「すべての言語はトルコに通じる」か?

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 報道記事のタイトルは、「すべての言語はトルコに通じる」であるが、記事本文を読めば明らかなとおり、判明したのは、
 
1〉 疫病流行の追跡用に開発されたコンピューター・モデルを使って言語の進化をさかのぼったところ、
2〉数百種類のインド・ヨーロッパ語の発祥地は全てトルコに行き着いたという。

と言う事だけ。つまりは、「インド・ヨーロッパ語の源流が解明された」だけであるから、AFP記事のタイトルである「全ての言語はトルコに通ず」は「?」を後に付けているとはいえ、法螺に近い。血の赤い日本人であると自認する私としては、「日本語は言語ではないとでもぬかすつもりか!」と文句の一つも言いたくなる。
 
 日本語は、文字としての記録が始まったのが遅いし、文法的にも特異な(※1)言語である。そのくせ、文字は無くても言語として・話し言葉としての日本語は確固として確立していたものと推定できる。狩猟採取生活にとって存外豊かな土地だったために農耕化が遅れたなんて説もある。これは、本記事にあるように「言語の伝播が農耕民の移民に伴うもの」だとしたら相当由々しき事態であり…「文字化より遥か以前に発達していた」と想像される「日本語文化」(※2)と相反しそうに思う。
 
 いずれにせよ、今回の研究はあくまでもインドヨーロッパ語族に関する話。即ち、日本語のルーツがトルコに辿り着くとは限らない。
 
 Quo Vadis?
 
 何処から来て、何処へ行くのか。誰が知ろう。(※3)

<注釈>

(※1) と言って悪ければ、周囲の諸国と大いに異なる 

(※2) 日本語概論-日本語に対する一素人の考察-  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29989449.html  

(※3) だが、それを知ろうとするのも、また人間だ。