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太陽光発電や風力発電の稼働率=「定格出力年間無休発電量に対する年間発電量の割合」を計算ないし推算し、以って「再生可能な自然エネルギー」の実力を探る(※1)「冷たい計算式/推算式」シリーズ記事になりそうな勢いであるが・・・今回取り上げるのは淡路島の風力発電所。昨年12月に営業開始して、この度完成式を迎えたと言うから、「出来上がった風力発電所」としては、国内最新であろう。無論、風力発電所であるから、風況=風の状態に発電量は大いに左右され、それだけに「地域格差」=バラツキは多そうだが、一つの参考にはなろう。
下掲示記事から、例によって計算に仕えそうなデータを拾うと、短い記事の最期の一文に集約されている。
1〉出力は6基で計1万2千キロワット。
2〉年間で一般家庭約5500世帯の電気使用量に相当する約2千万キロワット時を発電するという。
上記1「出力は1万2千キロワット」だそうだから、「12MW」。「メガソーラー」とて2MW 程度の「辛うじてメガソーラー」が多いらしい太陽光発電に比べると、なんとも頼もしい数値だ。定格出力は、だが。
さて、例によってここから、「1年間365日ぶっ続けで定格発電した場合の発電量
(※2)」を計算すると・・・
12000kW × 24h × 365日 = 105120000kWh …式(1)
これに対し、上記2「年間で(中略)約2千万キロワット時を発電」から、上式
(1)と併せて稼働率が計算できる。
2000万kwh ÷ 105120000kWh = 1/5.256 ≒ 0.190 =19% …式(2)
即ち、この淡路島12MW級風力発電所の稼働率は、19%で1/5弱。1/7~1/8らしい太陽光よりは幾分マシな稼働率であるが、これが目一杯の発電量で制御できない上、大容量高効率畜電技術もまだない事は、いつもながらの事だが、「太陽光や風力は、発電力としては趣味ないし宗教でしかなく、火力・原子力の燃料節約にしかならない」。
ついでなので淡路島に於ける「一般家庭の年間電力消費量」を計算して置こう。
2000万kwh ÷ 5500世帯 = 3636kwh/世帯 …式(3)
一方、先行記事で取り上げた岡山のメガソーラー記事(※3)に以下の記述があることから、岡山での一世帯当たり年間消費電力を計算でき。
〉 年間発電量は184万キロワット時。一般家庭の年間消費電力量510世帯分に相当する。
184万kwh ÷ 510世帯 = 3607.8kwh/世帯 …式(4)
上式(3)と上式(4)から、「一般家庭の一世帯当たり年間消費電力」は、大凡3600kwh/世帯らしい。まあ、この数値も地域格差はありそうだが。
<注釈>
(※1) 今までの処、大凡「再生可能な自然エネルギー」の稼働率の低さに呆れ返ってばかりだが。(※2) 何度も繰り返すが、これは非現実的な仮定である。太陽光も風力も、発電量は「出来高」で「制御できない」。一方火力や原子力は、点検・保守の期間及びその前後を除けば、連続定格発電が可能である。正にその、制御可能な発電である事が、稼働率以上に火力・原子力、ついで水力の利点なのであるが。
シャドーフリッカー克服し初の風力発電所完成 淡路島で関電
http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/130228/wec13022808170001-n1.htm
2013.2.28 08:15 [原発再考]
完成した関電グループ初の風力発電所=兵庫県淡路市野島常盤
関西電力とグループ会社の「関電エネルギー開発」は26日、淡路市野島地区で建設した風力発電所の完成式を開いた。平成21年8月に着工されたが、風車の影が民家を横切る「シャドーフリッカー」などが問題視され、地元住民が県公害審査会に調停を申し立てて工事が一時中断。風車の数を当初計画の半数の6基に減らして完成し、昨年12月から営業運転を始めていた。
完成式には関係者約40人が出席。同社の高田正一社長は「発電事業は地域の信頼あってのもので、今後も安心してもらえるように取り組んでいきたい」とあいさつした。
関電によると、風力発電所は関電グループとして初めて。高さ約80メートルの支柱に直径80メートルの回転翼を備え、出力は6基で計1万2千キロワット。年間で一般家庭約5500世帯の電気使用量に相当する約2千万キロワット時を発電するという。