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 中国経済が、いずれ崩壊するだろう、とは、石平氏や黄文雄氏が予てから指摘している処。別に石平氏や黄文雄氏のような一般人にはない情報網を持たずとも、「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を現す」とは「平家物語」の冒頭にある処。「奢れる者も久しからず」とも「奢る平家は久しからず」とも我が国では言うのだから、「中国共産党政権の高い成長率が、未来永劫続く訳も無い」とは感覚的には「自明」と言って良かろう。

 尤も、「10億以上の人口と広大な国土」に目が眩んだか(※1)、石平氏や黄文雄氏の「中国経済崩壊予言」を全否定し、両氏はじめとする「中国経済崩壊予言者」を「CIAから金を貰っている(※2)」だのなんだのと非難する者にも事欠かない。

 先日生起した上海株の暴落は、「中国経済崩壊予言」を裏付けるものか、否か。無論、中国共産党は例によって例のごとくそれを否定している訳だが・・・

<注釈>

(※1) あるいは、中国御得意のハニートラップに嵌ったか、はたまた根っからの大陸崇拝者か知らないが

(※2) アメリカ政府だって財政苦しいのに、金を出して「中国の悪口」を買って何にすると言うのか、私なんぞにはサッパリ判らないんだが。石平氏や黄文雄氏の様な有名人のでなければ、「中国の悪口」なんざぁ、吐いて捨てるほどあるだろうに。 



【人民網】李稲葵氏「世界は中国経済を読み誤っている」
  
http://j.people.com.cn/94476/8304870.html

 第3回世界シンクタンクサミットが29日、「新たな構造、新たな協力、新たな発展」をテーマに北京で開かれた。清華大学金融学部の李稲葵主任はフォーラムで「世界は中国経済を読み誤っている」と指摘した。

李氏は「ここ半年余り、ウォール街を中心に国際投資家は中国経済は現在の世界経済における重大なリスクエリアだと言い続け、最大のリスクだとすら言っている。世界金融危機の発生から現在までに、中国経済の信用残高と債務残高の合計がGDP比で100%から200%へと倍増しているため、デレバレッジの過程に入るのは必至で、この過程は経済・社会に動揺または衝撃を与え、成長が減速するというのがその理由だ。これはロジックは大変明晰だが、正しくない」と指摘。世界が中国経済を読み誤っている理由として、次の3つを挙げた。

(1) 世界金融危機の発生以来の世界の基本的趨勢はこうだ。世界の各主要国はいずれも政府債務の拡大、中央銀行のバランスシートの拡大という方法で金融危機に対処している。中央銀行と政府の債務と民間の債務を合わせるのなら、主要国の債務水準は減少せず、上昇している。中国経済はこの趨勢に合致している。現在の世界経済の大きな潮流の中で、この趨勢に合致せず、その経済が逆方向に動いている国があるのなら、かえって問題が生じる。

(2) 中国経済自体の理由。中国経済の成長軸は現在も大変はっきりしている。成長軸は都市建設、地下パイプ網建設、大気汚染対策、水の処理等々を含む準公共財にあり、こうした準公共財はいずれも投資を必要としている。このため中国経済は今後一定期間も、一定の成長速度の空間と潜在力を維持する。

(3) 恐らく最も重要な理由だが、中国の経済・金融システムには確かに国有銀行の貸付の増加幅が大きすぎるといったいくつかの問題が生じている。一連の改革をすぐに始動し、改革を通じてこうした問題を解決し、不良債権を取り除き、不良債権が正常な資金の流動に影響を与えないようにすると同時に、地方財政も再編を始動し、比較的確かな、持続可能な新税源を見いださなければならない。これと同時に、民営経済の大規模な規制緩和を行なわなければならない。7月からすぐに国レベルの一連の討論会が開かれ、今年後半の経済政策について議論されるはずだ。8月、9月、10月にも改革が議論される。つまり中国経済は改革の制度変更の新たな四半期に入る。7月、8月、9月、さらに第4四半期の10月まで続ける必要があるかもしれない。一連の改革の動きとシグナルが出て、その時には中国経済に対する世界の解釈は多少変わるだろう。
(編集NA)
 「人民網日本語版」2013年6月30日


【石平のChina Watch】始まった「経済のドミノ倒し」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130704/chn13070411510002-n1.htm
2013.7.4 11:46 [石平のChina Watch]

 先月24日の中国上海株の急落は、経済崩壊のドミノ倒しの始まりを意味するのではないのかと思う。

急落の直接の原因は中国の各銀行が深刻な資金不足に陥った中で、銀行間融資の短期金利が急騰したのに対し、中国人民銀行(中央銀行)が資金供給などの救済措置を取らず、傍観したことにある。

問題は、中国の銀行がなぜ一斉に「金欠」となったのかであるが、要するに各銀行が預金者から預かっているお金を、無責任な放漫融資に出し過ぎたからである。

4月25日付の本欄は中国における「投資中毒症」の蔓延(まんえん)を指摘したが、全国規模の過度な投資拡大を支えてきたのはまさに各銀行の放漫融資だ。

しかし、むやみな投資拡大が莫大(ばくだい)な不動産在庫や企業の生産過剰を生み出した結果、投資への銀行融資の多くは回収不可能な不良債権と化していった。貸し出した資金が回収できなくなると、各銀行は当然、資金不足に陥ってしまう。

このようなことは今までにもよくあったが、前任の温家宝政府の時代は、一般の銀行が「金欠」となると、中央銀行がすぐさま彼らに救済の手を差し伸べ、無制限の資金供給を行った。

その結果、中央銀行から放出された貨幣量は洪水のようにあふれ、深刻な流動性過剰を生み出した。「金融バブル頼り」の中国経済は常にインフレ再燃の危険性にさらされることになったのである。

食品を中心とした物価の高騰=インフレが一旦再燃すると、貧困層のよりいっそうの生活苦によって社会的不安が拡大し、政権の崩壊につながる危険性さえある。

温氏の後を継いだ今の政府はようやくこの危険性に気がついたようだ。だからこそ中央銀行からの資金供給を抑制する方針を固めたのだが、それでは各銀行の「金欠」が今後も続くこととなるから、一連の「恐ろしい連鎖反応」が始まる。

「金欠」となる各商業銀行は保身のために今後、企業に対する融資をできるだけ減らしていく方針であろう。特に担保能力の低い民間の中小企業への貸し渋りは必至だ。そうなると中国の製造業の大半を支える中小企業の経営難はますます深刻化してしまい、すでに始まった実体経済の衰退に歯止めが利かなくなる。

これまで各銀行から出た資金の一部は「影の銀行」を通して各地方政府に流れ、彼らの開発プロジェクトを支えてきたが、今後、こうした「闇の資金」の水源が正規の銀行の資金引き締めによって止められると、後にやってくるのは「影の銀行」の破綻による金融危機の拡大と、多くの地方政府の財政破綻であろう。

「金欠」となった各商業銀行は今後、深刻なバブルと化した不動産部門への融資も大幅に減らすに違いない。回収期間の長い個人住宅ローンも当然融資抑制の対象となる。

そうなると、資金繰りが苦しくなっていく不動産開発業者はいずれは、手持ちの不動産在庫を大幅に値下げして売り出し、投資資金の回収に励むしかない。

その一方で、住宅ローンが制限される中で不動産の買い手がむしろ減っていくから、その相乗効果の中で不動産価格の暴落は避けられない。今までは金融バブルの中で何とか延命できた不動産バブルは今度こそ、崩壊の憂き目に遭うであろう。

中国の著名な経済学者・馬光遠氏は先月26日「(経済危機の)次の爆発地点は不動産部門だ」と警告を発した。

不動産バブルの崩壊は当然、さらなる金融危機の拡大とさらなる実体経済の衰退を招くから、経済の果てしない転落はもはや止められない。

「世界第2位」を誇ったこの国の経済はすでに、地獄への入り口に立たされているのである。



【プロフィル】石平

せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/38355202.html へ続く