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【3】個人的判定
さて、如何であろうか。
上掲後者の記事はまだ続くのだが、以降の分は「会員限定の有料」部分だから、一般公開されている上掲部分に限って進めよう。上掲部分に限っても、実害はなさそうである。朝日新聞・編集委員兼論説委員殿と産経(*1)との論点対立点は既に明らかであろうから。
対立点とは即ち、「管直人の福島原発事故対応に対する評価」に尽きよう。
上掲後者の記事はまだ続くのだが、以降の分は「会員限定の有料」部分だから、一般公開されている上掲部分に限って進めよう。上掲部分に限っても、実害はなさそうである。朝日新聞・編集委員兼論説委員殿と産経(*1)との論点対立点は既に明らかであろうから。
対立点とは即ち、「管直人の福島原発事故対応に対する評価」に尽きよう。
<注釈>
(*1) ひいては私自身
【3.1】菅直人は過剰介入していないと言う説―バッテリーの大きさを巡って
その対立点の一つは「菅直人の過剰介入」であろう。例えば、福島第一原発電源喪失で急遽手配されたバッテリーの大きさを巡る議論である。
産1> 「首相がそんな細かいことまで聞くなんて国としてどうなのか、ぞっとした」という証言もある。
此の「証言」の証言者であると言う下村氏のツイッターを引用して、朝日論説委員殿は曰く
朝1> 「私は、そんなことまで自分でする菅直人に対し『ぞっとした』のではない。
朝2> そんなことまで一国の総理がやらざるを得ないほど、この事態下に地蔵のように動かない居合わせた技術系トップたちの有り様に、
朝3> 『国としてどうなのかぞっとした』のが真相」(以上、下村氏のツイッター)
さて、一寸想像力を働かせて欲しい。貴方は我が国の技術官僚トップで、福島原発事故について専門的意見を求められる立場だ、と想像してくれ。東日本大震災を喰らったが、原発に特に異常は無いとの報告に安堵したのも束の間、続けて襲ってきた津波で福島大位置原発は電源喪失。用意してあった予備電源言たるディーゼル発電機さえ水没して使用不可能になった、としよう。
無論一大事である。真っ先に電源を確保しなければならない。送電線が断たれている以上、使えるのは発電機かバッテリーであり、用意してあったディーゼル発電機の代替を急いで手当てしなければならない。
部下にそのバッテリー手配を命じるとして、何を指定する?
大きさや、重さ、だろうか。
Negative。否定。大きさや、重さは確かに大事だが、バッテリー=電源の本質的スペックではない。「本質的スペック」とはその電源が、電源として役に立つか否かを司るスペック。この場合は、直流・交流の別(*1)と電圧であろう。直流回路に交流電源をつなげてもまともに動かないし、電圧は、高い分には抵抗か何かで電圧を下げてやれば良いが、低い分には直列につなげるぐらいしか手がない(*2)。これらに続くのが電流容量で、これらのスペックが揃ってようやく電源として役に立つ。確かにこれらの仕様に拠って大きさ・重さは決まってこようが、どんなに小型軽量であってもこれらのスペックを満たさない事には電源として役に立たない。
であるならば、「原発電源喪失」と言う緊急事態に遭遇した貴方の指示はどうなるだろうか。「直流/交流、電圧、電流容量を満足する、電源として役に立つ電源(バッテリー)を、可能な限り多く速やかに持って来い」であろう。その電源の大きさや重さは、ひょっとすると必要な場所に持ち込むための阻害要因たり得るだろうが、それは同時に電源ケーブルの長さで相当程度解決できる話し。指定するとしても、二義的条件だろう。
さて、その後貴方が首相であるところの(*3)菅直人から「そのバッテリー(電源)の大きさは?」と聞かれ、「知らない」と答えたとしよう。「調べて置いて」と重ねて問われたとして、貴方の反応は次のいずれであろうか。
Case1: パニックに陥り、地蔵のように動かず、何もしない( 上記の通り、下村氏にはこう見えたようだ)
Case2: 首相閣下のご要望だ、至急部下に電話をかけて調べさせる( 上記の通り、下村氏はこうする事を期待した)
Case3: 質量と寸法?そんな二義的な質問で、現場を混乱させられるか!と、取り合わない( 既に必要な指示は出してある、のが前提 )
さて、散々報じられ、下村氏もツイッターして「ゾッとした」様に、上記Case2は実施されなかった。同ツイッターの通り下村氏には上記Case1に見え、産経等が報じる「管直人の過干渉」報道は上記Case3の立場を取ったものと、言えそうだ。実際その後菅直人直々に此の想像上の「貴方の部下」宛て電話をかけ、質量寸法を確認しているから、上記Case3だとしても貴方の努力は無駄に終った事になるのだがさて、此処で上記Case1かCase3かが問題になる。
言い換えれば、管直人の「バッテリーの質量・寸法質問」を部下に問い掛けなかった貴方の技術官僚トップとしての技量・器が問われる。
Case1の場合、貴方は「必要なバッテリーの手配指示さえ出していなかった」のであろう。下村氏が「この事態下に地蔵のように動かない居合わせた技術系トップたちの有り様に」ゾッとする為には、「地蔵のように動かない」為には、そうでなければならない。が、その場合、貴方はその地位に安泰でいられるだろうか。
菅直人に激怒されて忽ちくびになるのが普通だろうし、当然であろう。私が首相でもやはりくびにするし、国に拠ってはその場で銃殺されるだろう。
だが、私ならそのクビは、質量寸法を尋ねる前にする。勿論最優先は「バッテリーを手配すること」である。大きさ重さは「頑張れ」ないし「ケーブル引っ張れ」で解決するのだから。
菅直人はそうしていない。報じられ、下村氏もツイッターしている通り、「首相自ら」バッテリーの質量・寸法を確認している。「呑気に」と評する事も出来よう。
これは、「バッテリーを持って来い」と言う指示は既に出ていた、それが「首相自ら(*4)」の「部下への電話」でも確認できたから、「呑気に」バッテリーの質量・寸法を確認できるのではないか。
言い換えれば、上記Case3が「やっぱり」正しかったのではないか。
さて、今度は立場を変えて見よう。バッテリーの手配を指示された先ほどの貴方の部下になって見よう。上記機Case3を想定し、「原発で電源停止。すぐにバッテリーを持って来い」の指示があり、そのバッテリーの仕様も判って手配しているところへ・・・菅直人「首相」から電話が入り、「バッテリーの質量・寸法」を直接問い質し始めたとする。
貴方のバッテリー手配は、そんな菅直人直々の電話に関係なく整然と進むだろうか。少なくとも貴方の回線は、恐らくは貴方の意識と口と耳は、菅直人に独占され、「バッテリーの質量・寸法」を回答するのに費やされて居ると言うのに。
関係ないならば幸いだ。既に手配が済んでいればそうなったろう。「管直人の過剰介入」は未然に防がれた恰好だ。
だが、手配が済んでいなければ・・・これこそ正に「慄然とすべき」事態ではないか。結果としてベントは手動で実施され、水素爆発を防ぐのにはベントは間に合わなかった事になるが、そこに至る課程で、此の「菅直人直々の電話」が遠因となったのではないか。
仮に「水素爆発と菅直人直々の電話に因果関係はない」としても、バッテリーが既に手配されている限り、質量・寸法を尋ねようが(*5)、電源として必要なスペック・直/交流及び電圧を尋ねよう(*6)が、「管直人の過剰介入」である事に相違はない。
結論:下村氏のツイッターと、朝日論説委員の論陣は、「管直人の過剰介入」を否定するものではなく、寧ろ肯定するものである。
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36820971.html へ続く
産1> 「首相がそんな細かいことまで聞くなんて国としてどうなのか、ぞっとした」という証言もある。
此の「証言」の証言者であると言う下村氏のツイッターを引用して、朝日論説委員殿は曰く
朝1> 「私は、そんなことまで自分でする菅直人に対し『ぞっとした』のではない。
朝2> そんなことまで一国の総理がやらざるを得ないほど、この事態下に地蔵のように動かない居合わせた技術系トップたちの有り様に、
朝3> 『国としてどうなのかぞっとした』のが真相」(以上、下村氏のツイッター)
さて、一寸想像力を働かせて欲しい。貴方は我が国の技術官僚トップで、福島原発事故について専門的意見を求められる立場だ、と想像してくれ。東日本大震災を喰らったが、原発に特に異常は無いとの報告に安堵したのも束の間、続けて襲ってきた津波で福島大位置原発は電源喪失。用意してあった予備電源言たるディーゼル発電機さえ水没して使用不可能になった、としよう。
無論一大事である。真っ先に電源を確保しなければならない。送電線が断たれている以上、使えるのは発電機かバッテリーであり、用意してあったディーゼル発電機の代替を急いで手当てしなければならない。
部下にそのバッテリー手配を命じるとして、何を指定する?
大きさや、重さ、だろうか。
Negative。否定。大きさや、重さは確かに大事だが、バッテリー=電源の本質的スペックではない。「本質的スペック」とはその電源が、電源として役に立つか否かを司るスペック。この場合は、直流・交流の別(*1)と電圧であろう。直流回路に交流電源をつなげてもまともに動かないし、電圧は、高い分には抵抗か何かで電圧を下げてやれば良いが、低い分には直列につなげるぐらいしか手がない(*2)。これらに続くのが電流容量で、これらのスペックが揃ってようやく電源として役に立つ。確かにこれらの仕様に拠って大きさ・重さは決まってこようが、どんなに小型軽量であってもこれらのスペックを満たさない事には電源として役に立たない。
であるならば、「原発電源喪失」と言う緊急事態に遭遇した貴方の指示はどうなるだろうか。「直流/交流、電圧、電流容量を満足する、電源として役に立つ電源(バッテリー)を、可能な限り多く速やかに持って来い」であろう。その電源の大きさや重さは、ひょっとすると必要な場所に持ち込むための阻害要因たり得るだろうが、それは同時に電源ケーブルの長さで相当程度解決できる話し。指定するとしても、二義的条件だろう。
さて、その後貴方が首相であるところの(*3)菅直人から「そのバッテリー(電源)の大きさは?」と聞かれ、「知らない」と答えたとしよう。「調べて置いて」と重ねて問われたとして、貴方の反応は次のいずれであろうか。
Case1: パニックに陥り、地蔵のように動かず、何もしない( 上記の通り、下村氏にはこう見えたようだ)
Case2: 首相閣下のご要望だ、至急部下に電話をかけて調べさせる( 上記の通り、下村氏はこうする事を期待した)
Case3: 質量と寸法?そんな二義的な質問で、現場を混乱させられるか!と、取り合わない( 既に必要な指示は出してある、のが前提 )
さて、散々報じられ、下村氏もツイッターして「ゾッとした」様に、上記Case2は実施されなかった。同ツイッターの通り下村氏には上記Case1に見え、産経等が報じる「管直人の過干渉」報道は上記Case3の立場を取ったものと、言えそうだ。実際その後菅直人直々に此の想像上の「貴方の部下」宛て電話をかけ、質量寸法を確認しているから、上記Case3だとしても貴方の努力は無駄に終った事になるのだがさて、此処で上記Case1かCase3かが問題になる。
言い換えれば、管直人の「バッテリーの質量・寸法質問」を部下に問い掛けなかった貴方の技術官僚トップとしての技量・器が問われる。
Case1の場合、貴方は「必要なバッテリーの手配指示さえ出していなかった」のであろう。下村氏が「この事態下に地蔵のように動かない居合わせた技術系トップたちの有り様に」ゾッとする為には、「地蔵のように動かない」為には、そうでなければならない。が、その場合、貴方はその地位に安泰でいられるだろうか。
菅直人に激怒されて忽ちくびになるのが普通だろうし、当然であろう。私が首相でもやはりくびにするし、国に拠ってはその場で銃殺されるだろう。
だが、私ならそのクビは、質量寸法を尋ねる前にする。勿論最優先は「バッテリーを手配すること」である。大きさ重さは「頑張れ」ないし「ケーブル引っ張れ」で解決するのだから。
菅直人はそうしていない。報じられ、下村氏もツイッターしている通り、「首相自ら」バッテリーの質量・寸法を確認している。「呑気に」と評する事も出来よう。
これは、「バッテリーを持って来い」と言う指示は既に出ていた、それが「首相自ら(*4)」の「部下への電話」でも確認できたから、「呑気に」バッテリーの質量・寸法を確認できるのではないか。
言い換えれば、上記Case3が「やっぱり」正しかったのではないか。
さて、今度は立場を変えて見よう。バッテリーの手配を指示された先ほどの貴方の部下になって見よう。上記機Case3を想定し、「原発で電源停止。すぐにバッテリーを持って来い」の指示があり、そのバッテリーの仕様も判って手配しているところへ・・・菅直人「首相」から電話が入り、「バッテリーの質量・寸法」を直接問い質し始めたとする。
貴方のバッテリー手配は、そんな菅直人直々の電話に関係なく整然と進むだろうか。少なくとも貴方の回線は、恐らくは貴方の意識と口と耳は、菅直人に独占され、「バッテリーの質量・寸法」を回答するのに費やされて居ると言うのに。
関係ないならば幸いだ。既に手配が済んでいればそうなったろう。「管直人の過剰介入」は未然に防がれた恰好だ。
だが、手配が済んでいなければ・・・これこそ正に「慄然とすべき」事態ではないか。結果としてベントは手動で実施され、水素爆発を防ぐのにはベントは間に合わなかった事になるが、そこに至る課程で、此の「菅直人直々の電話」が遠因となったのではないか。
仮に「水素爆発と菅直人直々の電話に因果関係はない」としても、バッテリーが既に手配されている限り、質量・寸法を尋ねようが(*5)、電源として必要なスペック・直/交流及び電圧を尋ねよう(*6)が、「管直人の過剰介入」である事に相違はない。
結論:下村氏のツイッターと、朝日論説委員の論陣は、「管直人の過剰介入」を否定するものではなく、寧ろ肯定するものである。
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36820971.html へ続く
<注釈>
(*1) これは「バッテリー」と言う時点で直流に決定だが(*2) 交流電源ならば、トランスを使えば電圧を上げられるが、直流電源・バッテリーではそうは行かない。(*3) 即ち我が国三軍の最高指揮官にして、今回東日本大震災及び福島原発事故に対処すべき最高指揮官でもある(*4) 思わず「(笑)」とか、「(嘲笑)」とか入れたくなるのは、その首相が菅直人だから、だが。ああ、鳩山由紀夫でも似たようなものか。(*5) 否、質量寸法如きを尋ねるようでは尚の事(*6) それは、手配されているのならば、指示されてる筈だが。