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未だ連載中の「テルマエ・ロマエ」のV巻が先頃刊行された。先のIV巻で、現代日本の伊藤温泉に長期滞在する羽目に陥った我らがルシウスは、「初めて出会うラテン語を話す平たい顔族」”ディアナ”こと小達さつきと出会ったが、V巻ではいよいよその「ラブ・ロマンス」が急進展・・・と書くと、なにやらメロドラマかハーレクインロマンス(※1)の筋のようで、書いている私の方が面映ゆい。「恋話」いわゆる「恋バナ」という奴は、私にとっては芸能ネタ並に不得意分野である。
不得意分野に挑戦するのも一つの考え方だが、勝つことを目的とする兵法では、「相手をこちらの得意分野に引きずり込む」事を以て良しとする。であるならば、私の「テルマエ・ロマエV」紹介では、この巻で初登場するさつきの祖父・小達鉄蔵に焦点を当てるべきだろう。
小達整体院を営む整体師の鉄蔵は、さつきの様子から男の陰を感じ取り、「さつきの惚れた男」ルシウスに接触。腰痛に悩んでいたルシウスにその針灸術と整体術を施す。その効果は劇的だったらしく、ルシウスはその場で(※2)弟子入りを申し込むほど。
「シロートのやるこっちゃないよ。」
ルシウスを認めた鉄蔵の元に、昔なじみの「梅チャン」こと松平梅吉からもたらされた情報は、伊藤温泉に蠢く地上げ屋の陰。その正体は、かつて梅チャン鉄チャンコンビで壊滅させた暴力団であるらしい。その魔手はついにさつきにまで及び・・・
起てよ、ルシウス!
戦え、ルシウス!
伊藤の暗雲払うため、
愛する”ディアナ”を救うため、
伊藤温泉の町並みを
二輪戦車で駆け抜けろ!!
・・・とまあ、「怒濤の展開」と言って良いのではなかろうか。作者自身のエッセーでもクライマックスと言っているし、もう一から二巻ほどで大団円を迎えそうな雰囲気ではある。
先述の通り、本V巻の核をなすのは「鉄っちゃん」こと鉄蔵なのだが、登場シーンこそ少ないが、その相棒をつとめた「元伊藤温泉の顔役」梅チャンこと松平梅吉もインパクト大だ。
何しろその風貌からして・・・

こりゃどう見たってマカロニウエスタンでならした(※3)かつての名優、リー・ヴァン・クリーフだ。

「西部の悪役」リー・ヴァン・クリーフ 決定打は、髪型
かと思うと鉄蔵の方も、その風貌はちょっと日本人離れしていて・・・

・・・これがマーロン・ブラント(※4)であるか否かには、議論の余地があろうが、「平たい顔ではない」と言うのには、異論の余地はあるまい。無論、日本人にも偶にこれぐらい彫りの深い顔の人は居るが・・・

マーロン・ブラント@ゴッドファーザー

トミー・リー・ジョーンズ ・・・確かに、似ている
二人とも、若い頃は結構イケメンだった。
兎も角、これら「濃い」脇役たちを得た「テルマエ・ロマエ」は、ルシウスにとっての主君・ハドリアヌス帝の危うい健康状態( と、精神状態 )と共に、(おそらく)大団円へと向けて第VI巻へとなだれ込み・・・そうである。
先行公開された実写版映画(※5)との相違も含め、ますます今後が注目されるマンガである。
おまけ この巻の名台詞

「四千年の歴史」と称しながら共産党王朝は70年かそこらの歴史しかない大陸や、「ウリナラ(我々流)半万年」と言いながら、金王朝はまだ三代目である半島は、「金で購えるる程度の薄っぺらな歴史と伝統を購っている国」、と言えよう。
我ら、のみ。
<注釈>
(※1) どっちも例えが古いか。どっちも見た/読んだ事はないが。(※2) 無謀にも、かついつものように生真面目に(※3) 真昼の決闘High Noonのオープニングも忘れ難いが。(※4) 「ゴッドファーザー」が有名だが、実はまだ見ていない。
(※5) 実はまだ見ていない。