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.本音論:軍隊と売春


 本音ベースで行こう。売春婦と言う職業は、泥棒と並んで「人類最古の職業」などと呼ばれるように、古今東西「何処にでも居る」と言っても過言でない程の、普遍的職業だ。我が国では現在売春防止法があり、公式・公認・公営の売春組織は無いが、非合法な売春組織はある( だろう(※1) )し、性風俗店として「法律の網の目を潜った」準売春組織(※2)なら全国にある。

 一方で、「軍隊は男所帯」と言うのも、大凡軍隊と言う組織が出来て以来、変わらない。ソリャ最近は女性の進出も目覚ましいし、イスラエルなんざ女性にも兵役があるぐらいだが、未だに軍隊、特に前線部隊の大半は男であるし、かつては男の比率はもっと高かった。「女乗せない戦船」なんて、「フェミニスト(※3)」だの「ジェンダーフリー主義者(※4)」だのが聞けばひきつけを起こしかねないフレーズが、堂々と罷り通った時代もあったのだから。
 であるならば、「大半は男が占めて、相応に人口密度が高い」軍隊と言う組織の性処理は問題で、売春組織が随行する場合もあれば(※5)売春婦を現地調達する事もある(※6)。何しろウッカリ性処理に失敗すると、軍隊組織が強姦魔集団と化してしまう事だってありうる(※7)のだから、軍隊にとって「売春組織をどうするか」は、本音では結構重大な問題。石原慎太郎前都知事が、橋下「暴言」を擁護して「軍と売春は付きもので、歴史の原理みたいなものだ。」と発言したのにも、相応に根拠がある、と言う事だ。

1〉  (意に反してというところであっても、状況からして必要であったか)
2〉  意に反してか、意に即してかは別に、慰安婦制度は必要だった。
3〉 軍の規律を維持するためにはそういうことが、その当時は必要だった。

4〉 (今は違う?)
5〉 今はそれは認められないでしょう。
6〉 でも、慰安婦制度じゃなくても、風俗業というものは必要だと思う。
7〉 (沖縄県宜野湾市の)米軍普天間飛行場に行ったとき、司令官にもっと風俗業を活用してほしいと言った。
8〉 そうしたら、司令官は凍り付いたように苦笑いし、「米軍では禁止と言っている」と言った。

 上掲記事から、橋下市長の発言で最も「暴言」らしい部分を抽出すると、上記2〉~3〉及び上記5〉~8〉であろう。

 特に上記2〉~3〉では、大東亜戦争中の大日本帝国陸海軍を取り上げており、またぞろ半島やら大陸やらが騒ぎ出す「根拠」となっている。が、先述の通り建前論の綺麗事ならば兎も角、泥臭い本音論で言って、一体何処が「暴言」なのだろうか。

 「慰安婦制度は女性の人権を侵害している(※8)」と言うのは、原理原則で言えばその通りだ。だが、当時は我が国に売春防止法もなく、公認の売春組織があった時代だ。「慰安婦制度」を「前線から遠くない処にある売春組織」と考えるならば、「強制連行」を別にすれば(※9)、「女性の人権を侵害している」のは「慰安婦制度」固有の問題ではなく、公認売春組織を許容した「時代」そのものであろう(※10)

 さはさりながら、上記7〉米軍に対する性風俗店活用のススメは頂けない。上記5〉今はそれ(慰安婦制度)は認められないでしょう。と言いながら、米軍には性風俗店活用を勧めると言うのは、矛盾とは言わぬまでも、齟齬がある。 上記7〉~8〉に描写される米軍司令官の反応も、うべなる可し。橋下市長にしても、米軍司令官からそれはGood Ideaだ。早速全軍に通達しよう!なんて反応を期待したとは、到底思えないのだが。


<注釈>


(※1) 正直、この方面の情報には、疎い。

(※2) こうなってくると、何を以って「売春」と定義するかが問題だな。 

(※3) 本来の意味は「女性参政権支持者」だそうだが、最近は「女にやさしい優男」を指すらしい。「指すらしい」と断じてしまうぐらいだから、私(Zero)にはとんと縁のない単語だ。 

(※4) 私(Zero)何ぞには、人類である事を放棄している、としか思われないが。 

(※5) フランス外人部隊は、「料理が美味くて、女(売春婦)が良い」事で有名だ。 

(※6) 大東亜戦争に我が国が負けた後、進駐してきた米軍は、日本政府に命じて売春婦を集めた慰安所を作らせた。 

(※7) 「必ず成る」訳ではない。 

(※8) 【産経社説】橋下市長発言 女性の尊厳損ね許されぬ  http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130515/stt13051503370002-n1.htm  

(※9) 「強制連行」と言うだけで、人権は侵害されている。而して、「従軍慰安婦の強制連行」を「認めた」河野談話は、全く「強制連行を示す証拠」が無いまま出された、正真正銘掛け値なしの妄言・暴言である。大日本帝国も、帝国陸海軍も、推定無罪の原則は適用されるべきだろう。 

(※10) 而して、現代においても性風俗店は相応の数あるのだから、「女性の人権」は改善されたものの、「未だ侵害されている」と、考える事も出来る。
 とは言え、「人類最古の職業」だからねぇ。左様に考えるならば、「女性の人権」は「永遠に侵害され続ける」公算大だな。 



橋下市長の行方、慰安婦論の行方

 さて、先述の通り、橋下市長の「米軍風俗活用論」は頂けないモノの、その「慰安婦制度必要論」には、私(ZERO)も首肯できる点があるのだが…冒頭述べた通り、橋下市長なる政治家を全く信用できないモノだから、首肯できる点があっても素直に喜べない。橋下市長の今までの発言やら、維新の会の打ち出した政策やらを見る限り、一貫した方針だとか主義主張だとかは全く感じられず、唯「一番受けの良い政策・方針・キャッチフレーズ」を選んでいるようにしか見えない。本記事のタイトルを『世論風見鶏の「暴論」』としたのは、そんな橋下市長を「世論風見鶏」と揶揄してのことだ。

 逆に言えば私(Zero)は、橋下市長を「世論風見鶏」=世論の動向を示すモニターとしては評価している。その世論風見鶏・橋下市長が「慰安婦制度必要論」をぶち上げたと言う事は、「それが世論に受ける」と言う読み・予測が橋下市長にはあったのだろう、と推定する。

 無論、そんな予測が当たるとは限らない。事実、5/15の社説で朝日も毎日も産経も橋本市長「暴言」を非難している。故に橋下市長の予測は外れて、最近凋落傾向と言われる「橋本人気」も、さらに低下するかも知れない。

 だが、橋下市長が「慰安婦必要論で支持率回復を目論んだ」公算は相応にあるし、それ以上に確かな事に、この橋下「暴言」が( またぞろ、ではあるが )慰安婦論に一石を投じている。而して、これが民主党政権下では「政府が腰砕けになって御終い」だったろうが、今政権の座にあるのは「言うべき事は言う」と言う点で橋下氏党の主張に(一応)合致する安倍首相だ。

 橋本市長「暴言」は、我が国の立場を明確にする為に利用可能だ。
 その利用は、我が政府、安倍政権、安倍首相にかかっているが、それ故にこそ、期待も持てよう。