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 麻生太郎氏と言えば、現職は副総理だが、先々回の衆院選挙で民主党が「憲政史上最多の衆院議席数」を以って大勝するまでは自民党総裁であり、日本国首相であった方。ソリャ、キケロが「君主は、何をやっても悪く言われる」と喝破した通り、日本国の元首にして自衛隊三軍の最高指揮官である首相なんて地位に在れば「悪く言われる」のはままあることとは言え、あの頃のマスコミの偏向報道、麻生太郎おろしの民主党びいき(※1)は凄まじいものがあり、失言だの漢字を知らないだのカップラーメンの値段を知らないだの、「(自腹で)高い酒を飲んでいるだの、挙句の果てに親族の経営していた会社が戦時中に連合軍捕虜を使役していたなんてとんでもない「批難」まで飛び出すほどだった。念の為に付け加えるなら、戦時捕虜を使役する事自体はジュネーブ条約で認められている事であるし、何よりもかによりも麻生太郎首相(当時)は、終戦時に5歳の児童だ。「親族の経営していた会社が戦時中に連合軍捕虜を使役していた」事が何故「批難」になるのかは、未だに理解し難いが、「批難」されていたのは事実だ。

 無論、麻生太郎氏とて、当時首相とは言え、神様でも聖人君子でもない。神ならぬ身の人であるから、失策も失言も「全く無い」とは言えない。田母神空幕長を更迭しちまったのは、「麻生太郎首相(当時)最大の失策」と私は今でも思っている。だが、今回もまた報じられた「失言癖」なるモノは、要警戒、眉唾だ。

 実際の麻生太郎副首相(現)の発言を拾ってみよう。

1〉 「いいかげんに死にたいと思っても生かされてしまう。
2〉 しかも、政府のお金で(終末期医療を)やってもらうと思ったら、ますます寝覚めが悪い。
3〉 さっさと死ねるようにしないと」

 上記3〉が上掲記事タイトルにも引用されている訳だ。確かにこの上記3〉だけ読めば「失言」と言いたくなるのも判るが、果たして上記1〉~3〉に示された麻生太郎氏の発言、言うなれば「尊厳死のススメ」は、批難され「失言」とか「失言癖」とか評されるべきモノだろうか。

 Negative!否定。トンデモナイ。タイトルにもした通りだ。

 「尊厳死の強制」ならば非人道的とも「失言」とも言い得よう。だが上記1〉の通り「いいかげんに死にたいと思っても」と条件が付いているのだから、当該麻生副首相の発言は、せいぜいが「尊厳死のススメ」であり、報じられているような

4〉「個人の人生観を述べただけ」

などと言う「釈明」すら不要な発言だ。「失言」にもならなければ、「失言癖」とも言われる筋合いは無い。

 それでも上掲AFP報道は、上記(1)~(3)の通り、一応前後の文脈含めて上記(3)を報じているから、これが「失言」か否かが判断できる。記事タイトルに上記(3)を持ってきてミスリードをたくらんだ疑義は免れないが、「最低限の情報」=「失言か否か判定できる材料」は提供しているから、「報道機関として最低限の昨日は果たした」と言えよう。「失言」やら「妄言」によっては、そんな「最低限の情報」すら提供されないから、十分気を付けなければならない。

 最後に、思いついてしまったギャグを一つ。

 「失言癖は、虚言癖より遥かにマシである。」

 川柳にすると、
 
 失言癖、虚言癖より、大分マシ

 そもそも日本語がしゃべれない首相ってのも、居たからな。


<注釈>

(※1) 「民主党びいき」繰り返す「民主党びいき」である。先々回衆院選挙以前から、先の民主党政権初期にかけてのマスコミの民主党びいきたるや、当時民主党党首であった鳩山由紀夫の女房が気違いである事を、衆院選挙終了後まで隠し通すほどであったことは、忘れるべきではない。
 また、麻生首相(当時)や自民党の方針変更は「ブレた」「またブレた」と囃し立て、民主党の方針変更は「現実路線への変更」と称賛したダブルスタンダードも。 
 ま、偏向報道も、ダブルスタンダードも、「マスコミにはつきもの」と覚悟すべきなのではあるが。「世の報道は全て謀略宣伝放送である」少なくとも「その可能性はある」と思ってかかって居れば、間違いが少ない。(それでも「間違いが無い」とは、断言すべきではない。