが、脱原発の反原発なんだそうだ。それも「反米軍基地」運動と”同時上映”する事もあるそうだから、何を主張したいのやら。
(※3) 東京新聞の主張も、オスプレイ飛行停止でも運航停止でもなければ、少なくとも日本以外の配備には異を唱えた覚えが無いから、「オスプレイ沖縄配備だけ反対」なのであろう。
【東京社説】 週のはじめに考える 自衛隊にオスプレイ不要
2013年9月15日
【1】 米国の垂直離着陸輸送機オスプレイを陸上自衛隊に導入する計画が進んでいます。安全性を強調するのが狙いとみられ、本末転倒というほかありません。
オスプレイは沖縄県宜野湾市の米海兵隊普天間飛行場に二十三機が置かれました。沖縄がこぞって配備反対を表明しているだけでなく、訓練ルートを抱える本土からも反対の声が上がっています。
本土初の訓練は三月、愛媛県で始まり、地元に日程やルートが伝えられましたが、二回目以降の説明はなし。来月には滋賀県と高知県で自衛隊との共同訓練が予定され、各地を飛び回るようになっています(※1)。
【2】◆政治主導の導入計画
いずれも米海兵隊の機体ですが、防衛省は二〇一四年度予算の概算要求にオスプレイを陸上自衛隊に配備するための調査費一億円を計上し、導入目標を一五年度と公表しました。
注目されるのは、自衛隊が求めたのではなく、政治が自衛隊に使うよう求めていることです。自衛隊の装備品は統合幕僚監部がつくる二十年先の安全保障環境を見通した「統合長期防衛戦略」をたたき台に、陸海空の各幕僚監部が武力攻撃事態を想定して導入を要求し、予算化されます。
オスプレイは一二年、米軍が沖縄に配備する際、当時の玄葉光一郎外相が「安全性を訴えるため自衛隊も保有すべきだ」と提案、当時の森本敏防衛相が同調して一三年度防衛費に調査費八百万円を計上したのがきっかけでした。安倍政権も引き継ぐとみられ、「政治主導による装備品導入」が実現する見通しです。
自衛隊はなぜ導入を求めなかったのでしょうか。オスプレイは輸送機です。陸上自衛隊はオスプレイの二倍以上の人員や物資を空輸できるCH47大型ヘリコプターを五十五機も保有しています(※2)。
【3】◆優先される米国の意向
何より、国民の反発を受けることを考えると必要不可欠とはならなかったのです。
導入を決めた場合、どこに配備するのでしょうか。島しょ防衛を担う西方普通科連隊が長崎県佐世保市にあるので、九州が有力候補。佐世保に近い海上自衛隊大村基地に隣接する竹松駐屯地、熊本空港に併設された高遊原(たかゆうばる)分屯地などが検討対象となりそうです。
オスプレイが嫌われる理由は、はっきりしています。事故に巻き込まれる不安があるからです。開発段階で四機が墜落して三十人が死亡、〇五年の量産開始後もモロッコや米国で墜落しています。今年八月には米ネバダ州で着陸に失敗し、機体は大破しました(※3)。
米海兵隊はオスプレイの事故率は他の機種より低いと説明し、日本の防衛省も追認しています。しかし、米海兵隊は〇九年、損害百万ドル(一億円)以上としていたAクラスの重大事故を二百万ドル(二億円)以上に引き上げました。これにより、事故率は下がりましたが、〇九年以降、損害百万ドル以上でAクラスに分類されなかった事故を含めて再計算すると、オスプレイの事故率は海兵隊平均を上回ります(※4)。
これは偶然ではないようです。米国防総省でオスプレイの首席分析官だったレックス・リボロ氏は〇九年、米議会の公聴会で「通常のヘリコプターと比べ、制御不能に陥りやすい」と構造上の欠点を指摘しています(※5)。
小野寺五典防衛相は「離島の急患輸送や災害でも大変な役割を果たす」と太鼓判を押していますが、大丈夫でしょうか。海上自衛隊は一九九〇年代、海上救難機として導入を検討しましたが、下に吹きつける気流がすさまじく、救援を待つ人が窒息してしまうと分かり、早々に断念しました(※6)。
ハワイでは下降気流が地面を削り、自然環境に影響があるとの理由から、また米ニューメキシコ州では住民が安全性に不安を示したことから訓練を中止しています(※7)。米国で留意されることがなぜ、日本では無視されるのか。日本政府は国民の安全より米国の意向を優先させていると考えるほかありません。
【4】◆期待できない透明性
過去の不祥事から避けてはならない装備品導入の透明性、公平性は期待すべくもありません。垂直離着陸輸送機は、オスプレイしかないのです。競合機種がない以上、価格は米国の言いなりになりかねません(※8)。
防衛族議員と後に汚職で有罪判決を受けることになる防衛官僚の二人三脚に導かれ、初期配備だけでも一兆円を米国や防衛産業に支払ったミサイル防衛システムを思い起こさせます。
東日本大震災で国民からの信頼を高めた自衛隊を利用してオスプレイへの反発を弱める、そんな考えは明らかに筋違いです。
<注釈>
(※1) そりゃ、沖縄だの訓練が県外に移転されたという事で、沖縄の基地負担軽減であろうが。而して、チルトローター機たるオスプレイの優れた飛行性能は、「訓練の県外移転」を可能もしくは容易にする。(※2) これは少なくとも一面的評価だ。巡航速度と行動範囲は、オスプレイの方が上であるし、CH-47×55機の輸送能力が、我らが陸上自衛隊にとって必要十分とは言い切れまい。
(※3) 相も変わらず事故件数だけあげつらってやぁがる。事故件数なんてのは増える一方に決まってるじゃないか、減りゃしないんだから。墜落しない航空機は、飛ばない航空機だけだ。
(※4) 損害額に関わらず、死亡事故はAクラスに分類される。「損害百万ドル以上でAクラスに分類されなかった事故」と言うのは、「死者は無いが、損害額が百万ドル以上二百万ドル未満の事故」だけ。そりゃ財布持った米軍米政府にしてみれば「重大」かも知れないが、懐の痛み具合で決まる「クラスA事故」を、「重大事故」と言うのかね?「Aクラス事故の定義」が変更されたとて、それが「在る時期を期して全機種一斉に」変更されたのである限り、不当ではあるまい。
(※5) この一文、意味が良く判らないのだが。リボロ氏の言う「構造上の欠陥」は、「事故による損害額は増やすが、滅多に人は殺さない」欠陥なのかね?そうで無いと、上掲「Aクラス事故の定義変更」と「構造上の欠陥」が結びつかないんだが・・・ああ、「Aクラス事故」の定義に「死亡事故はAクラス事故」と言うのがあると認識していなければ、そうなるか。そりゃ人命軽視も甚だしいな。(※6) これは以前も東京新聞が書き、当ブログでも取り上げたが…相当眉唾だ。兵士をロープでつりさげたまま輸送する訓練なんか日常茶飯事だが、吊り下げられた兵士が火傷したとも窒息したとも聞いたことが無い。ああ、「大丈夫でしょうか。」と懸念を表明するだけだから、「窒息する、と断言はしていない。」と、言い訳できる訳か。(※7) そりゃ代替訓練場があるから、じゃないのかね。第一、ハワイやニューメキシコの基地周辺住民は米国民にして納税者。即ち、米軍のスポンサーであろうが。
(※8) ようやく実現した実用チルトローター機だ。当面はそうなろうさ。
東京新聞社説の「オスプレイは危険だ理由」を数えても・・・
さて、如何だろうか。
正直な処、一読したぐらいでは支離滅裂。「オスプレイ反対」の情念だけは明確だが、その反対理由となると「オスプレイは危険だぁ!」と言う例によって例の如くの決まり文句だけ。そのくせ「オスプレイは危険だ」説の根拠として揚げるのは、以下の二点のみ。
〈1〉 事故件数が増えている
〈2〉 オスプレイ海兵隊型の事故率を、「Aクラス事故の定義」を古い定義で計算すれば、海兵隊機の平均を上回る
上掲記事にも突っ込みを入れたが、上記<1>は「墜落事故が後を絶たない」などの文学的表現にはなるかも知れないが、「オスプレイは危険だ」と主張する直接証拠にはならない。何故ならば、事故件数なんてのは増えるばかりで減る訳が無いし、大凡空を飛ぶ航空機で「今後絶対に墜落しない」航空機なんてものは無い【断言】。「墜落しない航空機」は「飛ばない航空機」だけであり、数多く長時間飛行する航空機程「墜落事故件数は多い」のが当たり前だ。従って「墜落事故件数が増える」のは当然、減ったら不思議。「墜落事故が頻発する」のも飛行数が多く飛行時間が長い結果と言うだけかも知れない。事故件数だけ論って「危険だぁ!」と言うのは、暴論と言うモノだ。
さすがにそれぐらいの事には気付いたのか、「オスプレイ反対論」には珍しく事故率=10万飛行時間当たりの事故件数に触れたのが上記<2>である。が、これまた沖縄二紙張りに「Aクラス事故の定義変更」を引っ張り出して、「古い定義に従えば、オスプレイのAクラス事故率は海兵隊機平均を上回る」とし、「だからやっぱりオスプレイは危険だぁぁぁぁ!」と言いたいらしい。その定義の新旧差分は「死亡者なし、損害百万ドル以上二百万ドル未満の事故」だけであり、死亡事故はそれだけで「Aクラス事故」に認定されている。即ち、米軍や米政府などの「オスプレイのスポンサー」にとってはそりゃ損害額の多寡が「重大」ではあろうが、生死にも関わる安全性と言う視点からすると、損害額が重要かね?