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 当ブログが宣戦布告を為して「我が敵」とみなしている小沢一郎が、「民主党を割って」恐らくは最後の「小沢新党」を作った件は、既に当ブログでも記事にしたところである(*1)。報じられるところでは「小沢新党」と言うのは四度目だそうだが、今度の「国民の生活が第一」党も、過去三つあった「小沢新党」と同様の運命を辿る公算大と見るが、民主党に「綱領がない(*2)」事を反省したのか、今度の小沢新党は「結成旗揚げと同時に綱領発表」と言う事になっていた。
 
 なっていたが・・・まあ、その小沢新党「国民の生活が第一」党の公開された綱領と、我が敵・小沢一郎の新党結成挨拶要旨。先ずは篤と御覧あれ。
 

<注釈>

(*1) 略称は、「国民党」か、それならば、国共合作するが良かろう 
 
(*2) 民主党に綱領はない。今でもない。 
 
転載開始========================================= 
① 小沢新党の綱領  
  http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS11018_R10C12A7PP8000/   
2012/7/11 19:25
 2009年の政権交代に対して負託された民意に鑑み、改めて「国民の生活が第一」の原則を貫いて日本の政治、行政、経済、社会の仕組みを一新する。国民が「自立と共生」の理念のもとで安心安全かつ安定した生活を送り、みずからの将来に夢と希望を取り戻し、誇り高く暮らせる日々を実現することを目標とする。
 【3つの前提】
 1、国民の主権
 「国民の代表者」による真の政治主導を確立することは、国民主導の政治の実現のための必要条件である。
 2、「地域主権」
 必要な国と地方との関係については、統治機構の抜本改革の中で協議を先行させる。
 3、国家としての主権
 日本が国家としての主権を毀損されることがないよう、安全保障のみならず文化、教育、科学技術、経済、金融、外交など広範に目配りして真の主権国家を確立する。

 
②【小沢新党】小沢一郎氏のあいさつ要旨 
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120711/stt12071121200016-n1.htm
2012.7.11 21:18
新党結党大会で代表に決まり、あいさつする小沢一郎新代表=11日午後、東京・永田町の憲政記念館(酒巻俊介撮影)
 この歴史的な日に、歴史的な政党の結成総会で、代表として推挙いただき、心から光栄だ。
 新党名は、われわれの結党の理念で、政策のバックボーンを貫いている考え方でもある「国民の生活が第一」に行きついた。
 「国民の生活が第一」は、当時の民主党が歴史的な政権交代を成し遂げた3年前に、全国津々浦々で国民に訴えた理念だ。現在の民主党に残るすべての議員のみなさんも心を一つにして訴えた。日本国憲法前文に照らしても、国政の要諦そのものだ。
 民主党は、官僚が描くシナリオのままに自民、公明両党との3党合意という野合を結んだ。衆院選での国民との約束をすべてほごにしてまで、消費税増税法案の採決を強行した。
 3党合意とは国民から政策の選択肢を奪うことだ。民主主義の根底を覆した今の民主党はもはや、政権交代当時の民主党ではなくなってしまった。この異常事態にあって、「国民の生活が第一」という政権交代の原点に立ち返った政策を国民に示し、実現するために新党を立ち上げた。
 まず社会保障・税一体改革に名を借りた、実質増税だけの消費税増税法案を撤回させるべく行動する。原子力は過渡的なエネルギーとして位置づけ、原発に代わる新たなエネルギーの開発に努める「脱原発」の方向性を鮮明にしたい。
 国会の採決に際して党議拘束は設けない。国民の負託を受けた議員が、「自立と共生」という理念の下に集まったという信義に判断を委ねることが、政権交代が可能な政党政治の根幹と考えるからだ。
 私たちは「自立と共生」の理念を共有する中で、国民の生活が第一の政策実現にむけて立ち向かうことを全国民にお約束する。
=================================転載完了

小沢新党とは、選挙互助会と見つけたり―ならば政策は単なるキャッチコピー

 さて、如何だろうか。
 言うも更ナリだが、「党の綱領」=「党綱領」と言う奴は、「その党の基本的な性格・位置づけ・根本精神を定める党規範 (*1)」と定義する事ができそうだ。党の理想・理念を文章化したものだから、「党の根幹」とも言いえようし、本来は「政党が政党たる所以」とも言えるだろう。なんにせよその「党綱領が未だにない」と言う民主党と言うのは極めて異例、否、政党として認定し難いほどであり、逆に「結党と同時に綱領発表」と言う今回の小沢一郎新党「国民の生活が第一党」の「結党法」は「正統的である」とは言える。
 
 じゃあ、その小沢新党「国民の生活が第一党」の党綱領から見えてくる「党の掲げる理想」とは何か、と上掲記事①を隅から隅まで読んでも・・・サッパリ判らない。
 
 そもそもが短い文章である。四百字にも満たないから、原稿用紙一枚に納まるほど。で、それを縦から読もうが、横から読もうが、要点配下の4項目しか読み取れない。
 
 ①「国民の生活が第一」

 ②国民主権

 ③地域主権

 ④国家としての主権
 

 上記①はそのまま党名になっていて、当該「綱領」でも冒頭で繰り返しているから間違いようが無い。間違いようが無いが、あまりに抽象的で、何をやりたいのか、何を言いたいのかサッパリ判らない。早い話「幸福実現党」の党名にある「幸福実現」と「国民の生活が第一」との差異は何があるのか。「幸福」よりは「生活」の方がまだ具体的であるが、「そのために何をするか」と言う政策となると、大同小異の曖昧さだろう。
 
 上記②~④「3つの前提」と銘打たれた項目だから、これまた同綱領の要点に違いないのだが・・・
 
 上記②「国民主権」は、言わずと知れた日本国憲法の三本柱の一つ。逆に言えば日本国憲法を遵守する限り「国民主権」を尊重するのは当たり前で、何も特筆大書しても意味が無い。一行だけ加わった解説には「「国民の代表者」による真の政治主導を確立するとあるから、この「政治主導」を以って上記②「国民主権」と称しているのかも知れないが、だとしても言っている事は「脱官僚」=政治家の権限・決定権・権力強化でしかない。その強化した政治家の権限で、一体どんな理想を実現したいのか、全く判らない。唯議員の権力が強大である事を目指すのかね。ソリャ度が過ぎれば、日本国憲法のもう一本の柱・三権分立を脅かすのだがね。尖閣諸島沖中国「漁船」船長体当たり攻撃の際に、当該船長を政治的圧力で釈放させてしまったように。
 
 上記③「地域主権」は、今回公表された党綱領の中で一番具体的な項目だ。それでも解説でさえ「統治機構の抜本改革の中で協議を先行させる。」としか言っていない。曖昧なんてものじゃない。何をするのかサッパリ判らない。「統治機構の抜本改革」と言っており、項目名が「地域主権」だから、「恐らくは、地方の権限を拡大する方向の統治機構改革であろう」と推測できるのみだ。それでも、「地方の権限拡大」と言う理想像が見えるだけ、他の項目より遥かにマシ、と言えよう。
 
 上記④「国家としての主権」とあるが・・・国会議員に限らず、日本国民たるもの、日本の主権を意識・前提とするのは当たり前で、何も「党綱領」なんぞに態々書くような事ではない。ソリャ民主党は鳩山由紀夫をはじめとする国会議員に、日本国の主権意識が希薄ないし皆無である者が数多居るのは確かだから、そんな議員を排除する綱領、かと思いきや(*2)・・・
 
1>  日本が国家としての主権を毀損されることがないよう、
2> 安全保障のみならず文化、教育、科学技術、経済、金融、外交など広範に目配りして真の主権国家を確立する。
 
と我が敵・「自称人民解放軍野戦司令官」・小沢一郎がが「党綱領」に掲げていると、胡散臭く聞こえて仕方がない。ひょっとすると喩え中国様に武力占領されたとしても、日本の文化的影響内にあれば「真の主権」は守れるなどと言う、鳩山由紀夫張りのぶっ飛び主張なんではないかと、勘繰りたくなる。
 また、これが私の唯の「下衆の勘繰り」であるならば・・・何故「党綱領」に上記④「国家としての主権」が入っているのか、それが入ることで党としては一体何をするのか、サッパリ判らない。
 
 以上からすると、我が敵・小沢一郎が仰々しく掲げた「国民の生活が第一党」綱領は上記③「地域主権」として「統治機構改革」を実施するらしい、と言う以外、理想も何も、一体何をしたいのか何を目指すのか、キャッチコピーで党名たる「国民の生活が第一」以外、全くわからない。
 
 で、こいつが一番肝心なところではないかと考えるのだが、上掲記事②の我が敵・小沢一郎が新党「国民の生活が第一党」結党挨拶で掲げている[1]消費税増税反対 [2]脱原発 の二大主張が、党綱領( である筈の )上記①~④と、全く結びつかない。
 
 即ち、小沢一郎新党[国民の生活が第一」党の党綱領は、小沢一郎の主張たる[1]消費税増税反対 [2]脱原発 とは全く乖離した物となっている。これで今出来た手のほやほや、普通ならば大いに理想に燃えているはずの新党の党綱領だと言うのだ。「いかにも、これで四度目となる小沢新党らしい」と言うべきか。
 
 ああ、最大限好意的に解釈すれば、党名にしてキャッチコピーである上記①「国民の生活が第一」と言うのが[1]消費税増税反対 [2]脱原発 と結びつくと言えば結びつくか。
 「結びつくと言えば結びつく]なんて持って廻った言い方をするのは、上記①「国民の生活が第一」なんて項目に結びつかない、或いは反する政策なんて滅多にないから。「消費税増税」だって「年金と税の一体改革」とか「財政再建」と言い換えれば、①「国民の生活が第一」な政策と言い得る。「原発推進」だって「安定電源確保」と言い換えれば同様だ。私に思いつく「国民の生活が第一」に結びつかない政策と言うのは、「形振り構わぬ軍備拡張」ぐらいしかない。
 
 しかしながら、上記のような小沢新党「国民の生活が第一党」党綱領の分析考察と言うのは、実は虚しい作業なのかも知れない。何しろ上掲②記事にて、我が敵・小沢一郎自身が以下のように明言している。
 
小1>  国会の採決に際して党議拘束は設けない。
小2> 国民の負託を受けた議員が、「自立と共生」という理念の下に集まったという信義に判断を委ねることが、
小3> 政権交代が可能な政党政治の根幹と考えるからだ。
 党綱領は(一応)あっても上記の体たらくの綱領で、尚且つその綱領に沿った政策であろうとも、各党員は賛否勝手なのだそうである。「党議拘束に反する賛否を表明した者は除名ないし党員資格停止に(一応)なる(事もある)」民主党よりもさらに酷い。これではやはり政党とは言いがたかろう。
 
 やっぱり「選挙互助会」なんだな。小沢新党「国民の生活が第一党」
 

<注釈>

 
 
(*2) 「消費税増税反対」を表明しながら民主党にと留まっている鳩山由紀夫を「小沢新党の残地諜者」所謂「草」としているぐらいだから、そんなことあろう筈はないが。