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 再三繰り返している通り、私は福島原発事故を経て尚、原発推進論者だ。尚且つさらに付記すれば、原子力工学者でもなければ、電力会社に勤めているわけでも無いし、原子力関係の役人でもない。従って所謂「原子力ムラ(*1)」ムラビトではない(*2)。
 
 原子力ムラビトでもなければ、電力会社から金を貰っている(*3)訳でも無い私が、「脱原発なぞ愚挙にして暴挙と主張し続けるのは、私の理性と知性と良心に従っているからだが、それ故に、「私の理性と知性と良心が命じるならば、原発擁護論から脱原発論に宗旨替えすることはありうる」と断言するし、公言する。私の原発擁護論・原発推進論は、我が国のエネルギー政策を安泰とする為の手段であり、目的では無いからだ。この点、「何がなんでも脱原発」と凝り固まって自己目的化している「脱原発原理主義者」との最大の相違点であると、自負している。
 
 そんな私であるから、米国の新規原発建造認可だとか、ベトナムやリトアニアへの日本製原発輸出決定などの「原発擁護ニュース」には敏感でも、「脱原発ニュース」には疎かった、と反省せざるを得ないニュースが入ってきた。
 

 

<注釈>

(*1) 福島原発事故以来、「極悪非道の大悪人」扱いであるが、原子力技術と言う核兵器にもつながりうる国の根幹に関わる技術を保持向上に努めてきた集団として、私は「原子力ムラ」を一定程度評価している。
 「再生可能なエネルギーで、持続可能な社会を目指そう」とスローガンを口走るだけの、東京新聞はじめとする脱原発原理主義者どもに比べれば、よほど真面目で真剣で有能な人間集団だ。
 よしその人間集団が、「福島原発事故の人災部分」を引き起こしたとしても、だ。その責任は責任として、再発防止に努めるべきであるが。
 スローガンを口走っているだけならば、責任も無ければ実行も不要。全く、気楽な物である。 
 
(*2) そうは言っても匿名性を身上とするネット上にある当ブログのこと。「原子力ムラビトではない」事を立証する事は難しいが、別に立証する気も無い。 
 
(*3) これまた立証する事が難しい事象だが、同じく立証する気はない。 
 
転載開始========================================= 
原子炉閉鎖を10年延期 ベルギーが代替電源遅れで
  http://sankei.jp.msn.com/world/news/120705/erp12070523000003-n1.htm
2012.7.5 22:59
 5日のベルギー・メディアの報道によると、同国政府は4日、同国の「脱原発計画」に基づき2015年までに閉鎖する予定だった原子炉3基のうち、1基の閉鎖を10年間延期し、25年まで稼働を続けることを決めた。代替電源の確保が遅れているためで、同国が03年に決定した25年までに国内全7基の原子炉を段階的に全廃する計画は見直しを迫られる可能性もある。
 東京電力福島第1原発の事故を受け欧州では、ドイツが脱原発に転換、イタリアも国民投票で原発再稼働を否決、スイスも将来の原発廃止を決定した。
 稼働延長が決まったのは、東部ティアンジュ原発の1基で、当初予定通り15年に閉鎖すると、冬場に電力供給が大幅に不足する恐れがあるという。
 政府は北部アントワープ近郊のドール原発の2基については、予定通り15年までに閉鎖する方針だが、こちらも代替電源の確保に不安があり、電力会社などは先送りを求めている。(共同)
=================================転載完了

ドイツ、イタリアに続き、スイス、ベルギーを「脱原発国」に追加の要有り。やっぱり欧州ばかり

 さて、如何だろうか。
 

 率直なところ、このニュースを読むまで、スイスとベルギーが脱原発方針を採り、現有の原発を廃炉にする計画とは知らなかった。だから先行記事でも、「福島原発事故で脱原発を決めたのはドイツのみ(*1)」と断じてしまっている我が不明を恥じよう。
 
 我が不明は恥じるが、一方で我が主張は変わらない。ドイツ、イタリアのほかに、スイス、ベルギーが加わり、「脱原発国」は4国になり、今回の福島原発事故に拠って脱原発を宣言した国は一挙に3倍の数に増えたが・・・・三国しかない。
 
 その上、章題にもした通り欧州の国ばかり。それ即ち、欧州の発達した電力網により、「電力が足りなくなったらフランスの原発に頼る事が出来る国ばかり」と言う事。早い話が、スイスもベルギーも、ドイツ並みの「ナンチャッテ脱原発」であり、「自国発の原発事故は引き起こさない」為に発電も原発運転のリスクもフランスに押し付ける、誠に都合の良い「脱原発」だ。(*2)
 
 ああ、今回その「脱原発」を10年延期して、原発をさらに10年延長稼動させる事にしたベルギーは、自国の都合と「倫理」とやらで「脱原発」を決定したドイツよりは、未だ責任ある態度であると言えような。自国の電力需要は、自国でまかなおうという努力が見られる。如何に「再生可能な自然エネルギーによる発電を普及」させたとて、発電量がお天気任せや風任せ(*3)ベンベンとしているドイツよりは随分マシだろう。 
 
 以下は先行記事からの引用だ。
 
> 逆に、今後も原発を建造・更新する方はどうだろうか。
> アメリカは、スリーマイル島事故以来新規の原発建造を停止していたが、先頃34年ぶりに新規原発建造を認可した(*4)。チェコは現状ロシアからのガスパイプラインに頼る火力発電から脱却する為、原発を新規建造する(*5)。
> 日本国産の原発は、ベトナムへの輸出が決まっているし(*6)、
> 先頃はリトアニアの代替原発を受注している(*7)。
> ベトナムの原発は、先行してロシアに発注があり、これがベトナム初の原発となるから、「脱原発」ならぬ「入原発」がベトナムの方針だ。
> ロシア、中国、韓国はいずれも原発増設を計画中で、「脱原発」の「"だ"の字」すらない。
> ああ、韓国には「"だ"の字」ぐらいはあったか。原発1基分の電力を太陽光発電と節電で稼ぎ出す事でソウル市が「脱原発」を宣言すると言う、「ドイツ以上のナンチャッテ脱原発(*8)」は「"だ"の字」と言っても良かろうが、「"だ"の字」にしか過ぎないぞ。
>  以上の通り、今後も原発を建造するないし今後に原発を建造すると判明している国は、
> アメリカ、チェコ、リトアニア、ベトナム、ロシア、中国、韓国と枚挙に暇が無い。
 
 今回の報道で得られた知見により、確かに「脱原発国」は増えた。倍増と言って良いが、それでも四カ国にしか過ぎず、全てフランスの原発にぶら下れる国だ。
 
 従って、「脱原発は世界的傾向」でもなければ「近頃はたいがいそうだよ」なんて言えるわけが無い、と言う私の主張は変わらない。
 
 繰り返すが、私は福島原発事故を経て尚、原発推進論者である。「我が国の脱原発なんぞ、愚挙にして暴挙」と断言する。
 
 それは、私の知性と理性と良心が命じるから、である。
 

<注釈>

(*1) ―東京コラム「筆洗 2012/7/2」の脱原発原理主義を斬る!   先行記事にもした通り、イタリアは、チェルノブイリ事故を契機に決めていた脱原発方針を、辞めるか否かの国民投票をして、「現状方針堅持」を決めたに過ぎない。 
 
(*2) 而して島国であり、対岸の大陸や半島の方こそ電力不足で新規原発建造に邁進している我が国では、絶対に採りようが無い「ナンチャッテ脱原発」方針だ。我が国が「脱原発」するならば、本当に「脱原発」で無ければならず、尚且つ半島や大陸発の原発事故は我が国に影響を及ぼす位置関係にある。
 
(*3) で序でに税金補助金ドブ漬け。 
 
(*4) アメリカ前進―アメリカで34年ぶりに原発着工へ http://www.blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36685754.html 
 
(*5) 原発に未来を託すチェコ、「他に道はない」 http://www.afpbb.com/article/economy/2838390/8015106 元衛星国の意地 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36226766.html 
 
(*6) 四大紙マイナス1プラス3紙.社説比較-ベトナム原発輸出  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36278737.html  
 
(*7) 前進せよ、日本。―日立がリトアニア原発を海外初受注 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/37210626.html 
 
(*8) ドイツ以上のナンチャッテ脱原発 http://www.blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36983211.html