応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
毎度毎度のことながら、東京新聞の脱原発原理主義ぶりには、ほとほと感心すると言うか、呆れかえると言うか・・・
改めて言うまでも無かろうが、私(Zero)が東京新聞を、「脱原発主義」ならぬ「脱原発原理主義」と断じるのは、「脱原発」を自己目的化し、至尊至高の「原理」として祀り上げ、「脱原発」の為に大凡ありあらゆることを犠牲にしてしまえと、平気で主張する「原理主義」ぶり故だ。尤も、「脱原発原理主義」ならぬ「脱原発主義」と言う主張は、とんと見かけた覚えが無いから、「脱原発」と言う奴ぁ「原理主義」と相性が良いらしい。それ即ち「人類の有する最大の利点にして武器」と私(Zero)が考えている「理性と知性」とは対極にあるモノだろう。
だが、以下に掲げる3本の東京新聞社説からすると、どうやら東京新聞は、「脱原発原理主義」であるばかり、ではないらしい。
①【東京社説】ガス基地構想 原発の次へ踏み出そう
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013032702000144.html
2013年3月27日
福井県若狭湾岸の「原発銀座」を液化天然ガス(LNG)基地や発電所に置き換えようと先月、地元政財界が研究会を発足させた。何より、雇用が確保される。原発の次へ踏み出す一歩にしたい。
日本原子力発電(原電)敦賀原発1号機は一九七〇年三月十四日、大阪万博の開幕に合わせて営業運転を開始した。日本最古の軽水炉は、高度経済成長のまさに象徴だった。
その日から四十年あまり、敦賀原発のある若狭湾一帯には、日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」も含めて十四基もの原発が集中し、「原発銀座」と呼ばれるようになっていた。
原発銀座は、関西圏で消費される電力の半分以上を送り出した。同時に過疎地は交付金で潤った。
ところが3・11は、この地域にとっても転機になった。
安全神話は偽りだと分かり、その後の調査では大地震の原因になる活断層が次々に発見されている。直下に活断層が見つかった敦賀2号機の存続は難しい。さらに原子炉の老朽化も著しい。これからは、新増設はおろか、再稼働も難しいだろう。そうなれば、地域の体質改善は避けられない。
とは言うものの、原発なしで町や暮らしが成り立つのだろうか。住民は、安全と経済のはざまで揺れながら、二重の不安を抱えているのが現状ではないか。
私たちは、港や送電網といった既存の発電インフラや長年の原子力技術の集積を生かし、原発に代わる新産業をこの地域で育成すべきだと訴えてきた。培ってきた放射線の研究やその医療への応用などである。
敦賀港には大型タンカーが接岸可能だ。LNG大国ロシアに近く、関西、中京圏という消費地からも遠くない。エネルギー基地として十分な地の利がある。既存の送電網は地域の強い味方になる。
研究会では、一足飛びの脱原発ではなく原子力を含むエネルギーミックスが唱えられた。原発は手放さないということだ。しかし長い目で見れば脱原発は時代の要請でもある。大いに検討してほしい。
若狭湾の再開発は、原発の出口戦略づくりの良いモデルになるかもしれない。
日本中で最も長く、最も多くの原発と向き合い、共存してきた若狭の未来図でもある。政府は、支援を惜しむべきではないし、電力消費地からも、応援したい。
②【東京社説】石炭火力 CO2抑え安定電源に
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013040802000131.html
2013年4月8日
政府が石炭火力発電の推進を打ち出した。原発停止で急増する火力向けの燃料を割安な石炭に置き換え、電気料金値上げを抑える狙いだ。それには二酸化炭素(CO2)削減の技術革新が欠かせない。
菅義偉官房長官、茂木敏充経済産業相、石原伸晃環境相、岸田文雄外相が集まり、石炭火力発電の活用を申し合わせた。石炭のCO2排出量は天然ガスの約二倍に上る。なぜ、地球温暖化の原因物質を大量にまき散らす石炭に頼ろうというのか。
その理由として挙げられるのは、原発再稼働への悲観論、そして価格が安い石炭の経済性だ。
原発推進の司令塔ともいうべき原子力委員会からも「再稼働できる原発は多くて十基」とのため息が漏れてくる。全国に立地する五十基の二割にすぎない。原発周辺の活断層、地元自治体などの強い反対、四十年を超える老朽原発の廃炉問題などを見据えれば当然というべきであり、違和感はない。
だが、液化天然ガス(LNG)をはじめ、原発を肩代わりする火力発電向けの燃料輸入が年間約三兆円も増えてしまった。その直撃で福島原発事故の当事者、東京電力に続いて関西、九州電力が料金を値上げし、東北、四国電力も経産省に値上げを申請している。
米国で割安のシェールガスを調達して燃料費を圧縮しようにも、米国は欧州や韓国などにも輸出するので日本の輸入量は多くて年一千万トン。二〇一二年の輸入量八千七百万トンの一割強にとどまる。
原発は先細りし、現段階ではシェールガスにも過大な期待を寄せられない。だからといって、石炭活用にすんなり理解が得られるだろうか。自民党政権には、〇九年に福島県に計画されていた石炭火力を、CO2対策が不十分だとして断念させた経緯がある。説明責任を果たすよう求めたい。
石炭には百年以上採掘可能との試算がある。一キロワット時の燃料単価も石油の四分の一、LNGの半分以下の四円。安くて豊富な石炭を使う発電技術をいかに高度化していくのか。その工程表などを示して国民の理解を得るべきだ。
横浜市の磯子火力は世界最高の熱効率45%を実現した。現在は広島県で石炭ガス化やCO2回収などの技術を組み合わせ、65%に引き上げてCO2排出をLNG並みに抑え込む実証試験の準備中だ。世界の発電量の四割は石炭が担い、中国では七割にも上る。
日本には世界でも役立つ優れた環境技術が積み上がっている。
.
(③【東京社説】温暖化対策 「空白」は不信を招く
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013041202000139.html
2013年4月12日
京都議定書からの離脱を受けて、地球温暖化対策推進法の改正案が衆院で可決された。新たな削減計画の策定は秋になり、日本の温暖化対策は事実上「空白状態」だ。長引くほど世界の不信は募る。
四月。新学期が始まりました。でも先生は秋までお休みします。皆さん、自習に励んで、これまで以上の成績を修めてください-。
要は、そういうことらしい。
地球温暖化対策推進法(温対法)は、先進国に温室効果ガスの削減義務を課す京都議定書の約束を実現するための法律だった。温対法という土台の上に京都議定書目標達成計画が策定され、それに基づいて、一九九〇年比で二〇一二年までに6%減という第一約束期間の削減義務に臨んできた。
6%の目標は、東欧などから排出枠を買い取るなどして、何とか達成できそうだ。だが、一三年以降の第二約束期間(二〇年まで)に日本は参加していない。大量排出国の米中などに削減義務がなく、効果が見込めないからという。当面は企業や国民の自主的な削減努力に任せることになる。
議定書からの離脱によって、改正案には、目標達成計画に代わる地球温暖化対策計画を策定することなどを盛り込んだ。新たな計画は、新エネルギー基本計画ができたあと、十一月にポーランドで開かれる気候変動枠組み条約第十九回締約国会議(COP19)までにつくるという。
原発を勘定に入れて、削減計画を立てようというのなら、間違いだ。原発事故の放射能汚染は身に染みているはずだ。再生可能エネルギーへの移行こそ、温暖化対策の未来を開く王道である。
日本はいわば京都議定書の生みの親。それだけに国際社会はこの対策の空白に、不信を募らせている。
第二約束期間に不参加ならなおのこと、中長期の具体的な削減目標を法律に書き込んで、先進技術国として、何を、いつまでに、どうするのかを世界に示すべきではないか。目標と道筋の存在は、省エネビジネスの成長にも強い追い風になるはずだ。
安倍政権は、3・11以前に国連で提示した二〇二〇年に一九九〇年比25%削減目標をゼロベースで見直すという。
だが「二〇五〇年80%削減」、「気温上昇は産業革命前と比べて二度未満」の国際合意は生きている。それに見合う目標を立てないと、世界は納得しないだろう。