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先行記事で取り上げた東京新聞に引き続いて、朝日新聞も社説でオスプレイ沖縄配備を非難している。
非難しているのは確かなんだが…まあ、ご一読のほどを。
【朝日社説】オスプレイ―負担軽減の約束どこへ H25/8/1
米海兵隊の新型輸送機オスプレイ12機が米軍岩国基地(山口県岩国市)に陸揚げされた。
試験飛行や整備を経て、今月上旬に沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場に配備される。
普天間には昨秋からオスプレイの第1陣、12機が配備されており、これで計24機になる。
安倍首相は「沖縄の負担軽減に全力で取り組む」と誓ってきた。これでは逆に、負担倍増ではないか(※1)。
沖縄の反発は、強まるばかりである。
今年1月、沖縄県内の全41市町村の首長らが上京し、首相に配備撤回を直訴し
た。追加配備も中止を求めた。仲井真弘多(ひろかず)・沖縄県知事は「沖縄の負担は限界」と訴えてきた。
それなのに、なぜ普天間への追加配備なのか。説得力のある説明はない。
老朽化した輸送ヘリCH46に比べ、オスプレイは速度が2倍、搭載能力は3倍、行動半径は4倍とされる。専門家の間でも沖縄配備にこだわる必然性は小さくなったとの見方がある(※2)。
地元の訴えに真剣に耳を傾ける姿勢も見られない。
沖縄県は、昨年配備されたオスプレイについて目視調査を実施。飛行ルールなど
の日米合意違反が、2カ月間で318件あったと指摘した。
これに対し、防衛省は「違反との確証は得られていない」とする検証結果をまとめた。
ところが、その根拠は「22時以降は飛行しないよう努力しているとの説明を米側から受けている」「住宅地が少ない場所を飛行しているとの説明を米側から受けている」と、米側の説明をそのまま受け入れている。
そもそも日米合意自体が「できる限り人口密集地域上空を避ける」「できる限り早く夜間の飛行を終了させる」と米軍に配慮した書きぶりで、厳しい歯止めにはなっていない(※3)。
これでは、沖縄軽視と言われても仕方あるまい。
オスプレイの空軍仕様機CV22の配備問題も浮上している。米太平洋空軍のカーライル司令官は会見で、配備先の候補として、沖縄の嘉手納基地(嘉手納町など)と、東京都の横田基地(福生市など)を挙げた。
だが菅官房長官は横田基地への配備について「実現性はないと思っている」と述べている。沖縄がさらに負担を強いられる可能性がある。
負担軽減の約束はどこへ行ったのか。「抑止力強化」の名の下に沖縄の民意を黙
殺するようでは、いずれ日本の安全保障政策は行き詰まる。
<注釈>
(※1) オスプレイは、CH-46ヘリの代替ですが、何か?(※2) 「老朽化した輸送ヘリCH46」と触れるが、その代替機種がオスプレイである事には触れない。アリバイ作りの一文と見たぞ。(※3) 戦争は夜間もやるのだから、夜間飛行訓練するのが当然。普天間基地の周囲は「人口密集地帯」なのだから、離着陸のたびに「人口密集地帯上空を飛行する」のも当然だろう。「できる限り」と言う付帯条件が無ければ「歯止め」どころか飛行停止にしかなるまい。
東京の「民意だぁ!」に対し「基地負担軽減だぁ!」か
さて、如何だろうか。
章題で殆ど言うべき事は尽きているな。先行記事で取り上げた東京新聞社説「民意顧みぬ強行配備だ」が、「沖縄県民の民意」を盾にとってのあれこれ戯言を吐いているのに対し、上掲朝日社説は「基地負担軽減の約束」だけを取り上げているから、先行記事にした様に「沖縄県民民意の正当性」を糾弾されずに済む。仲々巧妙な事だ。
だがしかし、上掲朝日社説では断片的にしか述べていない「海兵隊型オスプレイは、旧式化したCH-46ヘリの代替である。」と言う一事を以ってしても、上掲朝日社説は粉砕できる。海兵隊型オスプレイは、CH-46よりも高い安全性を実証しているのだから、「オスプレイの代替配備は基地負担の軽減である。」と主張できるのだから。
1〉 それなのに、なぜ普天間への追加配備なのか。説得力のある説明はない。
なんてイチャモンにも同様だ。代替配備なんだから、元あったCH-46の機数分は海兵隊型オスプレイが配備されるのが当然だろう。
2〉 老朽化した輸送ヘリCH46に比べ、オスプレイは速度が2倍、搭載能力は3倍、行動半径は4倍とされる。
3〉専門家の間でも沖縄配備にこだわる必然性は小さくなったとの見方がある
と言うのも、愚問と言うべきだ。上記2〉「速度が2倍、搭載能力は3倍、行動半径は4倍」のオスプレイが、沖縄に代替配備されれば、それだけ抑止力は向上するのが道理。中国や北朝鮮が「オスプレイの沖縄配備」に神経を尖らすのも(※1)、そのためだろう。
4〉 「抑止力強化」の名の下に沖縄の民意を黙殺するようでは、いずれ日本の安全保障政策は行き詰まる。
…何とも間抜けな〆方だ。沖縄は正しく対中国最前線であり、中国が領土的野心をむき出しにしている「侵略対象」であろうが。
第一、その「沖縄の民意」とやらが、昨年の「県民大会決議」や今年の「建白書」に明記されている通り、「オスプレイは危険だから沖縄配備だけ反対」と言う「オスプレイ搭乗員や沖縄以外の基地周辺住民はいくら死のうと知った事ではない」と公言した主張なのだ。真面な良心を持つ者が、相手にする可き主張ではない。
言い換えれば、上掲朝日社説の言う「沖縄県民の民意」は無視されて当然であるし、オスプレイ配備によって基地負担は軽減されるのだから、天地俯仰に恥じる処なぞ無い。
<注釈>
(※1) そして恐らくは、陰に陽に「オスプレイ沖縄配備反対運動」を「支援」しているのは。