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 先行記事にした通り、我が敵・小沢一郎がついこの前旗揚げした「国民の生活が第一」党と滋賀県の嘉田知事がつるんで「脱原発」新党を発足させるそうだ。党名は「未来の党」だそうで、「”過去の党”とは違う」と言いたいのだろう。
 斯様な「脱原発」新党発足に対して早速社説を仕立てたのは、”やっぱり”と言うべき脱原発原理主義筆頭・東京新聞と、産経新聞である(*1)。先ずは両紙の社説、御一読願おうか。
 

<注釈>
(*1) この他に琉球新報も社説に取り上げているが・・・あんまり読むところも無いぐらいだ。
 
転載開始=========================================
【東京社説】「脱原発」新党 民意のよき受け皿に
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012112802000128.html
2012年11月28日
3・11後、初の総選挙なのに、大きな争点であるはずの「原発」の議論が欠けていた。嘉田由紀子滋賀県知事が脱原発の新党「日本未来の党」の結成を発表した。民意のよき受け皿になってほしい。
嘉田氏は「今のままでは投票する政党がないとの声を聞く。真の第三極をつくりたい」と述べた。
結集軸として脱原発を前面に打ち出し、地方、女性、子どもの視点を大切にするという。これまでの政治に希望を見いだせなかった人たちに、期待は膨らむはずだ。
十四の政党が乱立する次期衆院選に向け、各党はそれぞれ原発政策を掲げている。だが、スローガン的な公約が多く、今後の原発政策の進め方について、国民には違いが見えにくいのが実態だ。
嘉田氏は「原発のない再生可能エネルギー社会へ向け、原発稼働ゼロから全原発廃炉への道筋をつくる」と明言した。新党は、脱原発の民意を広く受け止める役割を発揮してほしい。
脱原発を重要公約に掲げる新党が登場しビジョンを示すことで、原発政策の議論が盛り上がることを期待したい。
嘉田氏の構想には、小沢一郎代表の「国民の生活が第一」、河村たかし名古屋市長が共同代表の「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」、谷岡郁子参院議員が共同代表の「みどりの風」が合流や連携に動きだしている。
石原慎太郎氏が代表の日本維新の会は、脱原発の姿勢が不鮮明になったと言わざるをえない。
注文もある。嘉田氏は「卒原発と言っており、卒業までに時間がかかる」と言う。「十年後をメドにすべての原発を廃止」の「国民の生活」や、「予定表を作って原発と決別」の「減税日本」などと最低限の調整は必要だ。
原発ゼロまでのスケジュールや代替エネルギー、電力供給地域の経済・雇用対策について、大きな枠組みとして統一的な考えを示せないものだろうか。そうでなければ、民意は戸惑う。
広範な民意の結集を考えるのなら、共産党や社民党とも協力を探ってはどうか。
琵琶湖博物館の学芸員でもあった嘉田氏は「経済性だけで原子力政策を推進することは、国家としての品格を失い、地球倫理上も許されない」と強調した。
原発事故後の日本は、一体どんな選択をするのか。どんな未来を築くのか。世界も注視する選挙なのである。

 
【産経社説】 【主張】 「卒原発」新党 国の未来に責任持てるか
2012.11.28 03:16 [主張]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121128/stt12112803170006-n1.htm
「卒原発」を掲げて、滋賀県の嘉田由紀子知事が自ら代表となる新党「日本未来の党」の結成を表明した。
来月の衆院選に向け、小沢一郎代表の「国民の生活が第一」(生活)も解党し、未来の党に合流することを決めた。「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」も合流の意向を表明した。
「卒原発」は嘉田氏の持論で、原子力発電を卒業するという意味だ。しかし、原発に代わりうる安定的な電源を見いだせない以上、原発に背を向ける政策は極めて無責任といわざるを得ない。
日本は先進国の中で最もエネルギー資源に乏しい国だ。その困難さを原子力発電で克服してきたことを忘れてはならない。
「原発が動いてなくても電気は足りている」などの主張は現実を見ていない。火力発電の増加で燃料代が嵩(かさ)み、電気料金の値上げにつながっているではないか。
貿易収支は赤字に陥り、工場の海外移転が問題となっている。泊原子力発電所が停止中の北海道では、電力不足による人命への影響も心配されている。
国内の原発は関西電力の大飯3、4号機を除いて48基が停止している。政府は国民の理解を得つつ、安全が確認されたものから一日も早く再稼働させるよう主導すべきである。
衆院選を戦う候補者や政党にとって「脱原発」や「卒原発」は、目先の票の獲得につながりやすい響きを持つ。だが、脱原発路線は国力の衰退に直結し、ひいては有権者も欺くことになる。
もう一つ今回、違和感を覚えるのは、生活など既成政党の動きだ。小沢氏は嘉田氏と会談するなど、新党の立ち上げに深く関わってきた。党代表の座を明け渡してまで合流に踏み切る積極性だが、安全保障や経済、社会保障政策など国のあり方について、意見をすり合わせたのか。
国政政党ならば「脱原発」での一致だけでは不十分だ。衆院選で劣勢が予測されるから新党に飛びつくのなら、党運営は早晩行き詰まる。「野合」批判は免れない。嘉田氏の党代表と知事の兼務も心配だ。両立は困難だろう。
有権者には、千年に1度の大津波で被災した福島第1原子力発電所の事故と、国の将来を左右するエネルギー政策を切り分けて冷静に判断してもらいたい。
=================================転載完了

「脱原発」新党は、国民を舐めている

 さて、如何だろうか。
 
 まあ、「想定内」と言うか、「予想通り」と言うか、「”脱原発”新党の発足を東京新聞と産経が社説に取り上げた」と聞けば大凡その社説の中身は予想がついて、その予想を裏切らない結果、と言えよう。東京新聞は手放しで絶賛し、
東1〉 広範な民意の結集を考えるのなら、共産党や社民党とも協力を探ってはどうか。
とまで言い出しているのだから、東京新聞にとっては今回衆院選挙の焦点どころか新政権の政策は「脱原発」のみと考えているのだろう。いつもながらの「脱原発原理主義者」ぶりだ。
 一方の産経は、社説タイトル「「卒原発」新党 国の未来に責任持てるか」にほぼ論旨は尽きていて、
産1〉  国政政党ならば「脱原発」での一致だけでは不十分だ。
産2〉 衆院選で劣勢が予測されるから新党に飛びつくのなら、党運営は早晩行き詰まる。「野合」批判は免れない。
と言う末尾近くの1パラグラフが「エネルギー政策ばかりが政策ではない。」と指摘し、東京新聞社説と美事な対比を見せている。
 東京新聞と産経新聞の主張、どちらが「正しい」と言っては語弊があるなら「まとも」かと言うならば、余りにも答えは明白だろう。今度の衆院選挙の争点/焦点が「脱原発の可否」であるのは別にかまわないが、いやしくも政党であるならば、安全保障政策や外交政策、経済政策など、エネルギー政策以外の政策も相応に具体的に示さなければならない(*1)。だから原理主義ってのは度し難いんだ。
 ま、そこは、「ハナッから第三極の結集しか目指さない」=「(少なくとも今回衆院選では)政権与党入りは考えていない」出来たて党だから、「争点・焦点とする/したい脱原発可否」を前面に押し立てている(だけ)と、最大限好意的に解釈した、としよう。
 
 東京社説にある通り、
 
東2〉  嘉田氏は「原発のない再生可能エネルギー社会へ向け、原発稼働ゼロから全原発廃炉への道筋をつくる」と明言した。
東3〉 新党は、脱原発の民意を広く受け止める役割を発揮してほしい。
東4〉 脱原発を重要公約に掲げる新党が登場しビジョンを示すことで、原発政策の議論が盛り上がることを期待したい。
 
と、嘉田知事は原発のない再生可能エネルギー社会へ向け、原発稼働ゼロから全原発廃炉への道筋をつくる」と明言したそうなのだが、逆に言えば、今現在「原発のない再生可能エネルギー社会へ向け、原発稼働ゼロから全原発廃炉への道筋」=上記東4〉の「ビジョン」は、「まだ無いと言う事だ。衆院選を目前として新党の旗揚げをしたのは、そんな「ビジョン」は無いが、「思いだけはある」と言う事なんだろうが・・・
 
東5〉 原発ゼロまでのスケジュールや代替エネルギー、電力供給地域の経済・雇用対策について、大きな枠組みとして統一的な考えを示せないものだろうか。
東6〉そうでなければ、民意は戸惑う。
 
と、東京社説は論じるが、そんな「原発ゼロまでのスケジュールや代替エネルギー、電力供給地域の経済・雇用対策」即ち「原発稼働ゼロから全原発廃炉へのビジョン」を上記東5〉「大きな枠組みとして統一的な考え」も示さないままでは上記東6〉「民意は戸惑う。」では済まない筈/済まない可き、だそんなビジョンすらもない「脱原発」だか「卒原発」だかの宣言は、先の衆院選挙で民主党党首として鳩山由紀夫が口走った「(普天間基地移設先)最低でも県外」のエネルギー政策版でしかないから、だ。
 
 で、その「ビジョン」=原発のない再生可能エネルギー社会へ向け、原発稼働ゼロから全原発廃炉への道筋必ず示される」と東京新聞は確信し、期待しているようであるが…賭けようかそんな「ビジョン」は「まともに出来上がる訳が無い。」と私なら断言してしまう。
 理由は今まで記事にしてきた事。分けても「私の自然エネルギー推進論(*2)」で論じて来た通りだ。現時点でまともに発電の役に立つ再生可能エネルギーは水力のみ。期待されている太陽光だの風力だのは、大容量高効率畜電技術と言う未だ影ぐらいはあっても形はない超技術が開発・完成・普及するまで、モノの役には立たない。
かてて加えておよそ1/8にしかならない太陽光発電の稼働率(*3)は、そんな超技術を以ってしても、太陽光発電を当てにするには凄まじい面積の”メガソーラー”が必要と言う事だ。
 
 

<注釈>


(*1) 尤も、先の衆院選挙で「政権交代確実視」されていた「民・社・さ」連立(予定)三党の共通公約には、「安全保障」って項目が無く、「共通の安全保障公約が無い」と言う状態のまま「政権交代」を実現してしまったのだがね。こいつはァ「国民の責任」だぜ。
 
(*2) 私の「自然エネルギー推進論」―フクシマ後も原発推進の立場から―  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778036.html  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778053.html  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778071.html
 
(*3) 冷たい計算式―千葉のメガソーラー第1号始動。  http://www.blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/37592041.html