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 さて、「検証」と銘打ったものの、正直気の重い検証である。何しろ先頃北朝鮮が強行した弾道ミサイル発射実験に対する民主党政権の対応振りを見ようと言うのだから、逆立ちしたって誉められるようなものにはなりそうにない。民主党政権を誉めないのは別に構わないが、そ奴らが我が自衛隊三軍の上位に立って「シビリアンコントロール」しているのかと思うと、情けないやら腹が立つやら。下手するとクーデター計画のひとつも妄想したくなる(*1)。
 
 そうは言ってもタイトルの副題にもした通り、現状をありのままに、客観的に評価認識する事こそが、「戦術の第一歩」=対応策の決定 に結びつくのだから、気を取り直して民主党政権の対応を見ていかねばなるまい。
 

<注釈>

(*1) 実行はしない・・・・今の所は。多分。 
 
(A)北ミサイル公表遅れ検証へ 藤村、田中両氏が混乱助長
転載開始========================================= 

 

①北ミサイル公表遅れ検証へ 藤村、田中両氏が混乱助長

   http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120416/plc12041623100020-n1.htm
2012.4.16 23:09
 北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射で国民への情報公表が遅れた問題で、政府は16日、検証チームを設置し、初会合を開いた。これまでの調査により、田中直紀防衛相の判断能力の欠如が最大の原因だったことが判明。加えて藤村修官房長官が田中氏と意思統一せず混乱を助長したことも明らかになり、政権中枢の危機対応の「お粗末さ」がまたも浮き彫りになった。(半沢尚久)
 政府が作成した時系列表によると、13日午前7時40分、防衛省は弾道ミサイル発射の熱源をとらえた米軍の早期警戒衛星情報(SEW)を受信した。
 7時50分、統合幕僚長が田中氏に「米軍が飛(ひ)翔(しょう)体を探知したが、ロスト(失探)」と報告。8時0分には再び統幕副長が「7時40分、何らかの飛翔体が発射。洋上に落下したもよう」と報告した。
 自衛隊のイージス艦と地上のレーダーは探知しておらず、探知可能高度まで上昇する前にミサイルが落下したことは明らか。田中氏が事態を把握し、即座に官邸の危機管理センターと情報を共有していれば、Em-Net(エムネット)で8時3分に「発射を確認していない」と誤報を配信するのは避けられた。
  藤村氏の判断能力にも疑問符がつく。SEWを7時42分に把握した後、8時7分になり、官邸5階の執務室から地下1階の危機管理センターに移り、そこで防衛省局長から「わが国のレーダーは確認していない」と報告を受けた。
 この時点で藤村氏は、今回のミサイル発射に際して策定した「新対処要領」の見積もりが甘かったことを悟るべきだった。要領ではSEWと自衛隊レーダーでダブルチェックした後、情報を公表することにしていたからだ。自衛隊レーダーでは探知できなかったため、藤村氏は要領と異なる政治決断を迫られたが、8時23分、無策のままセンターを出た。
 しかも藤村氏は8時13分、田中氏から「1分以上飛行。複数の物体となって落下」と電話報告を受けながら放置したことも判明した。田中氏は23分、記者会見で同じ内容を発表したが、藤村氏の「不作為」により30分にエムネットは「わが国への影響はない」とだけ配信。「1分以上飛行」「落下」という情報は一切配信されなかった。
 藤村氏が官邸内を移動したことが情報を錯(さく)綜(そう)させる一因となったが、防衛省でも田中氏ら政務三役も発射直後に執務室のある11階からエレベーターで地下3階(中央指揮所)に移動。しかも渡辺周副大臣はテレビ番組で臆面もなくこの事実を暴露してしまった。
 自民党政権下の平成21年のミサイル発射では、防衛省の政務三役は、地下の中央指揮所は携帯電話が使えないため、11階の省議室に陣取り状況を把握、首相官邸との情報共有に努めた。
 これに比べて今回の対応は明らかに問題が多い。防衛省幹部は「発射後にいきなり指揮拠点を変えるのは愚の骨頂だ」と嘆くが、政権の危機意識の欠如はもはや矯正しようがない。
 

②ミサイル発射報告の時刻、官邸が修正 15分早かった 

 http://www.asahi.com/special/08001/TKY201204160501.html
2012年4月17日3時3分
 
 野田内閣は16日、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射直後の対応の時系列表(クロノロジー)をまとめ、防衛省が米軍の早期警戒衛星(SEW)の発射情報を首相官邸に正式に伝えた時間を修正した。官邸の当初の説明よりも15分程度早かったとする内容で、藤村修官房長官は同日の記者会見で事実関係を認めた。政権の危機管理のあり方が改めて問われそうだ。
 時系列表は、16日の自民党外交・国防合同部会で内閣官房と防衛省が報告した。官邸はこれまで、8時16分より前には同省からの正式報告はなかったとしていたが、同省が作成した時系列表の原案では、それより15分ほど早く松本隆太郎運用企画局長が正式報告したとして食い違っていた。藤村氏は会見で「8時ちょっとすぎから5分までの間、官邸危機管理センターで防衛省運用企画局長から内閣危機管理監に報告された」と修正した。
 時系列表によると、13日午前7時40分ごろのミサイル発射のSEW情報を受け、田中直紀防衛相が41分ごろに省内の中央指揮所(オペレーションルーム)に入室。50分ごろ岩崎茂統合幕僚長が田中氏に、米軍が飛翔(ひしょう)体を見失ったことを伝えた。この情報分析を踏まえて、松本局長が官邸に行った。
 8時ごろから同5分ごろにかけて、松本局長が米村敏朗内閣危機管理監に「北朝鮮から何らかの飛翔体が発射された模様であることをSEW情報で得たが、正確か確認中。現時点で、我が国のレーダーでは確認していない」と正式に報告した。藤村氏にも同7分から12分ごろにかけて同じ報告を上げた。
 防衛省から官邸への情報伝達では、発射当日の13日に種谷良二内閣審議官が「SEW情報が正式に防衛省から入ってきたのは8時16分がはじめてだ」と記者団に説明していた。
 一方、内閣官房の緊急情報システム・エムネットは、8時3分に「我が国は発射を確認していない」と関係自治体などに速報している。時系列表では、松本局長から米村危機管理監への正式報告の中で自衛隊独自の情報収集で確認していないことを説明することで、整合性を取った。
 情報発信の混乱をめぐっては関係自治体や野党から批判が出ており、藤村氏が検証を指示。16日に斎藤勁官房副長官がトップの検証チームが発足し、初会合を開いた。結論の取りまとめについて、藤村氏は「10日から2週間」としている。

=================================転載完了

時系列を整理すると・・・

 さて、如何であろうか。
 
 上掲記事①冒頭に「 政府が作成した時系列表によるととあるから、政府は政府で時系列表を作成し、北朝鮮弾道ミサイル発射及びその失敗と言う、予告され、十分予測されていた筈の事象に対する政府対応を検証しているものらしい。勿論私もその時系列表を見たいとは思うが、残念ながら一般公開はされていないらしい。仕方がないので上掲記事から時系列を整理すると、以下のようになろう。
 
0740 防衛省は弾道ミサイル発射の熱源をとらえた米軍の早期警戒衛星情報(SEW)を受信
 
0741 田中防衛相、防衛相地下3階・中央指揮所に入る
 
0742 藤村長官、SEW情報把握
 
0750 統合幕僚長が田中防衛相に「米軍が飛(ひ)翔(しょう)体を探知したが、ロスト(失探)」と報告   
   松本局長、上記報告を受けて防衛省⇒官邸へ移動
 
0800 統幕副長が(田中防衛相に)「7時40分、何らかの飛翔体が発射。洋上に落下したもよう」と報告
同時刻 松本局長、官邸にて米村内閣危機管理監に「北朝鮮から何らかの飛翔体が発射された模様であることをSEW情報で得たが、正確か確認中。現時点で、我が国のレーダーでは確認していない」と正式に報告。
 
0803 Em-Net 「発射を確認していない」と誤報を配信
 
0807 藤村長官官邸5階の執務室から地下1階の危機管理センターへ移動
   松本局長から「わが国のレーダーは確認していない【産経記事】」/「北朝鮮から何らかの飛翔体が発射された模様であることをSEW情報で得たが、正確か確認中。現時点で、我が国のレーダーでは確認していない【朝日記事】」と報告を受く
  ⇒レーダ情報とSEW情報が一致せず。
 
0813 藤村長官、「1分以上飛行。複数の物体となって落下」と田中防衛相より電話報告を受く
 
0823 藤村長官危機管理センターを出る / 田中防衛相、記者会見で「1分以上飛行。複数の物体となって落下」と発表
 
0830 Em-Net「わが国への影響はない」とだけ配信
 
 これでも判りにくいので、表にして見た。横軸にとるのは、田中防衛相と藤村官房長官と言うキーパーソンと、Em-Netに流れた情報、それに防衛省~官邸間の情報・人のやり取りを取り、これらに入らない部分は「その他」欄とした。
 
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 さて、こう整理すると疑問点も沸いて来る。疑問点は【Q1】~【Q4】として表には付記した。