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「正しい歴史認識」なるもは、あるか?あるべきか?
さて、如何だろうか…如何も何もないな。案の定と言うべきで、三アカ新聞揃って「安倍首相の歴史認識」なるモノを問題視している。問題視する理由を、片っ端から拾っていくと、以下の様になろう。
(1) 日韓関係に悪影響を与えている 【朝】【沖】
(2) 日米関係にも影を落とし始めている 【朝】【沖】
(3) このままでは、日本の国際的な孤立さえ招きかねない 【朝】
(4) 日本の急激な右傾化と理解され、近隣諸国から警戒されている。 【琉】
(5) 日本は明らかに他国を侵略したのである。過去に目を閉ざしてはならない。【琉】【沖】
(6) 首相は、外交への影響を考慮し火消し役に回るべきだ。【沖】
上記(4)の「近隣諸国」や上記(3)の「国際的孤立」は、上記(1)「日韓関係」と上記(2)「日米関係」に言い換えられそうだが、「日本に対し”歴史認識”を外交カードとして多用してきた」中国を婉曲に表現した、とも考えられる。何れにせよ「日本の歴史認識」と言うと、常に大騒ぎするのは半島は韓国と大陸は支那・中国共産党政権が筆頭で、チョイと落ちて北朝鮮。その次は一体どこだろうぐらいなものだから(※1)、上記(3)「国際的な孤立」なんて表現が、何処から出て来たものだろうね。
何れにせよ上記(1)~(6)、「安倍首相の”歴史認識”が問題視される理由」は、「外交的不利になるから」と要約出来よう。その「外交」の相手国は、具体的に名前が出ているのは韓国と米国だけであり、直接的には大統領自ら「安倍首相は正しい歴史認識を持て」と抜かす韓国であろう。
以上からすると、上掲①~③朝日&沖縄二紙の社説を最大公約数的に要約すると、以下の様になろう。
1>> 韓国に対し外交的不利になるから、安倍首相の「歴史認識」は問題だ。
さて、問題点がこれだけならば、解決法は簡単だ。何しろ韓国大統領自ら「正しい歴史認識を持て」なんて日本に要求するのだから(※2)、話が速い。韓国に対し、公式に以下の通り伝えれば良い。
1)) 「朝鮮戦争についての正しい歴史認識を示せ」。
2)) 無論「正しい」のであるから、北朝鮮も韓国も中国も、無条件に同意できる「歴史認識」だ。
言うまでもないだろうが、背景にあるのは、「そんな”歴史認識”が、示される訳が無い」と言う、確信だ。
「私の歴史観」シリーズ第一段、「「私の歴史観」観 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/21076216.html」に書いた通り、「歴史観」なんてものは、「人の数だけあるモノ」だ。隣の人とも違って当たり前。似てれば偶然。合致したなら、奇蹟と言うモノ。況や国が違えば、歴史観が合致するなんて、先ず無い。無論これは、当該記事を『「私の歴史観」観』と銘打った通り、「私(ZERO)の考え」=私見でしかなく、日本政府の公式見解でもなければ、何たら学界の定説でもない。だが、この私(Zero)の主張・私見には、極言すれば「私(Zero)の魂の自由が係っている」とさえ言い得る。
逆に「一国の中で歴史観が統一されている」なんて状況を考えて見るが良い。それは「理想的状態」か?ある意味ではそうかも知れない。歴史教科書が国定である大陸や半島は、「一国の中で歴史観を統一」しようと「努力している」と言いえるかも知れない。北朝鮮はその「理想状態」に近く、中国はこれに準じた「理想状態」とも言いえるかも知れない。
「日本が第2次大戦に参戦して侵略戦争を開始した」と言う”歴史観”は韓国人や中国人の相当部分に(※3)共通の「歴史認識」かも知れない。だが、それは、せいぜいが「多数派の歴史観」「衆目の一致した歴史観」でしかなく、統一されるべきモノでもなければ、強制されるべきモノでもあるまい。
「歴史観の統一/強制」と言うのは、ある種の思想統制/強制だ。魂の自由を有し、一身独立し、己が頭で考える事が出来る人間・独立不羈の人・フィンランドで言うシッスにとっては、到底甘受出来るものではない。
左様な私(Zero)の観点からすれば、「正しい歴史認識」なんてのは、その言葉だけで胡散臭さ全開だ。「人の数だけある(と私・ZEROが考える)」歴史認識に「正しい」なんて強制力を伴う形容詞が付けられる理由は、その強制力故に、殆ど自明と言える。
「その”正しい歴史認識”が、何者かの利益になるから/何者かに都合が良いから。」
裏を返せば、「誤った歴史認識」なるモノは、「何者かの不利益になる/何者かに都合が悪い」と、「自動的に判定」するのは推奨しかねるが、少なくとも「その可能性も検討する」事は有益であろう。誰にとっての「有益」かと言えば、我が国にとってであり、下手すると「正しい歴史認識」を強制されかねない個々人にとって、だ。
左様な私見を踏まえて、上掲社説やら、そこで「安倍首相の歴史認識を問題視する理由」とされる韓国( やら中国やら )と、どう付き合うべきかが問題だ。無論、その問題を、読者諸兄が「己が頭で考える」のが、最も肝心な点ではある。
何しろ上掲①~③社説の言う、この問題の解決策は、実に情けないと言うか、なんというか・・・
朝1〉 (日韓)両首脳は、事態打開の道を本気で探ってほしい。
琉1〉 首相の言う「未来志向」の国際関係は、過去に目を閉ざしたままでは築けない。
琉2〉 首相は朴大統領の発言を重く受け止め、歴史を直視すべきだ。
沖1〉 戦後、自らの手で戦争責任を問うことができず、
沖2〉 極東国際軍事裁判と講和条約によって他律的に処理した結果、
沖3〉 侵略や植民地支配に対する共通認識を国民的規模で育てることができなかった。
沖4〉 歴史問題の根は深く、国民感情が複雑に絡む。
沖5〉 まずは日本政府が率先して対話の道を探り、信頼醸成に努めるべきである。
端的に言って、上掲②琉球新報と上掲③沖縄タイムスは、「安倍首相は歴史認識を変更せよ」と主張して居る訳だ。韓国言う処の「正しい歴史認識」に従え、と。平たく言って、「歴史認識の強制」であろう。それはある意味、「主権の放棄」ですらあるのだが、沖縄二紙がそれに気付いているとは思えないな(※4)。
その点上掲①朝日はさすがに全国紙だけあって、巧妙だ。上記朝1〉は、一言で言えば「日韓両国は話し合え」でしかない。正面切って反対するのは困難な位の、曖昧な「解決策」である上、「事態打開の道を本気で探った」結果「歴史認識を変更しました。」なんて「落としどころ」もうかがえる。第一次安部内閣含む歴代内閣が、そんな「落としどころ」に屈し続けて来たのだから、「説得力ある議論」とも言い得よう。
だが無論、私(Zero)の期待する処は、全く異なる。
如何に、安倍首相。
如何に国民。
<注釈>
(※1) 今回、「アメリカの懸念」が挙げられてはいるが、伝えられるところでは、アメリカは「日本の首相の歴史認識」を問題視しているのではない。「日本の首相の歴史認識により、巡り巡ってアメリカの国益が損なわれる事」を懸念しているのである。(※3) 無論、日本人の一部にも。
(※4) 或いは、そんな「正しい歴史認識」を通じて、中国様の利益を図っているのかも知れない。「中国様の歴史認識」では「琉球は中国のモノ」なんだがな。いや、それだからこそ、か。