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相違点-さらなる要求

他方、アカ新聞五紙の社説を比較した結果、相違点に目を向けると・・・比較表に見る通り、意見が二つに分かれたのは項目No3「米軍基地全面撤去」とNo4「日米安保体制」だ。No4では琉球新報と東京新聞が共に米軍について「日本国民の生命を脅かす存在にもなり得ることは否定しがたい(東京新聞)」「県民には苦痛をもたらす暴力組織としての存在が大きい(琉球新報)」と否定的側面を強調…なんて生易しいものではないな。ことに琉球新報の表現なぞ「沖縄駐留米軍」と言う組織に対してなされているから「問題視されない」かも知れないが、個人に向けられたなら名誉棄損で訴訟沙汰になる事さえありそうだ。確かに今回の米兵暴行事件は「許しがたい犯罪」だろうが、米軍人の大半は犯罪者ですらない。それを「苦痛をもたらす暴力組織」とは、ヤクザよりも酷い扱いではないか。残りの三紙、全国紙たる朝日・毎日ばかりか沖縄二紙の片割れ・沖縄タイムスでさえ米軍に対しそんな罵詈雑言を投げかけていないのは、アカ新聞ながらも救いと言えば救いだ。
だが、項目No3「米軍基地全面撤去」となると、やはり沖縄二紙は全国紙とは格が違い・・・・
琉2〉 普天間飛行場閉鎖と在沖海兵隊撤退を含め、米軍駐留の根本的見直しを進めるべきだ。
沖1〉 もはや我慢の限界を超えた。日米両政府が目に見える負担軽減策を実行しない限り、マグマが噴き出すのは間違いない。
即ち、琉球新報は「在沖海兵隊撤退」を言い出し、沖縄タイムスは「目に見える負担軽減策」を求め、「(さもないと)マグマが噴き出すのは間違いない。」と断言する。項目No3を「米軍基地全面撤去」と銘打ち、沖縄二紙を特出しにした所以だ。
「それだけ、沖縄の怒りがたまっているんだ!」と言う解釈もあろうし、沖縄二紙は正にそう主張して居る訳だ。が、私の見る所、「二米兵暴行事件」と言う「衝撃的事件」を受けた沖縄二紙は、「頭に乗って」いる/調子に乗っている/好い気になって居るのである。「憎むべき米兵による性犯罪」と言う「正義の」口実を得て。それは、
琉3〉 現状は基地閉鎖なくして米兵犯罪の根絶は不可能だと、米軍自らが自白しているようなものだ。
と言う琉球新報の傲岸不遜な表現にも見て取れる。恰も、米軍は全員聖人君子である事を要求し、「それが出来ないならば犯罪者集団だ!」と断言しているようなものだ。被害女性の立場からしても、日本人としても、おそらくは沖縄県民としても、憎むべきは性犯罪であり暴行事件であるべきはずなのに、琉球詩峰は「米軍人の犯罪」のみを糾弾し、「米軍を追い出せ!」と絶叫している。まるで日本人、特に沖縄県人は性犯罪を犯さないか、犯しても許されると言わんばかりだ。
そんな琉球新報に比べれば、沖縄タイムスの方は未だ表現を抑えているが、端的に言ってこちらは、日米両政府を恫喝しているのである。「マグマが噴き出すぞ」と。
「マグマが噴き出す」?吹き出すとどうなるんだ?「ウサギとダンスでも踊るのか?」ってのは、確か寺沢武一作「コブラ」の決め台詞だが、現状実績は「10万人を集めた」と称する「県民大会」と、「ゲートを封鎖した」と言う座り込み、それに「平和的で合法的」と抜かすタコと風船による航空妨害テロぐらい。これらを今まで「オスプレイの沖縄配備(だけ)反対」と言う「オスプレイに搭乗する米軍人も、沖縄以外の基地周辺住民も、いくら死のうが知った事ではない」と公言する非人道的なまでに利己的な理由で行ってきたのだから、「米兵による暴行事件を許すな!」と言えばもっと盛り上がるに違いない、と言う読みだろうが…「反基地」「反米」と言う点では通底するが、オスプレイ配備と米兵暴行事件に直接の相関はない。
無論、「反基地」「反米」と言う点では通底すしてさえいれば「オスプレイ配備反対」と「米兵暴行事件再発阻止=米軍撤退」は結びついてしまうのかも知れない。何とも短絡的で感情的で不合理であるが「マグマとはそういうもの」と言えばそうかも知れない。従って、沖縄タイムスの主張する通り「マグマは吹き出す」かもしれない。
が、そんな「マグマの恐怖」に屈して沖縄駐留米軍の兵力を決めるべきではない。
沖縄に限らず、米軍の兵力配分は、何処に米軍を配置するかと言う問題であり、それを考える上で最優先にすべきなのは、我が国の安全保障。沖縄のマグマがどうのこうのと言うのは、基地負担軽減と同様二義的な目標であり、必須な目標ですらない。言い換えれば、我が国の安全保障のために必要な兵力を沖縄に駐留させるためには、「沖縄のマグマ」なんぞ噴出させてしまって構わない。目標の優先順位は明白で、逆にするのは本末転倒だ。
ま、そんなまともな安全保障論が、沖縄二紙に通じるはずもない、が。・・・・朝日や毎日が「まだマシ」に思えるとは。恐るべし、沖縄二紙。
追補:「危険」とは断言されなくなったオスプレイ
比較表に見る通り、今回取り上げたアカ新聞5紙の内、沖縄タイムスを除く四紙が先ごろ沖縄は普天間基地に目出度く配備されたオスプレイについて触れている。が、「オスプレイの配備強行(毎日)」「安全性が確認されたとは言い難い軍用機(東京)」「安全への心配がぬぐえぬ新型輸送機オスプレイ(朝日)」と、いずれも「オスプレイの危険性・欠陥」と言う先ごろ開催された「沖縄県民大会決議」の前提条件にもなって居た事象に直接言及していない。唯一、琉球新報のみが「危険なオスプレイが縦横無尽に飛んで」と言う第三者の言を引用して「同感だ(琉球新報)」と賛意を表明する事で間接的に「オスプレイは危険だ!」と主張するのみ。
そりゃま、そうだろうな。今回オスプレイには言及しなかった沖縄タイムス自身が、平安名純代記者の署名連載記事「崩れる安全神話」なんてのをぶち上げてもその「安全神話」に掠り傷しか負わせられず(*1)、その連載記事のトリを務めたアーサー・リボロ氏自身「オスプレイは従来のヘリよりも安全」と認めてしまうようでは、まともに知性のある者ならば「オスプレイは危険だ!」と断言するのは憚られよう。
逆に言えば、未だ間接的にでも「オスプレイは危険だ!」と根拠も示さず言い続ける琉球新報には、まともな知性がないと、断じるべきだろうな。
<注釈>
(*1) 崩せなかったオスプレイ安全神話2―沖縄タイムス米国特約記者・平安名純代の連載記事「崩れる安全神話」の大失敗 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/37566720.html