スイス次期戦闘機選定、仏ダッソーが巻き返しの新提案 http://www.afpbb.com/article/economy/2854295/8387726
大分前にサーブJ39グリペンに決まった筈だが・・・
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我が国のF-4EJファントムⅡの後継機F-X選びも当初大本命とされたF-22ラプターから始まって先頃F-35に(一応)決まるまで随分紆余曲折があったが、欧州は「永世中立国」として有名なスイスの次期戦闘機も相応の時間がかかっているようで、F-5戦闘機の後継がスゥエーデンはサーブ社のJAS39グリペンと決まったのは昨年末の頃だった筈だ。だが、まだフランスはダッソー社推薦のラファールは諦めていない、と言うのがAFPの報道。
1> サーブ(Saab)社のグリペン戦闘機22機を31億スイスフラン(約2600億円)で調達する案を選択した。
2> だが議会は、まだこの決定を承認していない。
だそうで、その議会承認の前に、ダッソー社から提案が出ているそうだ。
3> ダッソーは議会に書簡を送って同社のラファール(Rafale)戦闘機18機を27億スイスフラン(約2300億円)で提供する案を示したという。
率直な感想。「フランス人は強気だねぇ。」
一寸計算すればわかることだが、サーブ社のグリペンは「22機で約2600億円」と言う事は1機当たりの単価に直すと約120億円/機。一方ダッソー社の新提案は「18機で約2300億円」で、1機当たりの単価に直すと約130億円/機。「一機あたりの値段は、新提案でもダッソー・ラファールの方が高い」のである。既に決定され、「議会が承認していないだけ」の時期に巻き返しを図った、にしては、強気の価格設定と言うべきだろう。
多分、何らかの説明なり理屈なりがあるのだろう。そもそもグリペンが22機調達の案であるのに「ラファール18機の方が総額は安い」と機数の違う新提案で「巻き返し」を図って居る以上、「グリペン22機とラファール18機は同等、若しくはラファールの方が上」と言う理屈がなければ「巻き返し」にはなるまい・・・・・と普通は思う。
本当の所は判らない。ダッソー社が「グリペン22機とラファール18機は同等、若しくはラファールの方が上」と主張していたとしても、真偽の程は不明だ。「戦闘機同士の優劣は、カタログデータだけではわからない」と言うのが通り相場であるし、況や決闘宜しく一対一の空中戦ではなく18機対22機のしかもスイスの立地条件からして羨ましい位に思い切り平時の運用なのだから、優劣はさらに微妙≒恣意的になるはずだ。
とは言え、一反はグリペンに決まったのだから、これを覆すのには相当インパクトのある提案が必要でありそうなんだが・・・どうなんだろうね。ダッソー社。そう言えば、グリペンは一応南アフリカなどに輸出が決まっているが(※1)、ラファールはトンと輸出されていないなぁ。(※2)
<注釈>
(※1) ウイキペディアによれば、南アフリカ、スイスの他に、ハンガリー、チェコ、タイに輸出が決まっている。(※2) ウィキペディアによれば、ラファールはリビアとブラジルに採用されている。が、カダフィのリビアに最新型戦闘機を売ってしまえるところが、サダム・フセインのイラクに原発輸出出来てしまうフランス人だなぁ