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私は、本物の銃を撃った事はないが、Gunマニアではある。
「本物の銃を撃った事もないくせにか?」と問われれば、銃の象徴する力=武力や、その機構・メカニズムの面白さ、それに機械が一般的に持つ合理性故の機能美が魅力だから、「実銃を撃った事は無い」がGunマニアではある、と答えよう。だからいわゆる骨董品に見られる装飾過多の銃は嫌いで、実際に作動する、機能する、つまりは弾丸を撃てて、殺傷能力を発揮する銃が好きなのである。まあ、メカニズムはモデルガンで、ある程度の「射撃感覚」はエアガン/ガスガンでしか「体験」した事はないし、そんな体験すらなくて写真や図でしか知らない銃も数多あるが、それでもGunマニアではある。鉄道マニアの一定割合は「乗り鉄」なる実際に鉄道に乗車する事を趣味としているそうだが、航空機マニアが実際に飛行機に乗りまくったり操縦士免許を持っていたりするのは珍しいだろう(*1)。我が国におけるGunマニア(*2)だって「操縦士免許のない航空機マニア」の様なものだ。
それは、我が国の、少なくとも私を含む一般市民は、実銃なんてモノにとんと縁が無く、街角や交番の警官が持つ拳銃か、演習場で自衛隊や米軍の銃を見るぐらいであるから。我が国において「銃に関する知識が明らかに不足している(と思われる)」翻訳が散見されるのは、そんな「銃無き社会」日本と言うバックグランドの故、であろう。
ソリャ、「翻訳に正確を期するため」に「我が国を銃社会にする」なんてのは荒唐無稽且つ本末転倒ではある。が、だからと言って翻訳のプロであり、翻訳で以って金をもらっている翻訳家が、「銃に関する知識不足を露呈する訳文を公開してしまう」のは、プロとして恥ずべきことであろう。
<注釈>
(*1) 無論、中にはそういう航空機マニアも居るんだが。
(*2) の大半は。「こち亀」こと「こちら亀有公園前派出所」の中川巡査の様に、「銃を撃ちたいから警官になる」者も、そうは居ないだろう。
転載開始=========================================
【1】米国の銃規制、州ごとの違いで効力発揮できず
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2916882/10000180
2012年12月17日 13:31 発信地:ワシントンD.C./米国
【12月17日 AFP】米コネティカット(Connecticut)州の小学校で14日に起きた銃乱射事件では児童20人と教職員6人の命が奪われ、米国でおなじみの銃規制法をめぐる論争に再び火がついた。しかし、米銃規制は州によって大きく異なる。
1993年に当時のビル・クリントン(Bill Clinton)大統領の署名で成立した通称ブレイディ法(Brady Act)は、米国内で銃を購入する者の身元情報を連邦当局に確認するよう義務付けている。犯罪歴や精神衛生に関する履歴などから潜在的な危険を検知しようというものだ。
だがこの規制は、インターネット取引を含む個人間の売買や、銃見本市の展示ブースでの販売など、米国の銃販売の4割には及ばず、こうした売買は連邦政府の規制を受けていないのが現状だ。ブレイディ法の対象はわずかな例外を除き、連邦の認可を受けた販売業者やメーカー、輸入業者などに限られている。さらに北はカナダ、南はメキシコと長く国境を接しているため、銃購入の追跡はいっそう困難だ。
■FBIデータベースから漏れた犯人たち
米連邦捜査局(FBI)が運用している全米犯罪歴即時照会システム(National Instant Criminal Background Check System、NICS)にも、穴がある。連邦、州、自治体による銃規制強化を求める市長たちの全米組織「不法な銃に反対する市長たち(Mayors Against Illegal Guns)」は、精神的な問題を抱える数百万人に関するファイルがNICSのデータベースに含まれていないことを指摘した。
今回のコネチカット州の事件で銃を乱射したとされるアダム・ランザ(Adam Lanza)容疑者(20)には精神疾患の病歴があったと報じられている。現場で発見された拳銃2丁とセミオートマチック・ライフル1丁は、容疑者の母親が合法的に購入したものとみられているが、銃規制支持派は、もっと徹底したデータベースがあればランザ容疑者のような人物の武器入手を防止できたと主張している。
2011年1月にアリゾナ(Arizona)州で民主党のガブリエル・ギフォーズ(Gabrielle Giffords)下院議員(当時)を殺そうと銃を乱射し6人を殺害したジャレッド・ロフナー(Jared Loughner)被告の場合には、不品行による停学処分歴やドラッグ使用歴があったが、身元照会システムは銃購入を認めていた。
■州ごとに異なる身元照会範囲や銃の規制範囲
これに加え、州によって銃規制が異なることも、規制をかいくぐることをいっそう容易にしている。例えば13州では、売り手側の身元について州外に照会していない。つまり、他州や連邦政府によって記録されている犯罪歴は除外されてしまうのだ。
「銃による暴力防止法律センター(Law Center to Prevent Gun Violence)」のロビン・トーマス(Robyn Thomas)事務局長は、「州境を行き来するのは簡単なので、ある州の規制法が厳重でも、別の州に行って銃を買うことが簡単にできる」と指摘する。
銃販売規制法の大半は、州単位で実施されている。
カリフォルニア(California)州は最も規制が強く、個人売買を含む全ての銃販売に連邦システムへの身元照会を定めている。アサルト武器(assault weapon)や狙撃銃の販売は禁止されており、1人が購入できる銃は1か月に1丁までと制限されている。また、購入には筆記試験を含む州の許可証取得が必要だ。こうした規制措置によってカリフォルニア州では過去20年間に銃を使った暴力事件が大きく減少したとトーマス氏は言う。
米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、今回事件が起きたコネティカット州でも、容疑者が犯行で使ったとされるブッシュマスター(Bushmaster)0.223やM4カービンといったアサルト武器の所有や譲渡は禁止されている。また、犯行に使われたとされる拳銃2丁は、いずれも購入前に認可証の取得が必要とされるものだった。
1994~2004年まで連邦法ではアサルト武器の製造と販売を禁止していたが、議会はこの規制を更新することができなかった。また何をもってアサルト武器とするかの定義をめぐり論争となった。
例えばカリフォルニア州ではアサルト武器の特徴としてスタビライザーがあることや、素早い連射を可能にする大型弾倉などを挙げている。しかしトーマス氏は、メーカー側は「いつでも抜け道を探し、見つけ出すものだ」と警告している。(c)AFP
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「アサルト武器(assault weapon)」はないだろう
先ず翻訳者に言わねばなるまい。「アサルト武器」なんてぇ日本語があるかぁ?
何しろ天下のAFP通信の上掲記事にある以下の一節に、堂々と以下の様に記されている。
1〉 現場で発見された拳銃2丁とセミオートマチック・ライフル1丁は、容疑者の母親が合法的に購入したものとみられている
2〉 容疑者が犯行で使ったとされるブッシュマスター(Bushmaster)0.223やM4カービンといったアサルト武器の所有や譲渡は禁止されている。
3〉 また、犯行に使われたとされる拳銃2丁は、いずれも購入前に認可証の取得が必要とされるものだった。
別の所に「アサルト武器(assault weapon)や狙撃銃の販売は禁止されており」と言う記述があり、「アサルト武器」なるもものが「assault weapon」の「日本語訳」である事が判り、やっと「これはAssault Rifle(*1)の類の事だな」と判明する。私ならば「突撃銃等」か、「軍用自動小銃等の殺傷力の高い銃器」とする。後者の方は一寸字数が多難点があるが、だったら「Assault Weapon」と、原語で行くのが「翻訳者の心得/矜持/プライド」ではないのかね。
同様な事は以下の一文にも見られる。
4〉 例えばカリフォルニア州ではアサルト武器の特徴としてスタビライザーがあることや、
5〉素早い連射を可能にする大型弾倉などを挙げている。
上記4〉で言う「スタビライザー」と言うのが何の事か、私にはハッキリしない。多分原語は"stabilizer"であり、翻訳者は( 今度は )「原語のカタカナ表記」で正確を期して(*2)いるのだが…これは多分、銃口に取り付けて発射時のガスで反動を抑制するマズルブレーキの事だろうと推測できる。翻訳者に「ここで言うstabilizerとは何のことか、カリフォルニア州法を調べろ」と要求するのは、少々酷かもしれないが、「プロの翻訳家」ならば、それも仕事の内ではないのか。
<注釈>
(*1) この翻訳は、普通、「突撃銃」だと思うんだが…「急襲用ライフル」なんて、少なくとも大いに誤解を招きそうな「訳語」も在る様だ。以前にも書いた処だが、Assault Rifleとは戦後急速に普及した全半自動射撃切り替えができて小口径弾ないし短小弾を使う軍用自動小銃の事。もとはその原型となった第2次大戦中ドイツ軍のStg43の呼称「Sturmgewehr シュツルム・ゲーヴェル」の「英語訳」だ。尚且つ、現代歩兵の「歩兵用小銃」は大凡1種類のAssault Rifleに統一されているから、これは「突撃」にも「急襲」にも「反撃」にも「待ち伏せ」にも使われる。「○○用」なんて限定詞(と誤解される表現)を、付けるべきではない。
(*2) 多分、翻訳者にも何のことかよくわかって居なかったのだろう。