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言うも更ナリだが、私は福島原発事故を経てなお原発推進論者だ。「我が国の脱原発なぞ、愚挙にして暴挙」と訴え続けている。そんな私と真反対の立場を取るのが、東京新聞はじめとする脱原発原理主義者だ。
私が東京新聞を「脱原発原理主義」と断じるのは、「脱原発」を自己目的化して(*1)、コストだろうが(*2)電力需要だろうが選挙結果だろうが(*3)、無視してしまえる狂信ぶり故、だ。
そんな東京新聞なればこそ、こんな一文を「社説」に掲げてしまえるようだ。言うまでもなかろうが、「社説」とは「新聞社の主張」だ・・・・
私が東京新聞を「脱原発原理主義」と断じるのは、「脱原発」を自己目的化して(*1)、コストだろうが(*2)電力需要だろうが選挙結果だろうが(*3)、無視してしまえる狂信ぶり故、だ。
そんな東京新聞なればこそ、こんな一文を「社説」に掲げてしまえるようだ。言うまでもなかろうが、「社説」とは「新聞社の主張」だ・・・・
<注釈>
(*1)(1)「脱原発」の自己目的化-東京新聞社説「上関町長選 原発マネーと別れよう」を斬る! http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36039847.html(2)やっぱり脱原発原理主義-東京社説「原発と社会の倫理」を斬る! http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36065678.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36065834.html(3)さらなる自己目的化-東京新聞社説「経団連 脱原発から目をそらすな」を斬る http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36048486.html(*2)(4)こいつは見ものだ―東京社説「米原発新設 コスト高が重荷になる」― http://www.blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/folder/1202600.html(*3)(6)東京新聞の遠吠え―東京社説「山口県知事選 地域の選択 曲解するな」を斬る!
転載開始=========================================【東京新聞社説】夏の節電 見据えよう「原発ゼロ」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012082002000129.html
2012年8月20日
東京電力の原発事故から二度目の夏。節電が定着し、ピーク需要が事故以前に比べ一千万キロワットも下がっている。関西電力以外の原発はすべて止まったままだ。原発ゼロ社会を見据える好機としたい。
事故の前年、二〇一〇年夏の東電のピークは五千九百九十九万キロワットに達した。今夏は七月二十七日の五千三十八万キロワットが最大で、五千万キロワットを超えたのはこの一日だけだ。それ以外は猛暑日でも四千九百万キロワット前後と、供給能力の八~九割に収まっている。
電力消費は企業活動が本格化する九月に向かって増える傾向にあり、楽観は禁物だが、昨夏から続く一千万キロワット規模の節電は揺らいでいない。工場や商店、家庭を問わず、エアコン、冷蔵庫の設定温度を調整して冷やしすぎに気をつける。こまめに消灯する。地道な省エネの積み重ねが、原発十基分にも相当する節電を支えている。
東電の供給地域は首都圏を中心に一都八県。事故直後には計画停電が実施された。放射性物質が飛び散り、除染作業を強いられた地域も少なくない。こうした体験が節電文化を育んだというべきだ。
現在、日本の原発は再稼働した関電の大飯原発を除き、すべて止まっている。管内にトヨタ自動車を抱える中部電力は、需要に対する供給余力を示す予備率が一時7%前後にまで下がったが、なお余裕を残している。原発ゼロ社会に等しい今の日本の姿であり、原発に頼らない社会に向けた実験の真っただ中にあるようにさえ映る。
経済界は危機感を募らせているのだろう。経団連の米倉弘昌会長は、三〇年の原発依存度として政府が示した「0%」「15%」「20~25%」の選択肢を牽制(けんせい)した。依存度を下げれば代替する天然ガスなどの調達費がかさんで電気料金が高くなり、企業の海外進出、雇用悪化を招くとの批判だ。
コストばかりに目を奪われる経営者の域を出ていない。高放射線量によって十六万人もの福島県民が故郷を追われた「人間の被害」の視点も抜け落ちている。燃料が高いのなら、電力業界や商社とともに中東、マレーシアなどよりも三~四割安い米国産シェールガスの輸入を実現する。それをリードするのが経団連の役割だ。
今、求められるのは長崎市長が訴えた「放射能に脅かされない社会」ではないのか。限りなく原発ゼロの今を直視しながら、国民一人一人がエネルギーの将来をじっくり考える。残りの夏をその機会に充ててみてはどうだろう。=================================転載完了
.「現状電力は足りているから原発は要らない」と言う虚しさ
さて、如何だろうか。
上掲東京新聞社説を要約すると、以下の数点となろう。
① 大半の原発が稼動停止して居る今夏の電力需要は、大凡供給量の9割に納まっている。
② 今夏の状況は「原発ゼロ社会の実験」であり、節電文化のお陰でその実験は成功した。
③ 経団連は原発ゼロの電力コストを心配するが、福島原発事故避難者16万人と言う「人間のコスト」も考えるべきだ。
上掲東京新聞社説を要約すると、以下の数点となろう。
① 大半の原発が稼動停止して居る今夏の電力需要は、大凡供給量の9割に納まっている。
② 今夏の状況は「原発ゼロ社会の実験」であり、節電文化のお陰でその実験は成功した。
③ 経団連は原発ゼロの電力コストを心配するが、福島原発事故避難者16万人と言う「人間のコスト」も考えるべきだ。
④ 原発代替の火力発電で燃料が高いのならば、米国産シェールガスを安く買えば良い。
なんともはや。
基本的な事項から確認しよう。
(1) 現状、電力は需要に応じて発電している。工場を動かし電車を走らせるような大規模電力を蓄積する手段が殆ど無いからだ。辛うじて、揚水式水力発電の揚水ダムの貯水量として蓄えられるのみであり、この状況は、如何に蓄電池技術が発達しようとも、電池で電気炉を稼動させられない限り、変わり様が無い。
なんともはや。
基本的な事項から確認しよう。
(1) 現状、電力は需要に応じて発電している。工場を動かし電車を走らせるような大規模電力を蓄積する手段が殆ど無いからだ。辛うじて、揚水式水力発電の揚水ダムの貯水量として蓄えられるのみであり、この状況は、如何に蓄電池技術が発達しようとも、電池で電気炉を稼動させられない限り、変わり様が無い。
(2) 電力は需要に応じて発電し、送電しているのだから、地域的にせよ時間的にせよ不足が生じれば、その地域・その時間は停電する。
(3) 電力供給不足による停電を防ぐ為に各電力会社は「最大の電力需要見込みに対し1割以上のマージン」を確保するように発電力を整備してきた。
(4) 現状、大半の原発が稼動停止しているにも拘らず、停電の憂き目を見ていないのは、「節電文化の芽生え」による電力需要圧縮も去ることながら、従来整備に努めてきた発電力のお陰である。
(5) 分けても、「稼動停止した原発」を代替しているのは「急速に普及した太陽光・風力発電」なんかではなく、東京新聞も認める通り、フル稼働させている火力発電である。
さて、そのような現状の上で、だ。
(6) 「再生可能な自然エネルギー」の内、まともに発電力を期待して良いのは水力だけである(*1)。
(7) かつては我が国の電力の半分を供給した水力であるが、今は1割程度であり、これ大幅増加させる目途はない。我が国は降雨量に恵まれてはいるが、水力発電ダムを現状の倍にすることさえ容易ではあるまい。それ即ち、水力発電量が2割の電力供給をする事さえ叶うまいと言う事だ。(*2)
(8) 今をときめく「再生可能な自然エネルギー」太陽光や風力は、発電量がお天気任せや風任せであるから、大容量蓄電技術が発達普及しない限りまともなで発電力としては扱えない。且つ、少なくとも当面の間途轍もなく高コストであり(*3)、広大な敷地を要する事は原理的に免れない(*4)。
(9) 今、稼動停止中の原発を代替している火力発電に対し、「中東、マレーシアなどよりも三~四割安い米国産シェールガスの輸入」する事は、「火力発電の燃料代を3~4割安くする」だけである。
(10) 今、稼動停止中の原発には、再稼動すれば発電源に使えるが、稼動停止のまま廃炉にするには真っ先に除去する放射性廃棄物となる核燃料がまだ残っている。
(11) ドイツ・ジーメンス社が早々に原子力技術を放棄したように(*5)、「脱原発国」では民間原子力技術は維持できない。我が国が脱原発なぞしたら、原発の廃炉は外国技術に依存する事になろう。
(12) 「エネルギーの将来を考える」上で最も重要なのは、「エネルギー政策」の目的である「電力の安定供給」だ。
(13) 福島原発事故避難者16万人と言う「人間のコスト」は、福島県限定のローカルな話。電力コストや電力の安定供給は、我が国全体が関係する、全国的問題だ。
エネルギー政策は、雰囲気や狂信や人気で決定されるべきではない。従って「民意を反映」するのが正しいとは、少なくとも限らない。冷静で冷徹な議論が必要である。
「放射能に脅かされない社会」を目指すならば、鉛の部屋にでも住んで出て来ないが宜しかろう(*6)。
「放射能に脅かされない社会」を目指すならば、鉛の部屋にでも住んで出て来ないが宜しかろう(*6)。
<注釈>
(*1)天下の暴論―東京社説「自然エネルギー 電力供給の主役目指せ」を斬る! http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35714171.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35714236.html私の「自然エネルギー推進論」―フクシマ後も原発推進の立場から― http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778036.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778053.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778071.html(*2) そんな水力発電がかつて我が国電力の半分を担えたのは、電力需要がそれだけ小さかったと言う事だ。(*3) 現時点で太陽光発電の発電量は42円/kwH で、電力会社が強制買い上げさせられている。原子力や火力発電の約4倍の価格だ。(*4) 入原発論 http://www.blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36713808.html http://www.blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36713836.html(*5)ドイツ降伏-独シーメンス社 原子力事業から撤退 http://www.afpbb.com/article/economy/2828751/7793213 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36006950.html(*6) 小説「鉛の部屋に住む男」 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/37206766.html