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 先行記事にもした通り、私(ZERO)は滅多に週刊誌を買わない、読まない。立ち読みすらもしようと思わない。その理由は「読むに値しない」と判断しているから、だ。先行記事で取り上げた日刊ゲンダイ(※1)記事も凄まじかったが、週刊朝日だって負けてはいないようだ。

 なにしろ、「麻生副首相ナチス発言」を焚き付けたのは朝日だって説があるぐらいだから、週刊朝日としては自己弁護にこれ努めねばならないのだろうが、それにしても・・・

<注釈>

(※1) 「日刊ゲンダイは、週刊誌ではない!」と言う突込みはさておき。 



【週刊朝日】ナチス発言は氷山の一角 まだまだあった麻生副総理“オフレコ”失言集〈週刊朝日〉
dot. 8月7日(水)11時45分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130807-00000005-sasahi-pol

※ 【】はZEROがつけた「失言」番号

憲法改正に絡み、「ナチス政権の手口に学んだらどうか」と発言した麻生太郎副総理兼財務相(72)。海外や野党から猛バッシングを受け、撤回したが、政権ナンバー2の相変わらずの失言癖に、党内には「要職に起用し続けて、大丈夫なのか」との声が広がっている。

今回の麻生氏の失言に特にカンカンだったのは、安倍首相側近の菅義偉官房長官(64)だ。発言の深刻さを理解していなかった麻生氏に対し、電話で「大きな誤解を招いている。撤回も含め検討してほしい」と、きつい口調で迫ったという。

「昨年末の安倍政権発足後から、菅さんは閣議で初入閣の大臣に対し、『発言には十分気をつけるように』と注意していました。しかし、そんな場でも麻生さんは『俺を注意しなくていいのか。一番危ないぞ』などと、軽口をたたいていたようです。だから余計に菅さんは腹が立った。せっかく参院選で大勝し、ねじれを解消したのに、総理経験者に足を引っ張られた格好です」(自民党ベテラン議員)

立場や役職が変わっても、性格は簡単には変わらない……。麻生氏はこれまでも失言を繰り返してきた。

衆院議員時代の1983年には【1】「女性に参政権を与えたのは失敗だった」。

首相時代の2008年には、【2】「多額の収入がありながら(定額給付金の)『1万2千円をちょうだい』と言う方はさもしい」【3】「医者は社会的常識が、かなり欠落している人が多い」と問題発言を連発した。

副総理就任後の今年1月、終末期医療に関し【4】「さっさと死ねるようにしてもらわないと」と言い放った。

だが、“舌禍事件”はこれだけではない。自民党関係者を取材したところ、出るわ出るわ……。

「2年前のある講演では【5】『日本ほど安全で治安の良い国はない。ブサイクな人でも美人でも、夜中に平気で歩けるのだから』と。完全に女性蔑視の発言ではないかと心配になりました」(自民党中堅議員)

別の議員もこう証言する。「自民党副総裁の高村正彦氏の仕事ぶりを【6】『弁護士あがりの議員は口先だけの人が多いけど、高村副総裁だけは違う』と評価してました。だが、安倍内閣の3閣僚や公明党トップも弁護士出身。『私たちは口先だけか?』と誤解されかねない」。

4月の名古屋市長選で、応援した前自民党市議が河村たかし氏に敗れた直後、悔し紛れか、こう言い放った。【7】「名古屋人というのは民度が低い。あんな市長(河
村氏)を選んじゃうのだから」。

6月の東京都議選では、千代田区内で行った応援演説でも思わず、本音が……。【8】「八王子や西多摩って、まだ東京都なんだなあ。奥多摩なんてえらい人が少ない。私の住んでいる筑豊のほうが、まだ人がいる」。

まさに、枚挙にいとまがない。今回のナチス発言と共に、こうした問題発言も徐々に党内に広まり、「麻生氏の首相再登板」の可能性は遠のくばかりだ。「今回は国際問題にも発展しかねない失言で、かばう議員もほとんどいない」(自民党幹部)という。

最近の麻生氏は失敗続きだ。7月30日の参院議員会長選では、町村・岸田・額賀の3派連合が担いだ溝手顕正氏(70)に、自分の派閥の鴻池祥肇氏(72)をぶつけたが、惨敗した。

「頼みの大島派との合併も、昨春からなかなか進んでいません。安倍総裁誕生の立役者だった麻生氏ですが、今回の失言を機に、閣外へ追放される可能性も出てきました」(政治評論家・浅川博忠氏)

自業自得か……。


※週刊朝日 2013年8月16・23日号



データベースをひっくり返しただけ?


 さて、如何だろうか。

折角振った「失言」番号だ。新ためて「麻生副首相失言集」を整理羅列すると、以下のようになる。()内はその「失言」をした時期だ。

【1】「女性に参政権を与えたのは失敗だった」(1983年)

【2】「多額の収入がありながら(定額給付金の)『1万2千円をちょうだい』と言う
方はさもしい」(2008年)

【3】「医者は社会的常識が、かなり欠落している人が多い」(2008年)

【4】「(終末医療について)さっさと死ねるようにしてもらわないと」(2013.1)

【5】「日本ほど安全で治安の良い国はない。ブサイクな人でも美人でも、夜中に平気で歩けるのだから」(2011年)

【6】「弁護士あがりの議員は口先だけの人が多いけど、高村副総裁だけは違う」(不明。最近か?)

【7】「名古屋人というのは民度が低い。あんな市長(河村氏)を選んじゃうのだか
ら」(2013.4)

【8】「八王子や西多摩って、まだ東京都なんだなあ。奥多摩なんてえらい人が少ない。私の住んでいる筑豊のほうが、まだ人がいる」(2013.6)

 上掲記事タイトルにまだまだあったとあり、本文中〆に近い当たりにまさに、枚挙にいとまがない。」とあるように、上記【1】~【8】8つの「失言」が列記されている訳だが…虚心坦懐、前後説明なし(※1)上記【1】~【8】の内「失言!」と断言できるのは、どれだろうか。
 私(ZERO)の見る処では、普通に考えて上記【2】と上記【8】は「極当たり前、それこそ常識的な感想」であって、「失言」と扱う方がどうかしている。そりゃ腹を立てる人はあるかも知れないが、特に上記【8】なんて、「腹を立てる」方の面を拝みたいぐらいなものだ。
 上記【5】と上記【6】も、「そういう意見の人もあろうさ」と許容できる範囲。「失言」と言うには程遠かろう。そりゃ「失言だぁぁぁ!」とイチャモンをつける事は出来るだろうし、実際上掲記事は付けている訳だが、「イチャモン」ではあっても指摘にも糾弾にも批判にもなりそうにない。

 これでは、上掲記事の「麻生総理”オフレコ(※2)”失言集」は、半減だ。

 以上の「失言合否判定」は、先述の通り「前後の文脈や背景情報を殆ど排した状態で」の判定だ。これに前後の文脈や背景情報が加われば、上記「失言集」はさらに減るだろうと、十分予想される。

 さらには、何しろ先の麻生政権時代をはじめ、マスコミ、特に朝日の麻生氏に対する「失言攻撃」は凄まじかったから、朝日新聞記事データベースで「麻生 失言」ぐらいをキーワードに検索をかければ、上記【1】~【8】の様な「失言記事」は、いくらも引っかかって来よう。実際、そうやって上掲記事を書いたのではないかと言う疑いは濃厚で、上記【1】~【8】の内今回新たに取材したと思えるのは、上記【5】と上記【6】だけ。ありゃ、どちらも上述の通り、「前後の文脈や背景情報を殆ど排した状態で」「失言失格」ではないか。

 でまあ、そんな結構無理やりな「麻生太郎氏失言集」を報じる上掲記事は。以下の様に上掲記事を〆る。

1>  最近の麻生氏は失敗続きだ。
2> 7月30日の参院議員会長選では、町村・岸田・額賀の3派連合が担いだ溝手顕正氏(70)に、自分の派閥の鴻池祥肇氏(72)をぶつけたが、惨敗した。
3>  「頼みの大島派との合併も、昨春からなかなか進んでいません。
4> 安倍総裁誕生の立役者だった麻生氏ですが、今回の失言を機に、閣外へ追放される可能性も出てきました」(政治評論家・浅川博忠氏)
5>  自業自得か……。

…そりゃ「参院議員会長選惨敗」は「麻生太郎氏の失敗」ではあろうが、日本国副首相としての失敗でもなければ、財務大臣としての失敗でもない。上掲記事の中で麻生氏「失言」の舞台となった都議選も参院選も自民党は大勝しているのだから、「麻生副首相兼財務相としては、少なくとも成功もある」のに上記1>「失敗続き」かね。

 で、最後は「政治評論家・浅川弘忠氏」なんてのが出て来て、「麻生氏閣外追放」への期待を滲ませる。余程「ナチス発言(※3)」の影響を大きくしたいのだろう。そりゃそうか。朝日が元々、扇動源なんだから。

 週刊朝日の「麻生太郎氏閣外追放」に対する期待は良く判るが、こんな「失言集」や「麻生副首相ナチス発言」如きで麻生太郎氏を切るようでは、自民党にも未来は無かろう。

 それこそ正に、朝日の望むところではあろうが。


<注釈>


(※1) 前後の説明があれば、「単独では失言たりえる発言も、失言でなくなる事がある」。逆も、まあ無いではないだろうが、かなり難しいだろうな。故に、「発言単独を取り上げて、失言扱いする」事は十分可能だし、最近の「麻生副首相ナチス発言」は、正にそれだろう。 

(※2) 根源的な疑問なんだが…「オフレコ発言」から「失言」を集めて来るってのは、手っ取り早くはあるだろうが、報道としては自殺だろう。「オフレコ発言」が「失言」扱いされるようでは、誰も「オフレコ発言で、真情を吐露」なんてしなくなるだろうから。つまりは、「オフレコ失言集」と言うのは、ある種の麻薬だな。
 尤も、上掲記事タイトルは「オフレコ」に「””」がついているから「オフレコ的と言う意味であって、実際はオフレコではなかった」と言う、言い訳なのかも知れない。いや、実に、朝日らしいな。 

(※3) 全文はこちら
http://www.asahi.com/politics/update/0801/TKY201307310772.html 実に不思議なんだが、これ、朝日新聞電子版記事。アリバイ作りって事かな。ネット上に公開されている点は、高く評価するが。