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「詐欺師」と言う犯罪者は、「如何に騙すか」が勝負なのだろう。結婚詐欺や寸借詐欺にしろ、オレオレ詐欺(*1)にしろ、何とかして「金を騙し取る」のが基本。被害者の方は何らかの形で「騙される」訳だ。
「被害者の警戒心不足ではないか」と思われる事例もあるが、「騙される方が悪い」と言うのは、普通は暴論ないし「詐欺師の論理=自己弁護」であろう。だが、こういう詐欺に騙された、となると…「被害者」にも相応の罪があるのではないか。
【注釈】
(*1) 最近、手が込んできたので「オレオレ詐欺」に代わる呼称を募集中らしいが。
「還元液で1万円札に戻る」ブラックマネー詐欺で100万円盗む グアテマラ国籍の3人逮捕
2013.7.1 14:04 [詐欺・出資法違反]
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130701/crm13070114060006-n1.htm
紙幣を白紙で挟んで薬品をかけると紙幣が増えるなどと偽る「ブラックマネー詐欺」と呼ばれる手口で、女性から現金100万円を盗んだとして、警視庁麻布署は、窃盗(詐欺盗)の疑いで、グアテマラ国籍で住所、職業不詳、アルドン・エルナンデス・メルビン・ロデリコ容疑者(38)ら外国人3人を逮捕した。同署によると、3人は容疑を否認している。
逮捕容疑は、6月19日昼ごろ、東京都港区内のホテル客室で、都内の女性(23)に「私たちはお金に困っている。お金を出してくれれば20%のお礼をす
る」と持ちかけ、21日に用意させた現金100万円を黒い紙の束とすり替えて盗んだとしている。
3人は女性に「1万円札を同じ大きさの白紙で挟んで薬品をかけると黒く変色し、還元液をかけると全て1万円札に変わる」と説明。女性の前で実践し、すり替えた現金を示すなどして信じ込ませ、100万円を用意させた。不審に思った女性が親族に相談、「ブラックマネー詐欺」だったことが分かり、同署に相談していた。
「架空の投資話」よりも、「被害者」に罪はあろう
さて、如何だろうか。
「ブラックマネー詐欺」なんて名前が付くぐらいだから、同様の手口がある程度みられるのだろう。一種の儲け話による詐欺であり、「架空の投資話」詐欺と「同じ構造」と言えば「同じ構造」ではあるが、以下のような手口と報じられている。
1〉 「1万円札を同じ大きさの白紙で挟んで薬品をかけると黒く変色し、還元液をかけると全て1万円札に変わる」と説明。
2〉 女性の前で実践し、すり替えた現金を示すなどして信じ込ませ、100万円を用意させた。
即ち、上記1〉を詳述すると、以下のようになる、らしい。
(1) 1万円札を、同じ大きさの白い紙(多分、2枚)に挟む。
(2) 1万円札を挟んだ白い紙に、尤もらしく薬品をかけて、色を変える。
(3) 上記(2)の時に、外側の2枚の紙を、本物の1万円札にすり替える(多分)
(4) 「元の白い紙が1万円札になった」と、(多分合計3枚の)1万円札を見せる。
(5) 「白い紙と薬品はあるので、元手になる1万円札百枚を貸してくれ」と、持ちかけ、騙し取る。
上記(3)である種の手品を使っているのが、「高等な手口」と言えなくもない。また、先述の通り、ある種「儲け話」を持ちかけることによる詐欺でもある。
上記(3)で「元白紙が1万円札(本物)にすり替えられた」筈だから、出来上がった「3枚の1万円札」は、全て紙幣番号が異なるはずだ。被害者にもう少し警戒心があれば、その点に気付いただろう。そこは詐欺師も承知だろうから、当然その点に気付かせないようにする(※1)とか、「この薬品には、紙幣番号を変える力もある(※2)」と説明するとか、手は打っているんだろうが。
あるいは、こう考えても良い。「1枚の1万円札を3枚に増やせる。1Step3倍のなのだから、2Stepで9倍。4Stepで81倍。”元手の百万円”を作るのに、1万円札1枚を元にしても、5Stepもかからない。
逆に”元手として用意する百万円”は、”1万円1枚からの5Stepを省く”だけである。」こう考えれば、「なぜ、元手として百万円必要なのか?」と言う疑問が当然湧く…筈だ。欲に目が眩んでいれば、それも怪しいが(※3)。
さらには…この「儲け話」は、普通に考えれば「偽札作り」と言う犯罪であり、「ブラックマネー詐欺に騙された被害者」は、「偽札作りに加担しようとして失敗した犯罪未遂者」の筈である。これは、ブラックマネー詐欺が「金を物理的に増やす」事による以上、不可避な事だ。「紙幣偽造未遂罪」なんて罪は無かろう、と多寡をくくっていたら、ウイキペディアによると通貨偽造罪も有価証券偽造罪も未遂罪があるそうだから、「ブラックマネー詐欺の被害者」は、この未遂罪を免れそうにない(※4)。
詐欺師の方は、そんな「被害者」の罪の意識・後ろめたさを「安全策・防衛策」とし、詐欺の成功率を高め、告訴される可能性を低めているのかも知れない。これは即ち、「表沙汰にならないブラックマネー詐欺が、相応にある可能性」を示唆している。
そうは言っても、「偽札作りで金儲け」なんて話に乗っかった「被害者」に、情状酌量の余地はあまりないぞ。
<注釈>
(※1) 「出来上がった」(多分、2枚の)1万円札はさっさとしまってしまう等。
(※2) 正に「魔法の薬」だが。
(※3) と言うか、実際に騙されている者は、「そうは考えなかった」という事だから…「欲に目が眩んでいた」と考えるのが、妥当な推論だろう。(※4) 告訴されるとか、有罪になり罰せられるかは、不明・不確かとしても。