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 先行する記事で引用した宮嶋茂樹氏のコラムは、青森から送った雪に「放射能の恐れ」と言うインネンをつけて拒否して見せた沖縄を痛罵するものだった。コラムが掲載されたのは今月1日だ。
 
 その痛罵された沖縄は、県として震災がれきの受け入れを「検討」していた。報じられているのは先月28日だ。
 
県、震災がれき受け入れ検討  http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-02-28_30363/
 
 此の「検討」だけで「放射能の恐れ」とか「地球を傷つけるな」とか言う阿呆どもの大騒ぎが読者コメントとして読めるようになったのは、沖縄タイムスの仲々画期的な企画であり、他紙も是非真似してほしいところである(*1)。
 
 さはさりながら、多分、その「沖縄県の震災がれき受け入れ検討」を受けて、ひょっとすると「宮嶋茂樹氏のお叱り」を受けて、沖縄二紙=琉球新報と沖縄タイムスが揃って震災がれき処理に関する社説を掲げている。
 
 先ずは両社説、御一読願おうか。
 
 

<注釈>

(*1) ネットニュースでは一部採用しているところもあるが。 
 
 
転載開始========================================= 

琉球新報社説 がれき処理 何ができるか考えよう  

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-188245-storytopic-11.html
2012年3月5日      Tweet
 東日本大震災からやがて1年。復興の鍵を握る、がれきの処理が全体の5%にとどまっている。
 岩手県で11年分、宮城県で19年分のがれきが発生した。到底、短期間に処理できない量で、復興の妨げになっている。政府は、このうち原発事故があった福島県のがれきを除き、国の基準で安全とされたものを対象に、広域処理を打ち出した。
 しかし、放射性物質への不安から、各地で住民が反発し、受け入れが進まない。これまでに東京と山形、青森が受け入れ、静岡県島田市が試験焼却を実施した。共同通信が実施した全国自治体アンケートによると、全体の86%が受け入れに難色を示している。
 国民が不安を覚える背景に政治不信がある。福島第1原発事故に際し、官邸が機能せず、大切な情報が国民に知らされなかった不満が渦巻いているからだ。
 野田佳彦首相と閣僚は、各自が出身地など関係の深い自治体に受け入れを働き掛けるという。実際に選挙区の住民を説得できただろうか。選挙民の反発を恐れて腰が引けていないか。
 説得に努力したが受け入れてくれる地域がないから、被災地に我慢を強いる。このような事態は何としても避けなければならない。
 第2に、国の安全基準に対する不信がある。焼却灰の放射性セシウム濃度が1キロ当たり8千ベクレル以下、という基準は妥当だろうか。大阪府は国の基準より厳しい安全基準を定めている。国による丁寧な説明が必要だ。
 第3に、がれきの広域処理のために必要な手を打っているだろうか。自治体頼みの姿勢ではないか。がれきの放射線量の測定、輸送や処理費用、施設整備費など、全ての関連経費について国が責任を持つべきだろう。
 一方で、各都道府県は、がれき処理について被災県と国任せにせず、共助の精神を発揮し応分の負担を検討してみたらどうだろう。
 仲井真弘多知事は、野田首相の要請を受け、受け入れの可能性について調査するよう指示した。
 沖縄の場合、被災地から最も離れ、搬入には他府県より費用がかかる。島しょ県で処理能力に限界があるなど条件面で厳しい。安全性に問題ないか、処理能力を超えないか、地域住民の理解が得られるかなど、慎重に検討した上で私たちにできることを選択したい。
 

沖縄タイムス社説 [がれき処理]丁寧な対話を重ねよう 

 東日本大震災からもうすぐ1年になるというのに、がれきの処理が思うように進まない。
 打開の鍵を握るのは被災地以外の自治体による受け入れだが、共同通信が実施した全国自治体アンケートによると、回答した市区町村の86%が、がれきの受け入れに難色を示した。仲井真弘多知事が受け入れ可能性の検討を指示した沖縄県にも、反対の電話やメールが相次いだ。
 これらの事実は、連帯や絆といった精神訓話だけでは住民の放射能不安は解消できない、ことを示している。
 岩手、宮城、福島3県で発生したがれきは約2252万8千トン。このうち、焼却、埋め立て、再利用などの処理(最終処分)を終えたがれきは2月20日現在、117万6千トン、5・2%にとどまる。
 処理がはかどらない大きな理由は、津波によって、被災地の処理能力をはるかに超える膨大な量のがれきが発生したことだ。宮城県で一般ゴミの19年分、岩手県で11年分。宮城県石巻市に至っては、市が処理できるゴミのおよそ100年分のがれきがいっぺんに発生したという。
 国は、福島県のがれきについては当面、同県内で処理する方針を決め、岩手、宮城両県のがれきのうち計400トンを全国の自治体に引き受けてもらうことにした。
 だが、東電福島第1原発事故によって大量の放射性物質が広い地域にまき散らされており、放射能不安を何らかの形で和らげるか解消しない限り、広域処理が進むとは思えない。それは国の責務だ。
 国民の中には、原発安全神話の旗振り役だった政府や東電、原子力専門家に対する不信感が渦巻いている。
 文部科学省は、福島県内での子どもの被ばく線量を年間20ミリシーベルトまで許容するとの考えを打ち出し、国内外から批判を浴びた。
 母親らの強い抗議で「年間1ミリシーベルトを目指す」と変更されたが、なぜこのような数字を打ち出したのか、検証できる議事録は残っていない。一事が万事こんな調子で、安全性に関する国の説明には、不信感が付きまとってきた。
 汚染がれきの処理について国は、焼却後の焼却灰に含まれる放射性セシウムの量が、キログラム当たり8千ベクレル以下であれば、最終処分場での埋め立て処分が可能、だと位置づけている。
 低線量被ばくの危険性については、もともと専門家の間でも見解が異なる。分かりにくい話は往々にして極端な議論に流れがちだ。
 「がれきを受け入れ、被災地の復興を支援しよう」という声が、県内でも広範に存在する。がれきを引き受けることは、復興を手助けし、被災した人々との絆を太くする。
 一方で小さな子どもを抱える母親の、環境汚染や健康被害に対する不安も切実で、現実に根差している。
 二つのうちどっちかを選択する話ではないと思う。丁寧な議論を通して両者の対話を成り立たせ、被災地の復興を進めることが、原発事故後の新たな社会づくりにつながる。
=================================転載完了

震災がれき受け入れ拒否だけは辛うじて踏みとどまった?沖縄二紙

 さて、如何だろうか。
 
 論評に入る前に私の立場を明確にしておこう。私は震災がれき処理はドンドン受け入れて処理すべきだと思っているし、其れに拠って「放射性物質によるリスク」が高まるなんて全く思っていない。「放射性物質が検出される」ぐらいのことはあるかも知れないが、取るに足らない。
 「震災がれき受け入れで健康被害が出たら責任を取れ」なんて意見もあるらしいが、そんな健康被害と「震災がれきの放射性物質」との因果関係が証明されたらと言う条件を付ければ全財産を賭けてその責任を引き受けてやっても良いぐらいだ。
 
 さて、そんな放射能ヒステリーのアホは放って置くとして、先ずは沖縄二紙である。いずれも「震災がれき受け入れ容認」と言う基本線では共通している。まずは「震災がれき受け入れ容認」と言う点で私とさえ意見が一致した事を、慶賀すべきであろう。
 
 だがまあ、其処は三アカ新聞だ。「震災がれき受け入れ容認」と言ってもあれこれと付帯条件が着いて、沖縄二紙の逡巡が見られる。
 
 琉球新報は、
 
琉1> 一方で、各都道府県は、がれき処理について被災県と国任せにせず、共助の精神を発揮し応分の負担を検討してみたらどうだろう。
と「建設的な提案」をしながらも、以下のパラグラフが当該社説の結論である。即ち、
琉2>  沖縄の場合、被災地から最も離れ、搬入には他府県より費用がかかる。
琉3> 島しょ県で処理能力に限界があるなど条件面で厳しい。
琉4> 安全性に問題ないか、処理能力を超えないか、地域住民の理解が得られるかなど、
琉5> 慎重に検討した上で私たちにできることを選択したい。
と言うのだから、要は上記琉4>で①安全性 ②処理能力 ③(極めつけ)地域住民の理解 を楯にとって「沖縄県外震災がれき処理」が上記琉1>提案の真意であろう。
 
 一方の沖縄タイムスというと、次のパラグラフで社説を〆ている。
 
沖1> 「がれきを受け入れ、被災地の復興を支援しよう」という声が、県内でも広範に存在する。
沖2> がれきを引き受けることは、復興を手助けし、被災した人々との絆を太くする。
沖3> 一方で小さな子どもを抱える母親の、環境汚染や健康被害に対する不安も切実で、現実に根差している。
沖4> 二つのうちどっちかを選択する話ではないと思う。
沖5> 丁寧な議論を通して両者の対話を成り立たせ、被災地の復興を進めることが、原発事故後の新たな社会づくりにつながる。
 
 実に不思議な話しだ。普天間基地「配置」問題についてはあれほど声高に「民意」を叫んで「県外移設」ないし「返還」を主張し、「少数の辺野古推進派」の渡米さえ知事をダシに牽制してみせる沖縄タイムス(*1)が、上記沖1>~沖5>では多数派の「震災がれき受け入れ」派と少数派の「環境汚染や健康被害に対する不安」を同列に置いて上記沖4>「 二つのうちどっちかを選択する話ではないと思う。」などと玉虫色の八方美人振りを見せる。毎度おなじみのダブルスタンダードなのである。
 
 此の辺りが「やっぱり沖縄二紙」であり、私と三アカ新聞の意見の違いであろう。
 
 震災がれきを受け入れる。放射能を心配する「市民」もあろう。震災がれきを受け入れる自治体としては、合理的な範囲で説明責任はあろうが、あくまでも合理的な範囲だ。あるところまで説明しても理解しない、不安だと言う市民は、放って置くべきであり、切り捨てるべきなのだ。
 斬られた「放射能を心配する市民」が心配し続けようが、知った事ではない。
 
 石原都知事が示したように「黙れ!」と一喝して黙らせるのが、至当である。
 其れはまた、沖縄二紙に於いても然りである。
 
<注釈>
 
(*1) 國場防衛協会長訪米へ 「辺野古」推進要請 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-03-03_30560/  それでも、社説で「誤解を与えるな」なんて主張する琉球新報よりはマシか 辺野古推進訪米 誤解を与えてはならない  http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-188224-storytopic-11.html