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あまりに感性的恣意的基準
ちょいとした思考実験をして見よう。此処に今、発電容量500MW=50万KWの原発と太陽光発電設備があったとしよう。500MWの原発と言うと、福島第一原発の1号機より一寸大きく、同6号機の半分以下だから、原発としては可也小さい方だろう。一方太陽光発電としては、既存の最大の太陽光発電設備のさらに10倍の発電容量。つまり少なくとも10倍の敷地面積が必要で、可也非現実的な数字であるが、ま、日本に設置可能と仮定しよう。
此の二つは互換であろうか。例えば500MWの原発を、廃炉と言うと時間がかかるから停止させたとして、代わりに500MWの太陽光発電建設すれば、代替出来るであろうか。
一寸考えればわかることだ。全く代替出来ない。
逆ならば出来る。500MWの太陽光発電所をつぶしてはるかに狭い敷地に500MWの原発を建ててやれば、代替出来る。が、「原発を太陽光発電で代替」は出来ない。上掲社説では、原発の発電コストが上がって火力発電との差が小さくなった事を以って「安価神話の崩壊」等と表現しているが、新たな計算を以ってしても原発の発電コストは8.9円/kwhで、火力発電の10円/kwh前後に対し1円/kwhばかり安いのである。
毎1> 今後の事故処理の費用がかさめば、さらにコストは増す。
一寸考えればわかることだ。全く代替出来ない。
逆ならば出来る。500MWの太陽光発電所をつぶしてはるかに狭い敷地に500MWの原発を建ててやれば、代替出来る。が、「原発を太陽光発電で代替」は出来ない。上掲社説では、原発の発電コストが上がって火力発電との差が小さくなった事を以って「安価神話の崩壊」等と表現しているが、新たな計算を以ってしても原発の発電コストは8.9円/kwhで、火力発電の10円/kwh前後に対し1円/kwhばかり安いのである。
毎1> 今後の事故処理の費用がかさめば、さらにコストは増す。
と言うのは、定性的には本当であるが、2番目に掲げた朝日の社説に
朝1> 事故の損害額は5.8兆円を前提としており、1兆円増えるごとに0.1円あがる。
とあるから、さらに10兆円の損害額が上乗せされて、漸く「原発と火力の発電コストは同等」にしかならない。
況や、太陽光発電は、先頃スーパーゾンビ菅直人の退陣条件として成立した「再生エネルギー特別措置法」に拠って、電力会社が強制的に全量買取させられている太陽光発電が、実に42円/kwhと、「石炭火力、液化天然ガス(LNG)火力が10円前」の四倍である。各家庭の屋根に載せたソーラーパネルぐらいの少ない発電量ならば、それも良かろうが、上記の仮定の様に「原発を代替するような大電力」となると、その差額=33.1円/kwhは発電量に比例してひろがり、500MWでフル稼働している状態ならばその50万倍で、1時間当たり1655万円の損失となる。
毎2> 太陽光も20年後にはそれなりに安くなる可能性が示されている。
と毎日社説は説く。「それなりに安くなる」しかも「可能性」だが、まあ、此処は譲って原発と同等の発電コストになったと仮定しよう。そうすれば、先述の代替は可能だろうか。
毎2> 太陽光も20年後にはそれなりに安くなる可能性が示されている。
と毎日社説は説く。「それなりに安くなる」しかも「可能性」だが、まあ、此処は譲って原発と同等の発電コストになったと仮定しよう。そうすれば、先述の代替は可能だろうか。
答えは、「やっぱり代替なんて不可能だ」である。これまた一寸考えればわかることだ。
太陽光発電は、夜間発電できない。少なくとも昼間に比べて格段に低い容量でしか発電できない。それはいくら技術革新が進んで、仮に原発よりも安く太陽光発電が出来るようになったトしても同じ事だ。太陽光よりも月や星の光は遥かに弱いのだから、これは原理的に免れようが無い。
さらには、電力需要との関係がある。太陽光発電も風力も潮汐力も、「今をときめく」再生可能なエネルギーの大半は、その発電量が出来高払いであり、態と発電しない事はできても、必要に応じて発電する事ができない。これまで何度も繰り返すとおり、現状において大容量の電力を蓄積しておく方法は、揚水式ダムの水量による他なく、現状は「電力需要に応じて発電している」のが実情。かてて加えて、電力需要に電力供給が追いつかなくなる真の意味での「電力不足」が意味する所は「無計画停電」しかない。予め犠牲にする送電エリアを定めておくなどして、被害局限を図る事は出来るかも知れないが、昨年夏首都圏含む東電管内で一部実施された計画停電ですら「計画通りに停電しない」と言う事で「無計画停電」等と批難されたのだ。被害局限の為の停電計画が如何なる批難を浴びるかは、想像に難くない。いや、批難だけならばまだ良い。停電すら惹起するような電力不足は、供給されている電力の量ばかりではなく質、例えば、電圧の安定性にも影響する。下手するとパソコン始めとする精密機器がまともに動かなくなったり、誤作動してしまったりする。
これを回避する事は、「大容量の電力蓄放電技術」に拠って可能となる(※1)。単純計算で、電力需要の平均が250MW以下であれば、「大容量の電力蓄放電技術」と500MW太陽光発電設備の組み合わせで対処可能となる(※2)。
原発ならば、その発電量は制御できる。必要に応じて増減できる。その電力出力は、ガスタービン火力発電の方がレスポンスは良いそうであるが、原発や火力発電ならば、昼夜天候にかかわらず「24時間フル稼働」だって出来る。
何度も繰り返しているが、エネルギー問題とは見通せる将来に渡って「如何にして電力を安定安価に供給するか」であって、原発も太陽光も風力も水力も火力も、あらゆる発電手段はそのための手段でしかない。
太陽光発電は、夜間発電できない。少なくとも昼間に比べて格段に低い容量でしか発電できない。それはいくら技術革新が進んで、仮に原発よりも安く太陽光発電が出来るようになったトしても同じ事だ。太陽光よりも月や星の光は遥かに弱いのだから、これは原理的に免れようが無い。
さらには、電力需要との関係がある。太陽光発電も風力も潮汐力も、「今をときめく」再生可能なエネルギーの大半は、その発電量が出来高払いであり、態と発電しない事はできても、必要に応じて発電する事ができない。これまで何度も繰り返すとおり、現状において大容量の電力を蓄積しておく方法は、揚水式ダムの水量による他なく、現状は「電力需要に応じて発電している」のが実情。かてて加えて、電力需要に電力供給が追いつかなくなる真の意味での「電力不足」が意味する所は「無計画停電」しかない。予め犠牲にする送電エリアを定めておくなどして、被害局限を図る事は出来るかも知れないが、昨年夏首都圏含む東電管内で一部実施された計画停電ですら「計画通りに停電しない」と言う事で「無計画停電」等と批難されたのだ。被害局限の為の停電計画が如何なる批難を浴びるかは、想像に難くない。いや、批難だけならばまだ良い。停電すら惹起するような電力不足は、供給されている電力の量ばかりではなく質、例えば、電圧の安定性にも影響する。下手するとパソコン始めとする精密機器がまともに動かなくなったり、誤作動してしまったりする。
これを回避する事は、「大容量の電力蓄放電技術」に拠って可能となる(※1)。単純計算で、電力需要の平均が250MW以下であれば、「大容量の電力蓄放電技術」と500MW太陽光発電設備の組み合わせで対処可能となる(※2)。
原発ならば、その発電量は制御できる。必要に応じて増減できる。その電力出力は、ガスタービン火力発電の方がレスポンスは良いそうであるが、原発や火力発電ならば、昼夜天候にかかわらず「24時間フル稼働」だって出来る。
何度も繰り返しているが、エネルギー問題とは見通せる将来に渡って「如何にして電力を安定安価に供給するか」であって、原発も太陽光も風力も水力も火力も、あらゆる発電手段はそのための手段でしかない。
無論、どれだけ電力を供給すれば充分か、と言うのは電力需要に拠るから、電力需要の見直しも、発電分担のベストミックスを考える上では重要となる。であるから、
朝2> 家庭での省エネ製品への切り替えを「発電」に見立てると、相当な効果があることもわかった。
朝2> 家庭での省エネ製品への切り替えを「発電」に見立てると、相当な効果があることもわかった。
と、朝日社説が抜かすのは、ある意味理の当然なのだが・・・電力需要の圧縮は、発電の必要がなくなるのだから「相当な効果」は当たり前。第一、特に夏の消費電力はピーク値が高く、ピーク時間が比較的短いのが特徴。そのピーク時消費電力に合わせて、先述の通り制御可能な発電力である火力、原子力が、次いで水力がその電力需要を支えているのが現状だから、尚更だ。夏の電力需要ピークは暑い昼日中であるから、太陽光発電も貢献できようが、それは現状、大容量蓄放電技術が基本的にない現状では、「僥倖」にしか過ぎない。
尤も、今回取り上げた毎日と朝日の社説では、「原発の安価神話は崩壊した」と恣意的定性論を説くだけの毎日より「LNGや石炭火力は、自然エネルギーが育つまでの間、原発に代わる即戦力となる。」と、「自然エネルギーまでの中継ぎ(※3)」として火力発電を推す朝日の方が「大分マシ」ではある。
毎日社説、朝日社説に敗れる。
「朝日以下」ってのは・・・「ルーピー以下」よりはマシか。
毎日社説、朝日社説に敗れる。
「朝日以下」ってのは・・・「ルーピー以下」よりはマシか。
<注釈>
(※1) 私の「自然エネルギー推進論」―フクシマ後も原発推進の立場から― http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778036.html(※2) 非常に楽観的な数字だ。夜と昼半々で、尚且つ昼間の間はフルで太陽光発電出来ると仮定しており、雨や曇りや日照時間、朝焼け夕焼けは勘定に入っていない。(※3) どのくらいの期間中継ぎするかは兎も角。20年では足りそうにないんだが。
当ブログの原発関連記事【抜粋】
(1) 朝日社説 「原発をどうするか-脱・依存へかじを切れ」を斬る http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35116184.html
参考 平成22年度電力供給計画の概要について http://www.enecho.meti.go.jp/policy/electricpower/100414-h22.pdf
参考 平成22年度電力供給計画の概要について http://www.enecho.meti.go.jp/policy/electricpower/100414-h22.pdf
(2)NHK AMラジオ 内橋克人 「カリフォルニアは原発を市民投票で停止と絶賛」に異議あり! http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35067228.html
(3)原発如きが人類を滅ぼすオーバーテクノロジーなものか http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35039419.html
(4)朝日社説「ヨウ素検出-あかちゃんを守ろう」の巧妙さ http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/34961262.html
(5)琉球新報社説 「大震災・放射性物質拡散 「石棺」方式の決断検討を」を斬る http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/34937144.html
(6)石棺幻想 -福島原発事故処理法としての石棺方式を考える http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35166775.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35166813.html
(7) (4-2)紙+2紙社説比較-福島原発海水注水中断 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35327763.html
(8) 四大紙+2紙社説比較-福島原発海水注水中断/事故調査検証委員会発足 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35332696.html
(9)脱原発への一歩だが、一歩のみ-孫正義の「赤字にならないメガソーラー経営法」 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35344184.html
(10)私の原発推進論―または私が福島原発事故を経てなお原発を推進する理由。―前進せよ、人類。 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35630668.html
(11)余剰電力は防衛力である-脱原発騒動と電力不足に状況によせて http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35687699.html
(12)私の「自然エネルギー推進論」―フクシマ後も原発推進の立場から― http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778036.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778053.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778071.html
(8) 四大紙+2紙社説比較-福島原発海水注水中断/事故調査検証委員会発足 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35332696.html
(9)脱原発への一歩だが、一歩のみ-孫正義の「赤字にならないメガソーラー経営法」 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35344184.html
(10)私の原発推進論―または私が福島原発事故を経てなお原発を推進する理由。―前進せよ、人類。 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35630668.html
(11)余剰電力は防衛力である-脱原発騒動と電力不足に状況によせて http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35687699.html
(12)私の「自然エネルギー推進論」―フクシマ後も原発推進の立場から― http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778036.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778053.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778071.html
(13) ドイツ降伏-独シーメンス社 原子力事業から撤退 http://www.afpbb.com/article/economy/2828751/7793213 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36006950.html
(14) 論理的帰結―IEA分析「原発は不可欠」 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36278996.html
(15) 四大紙マイナス1プラス3紙.社説比較-ベトナム原発輸出 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36278737.html
(16) 世界の原発を考える―Made in 支那原発の悪夢 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36272257.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36272429.html