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 どうも沖縄二紙は、『沖縄の米軍基地が減るならば、悪魔とだって取引する』と考えているか、『中国様の日本占領万歳!』と考えているか、どちらかだろう。まあ、悪魔ならば、中国と確かに良い勝負であるが

米海兵隊の豪州駐留と言う動きを、そのまま『沖縄からの米軍撤兵』に結びつけ、米中対立と言う「国際情勢の変化」も「沖縄の米軍基地削減」としか考えない琉球新報社説については先行して記事にしたが、沖縄タイムスも負けては居ない。

先ずは問題の沖縄タイムス記事を、御一読いただこうか。
 
転載開始=========================================

沖縄タイムス社説 [米海兵隊の豪駐留]基地の削減につなげよ

  http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-11-18_26161/
 2011年11月18日 08時58分 Tweet
 米豪両政府が、米海兵隊をオーストラリア北部に駐留させることで合意した。来年半ばをめどに200~250人の海兵隊員を配置し、将来的には2500人規模まで拡大する。新たな基地は建設せず、オーストラリアの軍事基地を利用するという。
 太平洋地域で沖縄以外に米海兵隊の拠点が造られることになるが、ローズ米大統領副補佐官は「日本や他の北東アジアの米軍(の役割)に取って代わるものではない」と説明。日本の玄葉光一郎外相も「わが国における米軍再編に影響を及ぼすものではないと米政府から説明を受けている」と言う。在沖米海兵隊の再編との関連性をことさら否定しているが、果たしてそうだろうか。
 米海兵隊のオーストラリアへの駐留は、2500人規模の海兵隊が新たな基地がなくても移転できることを示した。米軍普天間飛行場を県内に移設して新たな基地を造らなくても、海兵隊は移転できるということだ。米軍再編で普天間飛行場の移設とパッケージとされてきた海兵隊のグアム移転や、嘉手納基地以南の基地返還などの論拠も、疑わしくなる。
 そもそも海兵隊の辺野古移設については、米議会内にも疑問視する声が根強くある。
 日本政府がなすべきことは、オーストラリアへの海兵隊駐留と在沖米海兵隊再編との関連性を詳細に分析し、沖縄の基地負担軽減に向け米政府と協議を進めることだ。
 日米ともに財政事情は厳しい。相次ぐ増税計画と辺野古移設は財政的に両立できない。
 米政府は、オーストラリアに海兵隊を展開することで、南シナ海での権益拡大に向け活動を活発化させている中国をけん制する狙いがあるとされる。「米国はアジア太平洋地域に居続ける」(オバマ米大統領)というメッセージを中国に示し、米国の明確なプレゼンスを誇示するというものだ。
 確かに、南シナ海でベトナムやフィリピンなど周辺国と摩擦を繰り返す中国の活動は太平洋地域に緊張を生み、不安定要素となりかねない。中国は軍備の透明性を高め、周辺国を刺激するような活動を自制すべきだ。
 ただ、軍事力による中国包囲網の形成は、この地域の軍拡を招く恐れがあり、地域の安定につながるとは思えない。実際、中国は米海兵隊のオーストラリア駐留について事実上反対の姿勢を表明している。多国間の安全保障協議に向け、早急に話し合いの環境をつくるべきだ。
 米海兵隊のオーストラリア駐留は、太平洋地域の情勢が大きく変化していることを如実に示している。同地域内に位置する在沖米軍基地についても、変化に即して見直すべきだが、日米両政府は米軍普天間飛行場の県内移設に固執している。
 県知事と名護市長、それに県議会が一致して辺野古移設に反対している状況で、ハードルは極めて高い。ならば、今こそ大胆に発想を転換し、新たな問題解決の道を探るべきではないか。
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沖縄から米軍基地がなくなりさえすれば良いと思ってやがる

 さて、如何なものであろうか。
 
私の所感は先述の通り。「沖縄二紙は、『沖縄の米軍基地が減るならば、悪魔とだって取引する』と考えているか、『中国様の日本占領万歳!』と考えている。」である。突き詰めれば章題にした通り。

実際のところ、米海兵隊の豪州駐留が「大きな変化の始まり」と言うのは私も同意する。それは、米中対立の先鋭化であり、新たな冷戦開始のゴンである。
 それが「沖縄の米軍基地削減」ないし「沖縄からの米軍撤兵」に結びつく可能性があることは、私も認めざるを得ない。それこそ正に、沖縄二紙が望むところなのではあろうが、それは日本にとっては恐るべき悪夢なのである。何故ならば、沖縄二紙が社説にも取り上げた米海兵隊の豪州駐留と将来的に更なる増強の可能性は、米中対立の先鋭化と同時に、中国からの弾道ミサイル攻撃に対する分散配備を意味する。これに沖縄駐留基地の削減が加わるという事は、中国の対艦弾道ミサイルに象徴される「接近阻止戦略」の成功と、米国の第一列島線放棄を示唆する。その意味するところは、日本が中国に対し米国の支援を指してあてに出来ずに対峙する事である。大軍の渡洋は歴史上尽く拒否してきた日本海を挟んでとは言え、世界一の頭数を誇る人民解放軍と、大陸間弾道弾から潜水艦発射弾道弾、先述弾道弾まで何でもござれで、勿論核弾頭も腐るほど持っている中国との直接且つ単独に近い対峙は、我が国にとって大東亜戦争(太平洋戦争)以来最大の安全保障上の危機であり、正に悪夢であろう。
 
さらに言うならば、米国に第一列島線放棄の意図がなかったとしても、沖縄駐留基地の削減はその意図と「誤解」されかねないし、さらには日本列島放棄さえ「誤解」されかねない。そうなった時に、中国が、特に最近経済的にとみに怪しくなって来た中国が、対日侵略及び占領と言う大博打に出る可能性は看過し難い。それ即ち、日中開戦である。
 
即ち、豪州の米軍配置に端的に現れるとおり、米中友関係が風雲急を告げる、と言ったら言い過ぎにせよ、緊張感を増す現状に於いて、我が国から米軍が削減されるならば、我が国はその米軍削減量を上回る独自軍=自衛隊増強を含む抑止力増加に努めなければ、日中戦争の機器が高まる事になる。
その抑止力は、必ずしも軍事力ばかりではないが、独自核武装ないしドイツ張り(*1)の「核シェアリング=米軍核兵器のレンタル」をも当然検討すべきである。
 
であると言うのに・・・当該沖縄タイムス社説の主旨は、最後の3パラグラフに凝集されよう。

1>  ただ、軍事力による中国包囲網の形成は、この地域の軍拡を招く恐れがあり、地域の安定につながるとは思えない。
2> 実際、中国は米海兵隊のオーストラリア駐留について事実上反対の姿勢を表明している。
3> 多国間の安全保障協議に向け、早急に話し合いの環境をつくるべきだ。
4>  米海兵隊のオーストラリア駐留は、太平洋地域の情勢が大きく変化していることを如実に示している。
5> 同地域内に位置する在沖米軍基地についても、変化に即して見直すべきだが、
6> 日米両政府は米軍普天間飛行場の県内移設に固執している。
7>  県知事と名護市長、それに県議会が一致して辺野古移設に反対している状況で、ハードルは極めて高い。
8> ならば、今こそ大胆に発想を転換し、新たな問題解決の道を探るべきではないか。
 
 全く、呆れる他無い。
 
そりゃま、沖縄タイムスは沖縄のローカル紙だ。上記7>~8>沖縄県民の民意が、日米両政府は目に入らぬのかぁあぁぁぁぁ!と言う「主張」ないしシュプレヒコールは、記事にもし易ければ、相応に売れもするだろう。だが、米軍の豪州駐留が正しく上記1>で言う「軍事力による中国包囲網の形成」の一環であり、その事を認識しつつ上記1>~3>で軍事的包囲網より「話し合い」による解決を訴え。そのくせ、米軍の駐留を上記4>~6>では「太平洋地域の情勢が大きく変化」として普天間基地の「県外移設」への期待を込めている。その自己矛盾に何故気がつかないのか全く不思議な精神構造であり、実に興味深い。
 
重複になろうが、此処で私が沖縄タイムスをして「不思議な精神構造」と馬頭に近い表現をしているのは、沖縄タイムスが私と全く意見を異にしているからではない。それは結果としてそうなっているが、「不思議な精神構造」と評するのは、其処へいたるプロセスだ。

(1) 米中関係が緊張し、対中包囲網の一環として米軍の豪州駐留が決まった。これは「大きな変化」だ。(上記4>~5>)

(2) 此の「大きな変化」は米軍のアジア地域における再配備となる可能性がある。(上記4>~8>)

(3)A 上記(2)は沖縄普天間基地の県外移設につながるかも知れない。つなぐべきだ。(上記7>~8>)

(3)B 上記(1)の米中関係緊張化は、軍事的にではなく話し合いで解決されるべきだ。(上記1>~3>)
 
私の言う「不思議な精神構造」とは、上記(3)Aと(3)Bの矛盾を、矛盾と感じない事による。
 くどい様だが解説を加えれば、上記(3)Bの沖縄タイムス社説主張の通り「話し合いで米中関係緊張化が回避」出来るのならば、上記(1)で言う「大きな変化」は起こらないのだから、上記(3)B「普天間基地の県外移設」も起こらないのが道理だろう。
 逆に上記(3)A「普天間基地の県外移設」、上記(1)米中関係の緊張化と言う「大きな変化」があるからこそ起こり得る。沖縄タイムス社説も沿う主張しており、その可能性は私でさえ否定し難いところである。であると言うのに・・・上記(3)B
 
 「我が敵」小沢一郎は、「日米安保があるから日本の核武装は無意味だ。(*2)」と言いながら「米軍撤兵の空白は自衛隊増強で埋めれば良い。」と一見正論めいた自説をぶち上げているようだが(*3)、所詮は民主党の(元?)黒幕にして自称「人民解放軍野戦司令官」。沖縄二紙とは良い勝負だろう。
 

<注釈>

 
(*2) 彼奴は、北大西洋条約機構があっても西ドイツが核攻撃能力を保有していた事を知らないか、知らないふりをしている。