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米国主導によるシリア攻撃は、「秒読み段階に入った」様である。私(ZERO)は、「化学兵器使用は国際的に非難糾弾されるべき」とする米国の主張を支持するモノである。「化学兵器の使用」が即「軍事攻撃の標的にされる」ほどの罪科か否かは議論の余地があるし、「化学兵器を含む大量虐殺兵器の使用」が「必ずしも国政的非難の対象になる」とは限らないのが現実でもある。だが、「化学兵器使用は国際的に非難糾弾されるべき」と言うのは国際法に基づく正論であるし、引くに引けなくなった感もある米国がその正論を行使しようと言うのに異存は無い。
仮にロシア、中国の主張する通り「シリアが化学兵器を使った証拠はない」としても、米国は「証拠がある」と主張し、その証拠は米国が予め設定した「レッドライン」を超えた証拠でもある以上、シリアに対する武力行使は実施されるだろう。
シリアが本当に「化学兵器を使用していなかった」ならば「お気の毒」な事ではある(※1)。私(ZERO)は、シリア・アサド政権を支持する者では無いが、不当な批判は不当な批判として、糾弾されるべきであろう。
<注釈>
(※1) サダム・フセインのイラクとは異なり。「サダム・フセインのイラク」は中東の一大不安定要因だった。「大量虐殺兵器の保有」を理由に滅ぼされた後に「大量虐殺兵器は無かったと判った」格好ではあるが、サダムフセインのイラクは、「中東のもう一つの北朝鮮」となりかねなかったのだから、これを滅ぼしたのは、我が国にとっての利益である。従って「大量虐殺兵器の保有」と言う虚偽報告に基づいてのイラク攻撃・イラク戦争であっても、私(ZERO)はこれを支持している。 外交の目的は、戦争と同じで、国益の追求だ。
【AFP】シリア政府が「広範囲で」クラスター爆弾を使用、報告書
2013年09月05日 12:57 発信地:ジュネーブ/スイス
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2966280/11292333
シリア北部イドリブ(Idlib)県タフタナズ(Taftanaz)で、クラスター爆弾を見せる男性(2012年11月9日撮影)。(c)AFP/PHILIPPE DESMAZES
【9月5日 AFP】シリア政府は昨年後半から今年前半にかけて広範囲にわたってクラスター爆弾を使用し、それによって多数の市民が犠牲になったとする報告書、「クラスター爆弾モニター報告(Cluster Munitions Monitor Report)」が4日、公表された。
報告書によると、昨年だけでシリア国内のクラスター爆弾による死傷者は少なくとも165人に上り、世界全体で確認されている昨年の死者190人の大半を占めた。「シリアは2012年後半から今年前半にクラスター兵器を広範囲にわたって使用。民間人に多数の犠牲者を出した」という。
毎年発表される同報告書は、2008年に署名されたクラスター爆弾の生産、使用、移譲、貯蔵を禁止した「クラスター爆弾禁止条約(Convention on ClusterMunitions、オスロ条約)」の批准国による実施状況の概要を示している。
報告書作成に参加した国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)のメアリー・ウェアラム(Mary Wareham)氏は声明で、「シリアの広範囲にわたるクラスター爆弾の使用は民間人の不要な犠牲を引き起こしてきた」と述べている。
クラスター爆弾は航空機から投下したり、砲弾に搭載したりして発射された親爆弾から広い範囲に多数の子弾を散布する。子弾は明るい色をしていることが多いため興味を持った子供が不発弾を拾った時に爆発することもあり、各国はその除去に苦慮している。(c)
シリアは、クラスター爆弾禁止条約を批准していませんが、何か?
さて、如何だろうか。
厳密に言えば、上掲AFP記事は、「シリア政府によるクラスター爆弾の使用」を報じているだけだ。批判的なトーンではあるが、「批判・糾弾している」とは断じ難い。
クラスター爆弾禁止条約と言う国際条約はある。だから、クラスター爆弾の「ク」の字でも非難する者があるのも確かだ。だが、そのクラスター爆弾禁止条約を、アメリカもロシアも中国も批准していない。
否、米露中の三大軍事大国が批准していないばかりではない。世界中に同条約を批准していない国は山とある。南北朝鮮、台湾も批准していないから、極東で同条約を批准しているのは日本ぐらい。而して、シリアもまた批准していない。
批准していない条約の掣肘なんざぁ、受ける訳が無い。言い換えれば、シリア政府がクラスター爆弾を使用するのは、シリア政府の勝手という事だ。
「シリア政府がクラスター爆弾で民間人を殺傷している」事を非難するならば、主眼は「民間人を殺傷している」であって、「クラスター爆弾の使用」はおまけでしかない。
「シリア政府のクラスター爆弾使用」を非難するのは、非難する者の勝手だが、法的根拠は無いぞ。シリアはクラスター爆弾禁止条約を批准していないのだから、「クラスター爆弾を使用したぁぁぁぁぁぁ!」と非難されたところで、屁とも思うまい。
煎じ詰めれば、タイトルにした通り。「シリア政府のクラスター爆弾使用を非難する」のは、非難する者の勝手だが、シリアはクラスター爆弾禁止条約を批准していないのだから、同条約に掣肘される訳が無い。
まあ、同条約に掣肘されないと言うのならば、我が国の近隣諸国全て( 中国、ロシア、韓国、北朝鮮、中華民国 )が、そうなのだがね。