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 先行記事にしたのは、沖縄観光促進のために、若い女性の太ももに広告シールを貼る事が、来月下旬から実施されると言う報道を受け、そんな計画は正気の沙汰ではないと糾弾した記事。同報道に対する反応は相応にあったらしく、それだけに「話題を読んだ」「注目を集めた」とは( 先行記事で予想した通りに)言えそうなのであるが…今回取り上げるのは、その続報だ。

転載開始=========================================

「太もも広告」中止 県・OCVB、批判受け
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-01-25_44394
2013年1月25日 09時46分

 学生の卒業旅行を誘致する広告宣伝の一環として、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)と県が採用を決めていた「絶対領域広告」について、県とOCVBは24日、「女性の太ももに広告シールを貼る宣伝手法が、沖縄観光のブランドイメージにあっていない」(県観光振興課)などとして中止を決めた。
絶対領域広告は、ミニスカートやショートパンツの女性が太ももにステッカーを貼り、街中を歩いて宣伝する新たな広告手法。24日付の本紙報道を受け、同日、県とOCVBに「品格がない」「税金を使った事業として不適切」などの意見が電話で数件、寄せられ、事業の受託会社に別な手法を検討するよう指示した。
県観光振興課は中止を決めた理由について「若者向けに訴求力と即効性があると考えたが、沖縄という地域を売る上でデメリットが大きい」と説明。OCVB国内事業部は「国の予算を使っており、疑問の声を押し切ってまでやるべきではないと判断した。真摯(しんし)に批判を受け止めたい」などと話した。
OCVBが県から受託して実施する一括交付金を活用した春の誘客事業の一環。公募で採用した広告会社からの企画の一部に「絶対領域広告」の提案があった。県とOCVBの幹部ら4人による審査会では、これまでにどのような企業が採用したかなどについて質問が出たが、実施の是非については議論にならなかったという。
=================================転載完了

「絶対領域広告」計画中止は歓迎し、沖縄タイムスの”虚報”を糾弾する。


 さて、如何だろうか。

 先ずは重畳至極と言うべきだろう。「首都圏中心に、若い女性が沖縄観光広告シールを貼った太ももを人目に曝す」事態は回避されたのだから。人によっては斯様な「若い女性の太ももをガン見する機会」を逸した事を残念に思うかも知れないが、同計画が実施された場合に下落するであろう沖縄の評判と、それに伴うだろう沖縄観光収入のマイナス分(*1)に比べれば、些事も良いところだろう。

 だが、先行記事にした通り、「斯様な計画が為された」と言うだけでも、相応に沖縄の評判は落ちた、と私は考えている。まあ、私が考えているだけだし、少なくとも「斯様な計画が中止された」事で「沖縄の評判に対する被害は極限出来た」とは言い得よう。だから、やはり、「重畳至極」とすべきである。

 だが、「重畳至極」とは言い得ない人たちも居る。

 何しろ先行記事で取り上げた、同じ沖縄タイムスの記事(*2)では、

①1>  OCVBは沖縄振興一括交付金約2千万円を使った国内需要安定化事業「春期キャンペーンプロモーション」の一環で
①2> 絶対領域広告を採用。2月下旬の1~2週間、早稲田大学広告研究会の学生と共同で誘客を図る。

と断言されており、尚且つ

①3>  絶対領域広告は、
①4> ミニスカートやショートパンツなどをはいた18歳以上の若い女性の太ももに
①5> 広告となるシールを直接貼り付けて視線を集める手法の新しい広告。

と、用語解説までついていたのだから、誤解も曲解もしようがない。

 であると言うのに今回の報道では、

②1>  OCVBが県から受託して実施する一括交付金を活用した春の誘客事業の一環。
②2> 公募で採用した広告会社からの企画の一部に「絶対領域広告」の提案があった。
②3> 県とOCVBの幹部ら4人による審査会では、これまでにどのような企業が採用したかなどについて質問が出たが、
②4> 実施の是非については議論にならなかったという。

となっている。

 上記②1>~②4>については、「解釈の幅」は幾ばくかありそうではあるが、上記②4>沖縄観光促進のために「絶対領域広告」計画を採用した訳ではないと読めて仕方が無い。

 この「読み方」が正しいならば、先行記事で沖縄タイムスが報じた上記①1>~①2>とはあい矛盾する。

 斯様な矛盾が生じる理由としては、以下のCaseが考えられる。

Case1: 沖縄県とOVCBは上掲記事②では嘘を吐いている。実際は「絶対領域広告計画」は一旦採用され、後に中止された。

Case2: 沖縄タイムスが「絶対領域広告計画」決定を報じた先行記事は、虚報であった。

 上記Case1ならば、これは小なりと言えどもスキャンダルであろう。報道機関としては、ジャーナリズムを有するジャーナリストとしては、徹底追及してしかるべきところ。沖縄振興一括交付金2千万円の行方がかかっているのであるし。
 而して、このCaseであるか否かは、沖縄タイムス自身にはこれ以上ないほど明白に判って居る筈だ。尤も、「沖縄県とOVCBの前言撤回」を追求するか否かは、沖縄タイムスの有するジャーナリズムにかかっているから、「甚だ心もとない」どころではないが。

 上記Case2ならば、沖縄タイムスは先行記事の虚報を認めて謝罪記事を出すのが筋であろう。
 尤も…沖縄タイムスの輝ける実績は、朝日新聞と同様に「誤報・虚報は極力認めず頬被りを決め込み、どうしようもなくなったら謝罪記事は出すが、一読したくらいじゃわからないように出す」であり、謝罪記事に至った事さえ希=「大半の誤報・虚報は頬被りのまま」であるから、今回も「頬被りで知らんふり」である公算は大である、が。

 何れにせよ、沖縄タイムスにとってはロクな事にはなりそうにない。新ためてジャーナリズム=新聞記者魂の不足が露呈するか、朝日新聞ばりの無責任体質が再確認されるか、何れかなのだから(*3)。

 如何に、沖縄タイムス。



<注釈>

(*1) 無論、広告として斯様な「絶対領域広告」計画を実施するのだから、トータルで観光収入がプラスとなる、少なくとも目論見はあったのだろうが。


(*3) そうならない場合は、勿論ある。Case1で今後沖縄県とOVCBを追求するか、Case2で明白に明確に虚報を謝罪すれば、上記の状況は免れる。それこそ正に、重畳至極であり、そうなってくれれば私も嬉しいが…とても「そうなる」なんて思えないな。