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 野田首相が急に打ち出した、と思われて仕方がない「尖閣諸島国有化方針」については、早速朝日が社説に取り上げ、当ブログ「社説を斬る!」シリーズの格好の的とした。三アカ新聞筆頭に続け、とばかりに三アカ新聞下っ端の沖縄二紙が「尖閣国有化方針」を社説に取り上げた、となれば、これを看過する手も無いだろう。
 
 Now we start!-映画「夕陽のガンマン」より-

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【琉球新報社説】尖閣国有化方針 冷静に戦略的互恵守れ 
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-193678-storytopic-11.html
2012年7月10日
 野田佳彦首相は、尖閣諸島(石垣市)を国有化する方針を固め、購入を表明している石原慎太郎東京都知事に伝えた。支持率低迷にあえぐ政権の浮揚につなげる思惑もあろう。中国は「日本のいかなる一方的措置も無効」と反発し、台湾も反発している。
 日中の友好を深める好機だった国交正常化40周年は尖閣問題が影を落とし、両国関係は冷え切ったままである。
 数次ビザ制度導入により、沖縄への中国人観光客が増えつつある中、日中友好の懸け橋を目指す本県にとって好ましい状況ではない。
 国有化方針を聞いた仲井真弘多知事は戸惑いを浮かべ、「尖閣はもともと管理していた政府がきっちり管理して、周辺の安全確保をしていれば結構だ」と述べた。
 現状の個人所有であっても政府が責任をもって管理し、不要な波風を立てないことが望ましいとの立場を示したものだ。
 尖閣諸島が日本固有の領土であることは国際法上も、歴史的経緯からしても明白だ。
 政府は「領土問題は存在しない」としつつ、あえて実効支配を示す港などの施設整備などの対応を取ってこなかった。1978年に日中平和友好条約締結のため、来日した■小平副首相(当時)と政府は、問題解決を将来に託した。
 領土をめぐる感情的な対立で関係がきしむことを避け、両国は親善と経済交流の土台を厚くすることを優先してきた。
 ここ最近の先鋭化しがちな嫌中国、反日本の世論が両国政府への圧力を強めることを懸念する。
 石原氏が4月、地元沖縄の頭越しに東京都による購入計画をぶち上げて以来、両国で偏狭なナショナリズムが台頭し、挑発的言動が繰り返されている。危険なことだ。
 上野動物園でのパンダ誕生をめぐり、石原氏は「『センカク』という名前を付けて返せばいい」と切り捨てた。中国を刺激し、反発を招く発言を続ける石原氏の振る舞いは、結果的に国益を損なっていまいか。
 石原氏が主張する「尖閣諸島への自衛隊配備」に日本が踏み出せば、中国の知日穏健派の識者さえ、軍事的対抗措置に発展しかねないと危惧している。
 声高な強硬派に押され、日中両政府は戦略的互恵関係の大切さを見失ってはならない。国連憲章にのっとり、あらゆる対立、摩擦も平和的に解決を図るべきだ。
※注:■は「登」にオオザト
 
【沖縄タイムス社説】[尖閣国有化]対立回避へ知恵を絞れ 
 http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-07-10_36139

2012年7月10日 09時30分
 尖閣問題は、沖縄にとって、自分たちの生活圏の問題である。尖閣諸島で最も大きい魚釣島の住所は、石垣市登野城2392番地。沖縄の人たちの中には「尖閣は誰のものでもない。沖縄のものだ」という意識が強い。
 尖閣をめぐって日中が武力衝突した場合、直接被害を受けるのは沖縄である。漁業だけでなく、観光も壊滅的打撃を受けるだろう。離島の暮らしにも甚大な影響を与えるはずだ。
 このようなぶっそうな話を持ち出すのは、尖閣諸島の領有権をめぐる問題が険しさを増しているからである。危険度は以前に比べ確実に高まっている。楽観は禁物だ。
 政府は、沖縄県の尖閣諸島を地権者から買い取り、国有化する方向で水面下の調整を始めた。
 尖閣諸島は五つの無人島と岩礁からなる。大正島は国有化されているが、魚釣島、北小島、南小島、久場島の4島は個人が所有しており、2002年から国が借り上げ、管理している。
 今回、国有化を予定しているのは魚釣島、北小島、南小島の3島。どちらが「よりまし」かという点で言えば、東京都が購入するよりも、国が買い上げるのが筋だ。
 ただ、尖閣国有化に対し、中国外務省は「必要な措置を講じ、断固主権を守る」と激しく反発している。国有化すれば中国は間違いなく対抗措置を打ち出すだろう。
 両国が相手国の「意図」や「出方」を読み間違え、対応を誤ると、偶発的衝突が起きやすくなる。それが心配だ。
 尖閣国有化を結果として後押ししたのは、東京都の石原慎太郎知事である。石原知事が打ち出した尖閣購入計画は大きな反響を呼び、都にはすでに13億円を超える寄付金が集まっている。
 国有化に対し石原知事は、先に都が買い取って、そのあと国に引き渡したい、との考えを政府に伝えた。だが、石原知事の尖閣購入計画は、政治的に危うい要素を秘めている。
 上野動物園のジャイアントパンダ「シンシン」に赤ちゃんが生まれたというニュースは、多くの国民から歓迎され、子どもたちを喜ばせた。
 ところが、どうだ。石原知事は「全然興味ない、あんなもの。『センカク』という名前を付けて(中国に)返してやるといい」と毒づいた。
 その前の記者会見では、パンダに赤ちゃんが生まれたら「センセンとかカクカクとか付けてやったらいい」と言い放った。
 石原知事の発言からは、外交センスもユーモアも感じられない。政治家としての資質さえ疑われるような八つ当たりだ。尖閣国有化について外務省は「所有権移転の問題であり、対外問題は生じない」と説明するが、知事発言が中国の国民感情を硬化させたのは間違いない。
 尖閣問題が歴史問題、政治問題としての性格を帯びると、日中の対立は、抜き差しならないところまで進むおそれがある。
 慎重さと知恵が必要だ
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三アカ新聞の共通点

 さて、如何だろうか。
 
 三アカ新聞筆頭の朝日社説は、「尖閣諸島国有化を機に緊張緩和を図れ」と称して「私有地を国が借用し、それを根拠に民間人の上陸を認めない(*1)」と言う現状体制を維持しろと言う「尖閣諸島の領有権棚上げ延長論(*2)」であった訳だが、上掲沖縄二紙も大同小異である。朝日社説との差異と言えば、以下の諸点だろうか。
 
 (1) 石原都知事憎し(琉・沖)
 (2) 石原都知事提案の尖閣自衛隊配備反対(琉)
 (3) 中国様の国民感情大事(沖)

 
 上記(1)~(3)の「沖縄二紙と朝日の差異」も大したものではない、些事と言えよう。
 
 三アカ新聞に通底するのは、「中国様を刺激するな」であり、「日中戦争の恐怖であろう。特に後者は、沖縄が日中最前線に位置する以上、特に敏感になる部分ではあろうが、中国側には既に斯様な反応もあるのだぞ。
 

<注釈>

(*1) 非民間人=軍人や役人はもっと上陸しない 
 
(*2) と、直接書いてあるわけではないが、先ず自明としてよかろう。要は「中国様の言う通り」だ。 
 

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尖閣付近に「軍事演習区を設置すべきだ」中国軍人が過激論 
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/120709/chn12070923280004-n1.htm
2012.7.9 23:27 [尖閣諸島問題]
 【北京=川越一】沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権に絡み、中国人民解放軍関係者の中から、同諸島付近に「軍事演習地区を設けるべきだ」との意見が出ている。日本政府の国有化方針に対する反発と同時に、強硬な対抗策を控えている中国政府への不満もうかがえる。
 過激論を展開しているのはタカ派として知られる羅援少将。中国軍事科学学会の副秘書長を務める羅氏は、9日付の国際情報紙、環球時報に掲載された寄稿の中で、「釣魚島の主権が中国に属することを、行動で示さなければならない」と強調した。
 その具体例として挙げたのが、同諸島付近での軍事演習区や実弾試射区域の設置だ。同諸島周辺海域で操業する漁船に民兵を乗船させることや、中国が建造を進めている空母に「釣魚島号」と命名することも提案している。
 中国外務省の劉為民報道官は7日に「中国の神聖な領土は何人たりとも売買できない。釣魚島および周辺諸島の主権を維持するため、必要な措置を取り続ける」との談話を発表したが、羅氏の目には「空漠なスローガン」としか映っていないようだ。
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日中戦争の覚悟なくして、日中戦争は防げまい

 「タカ派として知られる羅援少将」なる人物が、どの程度の影響力を持つものか、私は知らない。「少将」なんだから下っ端とは言え将官なのはわかるが、「中国軍事科学学会の副秘書長」と言うのは、偉いんだか偉くないんだかよく判らない役職だ。従ってその吐く「過激論」をどの程度警戒すべきかも判じがたいが、
 
羅1>  その具体例として挙げたのが、
羅2> 同(尖閣)諸島付近での軍事演習区や実弾試射区域の設置だ。
羅3> 同(尖閣)諸島周辺海域で操業する漁船に民兵を乗船させることや、
羅4> 中国が建造を進めている空母に「釣魚島号」と命名することも提案している。
 
と言う発言からすれば、その過激論に相応しいハッタリ屋と推定される。上記羅4>は半島は韓国の「独島」艦の真似でしかないし、上記3>は「民兵」と言うところが姑息でもあるが、現状と一体何が違うのだ。中国の「漁船船長」は、民兵でも無いのに我が海上保安庁巡視艇に体当たり攻撃を仕掛け、帰国すれば「道徳英雄」に祭り上げられるのではないか。今更「民兵が漁船に乗りこんだ」とてなんだ。
 上記2>軍事演習区や実弾試射区域」の「設置だけならば、強烈なアピールにはなろうが、アピールにしかならない。尖閣諸島は我が国が事項支配しているのだから。
 
 だが、実際に「軍事演習」や「実弾試射」を行うとなったら・・・さあ、普通に考えれば、これは十分な開戦理由だ。我が領土である尖閣諸島近海、即ち我が領海に中国海軍艦艇が接近し、実弾まで発射してしまうのだから、「一触即発」通り越して、その実弾発射がそのまま開戦の火蓋を切る事になる。
 
 無論、その「挑発行為」を通り越した中国の「宣戦布告なき開戦」を、受けて立つだけの覚悟が我が国にあれば、だが。
 
 上掲沖縄二紙は明らかに、また朝日も間接的に、「そんな覚悟はするな」と否定している。
 
 だが、それは、日中戦争そのもの抑止や阻止にはならず、寧ろ誘発するだろう。領海内で発砲されても撃ち返さない様な腰抜け相手に、「開戦」をためらう理由はない。尖閣は忽ち武力占領される事になろう。
 
 言い換えれば、我が国が日中戦争を覚悟しない限り、我が領土の喪失は時間の問題となろう。
 
 日中戦争を、覚悟せよ