応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
偉大なる故アイザック・アシモフ老の雑学によれば、現代(※1)は、「昆虫の時代」なんだそうだ。我らが人類は「万物の霊長でござい」などとふんぞり返っているが、個体数と言い、種の多様性と言い、人類はおろか哺乳類全部が束になっても昆虫には敵わないんだそうだ。ソリャ昆虫は一般的に哺乳類より小さい(※2)から、ライフサイクルの短さ共々、個体数を増やしやすくはあるだろうが、昆虫が道具を持たないからって、そうそう馬鹿にするものではない。ある種の蟻は農耕をおこなうし、蜂と虫媒花の共存共栄関係も、ある種農耕と見なせなくもない。
左様に考えると「昆虫にも知性がある(かも知れない)」と言う事になり、グリーンピースだのシーシェパードだのの狂気の論理に従えば「昆虫を喰うなんて人道に反する」とか言う事にもなりかねないが、国連食糧農業機関FAOはそんな狂気には犯されていない様だ。
<注釈>
(※1) ここでは、生物学的な意味だから、「現世」と言う方が正しいだろうが、普通「現世」と言うと「あの世・来世」との比較で使われるから、敢えて「現代」とした。(※2) 向こうは外骨格で材質はキチン質。こちらは内骨格でカルシウム主体の構造材だから、二乗三乗則により、「大型化」と言う点では哺乳類の方が有利、昆虫には無理、だが。そんなSF小説があったな。「巨大昆虫の襲来!」なんてB級ホラー映画風じゃなくて、「有害な昆虫を巨大化させて、自滅・自壊させる」ってSF小説が。
①虫は未来の食糧源、国連FAOが報告書
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2943855/10737664
2013年05月14日 09:32 発信地:ローマ/イタリア
タイの首都バンコク(Bangkok)で、甲虫の幼虫を調理する準備をする虫食専門店の従業員(2002年9月12日撮影、資料写真)。(c)AFP/Pornchai KITTIWONGSAKUL
【5月14日 AFP】甲虫や芋虫、ハチなどの昆虫は、欧米の消費者が「気持ち悪さ」さえ克服できれば、世界中で環境に優しい食糧源として活用できるかもしれないとの報告書が、国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organisation、FAO)により13日、発表された。
FAOのエバ・ミュラー(Eva Mueller)森林経済局長はイタリア・ローマ(Rome)で記者会見し、「主なメッセージは冗談抜きで『昆虫を食べよう』です。昆虫は豊富に存在し、貴重なタンパク源でありミネラル源なのです。世界人口の3分の1に当たる20億人が、すでに昆虫を食べています。おいしくて栄養価が高いからです」と述べた。
FAOとオランダのワーゲニンゲン大学(Wageningen University)の共著によるこの報告書では、「昆虫はどこでも見つかり、短期間で繁殖し、高い成長率と飼料転換効率を誇り、環境に与える負荷も低い」とされている。
同報告書によると、水分を除いた100グラム当たりの鉄分は牛肉が6ミリグラムなのに対し、イナゴ・バッタ類では8~20ミリグラムに上るという。また、昆虫肉1キログラムを生産するのに2キロの飼料が必要となるのに対し、牛肉1キロを生産するには8キロもの飼料を要する。
しかし報告書の著者らは、「多くの欧米諸国で、昆虫を現実的なタンパク源として受け入れる際の最大の障壁の一つは、消費者が感じる気持ち悪さにある」ことを認めている。ミュラー氏は、「誰でも気軽に虫を口の中へ放り込めるというわけではありません。そうなるまでには時間がかかるでしょう。でもすでに実践している人もいるのです」と話した。(c)AFP/Ella Ide
②17年周期の「セミ」大発生が間近に、米国2013年05月15日 14:16 発信地:ワシントンD.C./米国米バージニア(Virginia)州アレクサンドリア(Alexandria)で、セミを持つ子ども(2004年5月14日撮影)。(c)AFP/Stephen【5月15日 AFP】米国では、セミの大群の侵略が目前に迫っている。17年もこの時を待ち続けてきた、無数の巨大なコオロギに似た昆虫が、土の中から姿を現す態勢を整えている。米東海岸を覆い尽くすと見られているこのセミは、すでにノースカロライナ(North Carolina)州とニュージャージー(New Jersey)州で最初の目撃例が出ており、昆虫マニアのサイト「cicadamania.com」に13日、情報が投稿された。だが、セミの襲来が本格化するのは今月、地表の平均気温が17度に達したときだ。ピーク時には、1平方メートル当たり1000~2000匹のセミがひしめき合うこともある。セミは世界中で見られるが、この周期的現象が起きるのは米国だけだ。■一定周期で出現する「周期ゼミ」「周期ゼミ」は17年ごとに成虫になり、耳をつんざくような協奏曲の中で交尾し、産卵し、死んでゆく。この周期ゼミの子孫が次に見られるのは17年後で、地上に姿を現す日が来るまで、地面から20センチほどの深さの穴の中で、木の根の樹液を餌としてすごす。周期ゼミには15の年次集団があり、ローマ数字で分類されている。年次集団の大半が17年周期だが、13年ごとに繁殖する年次集団が3つあり、周期が重ならないようにずれているので、毎年最低1つの年次集団がふ化することになる。年次集団がすべて同じ規模で作られているわけではなく、今年の「年次集団II」の規模は大きい。生物学上は半翅目(はんしもく)に分類されるこのセミは、体長が約2~3センチで体色は黒、赤い目とオレンジ色の翅脈(しみゃく)のある半透明の羽を持つ。人を刺したりはせず、若木から樹液を吸い上げるだけだ。鳴き声は大きく、雄ゼミは、交尾に誘う鳴き声を鼓膜(こまく)と呼ばれる腹部の膜で発生させ、雌ゼミに向けて発する。この独特の鳴き声を数千の集団が発すると、耳をつんざくような轟音になる。■死後は動物の餌に、時には人間も周期ゼミの大半は短期間で死んでしまい、鳥や、ネズミや犬などの小動物の餌になる。米メリーランド大学(University of Maryland)の昆虫学者、マイケル・ラウプ(Michael Raupp)氏によると、もっと大型の動物も、セミを好んで食べることが知られているという――例えば「人間」だ。「セミは、ステーキより高タンパクで、低脂肪だ」と言う同氏は、生で食べるのが好みだという。セミの食べ方に関する簡易マニュアルを作成した、同大学・生物学専攻の学生、ジェナ・ジャダン(Jenna Jadin)氏によると、虫を食べることに抵抗を感じる人には、節足動物のカニやロブスターのように扱うことを勧めているという。同氏のおすすめは、セミを4~5分間ボイルして、たまねぎ、じゃがいも、とうもろこしを添えた「メリーランドゼミ」や、しょうゆ、ニンニク、カブを添えた「上海ゼミ」など。バジル、オリーブ、オニオンとセミを散らした「セミピザ」もおいしいかもしれないとのことだ。(c)AFP/Fabienne Faur
.
即ち、「今年は17年ゼミが大漁だぜ!」と言う事( どうやって喰おう )
さて、如何だろうか。
「昆虫を喰う」と言う意味では、多分日本人には欧米人程の忌避・禁忌(※1)・抵抗感はないだろう。「イナゴの佃煮」は珍味とは言え市販されているし、「蜂の子」だって名物土産物ではあっても「ゲテ物」扱いはされない。上掲①で言う「世界人口の3分の1に当たる20億人が、すでに昆虫を食べています。」の「昆虫を食べている20億人」には、日本人も入って居る筈だ(※2)。従って上掲①記事の国連FAO報告、
1> 「主なメッセージは冗談抜きで『昆虫を食べよう』です。
2> 昆虫は豊富に存在し、貴重なタンパク源でありミネラル源なのです。
3> 「昆虫はどこでも見つかり、短期間で繁殖し、高い成長率と飼料転換効率を誇り、環境に与える負荷も低い」とされている。
には、日本からは「一定の支持」を期待してよかろう。
無論、コメを主食とする我らが日本人としては、あくまでも「おかずとしての昆虫食」ではあるが。
上掲②記事は、上掲①記事とは直接の関係はないだろうが、米国では今年「17年ゼミの大量発生年」になると言う報道。上掲②記事にある通り、「17年ゼミ」は、
4> 17年ごとに成虫になり、耳をつんざくような協奏曲の中で交尾し、産卵し、死んでゆく。
であり、その生涯の大半を地中で幼虫として過ごし、17年目の夏に一気に成長・成虫化・繁殖するセミ。何故こんな事をするかと言うと、大量発生する年に一気に成虫化して繁殖することで、捕食者に対する飽和攻撃を仕掛け、生存上有利にするため。意図的にセミが「よし、大量発生年を決めて、飽和攻撃を仕掛けてやろう」と考えてそうなった訳ではない(だろう)が、「大量発生年を定期的に仕掛ける」事で生存上の有理を確保したのだろう。
因みにこの「周期ゼミ」。17年が最長だが、その次は13年で、その次は11年と、「素数年の周期」となっており、「大量発生年が周期ゼミ同士だ重なり難い」様になっている。17年ゼミと13年ゼミが同時に大量発生したら(※3)、飽和攻撃としては良かろうが、今度はセミの方のエサや住処の取り合いになるから、これを「避けた」のだろう(※4)。
何れにせよ、捕まえたセミを「保存食にして蓄えておく」なんて知性の無い捕食者に対しては、この「周期ゼミの飽和攻撃」は有効である。
と言う事は、我ら人類にとってこの「周期ゼミの飽和攻撃」は、あまり「飽和」にならずに、「大漁収穫期・豊漁期」と言う事になる。
無論、「周期ゼミ」をしっかり食すならば、だが。
5> 「セミは、ステーキより高タンパクで、低脂肪だ」と言う同氏は、生で食べるのが好みだという。
いや、「生」は流石に・・・
<注釈>
(※1) ともすれば、特に日本人は忘れがちなんだが、「宗教的な食事制限」と言うのは結構厳しいものがある。日本でも信者の多い仏教も肉食を禁じたりしているのだが、日本人は比較的宗教に無頓着なためだろう。まあ、そのおかげで、牛豚鳥の肉は勿論、鯨も魚も貝も、美味しく頂けるのだが。(※2) 「日本人全員が入る」とまでは、主張しないが。蜂の子やイナゴを食べた事が無い人も、相応に居るだろう。(※3) 因みに、素数同士の最小公倍数だから、互いの積に等しく、17×13=221年間に1回しか起きない。(※4) より正確には、これも「意図的に避けた」のではなく、避けた方が生存上有利であった、と言う事だろう。