心此処にあらざれば、見るとも見えず
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今回取り上げ社説は、読売、毎日、東京である。例の「社説比較シリーズ」では、読売を「右の大関」、毎日を「左の大関」と呼称しているが、東京はと言うとその脱原発原理主義といい、今回の社説と言い、「左の関取」ぐらいが適当と思われる。或いは今回の取り組み=社説を評価して「左の大関」は東京とすべきかも知れない。無論、左右両横綱は、朝日と産経であるが、今回の比較ではこの両横綱は欠場だ。
取り上げている事象が「普天間基地駐留米軍(の一部)のグアム移設費予算を全額削減」と共通であるにも拘らず、かくも「今後の対応」が異なるのは、視点の差、立場の差であるならば、章題にもした通り「心、此処にあらざれば、見るとも見えず」。人間の目は画像記録装置ではなく、「心」を通じて解釈・理解されて記憶なり印象なりとして整理保存される物と、新ためて痛感する。
事実の確認から行こうか。私の立場や三赤新聞の立場を超えた、客観的事実の確認から。
(1) 現行の日米合意では、普天間基地を返還するのに伴い、普天間基地駐留部隊を辺野古やグアムに移設する。(※1)
取り上げている事象が「普天間基地駐留米軍(の一部)のグアム移設費予算を全額削減」と共通であるにも拘らず、かくも「今後の対応」が異なるのは、視点の差、立場の差であるならば、章題にもした通り「心、此処にあらざれば、見るとも見えず」。人間の目は画像記録装置ではなく、「心」を通じて解釈・理解されて記憶なり印象なりとして整理保存される物と、新ためて痛感する。
事実の確認から行こうか。私の立場や三赤新聞の立場を超えた、客観的事実の確認から。
(1) 現行の日米合意では、普天間基地を返還するのに伴い、普天間基地駐留部隊を辺野古やグアムに移設する。(※1)
(2) 沖縄二紙や、社民党や、今回の東京社説屋、かつてのルーピー(※2)が唱えている「普天間基地の沖縄県外移設」は現行日米合意に反するものである。
(3) 普天間基地駐留部隊の移設先が決定し、受け入れ態勢が整い、同部隊が「引っ越す」まで、普天間基地が日本側に返還されることはない。
上記(1)~(3)は、喩え社民党であろうとも反論の余地が無い(※3)「客観的事実」である。米海兵隊が抑止力であろうが侵略力であろうが、中国の脅威が我が国周辺で高まっていようが低下していようが、無関係な客観的事実だ。
さらに客観的事実を重ねるならば、今回報じられたのが以下(4)である。
(4) アメリカ政府議会の上下両院の軍事委員会は、沖縄駐留の米海兵隊のグアム移転費関連費1.5億ドルを削除した。
さて、上記(1)~(4)と言う、恐らくは読売、毎日、東京の三紙からも異論は出そうに無い客観的事実に対し、各紙の社説はと言うと・・・
読売の結論は明快だ。
読1> 日米両政府と沖縄県に残された選択肢は今、二つしかない。
さらに客観的事実を重ねるならば、今回報じられたのが以下(4)である。
(4) アメリカ政府議会の上下両院の軍事委員会は、沖縄駐留の米海兵隊のグアム移転費関連費1.5億ドルを削除した。
さて、上記(1)~(4)と言う、恐らくは読売、毎日、東京の三紙からも異論は出そうに無い客観的事実に対し、各紙の社説はと言うと・・・
読売の結論は明快だ。
読1> 日米両政府と沖縄県に残された選択肢は今、二つしかない。
読2> 一つは、普天間飛行場の名護市辺野古移設を進め、海兵隊のグアム移転を実現する道だ。
読3> 米軍6施設が返還されれば、広大な跡地利用により、来年度からの新たな沖縄振興計画にも弾みがつこう。
読3> 米軍6施設が返還されれば、広大な跡地利用により、来年度からの新たな沖縄振興計画にも弾みがつこう。
読4> もう一つは、普天間の辺野古移設も、海兵隊移転も断念する道だ。
読5> その場合、普天間飛行場の危険な現状が長期間、固定化されることも覚悟せざるを得ない。
この二択は沖縄県民,特に沖縄二紙には「究極の選択」じみているかも知れないが、上記読1> でこのニ拓を断じている読売に、私も同意する。つまり、今回の読売社説は、私の意見に近いものだ。
読5> その場合、普天間飛行場の危険な現状が長期間、固定化されることも覚悟せざるを得ない。
この二択は沖縄県民,特に沖縄二紙には「究極の選択」じみているかも知れないが、上記読1> でこのニ拓を断じている読売に、私も同意する。つまり、今回の読売社説は、私の意見に近いものだ。
これが毎日になると大分ニュアンスが違って来る。
毎1> 普天間問題は今後、正念場を迎える。
毎2> 県内移設を目指す政府と県外移設を求める沖縄との溝を埋めるのは容易でないが、
毎3> 普天間飛行場が固定化され、周辺住民の危険性が存続するような事態は避けなければならない。
毎1> 普天間問題は今後、正念場を迎える。
毎2> 県内移設を目指す政府と県外移設を求める沖縄との溝を埋めるのは容易でないが、
毎3> 普天間飛行場が固定化され、周辺住民の危険性が存続するような事態は避けなければならない。
毎4> この重要な時期に、沖縄の不信を増大させる行為は許されない。評価書の年内提出を見送るべきだ。
毎5> 野田政権が取り組まなければならないのは、まず沖縄の信頼を取り戻すことである。
毎6> グアム移転を軌道に乗せると同時に、評価書の提出を再考し、沖縄の同意を得て普天間移設を進める姿勢を示すことだ。
「ニュアンスが異なる」第一の点は、上記毎3>の様に「普天間基地の固定化=継続使用」を「避けなければならない」と断じている点である。上記読5>との対比は明らかだ。
無論、最大の相違は「今後の方針」だ。上記読1>~読5>のように明確な二つの選択肢を示し、決断を迫る読売に対し、毎日は上記毎5>「沖縄の信頼を取り戻せ」として、上記毎4>普天間基地辺野古移設の環境評価書提出を見送れと言う。見送るのは上記毎4>「沖縄の不信を増大させる行為」だかららしい。
だが、毎日社説の〆上記毎6>にある通り、「グアム移設を軌道に乗せ」と同時に「沖縄の同意を得て普天間移設を進める姿勢を示す」事で「沖縄の信頼を取り戻せる」保証なんてものはどこにもないし、そもそも、普天間基地移設先が「辺野古ではない上、どこかもわからない」と言う時点で「グアム移設を軌道に乗せる」など出来る訳が無い。上掲報道記事にあるとおり「日本側の普天間移設が停滞していることが大きな理由となって」いるのならば、だが。
少なくとも上記毎6>「沖縄の同意を得て普天間移設を進める姿勢を示す」と上記毎2>「県内移設を目指す政府と県外移設を求める沖縄との溝を埋めるのは容易でない」との間にある矛盾を解決するのに、上記毎5>「沖縄の信頼」で事足れりとする根拠を、毎日社説は明記すべきであろう。
無論、「そんな都合の良い物があるものか。」と、私なんぞは一方的に断じてしまうのだが。
それでも「沖縄の信頼を取り戻せ!と青春ドラマ的な綺麗事で「まとめて」いる毎日は、まだマシな方だと、東京社説は示している。
何しろ社説タイトルからして「グアム予算削除 辺野古見直しの好機だ」であり、上記(4)の事実も「グアム移設費用の全額カット」ではなく、普天間基地移設先見直しの好機だと主張する。注目すべきなのは、「グアム移設費用が全額カット」になったにも拘らず、普天間基地の継続利用と言う、一番安価で予算的には嬉しい案については殆ど省みようともせず、
東1> 世界一危険とされる飛行場を米海兵隊が使用し続ける最悪の事態は避けねばならない。
毎5> 野田政権が取り組まなければならないのは、まず沖縄の信頼を取り戻すことである。
毎6> グアム移転を軌道に乗せると同時に、評価書の提出を再考し、沖縄の同意を得て普天間移設を進める姿勢を示すことだ。
「ニュアンスが異なる」第一の点は、上記毎3>の様に「普天間基地の固定化=継続使用」を「避けなければならない」と断じている点である。上記読5>との対比は明らかだ。
無論、最大の相違は「今後の方針」だ。上記読1>~読5>のように明確な二つの選択肢を示し、決断を迫る読売に対し、毎日は上記毎5>「沖縄の信頼を取り戻せ」として、上記毎4>普天間基地辺野古移設の環境評価書提出を見送れと言う。見送るのは上記毎4>「沖縄の不信を増大させる行為」だかららしい。
だが、毎日社説の〆上記毎6>にある通り、「グアム移設を軌道に乗せ」と同時に「沖縄の同意を得て普天間移設を進める姿勢を示す」事で「沖縄の信頼を取り戻せる」保証なんてものはどこにもないし、そもそも、普天間基地移設先が「辺野古ではない上、どこかもわからない」と言う時点で「グアム移設を軌道に乗せる」など出来る訳が無い。上掲報道記事にあるとおり「日本側の普天間移設が停滞していることが大きな理由となって」いるのならば、だが。
少なくとも上記毎6>「沖縄の同意を得て普天間移設を進める姿勢を示す」と上記毎2>「県内移設を目指す政府と県外移設を求める沖縄との溝を埋めるのは容易でない」との間にある矛盾を解決するのに、上記毎5>「沖縄の信頼」で事足れりとする根拠を、毎日社説は明記すべきであろう。
無論、「そんな都合の良い物があるものか。」と、私なんぞは一方的に断じてしまうのだが。
それでも「沖縄の信頼を取り戻せ!と青春ドラマ的な綺麗事で「まとめて」いる毎日は、まだマシな方だと、東京社説は示している。
何しろ社説タイトルからして「グアム予算削除 辺野古見直しの好機だ」であり、上記(4)の事実も「グアム移設費用の全額カット」ではなく、普天間基地移設先見直しの好機だと主張する。注目すべきなのは、「グアム移設費用が全額カット」になったにも拘らず、普天間基地の継続利用と言う、一番安価で予算的には嬉しい案については殆ど省みようともせず、
東1> 世界一危険とされる飛行場を米海兵隊が使用し続ける最悪の事態は避けねばならない。
と、「避け」さえすれば「避けられる」事が自明であるらしい。全く、原理主義者につける薬は無いな。
そのくせその「普天間基地継続利用を避ける方法」と来た日には・・・
東2> そのためにも、辺野古への移設を早々に断念して、現行計画全体の見直しにできる限り早く着手する必要がある。
・・・それって、ルーピー鳩が一昨年夏の衆院選挙以前からその首相就任期間を通じて言い続けていた「ゼロベースでの検討」と、一体何がどう違うと言うのだぁ?
東2> そのためにも、辺野古への移設を早々に断念して、現行計画全体の見直しにできる限り早く着手する必要がある。
・・・それって、ルーピー鳩が一昨年夏の衆院選挙以前からその首相就任期間を通じて言い続けていた「ゼロベースでの検討」と、一体何がどう違うと言うのだぁ?
上記東2> 「現行計画全体の見直しにできる限り早く着手する必要がある。」と言うが、凡そ「最低でも県外」と「民主党党首の(勝手な口)約束」を掲げてから「(昨年)5月までに決着」と吹聴した法螺が敗れて首相退任( 但し議員は「辞める」と言ったが、いまだに辞めない。「辞める」と言った事を覚えているだけマシ )にいたる凡そ一年間かけて、政府案どころか民主党案一つまともに出なかったのは、全て当時の民主党と党首にして日本国首相でもあったルーピー鳩個人の性であって、民主党の政治的指導力の性でもなければ「官僚の抵抗」の性でもないから、今度こそ「誰もが納得する(腹?)案」が出来ると、一体何を根拠に信じられるのやら。当のルーピーぐらいだ(※4)ろうと思っていたのだが、東京新聞もルーピーのお仲間らしい。確かに、気は合いそうだが。
挙句の果てが、以下のパラグラフで東京社説は〆るのである。
東3> かつて米国防次官補として普天間返還問題に関わったジョセフ・ナイ氏は、海兵隊の豪州配備を「賢明な選択だ」と指摘し、
東4> マイク・モチヅキ米ジョージ・ワシントン大教授らは在沖縄米海兵隊の米本土移転を主張している。
東5> これらに共通するのは、沖縄に基地を新設するのは県民感情から難しいということ、
東6> 海兵隊は沖縄に常駐する必然性はないということだ。
東7> 海兵隊の沖縄駐留が抑止力になるという論法はもはや説得力を失っている。
挙句の果てが、以下のパラグラフで東京社説は〆るのである。
東3> かつて米国防次官補として普天間返還問題に関わったジョセフ・ナイ氏は、海兵隊の豪州配備を「賢明な選択だ」と指摘し、
東4> マイク・モチヅキ米ジョージ・ワシントン大教授らは在沖縄米海兵隊の米本土移転を主張している。
東5> これらに共通するのは、沖縄に基地を新設するのは県民感情から難しいということ、
東6> 海兵隊は沖縄に常駐する必然性はないということだ。
東7> 海兵隊の沖縄駐留が抑止力になるという論法はもはや説得力を失っている。
東8> 沖縄県民の米軍基地負担を抜本的に軽減するためには、そろそろ「抑止力論の呪縛」から離れた議論が必要ではないか。
・・・なんとも早、ルーピーとは馬が合いそうな事だ。
上記東3> で言う「豪州」は、ソリャ沖縄県外どころか国外ではあろうが、米軍にして見れば対中最前線の前進であろうが。上記東4>は逆に本国への撤兵と言うことになるが、その両者を並べて上記東6>「海兵隊は沖縄に常駐する必然性はないということだ。」と、括ってしまえる安全保障感覚(※5)は、驚異的としか言いようが無い。海兵隊が抑止力と学んだり、抑止力が方便になったりするルーピーと、なんとなくあい通じるものがあろう。
で、その脅威的な安全保障感覚を以って上記7>「海兵隊の沖縄駐留が抑止力になるという論法はもはや説得力を失っている。」と断じてしまうのだから堪らない。
挙句の果てが上記東8> 「そろそろ「抑止力論の呪縛」から離れた議論が必要ではないか。」・・・・沖縄駐留の米海兵隊の配置と言う、安全保障上の大問題を、「抑止力論」抜きで議論するとは、神業でなければ、狂気の沙汰だろう。
無論、これらの東京新聞社説評は、私の評価であり、私の判断基準に従っており、客観的でもなければ、中立的でもない。そうであろうという努力すらもしていない。つまりはギンギンに「私」と言うフィルターも入っていれば、バイアスもかかっている。だが、その一方で、例に拠って例の如しの沖縄タイムス社説(※6)に眼を通す位の「バランス感覚」も有している心算だ。
で、如何であろうか。
「沖縄駐留米軍のグアム移設費用を全額カットした米議会」と言うニュースを受けての読売、毎日、東京各紙の社説は。
私の評価は、恒例の数式化するまでも無く、読売の圧勝、なのであるが。
で、その脅威的な安全保障感覚を以って上記7>「海兵隊の沖縄駐留が抑止力になるという論法はもはや説得力を失っている。」と断じてしまうのだから堪らない。
挙句の果てが上記東8> 「そろそろ「抑止力論の呪縛」から離れた議論が必要ではないか。」・・・・沖縄駐留の米海兵隊の配置と言う、安全保障上の大問題を、「抑止力論」抜きで議論するとは、神業でなければ、狂気の沙汰だろう。
無論、これらの東京新聞社説評は、私の評価であり、私の判断基準に従っており、客観的でもなければ、中立的でもない。そうであろうという努力すらもしていない。つまりはギンギンに「私」と言うフィルターも入っていれば、バイアスもかかっている。だが、その一方で、例に拠って例の如しの沖縄タイムス社説(※6)に眼を通す位の「バランス感覚」も有している心算だ。
で、如何であろうか。
「沖縄駐留米軍のグアム移設費用を全額カットした米議会」と言うニュースを受けての読売、毎日、東京各紙の社説は。
私の評価は、恒例の数式化するまでも無く、読売の圧勝、なのであるが。
<注釈>
(※1) 再三指摘するとおり、「沖縄駐留米軍はグアム移転させたいのが米国の本音だ」説が真実ならば普天間基地移設は元々問題化しない筈であるし、グアム移設費用を全額削除もしなかったろう。(※2) 否、今でも、かも知れないが。 最早、呆れ果てて言葉もない男、ルーピー鳩―普天間基地移設「辺野古以外探す努力を」・・・(絶句) http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36394700.html(※3) ああ、ルーピーなら判らない。奴は理屈も通じなければ、記憶もないようだからな。正しく「話しの通じぬイカレ」よ。・・・そうか、「廃棄物」だったのか、ルーピーは。(※4) 最早、呆れ果てて言葉もない男、ルーピー鳩―普天間基地移設「辺野古以外探す努力を」・・・(絶句) http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36394700.html(※5) 部隊が前進しているか後退しているかもわからないような「方向感覚」では、「驚異的な安全保障感覚」としか言いようがあるまい。(※6) [グアム移転費削除]日米政府は決断の時だ http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-12-14_27272/