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歴史上の人物たちが、殆どいまわの際にやって来て、「人生最後の食事」をとる(一部例外あり)フランスレストラン・Heaven's Door。毎回やって来る一癖も二癖も三癖もある「お客様」の、無理難題な注文に応えるのは、若きオーナーシェフ・園場凌(そのばしのぐ)、学生バイトのウエートレス・前田あたり、有賀ちか、住み込みウエートレスのジャンヌ・ダルク( 歴史上の人物。あの、ジャンヌ・ダルク )。本三巻ではこれに「常に笑顔を絶やさない」シェフ・御奴心(みやつこころ)も加わって、今日も今日とて、大騒動。

本三巻での「お客様」は、別表の通り土方歳三、ナポレオン、皇紀エリザベート、安徳天皇・・・って、多彩というか、節操がないと言うか。まあ、これだけ時代も地域も異なる「お客様」とまともにコミュニケーション取れるのは、ゴルゴ13並の語学の天才・歩く翻訳こんにゃく・前田あたりさんのおかげだが。
本三巻で際立つのは、その前田あたりさんの尊皇ぶり(攘夷はしない)と、ジャンヌ・ダルクの聖女ぶり。
ジャンヌ・ダルクの聖女ぶりは、ビリー・ザ・キッドことボニー・クライドを武装解除してしまう程だったことは以前にも書いたが、今回は「人生に絶望しきった」皇紀エリザベート相手に、「贅沢」勝負を挑み・・・ネタばらしになるので書けないが、勝ってしまい、以て皇紀エリザベートを絶望の淵から救ってしまう聖女ぶり。おかっぱ頭の相変わらず「甲冑メイド」姿は、とても「ドリフターズ」の廃棄物・ジャンヌ・ダルクと同一人物とは思えない・・・って、当たり前だが。(マンガも違えば、作者も違う。)ああ、甲冑だけは共通しているか。
前田あたりさんの尊皇ぶりも凄まじい。安徳天皇の名乗りの一言「言仁(ことひと)じゃ。」に無表情なまま立ち眩みを起こし、三種の神器の一つ・草薙の剣を手にしては倒れそうになり・・・いや、後者は私も、倒れるかもしれないが。
二巻に登場した「お客様」ヒトラーが、別れ際に一言「皇室を大事にしたまえよ。」と言った科白が、こんなところにつながって居るのだろうか。だとしたら、作者の深謀遠慮に敬意を表するべきだな。
新キャラクターの割には、新たなシェフにして焼き物の天才・御奴心さんのインパクトは弱い。ナイスバディに裸エプロンに近い格好でシェフ帽と言う、まず実在しそうにない強烈な格好しているし、安徳天皇相手にオーナーシェフ・園場凌と鮭料理勝負を挑んでいるし、相応に見せ場はあった筈なんだが、引き立て役・悪役に終わっている。まあ、登場したのが安徳天皇の話からだから、まだまだ今後に「活躍」の余地があろう。
一巻冒頭では客の来なさにオーナー自身が焼身自殺を図ったり、前の二巻では、レストラン畳んで「賄い付きシェアハウス」に改装しようとしていたレストランHeave’s Doorが、シェフをもう一人雇ってパーティーにも対応するようになったようだし、看板料理も出来たようだから、どうやら営業の安定は確保したようだ。これで、いつどんなお客様がご来店しても大丈夫・・・オーナーシェフ・園場凌がやる気を失っていなければ、だが。
さーて、さて、これら一癖も二癖もある連中に囲まれて、今日はどんな騒ぎを、巻き起こしてやろうかな。ーTVアニメ「ルパン三世」第一シリーズ・オープニングー