応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
人口過密状態になった未来のニューヨーク市(*1)を舞台とするチャールトン・へストン(*2)主演のSF映画「ソイレント・グリーン(*3)」の原作は、SF小説「人間がいっぱい」。どれぐらい「人間がいっぱい」でどれくらいの人口過密であるかは、映画を御覧になった方は良くご存知だろうが、現代・現実のニューヨークも、人口過密は問題であるらしい。
<注釈>
(*1) と、地球。(*2) 映画「ベン・ハー」「ダンディー少佐」主演男優だが、全米ライフル協会の広告塔としても有名かな。(*3) 尤も、「ソイレント・グリーン」が有名なのは、人口爆発による高人口密度ではなく、食糧危機のほうだが。映画で意見る限りでは、文盲がゴロゴロしていて紙が貴重品なんて状態で、文明も相当な危機だが。
転載開始=========================================
NY市が目指す「ウサギ小屋」開発
http://jp.wsj.com/Life-Style/node_475647?mod=WSJSeries
2012年 7月 10日 19:30 JST
ニューヨーク市の住民たちはクローゼットサイズのアパートに住んでいると不満を漏らすことが常だ。9日に発表された同市のコンクールをみると、こうした不満がそれほど誇張でもなさそうなことが分かる。
Mark Abramson for The Wall Street Journal
超小型生活空間の3D実物大模型のバスタブにつかる様子を実際にやってみる建築センターの幹部
ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長が開始したこの新コンテストでは、数十のいわゆる微小ユニット--「こじんまり」を超えて完全に超小型の275~300平方フィート(約25.6~27.9平方メートル)--の開発計画が募集されている。
ブルームバーグ市長のアッパー・イースト・サイドのタウンハウスと比較すると、約41分の1程度の広さということなる。
こうした超小型の居住スペースは現在、ニューヨーク市の都市計画法のもとでは許可されていない。しかし、市長が提案するこの試験的プログラムのもとでは、マンハッタン・キップスベイ地域の市の所有地についてこうした規制を取り払い、市場テストを行う。ニューヨーク市の市住宅保全開発局はマンハッタンの東27丁目335番地のマイクロユニット賃貸ビルの設計と建設、運営案を求めている。
ブルームバーグ市長は、小規模住居の需要は非常に高いと語る。当局者によると、ニューヨーク市には1~2人世帯が180万軒あるが、ワンルームと1ベッドルームのアパート数は100万戸だけだ。こうした住宅状況のひっ迫のために、多数の不法に細分化されたアパートが出現する結果となっている。
今回のコンテストの勝者は約80戸を備える8~10階建てのビルを開発することになる見通しだ。現在、同市のアパートの大半は400平方フィート以上とされている。
ニューヨーク市のイーストリバーに位置するライカーズ島の刑務所の新設独房の広さは70平方フィートだ。
この超小型生活空間というアイデアはロンドンと東京、シアトルで同様のプログラムを実施した非営利団体のシチズンズ・ハウジング・アンド・プランニング・カウンシルが支持している。エグゼクティブ・ディレクターのジェリリン・ペリン氏は、市のアパートの大きさに関する規定は善意に基づくものだったが、時代は変化していると話す。
同氏は、「過去100年間にわたる住宅政策では、衛生や健康、火災からの安全といった面や、広ければ広いほどいいという基本的な考え方が考慮されていた」と説明。「今日では健康や安全、清潔面で非常に異なる解決策がある」と話す。
不動産評価会社ミラー・サミュエルによると、2012年上半期に売却もしくは賃貸されたワンルームの平均的広さは550平方フィートだった。また、ニューヨーク市によると、マンハッタンでは全体の76%が1~2人世帯だ。
ニューヨークの住民の多く、特に現在の都市計画法が施行される前に建てられたアパートに住む住人は既に、狭いという課題には慣れている。
記者: Michael Howard Saul、Laura Kusisto
=================================転載完了
「ウサギ小屋」と言うが、日本なら普通のワンルームマンションのようだ
さて、如何だろうか。
要は大都会ニューヨークには一人暮らしや二人暮らしが相応に多いものだから、一般的な家族が暮らすような間取りは必要なく、「マイクロマンション」とも言うべき「ウサギ小屋」の開発を市のコンテストとして進めている、と言う報道。「市のコンテスト」と言うところがアメリカらしいと言えばアメリカらしい。競争原理を活用し、資本主義の勝利を目指そう、と言う訳だ。が、日本じゃ、カプセルホテル・・・は宿泊施設で住居ではないとしても、ワンルームマンションなんて珍しくも無い。
1> 「こじんまり」を超えて完全に超小型の275~300平方フィート(約25.6~27.9平方メートル)
と、当該WSJ紙記事は報じるが・・・日本で言うワンルームマンションは、25平方メートル(*1)程度であるらしい。従って、我が国のワンルームマンションの恐らく大半は、「「こじんまり」を超えて完全に超小型の住宅」たる条件を満たし、NY市主催の当該コンテストに応募できる資格がありそうだ。
かつて日本人に対する蔑称として「ウサギ小屋に住む働き中毒(*2)」と言うのがあったが、少なくとも「ウサギ小屋」をニューヨークでは募集している訳だ。
無論、日本とアメリカの「ウサギ小屋」を考える上で、幾つか考えねばならないことはあるだろう。一つにはニューヨークに住んでいるアメリカ人の体格、特に太り方であり(*3)、もう一つには寝具として一般的なベットだろう。日本でワンルームマンションに住む人ならば、寝具は布団なりソファベットなりにして、寝る時意外は部屋を広く使おうとするだろう。ベットでは床面積を占領して、寝る時以外は、あまり役に立たない(*4)。ベットはその分、デットスペースとなるから、勢い必要な床面積は広くなる。
が、逆に言えば、「健康的な」と言うと一寸言い過ぎだが「サイズ的に制限」を設けて「寝具を工夫」すれば、ニューヨーク市が目指す「超小型住宅」の実現は、さして難しくない。それどころかそれは、「日本のワンルームマンション」として既に具現化している。
2> 不動産評価会社ミラー・サミュエルによると、
3> 2012年上半期に売却もしくは賃貸されたワンルームの平均的広さは550平方フィートだった。
「550平方フィート」と言われてもピンと来ないが、上記の通りワンルームマンションのほぼ倍の面積。約50平方メートルで、約15坪。畳に直すと約30畳だから、少なくとも「一人暮らしには不必要なぐらいの広さ」と言いたくなるのは、私が日本人で「ウサギ小屋に住む働き中毒」だからだろうか。
<注釈>
(*1) ワンルームの25m2って何畳になりますか? http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2604736.html(*2) 「ウサギ小屋」は兎も角「働き中毒」は「余計なお世話」だ。尤も「あわよくば生活保護で楽な生活」なんて考える輩も増えたから、「働き中毒」なんてのもだいぶ怪しくなってしまったが。(*3) 中には、人類とは俄かに信じ難いほど「太っている」米国人は居るからな。(*4) 無論、ベットの上で出来る事は、寝る事ばかりではないのだが。 特に、二人暮らしならば。